『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』が、2022年11月23日(水・祝)から12月11日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスで、12月15日(木)に宮城・えずこホールで、2023年1月6日(金)から1月9日(月・祝)まで大阪・森ノ宮ピロティホールで、1月14日(土)に高知県立県民文化ホールで上演されます。ルーマニアを代表する舞台演出家シルヴィウ・プルカレーテさんと佐々木蔵之介さんのタッグが、5年ぶりにモリエールの大傑作である『守銭奴』で実現します。佐々木さんは、主人公のアルパゴンを演じます。アイデアニュースでは、本作にアルパゴンの息子・クレアント役で出演する竹内將人さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。
「上」の無料部分では、本作のオーディションを受けた時のこと、ストレートプレイに向き合いたいと思われたきっかけや稽古場の雰囲気などについて伺った合同インタビューの内容を、有料部分では、本作のセリフを覚えている時のこと、『ピアフ』に出演されたときに大竹しのぶさんにいただいたアドバイスのことなどについて伺った独自インタビューの内容を紹介します。
「下」の無料部分では、本作の見どころやお客さまへのメッセージ、古典作品ならではの面白さや難しさ、本作の稽古でアドバイスをいただいた時のことなどについて伺った合同インタビューの内容を紹介します。有料部分では、『ピアフ』で経験したストレートプレイの経験を踏まえて、ミュージカル『ガイズ&ドールズ』に出演されたときに感じた変化のこと、今回の稽古場で吸収していること、2022年がどのような1年だったかということなどについて伺った独自インタビューの内容を紹介します。
ーーまず、この作品に出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
オーディションを受けた時は、あまり手応えがなかったんです。フランスとリモートで繋いでのオーディションで、演出のプルカレーテさんと音楽監督のヴァシルさんが画面に映っていらっしゃって。リモートだから、僕からどのような印象を得たのかが掴みにくいということもありますし、プルカレーテさんも喜怒哀楽が激しい方ではないので、「え、これでいいのかなあ?」という思いで、オーディション会場を後にしました。マネージャーにもすぐ連絡して、「手応えがあまりなくて、正直、わかんないです」と伝えていました。後日マネージャーさんと一緒にいたときに、「おめでとう!」と急に言われて、「なんですか?」って聞いたら、「守銭奴、受かったよ」って。「うわー!マジっすか!?」ってすっごい喜び合ったことを覚えています。
今年は特に、お芝居の仕事をしたいなと思っていたんです。いろいろな仕事を通して、さまざまな先輩方に出会って、「お芝居を、もっとやりたい」と思っていた時期のオーディションだったので、「これで、ストレートプレイにもう一度向き合えるし、俳優としてもしっかりと成長するチャンスをいただけたな」という思いでした。
ーーストレートプレイに向き合いたいと思われたきっかけを教えてください。
年初に出演した、大竹しのぶさん主演の『ピアフ』がきっかけになりました。ミュージカルではなく、ストレートプレイで話を繋いでいく中に、歌があるという構造の作品で。僕は、1幕と2幕にひと役ずつあって、2幕では3曲歌いますが、芝居はほぼないという感じでした。1幕目で演じたのは、戦争中にピアフと恋におちたフランスのレジスタンスの役で、たぶん5分くらいの本当に短いシーンだったのですが、しのぶさんはじめ、梅沢昌代さん、彩輝なおさんに、もう本当にいろいろなことを教えていただいて。愛のあるムチをたくさんいただき、お芝居に対する考えや向き合い方を、しっかりと変えていかないと今後ダメだなと感じたんです。次に出演したのは『ガイズ&ドールズ』で、またミュージカルに戻ったのですが、『ピアフ』の時に感じた芝居の楽しさというものを、またしっかりと経験できたらいいなという思いがありました。
ーー『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』のお稽古は始まっていると伺いましたが、お稽古をされている中で、楽しさや難しさなど、いかがですか?
めちゃめちゃ楽しいです! 本当に、毎日ワクワクしていて、みんなでこの舞台といいますか『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』を研ぎ澄ましていく感じです。プルカレーテさんの演出はとても独創的で、すごく不思議で壮大かつ繊細な世界が広がっています。演出は、今回とても細かくて、セリフのひとことひとことで動きが決められているところがかなりあります。
そして、プルカレーテさんは、稽古のたびにどんどん演出を変えていく方なんですよ。今回、プルさんとご一緒するのが2回目という方々も、「初日が開くまで、どうなるか本当にわかんないから」とおっしゃっています。本番が始まってからやっと、「ああー!こういう世界観で、こういうことをやるのか」となるんですね。それくらいなので、舞台稽古でも、どんどん変わっていくみたいです。
1回目にもらった演出を踏まえて、「こういう動きをするということは、こうなんだな」「プルさんは、こういうことをして欲しいのかな」と、自分なりに家で考えるんです。それが次の稽古場でまた変わるので、自分が深めていったものにまた、新しいものが足されて、新たなものが生まれていくという作業がすごく楽しいです。
稽古場の雰囲気もとても良くて、先輩方もすごく優しいんです。若手が行き詰まっていたら、大先輩のみなさんも、すぐにアドバイスしようと駆け寄ってくださいます。お芝居とも向き合えますし、一緒にお芝居をする方々とも向き合える、素晴らしい現場だなと思っています。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、本作のセリフを覚えている時のこと、『ピアフ』に出演されたときに大竹しのぶさんにいただいたアドバイスのことなどについて伺った独自インタビューの内容と写真を掲載しています。22日掲載予定のインタビュー「下」では、本作の見どころやお客さまへのメッセージ、古典作品ならではの面白さや難しさ、本作の稽古でアドバイスをいただいた時のこと、『ピアフ』で経験したストレートプレイの経験を踏まえて、ミュージカル『ガイズ&ドールズ』に出演されたときに感じた変化のこと、今回の稽古場で吸収していること、2022年がどのような1年だったかということなどについて伺った内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■毎日、受験勉強並みにセリフを覚えた。台本を紙で隠して「あ!間違えた!」とか
■稽古は基本はフランス語で。休憩中には、プルカレーテさんと少し英語で話すことも
■「セリフを歌ってしまっている」と、『ピアフ』の時、大竹しのぶさんに言われた
■しのぶさんに「セリフは、真っ直ぐに言わなくちゃ」と。『守銭奴』の稽古でも意識
<『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』>
【東京公演】2022年11月23日(水・祝)~12月11日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【宮城公演】2022年12月15日(木) えずこホール(仙南芸術文化センター)大ホール
【大阪公演】2023年1月6日(金)~1月9日(月・祝) 森ノ宮ピロティホール
【高知公演】2023年1月14日(土) 高知県立県民文化ホール オレンジホール
公式サイト
https://www.purcarete-fes.jp/shusendo
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※竹内將人さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは12月21日(水)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■毎日、受験勉強並みにセリフを覚えた。台本を紙で隠して「あ!間違えた!」とか
ーー今回、モリエールの古典作品です。留学されていたイギリスといえばシェイクスピアですが、両者に感じる古典ならではの共通点などはありますか?
共通点としては、とにかく一人一人のセリフが長い!(笑)。長いので、セリフを覚えるのが大変です。しかも今回、稽古の3日目からもう、立ち稽古に入ったんですよ。本当にありがたいことなのですが、僕が演じるクレアントは、割とずっと出ている役なので、毎日受験勉強並に、台本のセリフを紙で一部隠して「あ!間違えた!」とか言いながら、覚えていました。
■稽古は基本はフランス語で。休憩中には、プルカレーテさんと少し英語で話すことも
僕がシェイクスピアを勉強した時は、作品を英語で読んでいたのですが、今回、モリエールはフランス語で書いているので、原文では読めなくて。シェイクスピアって、全部、英語のリズムやアクセントに沿いながら言葉が書かれているのですが、モリエールもきっと、フランス語で読んだらそうなったりしているのかなあと考えたりしています。
ーー稽古現場のコミュニケーションでは、英語を使われることもありますか?
基本はフランス語なので、通訳の方を通しています。休憩中には、ちょっと英語で話したり。「プルさんって、こういうことで笑ったりするんだ!」とか「こういう性格なんだな」とかは、そういう他愛もない会話からわかったりします。
■「セリフを歌ってしまっている」と、『ピアフ』の時、大竹しのぶさんに言われた
ーー『ピアフ』での経験を踏まえ、「お芝居の仕事をもっとしたい」と思われて、『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』のオーディションを受けられたというお話がありました。今回、実際にストレートプレイの稽古をされる中で、ご自身の中で引き出しが増えた、などの発見はありましたか?
それは、全てのシーンの稽古で感じています。『ピアフ』の時に、しのぶさんから一番言われていたのが「セリフを歌っちゃう」ということでした。ミュージカル俳優の方に多いことだと言われたのですが、確かに普段は歌で芝居をしてきたので、音で捉えるクセがいつのまにかついていたんです。
■しのぶさんに「セリフは、真っ直ぐに言わなくちゃ」と。『守銭奴』の稽古でも意識
だから、「そうじゃないよ。セリフは、真っ直ぐに言わなくちゃだめだよ」ということを、ずっと注意されていました。「真っ直ぐに言う」中で、気持ちが自然に高まって大きくなり、誇張する部分が生まれてくるものなのだと。自分で「ここを誇張しよう」と思って、セリフを言うもんじゃないんだよと教えていただきました。「本当におっしゃる通りだな」と思って、『ピアフ』の現場でも、毎日「真っ直ぐに言う」ということを実践するようにしていました。真っ直ぐに言ってみると、意外と感情がストンと出てくるので、「これか!」と実感する日々でした。なので、『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』での読み合わせでは、初日から「とにかくセリフを歌わない。真っ直ぐに気持ちを届けよう」と意識していました。通し稽古でもずっとその意識でいます。
※竹内將人さんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは12月21日(水)です。有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。