メジャーデビュー10周年、加藤和樹さんインタビュー

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

歌手・俳優として舞台や映像の世界で活躍している加藤和樹さんが、2016年4月にメジャーデビュー10周年をむかえます。加藤さんは、2016年4月から6月まで、帝国劇場と梅田芸術劇場で上演されるフレンチ・ロック・ミュージカル「1789 -バスティーユの恋人たち-」に主演(小池徹平さんとW主演)するほか、4月29日にはデビュー10周年ライブ(追加公演アリ)、さらに7月には2日間かけて自身の全曲を歌うライブを、愛知・大阪・東京で開催します。まさにスロットル全開状態の加藤和樹さんに、ロングインタビューしました。(インタビュー後半の単独取材部分は、アイデアニュース有料会員限定とさせていただきます)

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

大阪で行われた「1789」の合同取材会で加藤さんは、10周年の年にこの作品で帝劇初主演を果たすことについて「大きな作品に出演させていただけるというのは、すごく意味のあることなんじゃないかなと思いつつ、プレッシャーもあり、その中で自分がどれだけのものを残せるかという思いはあります」と話しました。

フランス革命を描いた「1789」は、フランスで上演されたフランス版と、宝塚歌劇団が上演した宝塚版がありますが、この作品について加藤さんは「フランス版を映像で拝見した印象では、楽曲がとても耳に残る作品で、ダンスもアクロバティックな動きがすごくたくさんあって、胸が躍るようなワクワクするような気持ちにさせられる作品。シーンがテンポ良く変わっていくので、ライブコンサートのようなすごく不思議な新しい作品だなと思いました」と印象を語りました。

加藤さんが演じる主人公の「ロナン」については、「農村出身者で、自分の父親を理由なく殺され、立ち上がる決意をする若者です。人々を立ち上がらせる、強く引っ張っていく覚悟や熱い思いがある役なので、そこの芯の強さというのは掘り下げていきたいし、仲間たちとの絆、男くささ、団結力も意識しながら作り上げてゆきたい」と話しました。

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

アクロバティックなダンスも多い作品で、加藤さんがどれだけダンスに絡むのかはまだわかりませんが、立ち方などを学ぶために、現在、バレエのレッスンに通っているとのこと。「バーレッスンというのを生まれて初めてやってます(笑)。とても地味なんだけど、とても大変なんだなぁって。ダンサーさんたちが稽古前にやっている姿は見てたんですけど、結構キツイです」と笑っていました。

「ロミオ&ジュリエット」「レディ・ベス」そして今回の「1789」と、小池修一郎さん演出作品への出演が続いていますが、小池さんからラブストーリーについて受けたアドバイスは?という質問に対しては、「僕は昼ドラに何作か出演させていただいたんですが、『昼ドラっぽい』って言われて(笑)。『いやらしさを無くしてくれ』って。いやらしくやってるつもりはないんですが(笑)、それはそぎ落として行きたいなと」と答えました。

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

「レディ・ベス」を筆者が大阪で観た印象では、加藤さんはとてもさわやかに吟遊詩人(ロビン・ブレイク)を演じていましたが、じつは「苦労しました(笑)」とのこと。「ロビンの時もそうですが、作り物にはなりたくないんですよね。悔しいとか汚い感情もあると思うんです。レディ・ベスで言えば、2人で逃げ出すって選択肢もあったと思うんです。でも、その部分を2人が超越してゆくっていう関係になるんだと。それはそれで、ひとつの愛の形だなと思いました。作品を通して教えられたという感覚も大事にしたいなと思います。いやらしくならない程度に」と笑っていました。

<公演案内>
「1789 -バスティーユの恋人たち-」
【東京公演】2016年4月9日(土)~2016年5月15日(日) 帝国劇場
http://www.tohostage.com/1789/
【大阪公演】2016年5月21日(土)~2016年6月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
http://www.umegei.com/1789/

<関連リンク>
加藤和樹オフィシャルウェブサイト
http://katokazuki.com/
加藤和樹オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/katokazuki-blog/

<プレゼント>
取材で撮影した加藤和樹さんの写真(2Lサイズで写真プリント)1枚を、アイデアニュース購読者3名に抽選でプレゼントします(月額300円の有料会員が対象となります)。応募締め切りは2016年1月13日(水)。当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。 (このプレゼントの募集は終了しました。ご応募くださったみなさま、ありがとうございました)

<アイデアニュース関連記事>
メジャーデビュー10周年、加藤和樹さんインタビュー https://ideanews.jp/backup/archives/15174
10周年の加藤和樹、「春」を呼ぶシングル「春恋」4月20日発売決定 https://ideanews.jp/backup/archives/17883

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<ここからアイデアニュース有料会員向け部分>

合同会見後の単独取材では、メジャーデビュー10周年について音楽やライブのお話を中心にうかがいました。
■音楽はやめた方がいいかなと思った時期もあった
■つらい時は、つらいって言えばいい
■素直な気持ちは、飾ったらダサいなって
■ライブは、その場所にいる人たちと作るもの
■会場の広さではなく、伝える思いは一緒
■大きい気持ちがあれば伝わる
■すべて音楽に帰ってくればいいなぁと
■(ファンと)お互いを高めあっていける関係性でありたい

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加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

■音楽はやめた方がいいかなと思った時期もあった

--最初のミニアルバムを発売されてから、4月26日で10年を迎えますが、いかがですか?

早かったなぁという感じです。もちろん、いろいろありましたし、デビューしてからの1、2年、最初の3年ぐらいっていうのは、いろんなものを吸収する時というか、音楽のオの字も知らないで音楽をやりたいって言い始めたものですから、知識もそうだし、実力も伴ってなかったなと思うんですね。ほんとがむしゃらに走っていたのが、デビューして2、3年目ぐらいかなと。そこから平行して映像とかお芝居もやらせていただくなかで、やっぱり音楽ってものは自分の基礎になる、ベースになる部分であって、そんな中でも音楽1本に絞ろうとか、逆に音楽はやめた方がいいのかなぁとか…

--音楽をやめた方がいいと?

そう思った時期もあったんですよ。でもやっぱり、そんな中でやってこれたのは、支えてくれるスタッフとお客さんがいるからであって、その人たちのことを思った時に、弱音吐いてる場合じゃないなと。

■つらい時は、つらいって言えばいい

--悩んでる場合じゃない?

悩んでる場合じゃないし、弱音は吐けないなと思いながら…。まあ、とは言え、ひとりの人間なんで、そういう弱音を吐くってことも、なんか強がらなくてもいいのかな。つらい時は、つらいって言えばいいかなって。人前に立つ人間としてどうなんだって思う部分もありつつ、スーパーマンではないんで、僕らも。同じ人間なんだっていうところで共感できるものがないと、お客さんは共感しづらいと思いますし、だからこそ自分の書く曲は、わかりやすくストレートに伝えたいという思いでいつも書いています。

--たしかに加藤さんの曲はストレートですね。

あんまり難しい言葉を書き並べられたって、どういう意味なんだろうとか思っちゃうし、できるだけわかりやすくストレートにっていうのが、昔から自分の曲づくりのテーマです。あとやっぱり、「同じ時間を生きている」ってことも含めて人間っぽい、温かいというか、よりリアルなものを、自分の素直な思いを書きたいなと思うので、そういう意味では、みんなの言葉も聞きながら、「1人じゃない」っていうことを、自分もそうだしお客さんにも感じて欲しいなって思うんですよね。

--最初のころの「僕らの未来」から最近の「In the future」に至るまで、ご自分で書かれる詞には1本、何か筋が通ってるなって感じがします。自分で書かれる曲は、自分の部分を大事にされているということでしょうか。

やはり、いただいた楽曲と自分で作る曲っていうのは、どうやっても思い入れが違います。とはいえ、自分のものとして歌わなければ伝わらないんですが、やっぱり自分の書くものは自分の中から生まれてきているので、リアルさがあるなと思います。

■素直な気持ちは、飾ったらダサいなって

ライブをやると、どこかで演じる部分は必要なんですよね。カッコよく見せるとか曲の世界観を見せる、ミュージカルとまではいかないけれど、自分の世界観を自分で作りだす、バンドで作りだすっていうのは必要不可欠なことです。その世界観を、どうやって自分が書くかというのは、描かないと書けないので、難しいなと思うんです。

--私は、騙されちゃってるのかもしれないけれども、加藤さんご自身は、すごく優しくて愛することを大事にしてる、ほんとにそうだろうと思ってしまっています。

どれだけカッコよく見せられるかというのもあるんですけど、素直な気持ちっていうのは、飾ったらダサいなって思うんです。演じなくても、カッコイイ人はカッコイイし、なにやっても決まらない人は決まらないじゃないですか。そういう部分で、自分の見せ方っていうのをわかりながら、より飾らない自分の姿を見せられるのがライブだと思います。いろんな表情を自分のライブで見せたいと思うし、思うようになった。昔は、そういう部分を見せるのがすごく恥ずかしいとか、やっぱりどこかで作らなきゃいけないって思ってたんです。

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

■ライブは、その場所にいる人たちと作るもの

だからMCとかも、言うことを決めて、こういうことを言う、こういうことは言わないって、決めてたんです。でも27ぐらいを超えてから、そういうのはイヤだなと思って、台本を書かなくなったんです。自分がその時感じたこと、その時の感情が大事であって、その場所にいる人たちと作るものだから、その気持ちを大事にしようと。

だから何も出てこない時もあるし、感じたことを素直に言う。その言葉の伝え方は、もちろん勉強しなきゃいけないけど、その感覚を大事にしたい。曲を書くのって、感覚じゃないですか。何かを読んで、何かを見て、自分が得た感覚を書き起こすわけですから、「ありもの」を写すわけじゃない。その感覚の共有が、お客さんとできてきた。たぶん、ここ3、4年だと思うんですよね。

--お客さんと感覚を共有する、ですか。

与えるだけじゃなく、僕らもたくさんもらっているので、そういうものを含めてお客さんと共有すると。

--それは、ライブならでは、ですね。ちなみに4月29日のカウントダウン形式のライブは、もう「SOLD OUT」になっていますね。

はい。でもスタッフがやりくりして追加公演をすることが決定しました! 初めての昼夜2回公演。声と体がもつかどうか、今から楽しみでもあり不安でもあります(笑)。

--そのあとのライブは、2曲ずつ…じゃなくて、2日ずつ…。

2日間で全曲ライブを、やります。

--面白いですね。

いや~、できるのかなぁ(笑)っていうのは、あるんですけど、できるできないではなく「やる」って。自分の好きな言葉が「やればできる」で、それをずっと掲げてきたので、やってみなきゃわかんないじゃん、っていうところもあるし。

■会場の広さではなく、伝える思いは一緒

--ミュージカルでも、どんどん大作に出られるようになっていますが、「やればできる」でちょっとずつやってるうちに、ここに来ちゃったんでしょうか?

ミュージカルをやるって決めた時に目標を決めたんですが、それは作品の大きさや会場の広さではない。自分を求めてくださった方への期待に応えなきゃって。そこに役者の魅力があればキャパが150人とか200人の会場でも、伝える思いは一緒ですからね。ライブハウスにしてもそうですね。もちろん武道館で一度やって、もう一度やりたいって思いはあるけど、僕はお客さんの顔が見える距離がすごく好きなんですよ。みんなで共有できるし。もちろん大きいところでやる気持ち良さもあるでしょうけど、僕はあんまり大きすぎない方が好きだなと。

--そういう意味では、会場が大きくなってきているから難しいですよね。

劇場によっても芝居が変わってくるじゃないですか。それはこの会場じゃ伝わらないよっていうものとか。だからその会場の空間を大事にしたいんですが、中には無理に大げさにしろっと言われることもあります。

--会場が大きいから、遠くから見えるように大げさに、ということですか?

でも、それって、近い距離で見てるお客さんは、ちょっと大げさじゃないの?ってなるじゃないですか。そういうことではなくて、気持ちが大きくなれば変わるのかなって。

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

■大きい気持ちがあれば伝わる

--気持ちが大きく?

動きを大きくするということではなくて、相手への思いだったり感情を大きく。たとえば、ひとつため息をつくのでも、わざとらしく肩を(落として)「ハア~~っ」てやるんじゃなくて、そこに大きい気持ちがあれば、(小さく)「フゥっ」っていうぐらいでも伝わるってことかなと思うんです。芝居の大きい小さいっていうのは、そこにどれだけの気持ちがあるかだと思うんです。例えば「ため息をつく」と書いてあってもそれを見せるんじゃなくて、そこに本当につきたいため息があるから「フゥ~っ」ってつくだけ。「芝居くさく」なりたくないんです。

--本当の思いがあってこそということですね。

そういうテクニカルなことも、時には必要です。

--なるほど。音楽では、インペリアルレコードに移籍して、ニューシングルがリリースされるようですが、いつごろの予定なんでしょうか?

時期はまだ言えないんですが、出ます。順調にレコーディングなども進めているので間もなく発表になるかと思います。また違った一面をお見せできればと思いますので待っていてください。

--わかりました。では、10年をすぎて、今後のビジョンや、どういうことをやっていきたいかということを聞かせていただけますか?

10年経ってみて、本当に様々な作品に出演させていただけたし、ありがたいことに毎年ちゃんとCDリリースもLIVEもやらせていただいて、本当に幸せだなと思います。もちろんラクな道ではなかったですが、10年経ってもこうやって自分のやりたいことを形に出来ているというのは、本当に幸せだと思うんです。

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

■すべて音楽に帰ってくればいいなぁと

これをさらに5年、10年、死ぬまで続けるために、初心を忘れないこともそうだし、新たな可能性に挑戦していくことも大事じゃないかなと思います。最近、声優のお仕事もやらせていただいています。枠にとらわれたくないっていうのもあるんですよ。昔は歌か芝居かどっちかを選べとか人に言われたこともよくありましたが、そういうことではなく、自分が表現者としてこういうことをやりたいって思うからこそ、いろんなことにトライして行きたいと思います。でもその根本には、やっぱり音楽ってものが自分の中にはあるので、すべて音楽に帰ってくればいいなぁと思うんですね。

芝居をやって、その芝居のキャラクター・世界観で曲を作ることも今まで何回もありましたし、すべてそこにつながれば、自分の表現の仕方に帰ってくればいいなと思うので、だから一歩一歩、変わらずに歩んで行きたいなと思います。

--いろんなことに挑戦しても、帰ってくるところは音楽なんですね。

そうですね。音楽というか「表現」でしょうね。絵や文才があるわけではなく、僕の表現の場所は音楽しかないので。

--そして、詞も。

詞にしたとき、それだけで表現になっています。ひらがなにするか、漢字にするか、カタカナにするかだけでも印象は違うので、そういうことも含めて、視野を広く持っていきたいなと。

■お互いを高めあっていける関係性でありたい

--では、最後に、ファンの方、これまで支えてきてくださった方にメッセージを。

加藤和樹という人間を知ってくれている、ほんとそれだけで感謝なんです。だからこそ、関わってくださった方々には、お互いに何か残るようなものを、もっともっと残していきたいなと思う。でもそれは僕1人では無理なので、みんながあっての自分だし、ひょっとしたら自分あってのみんなかもしれないし。そういう、お互いを高めあっていける関係性でありたいなと思って、これからもいっぱい助けてもらいたいなと思います。

--今日は、長い時間、ありがとうございました。

ありがとうございました。

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

加藤和樹さん=撮影・橋本正人

<プレゼント>
取材で撮影した加藤和樹さんの写真(2Lサイズで写真プリント)1枚を、アイデアニュース購読者3名に抽選でプレゼントします(月額300円の有料会員が対象となります)。応募締め切りは2016年1月13日(水)。当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。(このプレゼントの募集は終了しました。ご応募くださったみなさま、ありがとうございました)

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