2022年8月27日(土)に東京で開幕するミュージカル『DOROTHY〜オズの魔法使い〜』でドロシーを演じる、桜井玲香さんのインタビュー後編です。「下」の無料部分では、作品の中で描かれているドロシーのこと、キービジュアルのことなどについて話してくださった内容とお客さまへのメッセージを、有料部分では、『レベッカ』と『ダンス オブ ヴァンパイア』で共演した大塚千弘さんにお世話になったというお話、ミュージカルで歌うときに気をつけていること、初めてミュージカルをご覧になるかもしれないファンの方への想い、ミュージカルへの想いなどについて伺った内容を紹介します。(※8月20日から26日までの公演中止が8月16日に発表されました。)
――現代版のドロシーは、作品の中でどのように描かれていますか?
オズの国は「音楽の国、魔法の国」なので、はちゃめちゃなことが起きたり、何でもありみたいなところがある世界です。そこに突然入ったドロシーの戸惑いが、割としっかり描かれていると感じます。お客様がご覧になりながら持つであろう疑問や感情を、ドロシーとしてそのまま舞台上で投影できたらいいなと思います。
――この作品のキービジュアルにも、すごく反響があったかと思いますが、いかがですか。
正直まだちょっと恥ずかしさが拭えないです。「お下げかぁ……さすがにちょっと厳しいな」と思ってしまいました。「そんなことないよ」と周りに言わせています(笑)。
――ビジュアル撮影の時の裏話があれば、教えてください。
「ドロシーといえば」の赤毛のお下げとそばかすは、マストで表現したいと思っていたのですが、衣装の雰囲気は、一般的なイメージとはだいぶ違っています。ドロシーは、水色のワンピースを着ている印象が強い方も多いかもしれません。今回は、あえて赤と黒というシックな雰囲気でいきたいというお話がありました。ポイントとしては、「“大人な”オズの魔法使い」にしたいということでしたので、今までとは違う仕上がりになるだろうと感じています。
――座長として、心がけていることはありますか?
私よりもずっと先輩で素晴らしい方がたくさんいらっしゃるので、まず技術面では素直に甘えようと思います。今回、結構体力勝負のところがある作品なので、この猛暑の中、みんなで体調管理もしっかりしつつ、苦しい時こそ笑顔でいられるようなカンパニー作り、空間作りを座長としては意識したいと思います。
――体力勝負ということは、動きが大きいシーンも多いですか?
2、3時間で収まりきらないほどのストーリーが詰め込まれているので、スピード感がすごいです。次から次へといろんなことが起きていって、それについていける体力。あとは、皆さん、かなりいろんなことをされるんです。歌とお芝居、踊りはもちろんですが人の力でいろんなものを表現している場面があり、いろんなものに化けたり、体で表現していたりするので、舞台上を端から端まで動き回ることになります。
――「舞台を観に劇場に行く」ということそのものが、お客様にとって、貴重な体験になっているのではと思います。桜井さんご自身が「舞台を観に来てほしい」と思うポイントはどこですか?
今回の作品で言うと、とにかく曲が素晴らしいんです。テレビなどを通して聴くだけでもその素晴らしさは伝わるのですが、劇場という空間のきちんとした音響で聴くと、世界観がより広がる楽曲がすごく多いのではないかと思います。ぜひ、劇場で体験していただけたら嬉しいです。
――ミュージカルをたくさん観ていらっしゃるお客様に、『DOROTHY〜オズの魔法使い〜』に来ていただきたいと思われるポイントやメッセージがあれば、教えていただけますか?
『オズの魔法使い』は、誕生して100年以上経っていて、今もなお愛され続けているストーリーです。そこに宮川さんの完全オリジナルの楽曲が散りばめられているので、無敵感のある、魅力が詰まった作品になっていると思います。
皆さんが知っている『オズの魔法使い』でありながら、冒険するのは現代の女の子なので、同じ物語でも、視点やアプローチが変わっています。もしかしたら、子供の頃に知っていた方が、大人になってから観て、改めて気付くこともたくさんあるでしょうし、ちょうど夏休みの時期ですから、お子さんが観に来られても、視覚的にもとても面白い演出がたくさん散りばめられていると思います。幅広い方に観ていただけたら嬉しいです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、『レベッカ』と『ダンス オブ ヴァンパイア』で共演した大塚千弘さんにお世話になったというお話、ミュージカルで歌うときに気をつけていること、初めてミュージカルをご覧になるかもしれないファンの方への想い、ミュージカルへの想いなどについて伺った、インタビュー後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■大塚千弘さんが、「一度重心を下に落として」など毎公演でアドバイス下さった
■役で歌う時は、音域やテンポ感、メロディーでキャラクターができあがっていく
■アップテンポな序盤の曲。今は「遅い!遅い!遅い!」と言われながら歌っている
■ミュージカルに触れたことのない方に、どうすれば来ていただけるのかが私の課題
<ミュージカル『DOROTHY(ドロシー)〜オズの魔法使い〜』>
【東京公演】2022年8月27日(土)〜8月28日(日) 日本青年館ホール
【静岡公演】2022年9月3日(土) 静岡市清水文化会館マリナート
【愛知公演】2022年9月10日(土)~9月11日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
【広島公演】2022年9月13日(火) 広島文化学園HBGホール
【兵庫公演】2022年9月16日(金)〜9月19日(月・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【福井公演】2022年9月21日(水) フェニックス・プラザ
【富山公演】2022年9月23日(金・祝) オーバード・ホール
【鹿児島公演】2022年9月28日(水) 川商ホール・第1(鹿児島市民文化ホール)
【福岡公演】2022年10月1日(土) ~10月2日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【群馬公演】2022年10月12日(水) 高崎芸術劇場 大劇場
公式サイト
https://www.ktv.jp/dorothy-musical/
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※桜井玲香さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員1名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは9月17日(土)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■大塚千弘さんが、「一度重心を下に落として」など毎公演でアドバイス下さった
――桜井さんは、たくさんの先輩方と共演されていますが、ご自身に影響を与えたり、印象に残る言葉をいただいた方はいらっしゃいますか?
『レベッカ』から『ダンス オブ ヴァンパイア』にかけて、大塚千弘さんにお世話になりました。『レベッカ』は、千弘さんと平野綾さんとのトリプルキャストでしたが、続けて『ダンス オブ ヴァンパイア』でもご一緒させていただきました。稽古中ももちろんですが、本番に入ってからも東京から地方まで、毎公演幕間に私の楽屋に来てくださって、裏で歌を聴いてくださったりという時間もありました。
「ここの曲がこうだったよ」とか「今日はちょっと声が上ずっているから、一度重心を下に落として」とか、毎回アドバイスをしてくださって、本当にお世話になって大好きです。
――ボイストレーナーの先生みたいですね。
何でこんなに世話を焼いてくださるんだろうというくらい、いろいろ教えていただきました。
――お願いしたり、相談したわけではないんですか?
私が相当弱音を吐いていたんでしょうね(笑)。『レベッカ』から見てくださっていたので、気にしてくださっていたんだと思います。
――桜井さんが心を開いていらっしゃらないと、皆さんなかなか手を差し伸べて来られることもないと思うんですが。
千弘さんは面倒見が良い方で、本当に姉御です。「ご飯食べたの!?」っていうところまで、心配してくださっていました。『ダンス オブ ヴァンパイア』の時はまだコロナではなかったので、よくご飯に連れて行ってもらいました。いつも金魚のフンのように(笑)。
――大切な人との出会いが増えていくのはいいですね。
本当に素敵な出会いをたくさんさせていただいているなと思います。
■役で歌う時は、音域やテンポ感、メロディーでキャラクターができあがっていく
――ミュージカルに出演となると、ミュージカルに必要なことを学ばれることもあるかと思いますが、具体的に変えたところや、意識していることはありますか?
音取りに気をつけています。どんどん後ろに後ろに、ゆったりもったり歌ってしまう癖が、ポップスの時からあるとよく言われています。あとは、自信を持って歌うことです。
――ミュージカルで役を演じて歌うことと、ポップスとして歌うことの違いなどは、いかがですか?
役の場合、自分が気にしていなくても、音域やテンポ感、メロディーでそのキャラクターができあがってるものが多いですし、心情もそのテンポ感で表現されていたりするので、自分で変えようとかは気にしていないかもしれません。
■アップテンポな序盤の曲。今は「遅い!遅い!遅い!」と言われながら歌っている
――今回の『DOROTHY〜オズの魔法使い〜』もそうですが、譜面に描かれていることを忠実に表現していくと、ミュージカルになっていく感じでしょうか?
先生方にも、そう言われます。「符号やテンポの指示は、最初にちゃんと全部確認しなさい。なぜ遅くなっているのか、台本と照らし合わせなさい。ちゃんと心情に沿って作られているから」と。
――すると、そのスコアが大変なこの作品は、とても大変ですね。
はい。訳が分からなくなります。
――いつもご自分で気にしていらっしゃるところを、さらに気をつけて表現することが必要な作品になりそうですか?
そうです。序盤の悩んでいる葛藤の曲は、早口なのかなというくらい、かなりアップテンポで、言葉数がきゅっと凝縮されている曲ですので、今は、「遅い! 遅い! 遅い!」と言われながら、ずっと歌っています。
――この作品をこなされたら、より経験値があがりそうですね。
それを期待して頑張ります。
■ミュージカルに触れたことのない方に、どうすれば来ていただけるのかが私の課題
――桜井さんがきっかけでミュージカルをご覧になる方も、多いと思います。桜井さんが感じているミュージカルの魅力やアピールポイントなどを伺えますか。
私のファンの中には、圧倒的に触れたことのない方が多いかと思いますので、いかに劇場に足を運んでいただけるかだと思っています。気にしてくださっていても、チケットを買って劇場に来るということが、そもそも現実味を帯びていらっしゃらない方もたくさんいらっしゃるでしょう。
まずは、どうすれば劇場に来ていただけるかということが、ひとつ私の課題だと思います。来ていただけたら、私以上にすごい方がたくさんいらっしゃるので、お客様は確実に引き込まれていきますから。自分が楽しんでやることが何よりも一番大事なのかなと思います。
――ミュージカルは、桜井さんのお仕事の中でも楽しいジャンルですか?
プレッシャーはいまだにありますが、やり甲斐は感じます。まずお芝居そのものに伝わるものや素晴らしいものがたくさんあり、音楽にはまた計り知れない大きな力があるものだと思います。それが合わさったミュージカルは最強だなと思います。これからも機会をいただける限り、携わり続けたいです。
※桜井玲香さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員1名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは9月17日(土)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
上に引き続きとてもボリュームのある記事をありがとうございます!大塚千弘さんと玲香ちゃんの姉妹感が当時から本当に大好きで、幕間も仲良しだったことを知ってとても興奮しました。写真の衣装もとても素敵で玲香ちゃんが自分で選んだのかと思うくらい、パールがとてもお似合いでした!ぜひブランドなども掲載していただきたいです!月額料金だけじゃもったいないくらいとても満足な内容でした。次の記事も楽しみにしています!