実録・コインランドリー屋さん(2) 洗濯機は、47万円~270万円。買い替えるならどれ?

バックヤード内、右側は洗濯機用の水タンク=パノラマ撮影・橋本正人

さてさて、前回の記事からずいぶん時間がたってしまいました。一部の人は面白がってくれていて、興味のない人には面白くもなんともないであろう「実録・コインランドリー屋さん」の連載2回目です。ひょんなことからコインランドリーにある中古機材一式の購入を検討することになった顛末については、先に掲載した連載1回目をごらん下さい →https://ideanews.jp/backup/archives/2965

さて連載の2回目、まずはほとんどの人が見たことがないであろう、コインランドリーの機械の「裏側」からお見せしましょう。

バックヤード内で、乾燥機(4台分)を裏側から見たところ=撮影・橋本正人

バックヤード内で、乾燥機(4台分)を裏側から見たところ=撮影・橋本正人

この写真は、乾燥機の裏側にある「バックヤード」と呼ばれる部屋の内部です。乾燥機を壁代わりの仕切りにして作られた部屋で、オーナーや管理人以外は入れないように、ふだんは出入り口にカギがかかっています。コインランドリーの乾燥機はガスの炎で乾かしているので、ガスを供給して燃やすための装置と、上部にある太い配管は、洗濯物を乾かした後の熱を帯びた空気を外に逃すためのパイプです。

バックヤード内、右側は洗濯機用の水タンク=パノラマ撮影・橋本正人

バックヤード内、右側は洗濯機用の水タンク=パノラマ撮影・橋本正人

パノラマ撮影した写真の右側に写っているのは、洗濯機に供給するための水をためておくためのタンク。水は水道水を使っていますが、マンションの水道と同じ水道管から水が供給されているので、洗濯機4台が一斉に稼働するとマンションの住人の水道使用に影響が出る可能性があるとかで、バックヤードに大きな水のタンクが設置されていました。さらにその右側に小さく写っているスイッチは、洗濯機に「お湯」を供給するためのガス湯沸かし器のスイッチ。湯沸かし器は建物の外に設置してあります(家庭用の湯沸かし器とほとんど変わらない小さなガス湯沸かし器です)。

というわけで、コインランドリーのオーナーになってしまいました。実際の収入は、言われていたとおり、だいたい月に15万円ぐらいありました。「70万円の勉強代は少々高いけれども、まあ家賃が順調に入ってきているならいいか」ということだったのですが、世の中、そう甘くはありません(笑)。洗濯機から、わずかながら水漏れがして、止まらないのです。

もともと、購入時点から少々の水漏れがあることはわかっていました。契約では「現状」での購入になっていましたので、水漏れの修理は、こちらでする必要があります。水漏れは少しだけとはいえ、床に徐々にしみだしてきて、時間がたつと床の一部にたまって、モップでふき取る必要がある状態になっていました。床下はコンクリートなので水が漏れても「とても困る」ことはないのですが、床に水漏れしているというのはいかにも美しくなく、新規顧客を増やすのにマイナスであることは間違いないので、水漏れはなんとか止めたいということになりました。下の写真は、洗濯機からの水漏れが、バックヤード出入り口のドアの前あたりにたまっている様子をタブレットで撮影している連れ合いです。

写真中央がバックヤードへの入口、その手前の洗濯機から水漏れしている=2015年2月、撮影・橋本正人

写真中央がバックヤードへの入口、その手前の洗濯機から水漏れしている=2015年2月、撮影・橋本正人

そこで、まずはこのコインランドリー機器を販売した業者に連絡をとって、現場を見てもらい、修理にどれだけかかるか見積もりをしてもらいました。

その結果、水漏れは4台ある洗濯機のうち2台から発生していることが判明。1台は修理可能なものの、1台は修理は不可能で、新品を購入するしかないということでした。

コインランドリーの事業用洗濯機の新品はいくらするのか? けっこう高額なんですよね。

洗濯機には、上から洗濯物を入れる「渦巻式」と、横から洗濯物を入れる「回転ドラム式」がありますが、古いタイプの渦巻式は定価で1台15万円~23万円ほど、回転ドラム式は1台47万円~270万円でした。

業者のおすすめは、回転式の中で一番安い47万円のものか、その次の145万円もの。まあ、ある程度は値引きがあるものの、設置工事費などもろもろを入れるとだいたい定価ぐらいはかかるとのことでした。

業者が言うには「今と同じ機器を入れていては売上増はのぞめない。回転ドラム式を入れれば店の雰囲気も変わって、新しい客を呼び込める可能性があるから、どうせ入れるなら回転ドラム式の方が良いのでは」ということでした。

う~ん、ただでさえ70万円の買い物で「殿さま」になってしまったのに、さらに買い物をしてさらに投資をしてしまうと、ますます「バカ殿さま」になるなぁと、う~んどうしよう。

壊れた洗濯機は撤去して、新たに購入することはせず、売り上げが少々減っても残り3台の洗濯機と乾燥機4台だけで営業して、今後、少しずつ機器が壊れていったらその分、さらに営業を縮小して、最後はコインランドリーをたたんで、新たな入居者を探すという選択肢もあります。

今の時点で新しい洗濯機を購入すると、その洗濯機が耐用年数を迎える時までコインランドリーを維持する方向になり、そうするとさらに他の機器も順次、故障していって新しく買い換えて……と、いつまでもあまり儲からない商売が続いていってしまうのが気がかりです。

う~~ん、どうすんべ、と考えているところに、アイデアニュースの会社設立やらページオープン準備やらの作業が押し寄せてきて、何が何やらわからない状態に(涙)。

壊れてしまって修理できない洗濯機への対応をどうするか。みなさんなら、どうしますか?

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※ここから、アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分です。壊れてしまった洗濯機の代わりに、数百万円する新型の回転ドラム式洗濯機を買ったのか、数十万円の古い渦巻き式の洗濯機を買ったのか、それとも洗濯機を買い替えることはせずに、徐々に経営を縮小していって別の形の家賃収入を得る方向にするという道を選んだのか、について書いています。

水漏れで壊れてしまった渦巻式(家庭用の洗濯機と似たタイプでフタを開けて上から洗濯物を入れる方式のもの)の洗濯機を、どうするかです。選択肢は3つ。

(1)新しいものの補充はせず、洗濯機を1つ減らす、(2)故障したものと同じ渦巻式の20万円ほどの洗濯機を購入する、(3)最近の主流である回転ドラム式(扉が横にあるタイプ)の50万円~150万円ほどする洗濯機を購入する、のうちのどれかです。

故障して使えなくなった渦巻式洗濯機。さてこのあとをどうすべきかと考えて…=撮影・橋本正人

故障して使えなくなった渦巻式洗濯機。さてこのあとをどうすべきかと考えて…=撮影・橋本正人

結論を言いますと、私は(2)を選びました。

今後、いつまで続けるかわからないコインランドリー運営のために、購入すれば10年は稼働するであろう業務用洗濯機を購入するのは、かなりリスキーだと考えました。少なくとも1年ぐらいは実際にコインランドリーを経営してみて、10年以上続けられるものかどうかについて肌でわかるようになってから、判断しようと考えました。

壊れた洗濯機は、すでに販売が終了しているものでしたので全く同一のものではありませんが、だいたい同じタイプの渦巻式の洗濯機を、付属品や設置代金などを含めて約30万円で購入しました。

このまま、この古いコインランドリーを運営していると、こうして次々と機材が壊れて修理不能になり、何十万円、何百万円の設備投資が必要になるのは目に見えています。今の売上・利益では、その投資を回収するのは難しい状況です。売上を伸ばすために、店内にコインロッカーを設置して、出勤前のサラリーマンが洗濯物を入れておけば、昼の間にこちら側で洗濯しておいて、夕方になるとコインロッカーに綺麗になった衣類が入っているなんてことはできないのだろうか…などと考えました。それがどうなったかについては、次回に。

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“実録・コインランドリー屋さん(2) 洗濯機は、47万円~270万円。買い替えるならどれ?” への 1 件のフィードバック

  1. すわ より:

    洗濯が終わっているのに、洗濯物を入れっぱなしだと、1時間100円とか課金できるといい。その代わり、時間どおりに洗濯物を出したら、なにか ご褒美的にできると さらにいい。

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