石丸幹二さんインタビュー後半です。これまでフランク・ワイルドホーンさん作曲の作品に色々と出演されてきた石丸さんに、ワイルドホーンさんの楽曲について伺いました。有料部分には、ミュージカルと映画やテレビとの関係などについて語ってくださった内容を掲載しています。
――石丸さんはワイルドホーンさんの楽曲をこれまでにもたくさん歌っていますが、楽曲についてはいかがですか?
最初にワイルドホーンの作品と出会ったのは、ミュージカル『GOLD ~カミーユとロダン~』でした。その初日に、ワイルドホーンから、「幹二、初日おめでとう。君はこれからも僕の作品に主演していく予定だけれど、僕の歌は大変だぞ」と言われたんです。何が大変なのかは漠然としていたんですが、体力がないとワイルドホーンの歌は歌えないと、すぐに気づいたんです。
――なるほど。
いわゆる口先で歌う歌は、ほぼないんです。地の底から養分を吸い上げて、花を咲かせるような歌ばかり。「これがワイルドホーンのスタイルなんだな」と思いました。それから、『ジキル&ハイド』、『モンテ・クリスト伯』、『スカーレット・ピンパーネル』と続いていくわけですが。
――そうでしたね。続きましたね。
『モンテ・クリスト伯』の時だったか、「君達はいわゆる草食系だろ。これは肉食の話だ。ものすごいエネルギーがないと、歌が成立しないんだよ」と言われたことが、耳にこびりついています。『スカーレット・ピンパーネル』は、さらに歌の数が多い上に、パーシーの心の揺れに従って、切々と歌わなければいけないナンバーもあるんですよ。いつもベストコンディションでないと歌えないという意味で、フランク・ワイルドホーンの曲は、僕ら歌い手にとってはエベレストです(笑)。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ミュージカルと映画やテレビとの関係などインタビュー後半で伺ったお話の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■11月8日発売の僕のアルバムに、『スカーレット・ピンパーネル』から2曲を
■司会をさせて頂いている「題名のない音楽界」でも、時にミュージカル特集を
■クラシックが好きな方に、バーンスタインのことを話すと「そうか!」と
■ミュージカルが初めての方、スカッとしたい方にもおススメの冒険活劇です
<ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』>
【大阪公演】2017年11月13日(月)~11月15日(水) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年11月20日(月)~12月5日(火) TBS赤坂ACTシアター
<公式サイト>
梅田芸術劇場 ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』
http://www.umegei.com/the-scarlet-pimpernel/
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』 公式 Facebook
https://www.facebook.com/pimpernel2017/
<関連リンク>
石丸幹二オフィシャルサイト
http://ishimaru-kanji.com
石丸幹二 twitter
https://twitter.com/team_kanji
石丸幹二 instagram
https://www.instagram.com/team_kanji/
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※『スカーレット・ピンパーネル』石丸幹二さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月9日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■11月8日発売の僕のアルバムに、『スカーレット・ピンパーネル』から2曲を
――エベレストですか!
はい、険しくて難しいですね。でも、何度もアタックしたくなる、歌い手にとって征服感がありますし、聴き手にとっても爽快感があるでしょうね。
――石丸さんをしても難曲なんですね。『スカーレット・ピンパーネル』でワイルドホーンさんにお会いになったときは、新たなお話はされましたか?
いつも「大変だろう? でも、いい曲だろ?」としかおっしゃいません(笑)。昨年、「幹二が歌うんだったら、何か1曲追加しよう」と言ってくれまして、パーシーに1曲と、今回(上原)理生くんがやるロベスピエールに1曲加わりました。
――どちらもいいナンバーですね。
ワイルドホーンが言うには、「アメリカの初演版に1曲『ひとかけらの勇気』が加わって、宝塚版ができ、とうこちゃん(安蘭)が歌った。今度はその歌をタイトルと歌詞を変えて、君ととうこちゃんが歌う。さらに、2曲、新曲が加わり、『スカーレット・ピンパンーネル』はすごいことになっている。ぜひ楽しんで」と。でも、楽しむどころじゃないんですよ(笑)。
――楽しめる所まで行けるのは本当に大変そうですね(笑)。
ただ本当に歌いがいのある曲が散りばめられていますので、歌い手としてはこんなに素敵なことはないですね。
――聞き手側も本当に「堪能させていただく舞台」という感じです。衣装などビジュアル面も楽しめて、耳も楽しめて、爽快感のあるストーリーが揃っているという。
そうですよね。実は11月8日に発売する僕のニューアルバムにも、今回の『スカーレット・ピンパーネル』から2曲入れます。『スカーレット・ピンパーネル』の上演版CDが出ている訳ではないので、「家でもう1回聴きたいな」と思った時に満たされるために(笑)。
――お客様は『スカーレット・ピンパーネル』を見た後に、CDで持ち帰ることが出来ますね!
■司会をさせて頂いている「題名のない音楽界」でも、時にミュージカル特集を
――少し他のお話も伺えたらと思います。「MUSIC FAIR」を拝見しながら、「すごい時代になったな」と思いました。地上波の音楽番組で、ミュージカルの豪華なキャストで番組が出来るってすごいことだなと思いました。
そうですね。有難いことですよね。ミュージカルというジャンルがやっと認知されてきたのかなと思いますし、私たちもそういう場に出ることによって、ミュージカルを知ってもらおうという思いが強いんですね。
――しかも、年代も幅広くて。
私は一番年上になっちゃうんですけれども(笑)。
――ミュージカル界のパイオニアですよね。
ありがとうございます。
――「MUSIC FAIR」だけではなくて、NHKやWOWOW、ラジオでもミュージカル番組が作られたり、ミュージカルが乗ってきていると思いますが、本当にパイオニアの石丸さんから見ると、今の時代はどういう風に映っていらっしゃいますか?
歌って踊りながらストーリーが展開していくミュージカルの枠が広がったと思うんです。いわゆる「2.5次元ミュージカル」もミュージカルですよね。映画の力も大きいと思います。例えば、映画版の『レ・ミゼラブル』や『オペラ座の怪人』が世界中で上映され、超一流スター達を知ることが出来たと思うんですよね。ミュージカルをやっている人は特殊ではないと知らしめた突破口は映画だったと思います。
――『美女と野獣』は、エマ・ワトソンが演じていることが、結構センセーショナルでしたね。
「ミュージカルって身近なんだ」と思ってくれたんじゃないかなと思いますね。だから、映画の効果は大きいですね。あとは、我々ミュージカルをやっている俳優たちが、テレビにたくさん出るようになったことも大きいと思います。
――石丸さんご自身もドラマにたくさん出演されていますよね。私も『半沢直樹』を観ていて「おお!」と思いました。
と言いながら、ドラマの中では歌は歌いませんし、違う一面で知ってもらうという意味なんですね。先程も言いましたが、ミュージカルをやっている俳優はミュージカルだけではない、ということに皆さんが気づいてくれたことが大きいです。
――映画、ドラマ、音楽番組などの映像の影響力ですね。
「題名のない音楽界」で司会をさせて頂いていますが、時に、ミュージカルを特集しています。すると、クラシックしか聴かなかった人たちが、「ミュージカルにこんな曲があるんだ」と、思ってくれるかと。
■クラシックが好きな方に、バーンスタインのことを話すと「そうか!」と
――正直、「オペラは大好き」「クラシックは大好き」という人で、ミュージカルを毛嫌いされている方が私の周りにもいます。
僕はその時に皆さんに、「100年、200年前に斬新だった作品で、今に残っているのが、僕たちが楽しんでいるオペラですよね。だからミュージカルも、100年後に残るものがあったら、多分オペラの流れに繋がるでしょう? 全部が今のオペラに並ぶものではないけれど、残ってゆくものがあるんじゃないかと期待していてください」とお伝えしているんです。そうすると納得されます。
――オペラが誕生したときはそうですよね。
だから、「現代のオペラというのがひょっとしたら、ミュージカルかもしれませんよ」ということは、常々お伝えしているんですね。私も元々クラシック側にいた人間なので。
――上原さんもそうですが、ミュージカルが好きで、クラシックを勉強してミュージカル界に来る方もたくさんいらっしゃいますねs。
理生くんとか、(井上)芳雄くんもそうですね。クラシックの基本を体に入れておくと、ミュージカルを演じるにあたって、プラスになることがとても多いんですね。やはり体を使って歌うことからスタートしますから。クラシックあってのミュージカルの表現だなとも思います。
――クラシックの方々にミュージカルの楽曲をご紹介して、反応のいい曲はあるんですか?
ありますね。例えば、僕もそうだったんですが、クラシックの作曲家がミュージカルを作ったりしているんですね。一番有名なのは、『ウエスト・サイド・ストーリー』を作ったレナード・バーンスタインですね。彼は、手法的にはオーケストレイションがクラシックですよね。そのメロディラインに、ダンスをコンビネーションとしてつけることでミュージカルとしてのジャンルを開いていった。そこから話すと、「あ、そうか!」と言われます。
――なるほど。
そこに、今、色々な作曲家たちが現れている。例えばアンドリュー・ロイド=ウェバーはクラシック曲も書いていますが、『オペラ座の怪人』はクラシックとロックの融合ですよね。『オペラ座の怪人』を歌うのは、クラシック出身の歌手でも難しいと言われています。
――そうなんですか。
難しいんですよ。現代音楽に通じるような調性もあったり、きっちりオペラ歌手が歌うようなナンバーもあるんですね。ロイド=ウェバーは、このメロディーを歌うのはこういう声質の、こういうキャラクターの人というふうに、まるでクラシックの作曲家と同じような声の当て方で書いている。そんな風に考えると、ミュージカルもオペラの流れの一環だなということに気がつきます。
■ミュージカルが初めての方、スカッとしたい方にもおススメの冒険活劇です
――ありがとうございました。最後に楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします。
『スカーレット・ピンパーネル』は、スリル満点の物語、ダイナミックな音楽に加え、豪華なセットや衣装を存分に楽しんでいただけると思います。特に、ミュージカルが初めての方、スカッとしたい方にもおススメの冒険活劇です。どうぞ観てください。
※『スカーレット・ピンパーネル』石丸幹二さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは11月9日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。