ミュージカル『DOROTHY〜オズの魔法使い〜』が、2022年8月27日(土)と8月28日(日)に東京・日本青年館ホールで、9月16日(金)から9月19日(月・祝)まで兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで、その他、静岡、愛知、広島、福井、富山、鹿児島、福岡、群馬で上演されます。誰もが知っているライマン・フランク・ボーム作の「オズの魔法使い」を原作とした、田尾下哲さんによる新たな世界観と、宮川彬良さんの書き下ろし音楽による大人のための新作ミュージカルです。(※8月20日から26日までの公演中止が8月16日に発表されました。)
アイデアニュースでは、ドロシーを演じる、桜井玲香さんにインタビューしました。上、下に分けてお届けします。「上」の無料部分では、ミュージカルで主演することへの想い、作品や台本の印象、宮川さんの楽曲のことなどについて話してくださった合同取材の内容を、有料部分では、演出の田尾下哲さん、宮川さんと作品をつくる中でお話されたこと、楽曲の難しさ、桜井さんとミュージカルとの出会い、『レベッカ』のことなどについて伺った独自取材の内容を紹介します。
「下」の無料部分では、作品の中で描かれているドロシーのこと、キービジュアルのことなどについて話してくださった内容とお客さまへのメッセージを、有料部分では、『レベッカ』と『ダンス オブ ヴァンパイア』で共演した大塚千弘さんにお世話になったというお話、ミュージカルで歌うときに気をつけていること、初めてミュージカルをご覧になるかもしれないファンの方への想い、ミュージカルへの想いなどについて伺った内容を紹介します。
――ミュージカル主演への意気込みや、本作への出演が決まった時の感想を教えてください。
今までにも、主演は何度か経験させていただいているのですが、ミュージカルで主演となると、個人的には「まだまだだな」と思うところは多いです。更に座長となると挑戦といいますか、「大丈夫かな」と考えたりもしましたが、こんなチャンスをいただけることはなかなかないので、気を引きしめてお受けすることにいたしました。
――ミュージカルで主演する際に、難しいと感じるのはどのあたりですか?
歌に課題が多く、引っ張るというよりは引っ張っていただく立場にいますので、別のお仕事とは、ちょっと立場が違うなと感じています。自分の中での問題です……。
――作品の印象については、いかがでしょうか。
まさか自分がドロシーを演じるとは、想像したこともありませんでした。新たな一面を引き出していただくきっかけになりそうです。
――原作である『オズの魔法使い』には、何か想いはありましたか?
「オーバー・ザ・レインボー」は知っていましたが、女の子とかかしとブリキとライオンが旅をして何かを見つけていくというような、ざっくりとしたストーリーしか知りませんでした。お話をいただいてから、原作を初めて読みました。
――台本をお読みになって、いかがでしたか。
物語の流れも大きなテーマも原作が軸になっていますが、その世界への導入部分は、現代の都会に住む人たちの生活がベースになっています。ドロシーは、原作ではかなり幼い少女ですが、この作品では、私とほぼ年齢が変わらない大学生くらいの年齢で、大人の女性という設定になっています。
現代社会で、今を生きる大人たちが「オズの魔法使い」の世界を体験したら、どのような視点で、どこに興味がわいて、どう感じながら物語が進んでいくのか、というような部分に作品の面白さがあると思います。きっと、同じテーマではあっても、原作とはまた全然違うイメージが生まれてくるはずなので、そこを大事にしていきたいです。
――音楽は、今回宮川彬良先生のオリジナルですよね。どのような楽曲がありますか?
20曲以上あり、通常のミュージカルより多いのではないかと思います。長尺の6〜7分の曲もあります。とにかく音楽がすごく印象に残ると思います。宮川さんは、ディズニーランド園内の曲も作っていらっしゃったりもしますが、最初に作品の楽曲を聴いた時も「魔法の国」という印象を持ちました。上手く説明できませんが、まるでテーマパークに来たかのようで、普段耳にするミュージカル曲とはちょっと違うように感じました。
魔法の国である「オズ」の世界観にもすごく合っていましたし、作品に奥行きを持たせてくれる音楽です。宮川さんは、「マツケンサンバ」も作曲されていますが、「このメロディー、宮川さん! 」というような「宮川さん色」が曲の端々に散りばめられていたりしますので、そんなところにも気付けると面白いかもしれません。
――音楽のジャンルも、多種多様な感じですか?
いろいろなジャンルが織り交ぜられています。1曲の中にも複数の色がある曲が多いです。いい意味で歌い手が振り回される曲ですが(笑)、作品が形になっていくにつれすごく面白く変化しています。
――桜井さんが歌われる中で、印象的な曲はありますか?
ドロシーは、自分がまとめているオーケストラ部の仲間とそりが合わなくて、うまく一体感が出せずとても悩んでいるんです。そのシーンで物語が始まり、ドロシー自身の葛藤を吐露する曲が登場します。彼女が悩んでいる心情が、いろんなテンポで表現されていて印象的なメロディです。正直、めちゃくちゃ難しいのです……。
でもこの作品そのものが、この曲からノンストップで続いていくようでもあります。物語が始まるきっかけ作りになっている曲でもあり、すごく印象に残ると思います。他にも、この曲と同じようなメロディーのリプレイがあったり、物語が進むにつれて、仲間が増えるシーンでは曲の重厚感が増したり、ひとりになった時にはすごく寂しいメロディーの曲調になったり、聞いていただければきっと面白いと思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、演出の田尾下哲さん、宮川さんと作品をつくる中でお話されたこと、楽曲の難しさ、桜井さんとミュージカルとの出会い、『レベッカ』のことなどについて伺った独自取材の内容など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。18日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、作品の中で描かれているドロシーのこと、キービジュアルのことなどについて話してくださった内容とお客さまへのメッセージを、有料部分では、『レベッカ』と『ダンス オブ ヴァンパイア』で共演した大塚千弘さんにお世話になったというお話、ミュージカルで歌うときに気をつけていること、初めてミュージカルをご覧になるかもしれないファンの方への想い、ミュージカルへの想いなどについて伺った内容など、インタビュー後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■宮川さんが「すごく大変だと思うから、頑張って!」と。キャストみんなで震えた
■テンポの変化がものすごく多く、一小節だけ変わることも。喋っているような楽曲
■ミュージカルには、『レベッカ』に出演するまでは、ほぼ触れたことがなかった
■『レベッカ』のオーディションは、「受からなくても、頑張れるところまで」と
<ミュージカル『DOROTHY(ドロシー)〜オズの魔法使い〜』>
【東京公演】2022年8月27日(土)〜8月28日(日) 日本青年館ホール
【静岡公演】2022年9月3日(土) 静岡市清水文化会館マリナート
【愛知公演】2022年9月10日(土)~9月11日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
【広島公演】2022年9月13日(火) 広島文化学園HBGホール
【兵庫公演】2022年9月16日(金)〜9月19日(月・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【福井公演】2022年9月21日(水) フェニックス・プラザ
【富山公演】2022年9月23日(金・祝) オーバード・ホール
【鹿児島公演】2022年9月28日(水) 川商ホール・第1(鹿児島市民文化ホール)
【福岡公演】2022年10月1日(土) ~10月2日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【群馬公演】2022年10月12日(水) 高崎芸術劇場 大劇場
公式サイト
https://www.ktv.jp/dorothy-musical/
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※桜井玲香さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員1名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは9月17日(土)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■宮川さんが「すごく大変だと思うから、頑張って!」と。キャストみんなで震えた
――先ほど宮川さんのお話が出ましたが、演出の田尾下哲さんや、宮川さんと、作品を作っていく中でどのようなお話をされていますか?
宮川さんには、顔合わせの時に、「あの曲を作ったのは僕なんだけどね、すごく大変だと思うから、これから頑張って!」という言葉を笑顔でいただいて、キャストみんなで震えました。でも、やり甲斐もありますし、改めて本当に素晴らしいので、妥協なく、ちゃんとこの楽曲たちを良いもの、良い作品に仕上げられるよう頑張ろうと思います。田尾下さんからは、「今回は完全にオリジナルなので、たくさん意見を出し合っていこう。何でも言って欲しい。何でも挑戦して欲しい。一緒に作っていきましょう」と言っていただいているので、気兼ねなく意見を言わせていただいています。田尾下さんご自身も、よりよくするよう変更に変更を重ねられていて、一緒に作っている段階です。
■テンポの変化がものすごく多く、一小節だけ変わることも。喋っているような楽曲
――宮川さんのおっしゃる「すごく大変だと思う」というのは、どのようなところでしょうか。
1曲がとても長いですし、台詞の入りなども含めて意外とシビアに決まっているものが多いところです。そして、テンポの変化も、とにかくものすごく多いので、そこがめちゃくちゃ難しいです。一小節だけテンポが変わって、また元に戻って、次の二小節でまた変わってなど、歌というよりも本当に喋っているような……。馴染むまで時間がかかる曲ばかりです。
――スコアが表現している要素がすごく多いんですね。
そうなんです。
■ミュージカルには、『レベッカ』に出演するまでは、ほぼ触れたことがなかった
――ミュージカルとは、最初どのような出会いをされましたか?
子どもの頃に初めて観た『アニー』だと思います。ミュージカルに出演させていただくまで、2、3作品くらいしか観たことがなくて、ほぼ触れてこない人生でした。
――そうすると、グランドミュージカルなどに出演されたタイミングは、『レベッカ』からかと思いますが、ミュージカルの世界に飛び込んでからいろんなことを知っていくという感じでしたか?
そうです。だから何も知らなくて、とても失礼なことですが、山口祐一郎さんのことも存じ上げていなかったくらい、本当に無知でした。今思えば何も知らなかったからこそ、恐怖心を抱かずにやり切れたのだなと思います。
――出会うもの全てが新鮮ですよね。
何が何だかわからなかったです。今思えば、すごくはちゃめちゃだったと思います。
■『レベッカ』のオーディションは、「受からなくても、頑張れるところまで」と
――『ダンス オブ ヴァンパイア』『ゴースト』『フラッシュダンス』などを拝見しましたが、そんなにミュージカルと距離があったとは思えませんでした。
本当ですか? とにかく恵まれていたなと思うのは、周りの皆さんにたくさん助けられました。
――共演者やスタッフの皆さんですか?
そうです。初めて『レベッカ』をやるという時も、オーディションから始まりました。でも全然歌えていなくて、「オーディションに受かっても受からなくてもいいから、頑張れるところまで頑張りましょう」と言っていただいて、スタッフさん総出で稽古していただいて、その後もずっとサポートしてくださいました。
思えば、共演者の皆さんも大ベテラン、大スターばかりの中に、こんなに何も知らない子を入れていただいて……。何から教えたらいいのか分からないというくらい、分からないことだらけの私を、無事に幕が下りるまで立たせてくださった皆さんの器が、ものすごく大きいと思います。どの作品でも、ずっと皆さんにそうしていただいて今があるので。本当に恵まれていたなと思います。
※桜井玲香さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員1名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは9月17日(土)です(このプレゼントの募集は終了しました)。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
毎度 お世話になっております
気合いの入った記事
優しく 強い情熱の記事ありがとうございます これからも 丁寧に読んでいきますね
開幕予定のミュージカルドロシーから過去作のレベッカについて等、知りたい事や気になっていたことにも触れて頂いてとても有難いインタビュー内容と記事でした。私自身、久しぶりの観劇がドロシーなので、楽しみな想いがさらに増していきました。桜井さんの写真もとても素敵で魅入ってしまいました。今後も楽しみにさせていただきます。
玲香さんの記事を掲載していただきありがとうございます。玲香さんが初めてミュージカルに出た時から全部の舞台、ミュージカルを拝見していて、わたしにとってもレベッカはとても心に残っている作品でした。有料会員の記事にレベッカのことも載っているとわかった瞬間、即入会してしまいました!山口さんのことも知らないくらいミュージカルとかけ離れていたなんてびっくりでした!またジキル&ハイドのときもインタビュー記事を楽しみにしています♪
桜井玲香さんのインタビュー記事と素敵なお写真ありがとうございます!
レベッカは初めて見たミュージカルなので私にとってもすごくすごく大切な作品です。再演されたら必ず観に行きたいと思ってる作品の一つでもあります。
また、素敵なプレゼント企画もありがとうございます!ご縁がありますように。