「『フランケンシュタイン』は、大変で、面白かった」、小西遼生インタビュー(下)

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さんインタビュー後半です。音楽劇『魔都夜曲』の音楽とカンパニーについて、さらに、2017年1月から2月にかけて出演したミュージカル『フランケンシュタイン』やドラマ出演を振り返って頂きました。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

■日本人も他国の人も知っている「旅愁」は、この作品の舞台にとてもマッチしている曲

――『魔都夜曲』は音楽劇ということで、色々な曲が出て来ますが、「旅愁」をみんなで歌うシーンもありますね。「旅愁」は日本の唱歌だと思っていましたが、翻訳唱歌なんですね。

「旅愁」は日本人も他国の人も知っている曲ですね。作品中に英語バージョンも出てきますが、日本語はオリジナルではないんですよね。日本語の歌詞が日本人にとっては懐かしさを覚えますが、歌詞を抜きにしても、あのメロディーを聞いていると、風景が思い浮かぶような曲じゃないですか。同様に、中国人も、アメリカ人も、フランス人も、その曲を聞くと似たような感情になれるというのはとても興味深く、この作品の舞台である1930年代後半の中国の粗界という場所には、とてもマッチしているような気がします。

――曲だけで、時代の雰囲気が出そうだなと思います。

時代もそうですし、入り乱れている人種の中で、とても説得力があります。「蘇州夜曲」は中華の風情が漂っていますが、日本の曲で日本人が聞いてもいいと思います。音楽が流れると、その風情を知らなくても感じられるものがあるので、今回の曲達には、そういう面白さがかなりありますね。

――カンパニーの皆さんは共演経験がある方がたくさんいらっしゃいますが、今回改めて感じることはありますか?

やはり先輩方はすごいなと思います。歴史上に生きている人に見える瞬間があって、それってすごいことだなと思います。僕の役は自分自身では分からないですが、適材適所というか。作りたい作品とキャスティングが一緒に考えられた、劇団みたいな感じですよね。

――cube劇団ですね。

ベテランの村井國夫さん、東京パフォーマンスドールの若いメンバー、さらに個性派な方、役者として王道に歩んでいらっしゃる藤木直人さん……、本当に幅広いので、よくみんなcubeにいるなというくらいです(笑)。

――本当にすごいですよね。

でも、作品を作るのに、事務所は関係ないですからね。役者が集まって、先輩後輩もなく対等でやっていますし、偉そうにする先輩がひとりもいないので。

――役者仲間という感じですか?

単純に一つの作品を作っている仲間という感じですね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、2017年1月から2月にかけて出演したミュージカル『フランケンシュタイン』などについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■ミュージカル『フランケンシュタイン』は、表面的にしないように努力

■「この人はこういう風にくるんだ」というのが、すごくストレートに受け止められた

■(ドラマ『恋がヘタでも生きてます』の予告編は)ゲストで出演させて頂きました

■『魔都夜曲』は、音楽がとても色気があって、僕の好きなものがたくさん詰まっています

<cube 20th. presents 音楽劇『魔都夜曲』>
【東京公演】7月7日(金)~7月29日(土) Bunkamura シアターコクーン
【愛知公演】8月5日(土)~8月6日(日) 刈谷市総合文化センター アイリス
【大阪公演】8月9日(水)~8月13日(日) サンケイホールブリーゼ
https://cube-s.wixsite.com/matoyakyoku

<関連リンク>
音楽劇『魔都夜曲』のキャスト https://cube-s.wixsite.com/matoyakyoku/cast
cubeのアーティスト http://www.cubeinc.co.jp/members/
小西遼生オフィシャルサイト https://konishiryosei.com
小西遼生オフィシャルブログ https://ameblo.jp/ryosei-konishi/

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小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

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■ミュージカル『フランケンシュタイン』は、表面的にしないように努力

――最近のお話を伺わせてください。ミュージカル『フランケンシュタイン』大好評でしたね。

やっている側はあまり反響が分からないんですよね。

――『フランケンシュタイン』はご自身にとってどんな舞台でしたか?

稽古現場で作るのが、結構大変でしたね。稽古中にディスカッションしまくりながら作っていました。日本では初めての作品でしたし、未完成の所から始めている作品なので、作っていく作業はとても面白かったです。大作でしたから、それを限られた時間の中で作っていくのが、とても大変でもあり、面白かったですね。『フランケンシュタイン』なんてみんなが知っているようなタイトルですよね。

――今年はドラマも他の舞台もあり、『フランケンシュタイン』が多いですね。

不思議ですが、何より原作が面白いんですよね。作品に入る前に、僕はイギリスのナショナルシアターライブで観た『フランケンシュタイン』の記憶に強く残っていました。「生命」というものをすごく大胆にテーマに入れていて、それをここまで演劇で作るのかと思いました。とんでもない作品だったので、すごく面白かったんですよ。舞台のセットも、(ベネディクト・)カンバーバッチさんの芝居も素晴らしくて、原作がこんなに深い話だったんだと、映像化されたものを観て改めて感じました。『フランケンシュタイン』は、その原作にすごく刺激を得て作られた作品なので、この作品がやりたいものは何となく見えていました。ただ、そこに友情関係が入ってきて、よりエンターテイメントというか、ショー寄りにはなっていたので、そこを表面的にしないように作る努力をしました。公演が始まってからもそれは変わらなかったですね。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

■「この人はこういう風にくるんだ」というのが、すごくストレートに受け止められた

――舞台を重ねるごとに、どんどん変わっていきましたよね。組み合わせによる面白さもあり、あれ程ダブルキャストが活きる作品は珍しいんじゃないかというくらい。

そうですね。それは、フランケンシュタイン役と怪物役の4人だけではなく、あのカンパニーはすごくいいメンバーでやれたからだなと感じますね。濱田(めぐみ)さん、(音月)桂ちゃん、(鈴木)壮麻さん、相島(一之)さんをはじめとするキャスト全員が、自分の役をこう見せたいという意識の人がひとりもいなくて、作品の土台作りをやっていこうとするメンバーでしたね。公演が始まってからも、それぞれがリスペクトしていて、僕らを周りの人が支えてくれていました。お互いが、お互いの事をすごく好きだったという感じです。

――皆さんのSNSなどにも現れていましたね。

ダブル同士だと、ペアが変わるじゃないですか。「この人はこういう風にくるんだ」というのが、すごくストレートに受け止められたので、アッキー(中川晃教)もカッキー(柿澤勇人)も全然違うんですが、「こう飛ばしてくるんだ」というものを細かく拾いあえるんです。その一つ一つは客席には見えないことだったりするですが、それが自分たちの役のエネルギーになって、いわゆる商業演劇のいい方にいける、演劇が出来る環境でした。その良し悪しを決めるのはお客様なので、評判はあまり気にしていないんです。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

■(ドラマ『恋がヘタでも生きてます』は)ゲストで出演させて頂きました

――それが舞台ならでは面白さで、毎回違う舞台が観られるというのは観客的にも嬉しいです。最近ではドラマ出演もされましたね。ちょうど『恋がヘタでも生きてます』を見ていたのですが、予告編で小西さんが出て来て驚きました(笑)。

(笑)。5〜7話にゲストで出演させて頂きました。

――映像出演についてはいかがですか?

映像現場は、作っているものも、作り方も舞台とは違うのでとても面白いです。元々僕は特撮(『牙狼−GARO−』)からなので、映像の物作りの面白さはそこで教えてもらいました。ずっとこの10年ぐらいは基本的に舞台ばかりやっていましたが、改めて映像制作の現場も面白いなと思いました。さらに、舞台とは違うお客様に届くじゃないですか。たまたまその作品を普通に観ていたという人に届けられるので、どこかニュートラルに出来るというか。舞台の世界だけでは、とても狭い世界になってしまうので。

――映像は広く届けられますね。

舞台に足を運んでくださるお客様はある種限られているので、舞台以外からの要素も刺激になります。そして、僕はシンプルに、作り手側の環境が全然違うので、そこがすごく面白いですし、勉強になります。

――映像の世界に帰ってきた感覚はあるんですか?

帰ってきたというよりは、新鮮さがあります。でも、根本的には変わらないというか。とても楽しめました。

――ドラマ予告編で突然出てくるのも楽しいので(笑)。ぜひ映像でも楽しませてください。

(笑)。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

■『魔都夜曲』は、音楽がとても色気があって、僕の好きなものがたくさん詰まっています

――最後に、『魔都夜曲』ヘの意気込みやメッセージをお願いします。

色んな要素が詰まっていますが、それが堅苦しい芝居を作っている訳でもなく、すごく面白いです。実際に起きていた時代や歴史があり、著名な人物の歴史は知っていても、その時代に生きた一般人の歴史は知らないですよね。どういう感情で生きていて、どういう出来事が起きて、どうしなければ生きられないのかは、時代が激動であればある程、面白いと思います。

この『魔都夜曲』の舞台になっている1930年代頃は、日本が戦争をしていて、言い方は難しいですが血気盛んな時代。戦いが好きな人なんて、一部にはいるのかもしれませんが、多くの人達はすごく大変だったと思います。その中で生まれてくる情熱や感情はとても力強く、それが物語になった時の面白さは格別です。

その物語の中で、音楽がとても色気があって、僕の好きなものがたくさん詰まっています。今、稽古をしていて、観てくれる人もきっと同じような感情をもってくれるんじゃないかと感じているので、より膨らませてお届けします。休みの日に来て観て頂いても、損をさせない作品にしたいと思っています。

――楽しみにしています。ありがとうございました。

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

小西遼生さん=撮影・岩村美佳

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“「『フランケンシュタイン』は、大変で、面白かった」、小西遼生インタビュー(下)” への 8 件のフィードバック

  1. coope より:

    記事、何度も読み返し堪能しました。
    ありがとうございました。
    摩都夜曲、また楽しみが増しました。
    今後も、素敵なインタビュー記事、写真、よろしくお願いします。待っています。

  2. とっこ より:

    いつも楽しく、嬉しく拝見しております。
    魔都夜曲、色気のある音楽…聞いてみたかったです…映像で観れます様にと切に願ってしまいます。
    フランケンシュタイン、今も思い浮かべると胸が熱くなります、私は小西さんと柿澤さんの回しか観劇出来ませんでしたが…それでも観れたことに感謝です、凄く良かったです。
    最近はテレビでの出演もあって、地方民には嬉しい限りです!

  3. ことり より:

    上下ともにとても読み応えのあるインタビューでした!魔都夜曲の開幕まで1週間。ますます楽しみになりました♪

    併せてフランケンシュタインのお話も聞いてくださってありがとうございました!お写真もとても素敵です。岩村さんのお写真は毎回ツボです(笑)。これからも素敵なインタビューとお写真、楽しみにしています(^_^)

  4. サイク より:

    魔都夜曲の音楽、楽しみですね。
    また、幾度も舞台で拝見させて頂いている役者さん方か一同に会すること、その方達の相乗効果を想像して、ますます楽しみになってきます。
    フランケンシュタインでの裏話も聞けて良かったです。
    これからも小西さんのインタビュー楽しみにしております。

  5. るみ より:

    素敵なインタビューとお写真ありがとうございます。
    小西さんの舞台は全部好きですがレミゼを観た時の衝撃と感動をフランケンシュタインで思い出しました。
    更に年月を重ねて深みを増した演技。
    素晴らしかったです。
    映像出演はやはり反響がありますね。
    友達に小西くん出てたねと言われました(笑)
    また小西さんの本質に触れたインタビューをお願いします。
    魔都夜曲楽しみです。

  6. ぷらぷら より:

    気だるい表情で色気たっぷりの小西さんを引き出していただき素敵なお写真をありがとうございます。裸足の演出最高です。小西さんの作品への思いがリアルに伝わる素晴らしい文章でした。また小西さんのインタビューの機会があればよろしくお願いします。

  7. ぽち蔵 より:

    (上)に引き続きとても読み応えのあるインタビューとお写真をありがとうございます。
    「フランケンシュタイン」やドラマ出演についても触れていただけて良かったです。
    いつも素晴らしいお写真とお話を引き出して下さる岩村さんに感謝です。

  8. りん より:

    いつも素敵なインタビューとお写真ありがとうございます。岩村さんの文面は愛に溢れててストレートなところが大好きです。これからもずーと楽しみに見させていただきますので、どうか宜しくお願い致します( ´ ▽ ` )ノ

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