「本読みから、熱量がバシバシと」、『クラウディア』、小栗基裕・平間壮一（上）

岸谷五朗さん・寺脇康文さんが主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」のプロデュースによる音楽劇『クラウディア』が、2022年7月4日（月）から7月24日（日）まで東京建物 Brillia HALLで、2022年7月29日（金）から7月31日（日）まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演されます。アイデアニュースでは、毘子蔵（ヒコゾウ）を演じる小栗基裕さんと（廣瀬友祐さんとダブルキャスト）、龍の子を演じる平間壮一さんにインタビューをしました（新原泰佑さんとダブルキャスト）。上、下に分けてお届けします。

上では、お稽古で感じるカンパニーの熱量、本読みの緊張感、岸谷さんの演出のことなどについて話してくださった内容を紹介します。下では、作品の魅力だと感じるところ、作品のテーマについて思うこと、時勢を踏まえながら今それぞれに感じていることなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。

（※このインタビューは5月に実施したものです）

ーーお稽古はどのような状況ですか？

小栗：まだはじまったばかりなのですが、殺陣など、体を動かすことがたくさんあります。ウォーミングアップで、みんなと体操をしたり、マット運動をしたり。もともと体を動かす方が気持ちは楽なので、そこはとても楽しく取り組めていますが、本読みや歌稽古になると、緊張しています。

平間：小栗さんを見ていて、すごく勉強になるなと思うのが、僕は地球ゴージャスの空気が分かっているから合わせにいくお芝居をやってしまうんです。

ーー「ゴージャスっぽくしてしまう」ということですか？

平間：そうです。でも、本を読んだままの小栗さんのピュアで、自分から出てくるものを演じているところを見ると、「これでいいんだ」と勉強になりました。

小栗：へぇ〜。そうなの。

平間：小栗さんの良さがめちゃくちゃ詰まっていました。嫌味がないというか。声の柔らかさや雰囲気など、小栗さんが持っているものがあるので、どんな状況でも、例えばツッコミで強めな言葉を言ったとしても、愛されるキャラクターになります。そこがいいなと思いました。

小栗：「舞台ならではの居方」がきっとあるじゃないですか。そうでないとパワーも後ろの席まで伝わらないですし、そういう熱量をみんな本読みのときからバシバシ持っているんです。「ただお芝居するだけではない」と、圧倒されたところもありました。きちんとお芝居しているなと思ったので、焦りもありましたし、すごく頑張らないとという思いもありました。でも、壮ちゃんにそう言ってもらえると、より頑張ろうと思えて嬉しいです。

平間：一緒にならなくて大丈夫です。絶対に（笑）。

ーー豪華な俳優陣が勢揃いで、地球ゴージャスという色もあるカンパニー。そんな中でこの作品に向き合うにあたり、どのようなことを感じていますか？

平間：とにかく「超熱い現場だな」と思っています。勢いといいますか、中河内（雅貴）さんも「本読みから150%で」と仰っていて、カンパニー全体もそんな熱量があります。五朗さんも、そういうタイプが好きだから巻き込まれるんですが、僕はどちらかというと、内側に熱量を持っているタイプなんです。

小栗：意外。

平間：気持ちはそうなんですが、「よし100本！」みたいな人ではないので、ついていくことを頑張ろうと。

小栗：俺の壮ちゃんのイメージは「150%をやっています」という空気が出ていなくても、勝手に150%出ているみたいな。

平間：嬉しいです。

小栗：一言一言にすごくエネルギーがあるなと感じます。殺陣のときも、無駄な力が入っていなくて、「絶対にこの人強いだろうな」というオーラが出ています。僕は、自分の中で150%を出そうとすると、気持ちは200%位でやって、やっと外には150%が出ているのかなと思う感覚ですが、壮ちゃんは 150%なら150%で、無駄なくやっている気がしてる。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、本読みの緊張感、岸谷さんの演出のことなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。3日掲載予定のインタビュー「下」では、作品の魅力だと感じるところ、作品のテーマについて思うこと、時勢を踏まえながら今それぞれに感じていることなどについて伺った内容やお客さまへのメッセージなど、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞（有料会員限定部分はこのページの下に出てきます）

■小栗：歌うことは好きだけど、人前で歌うとこんなにドキドキするものなのかと

■小栗：本読みで、自分で準備していたのと全然違うことを聞かれて、やばい！と（笑）

■平間：五朗さんは舞台のイメージが明確で、やっている側の気持ちを分かってくださる

■平間：五朗さんの質問攻めを見て、焦った泰佑が「これで合っていますよね？」と

＜Daiwa House Special音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス＞
【東京公演】2022年 7月4日（月）～24日（日）東京建物 Brillia HALL
【大阪公演】2022年 7月29日（金）～31日（日）森ノ宮ピロティホール
公式サイト
https://www.claudia2022.com

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※ここから有料会員限定部分です。

■小栗：歌うことは好きだけど、人前で歌うとこんなにドキドキするものなのかと

平間：でも、本読みはめちゃくちゃ緊張しましたよね。俺もとても緊張していたんです。

小栗：それが見えないんだね。

平間：体の中が震えるくらい緊張していました。

小栗：みんなそうなんだ。もっとみんな緊張を出してほしいです（笑）。僕は、歌うことは好きなんですが、人前で歌うことがこんなにもドキドキするものなのかと思いました。製作発表のときも、緊張を通り越して変なテンションになってしまいました（笑）。でも、どんどん進んでいくしかないんだなと思います。

■小栗：本読みで、自分で準備していたのと全然違うことを聞かれて、やばい！と（笑）

ーー小栗さんは、ダンスからスタートして、次に芝居、歌と広げていらっしゃって、そういう意味では平間さんと同様の道筋を辿っていらっしゃるかと思います。平間さんを初めて取材させていただいたのは、柚希礼音さん主演の『バイオハザード～ヴォイス・オブ・ガイア～』でした。

平間：そうでしたね！

小栗：ああ、観に行った！

ーーアンサンブルからメインキャストになられた過程の想いや、ダンスだけではなく、岸谷さんに引き上げてもらった芝居に対しての想いなどをお伺いした記憶がありますが、今、稽古場の様子をご覧になっていて、どんなことを感じますか？

平間：五朗さんが、本読みの一言一言に対して、「このシーンはこうで」とか「どういう感情？」とみんなに質問されていると、全部自分に聞かれているかのように、背筋がぴんとしちゃうんです。同じことを言われてきたので。

ーー例えば、どのようなことですか？

平間：感情について、一言一言突っ込んでこられるんです。「今のここはどういう感じで読んだ？」とか。「役者によって感じ方が違うから、人によって違って面白いね」という含みが少し怖かったりだとか（笑）。

小栗：試されているような気持ちになります（笑）。

平間：別に合っている、間違っているということはないのに、「正解を言わなければ」という気持ちになりますね。だから家に帰って考えようとなるので、改めて自分も気を抜かずに全部やらないといけないなと思わされます。

ーー小栗さんは今、深く頷きながら、平間さんの話を聞いていらっしゃいましたね。

小栗：本当にそうなんですよ。頭から本読みをしていて、一つ一つキャラクターについて質問がなされて、自分の番になったときにはこういうことを言おうと思っていたら、全然違うことを聞かれて、やばい！みたいな（笑）。自分の中でビジョンが明確であれば、どんな質問をされても答えられるはずなんだろうなと思います。それくらい、自分の中できちんと理解を深めておかないといけないのでしょうし、自分が思ったことを発信しても、否定せずに受け止めてくださるので、すごくやりがいがあるなと感じました。

■平間：五朗さんは舞台のイメージが明確で、やっている側の気持ちを分かってくださる

ーーそれは、岸谷さんならではのことなのでしょうか。

平間：五朗さんは舞台のイメージが明確ですし、やっている側の気持ちを分かってくださるので、「ゴージャスはこれだから好きなんだよな」と思います。

ーーちなみに、今の岸谷さんの質問がダンスに対しての質問だったら、明確に答えられますか？

小栗：ダンスに対しての質問が、どんなものになるか想像つかないです（笑）。

ーー例えば、「今の○○は」と岸谷さんがおっしゃるのは、台詞に対してですよね。それがダンスだった場合はどうなりそうですか。

小栗：よくも悪くも上手に答えられてしまいそうですね（笑）。お芝居の方がごまかす余裕がなく、吐き出すので。でも、ダンスだと多分自分の中でどこか余裕があって、上手に答えちゃいそうで嫌ですね。今、答えている自分を想像して、嫌だなと思いました（笑）。

■平間：五朗さんの質問攻めを見て、焦った泰佑が「これで合っていますよね？」と

ーー大人な答えを返してしまうわけですね（笑）。

小栗：知ったような言い方をしそうです（笑）。

平間：俺は、ダンスだったら答えられないです。「楽しく踊ってます」とか言っちゃいそう。読み合わせの時、五朗さんが頭から質問攻めにされるので、ダブルキャストの（新原）泰佑がめちゃくちゃ焦って、本を先読みして隣で考えているのが見えたんです。「これで合っていますよね？」と聞いてくるから、「考えるのも偉いけれど、別に分からないなら分かりません、考えてないなら考えていませんでも怒られないから大丈夫だよ」と伝えました。シンプルに、嘘なく。でもやはり「怒られたくない」という思いで、今一生懸命やらなくちゃとなるんですよね。泰佑に、「読んだ感じの素直な気持ちでいいんじゃない？」と言ったら、「でも怖いんで、考えます」って（笑）。

小栗：怖いよね（笑）。

平間：でも今は、五朗さんは全然怒らない。

ーー「今は」といいますと？

平間：昔は「それを考えなきゃダメだろ」みたいな圧がすごかったですね。

ーー岸谷さんご自身も、年月を重ねて変化があるわけですね。

平間：そうですね。

小栗：まだ始まったばかりだから、優しいのもあるかもしれないね。

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