加藤和樹さんがミニアルバム『SPICY BOX』を10月18日に発売します。アルバムについての合同インタビューに参加しました。（上）（下）に分けてお届けします。個別でお伺いしたお話もたっぷりとあり、（上）では、ご自身で作詞作曲された２曲、加藤さんが演じたミュージカル『フランケンシュタイン』からインスパイアされたという「I’ll be there」と、現在上演中のミュージカル『レディ・ベス』のロビン役にリンクしているナンバー「to you」について、（下）ではミュージカル『レディ・ベス』について伺いました。

ーー今回のアルバムのコンセプトをお聞かせください。

昨年は「恋の処方箋」シリーズをCHIHIROさんと一緒にやらせて頂いて、柔らかくて女性目線の歌を歌ってきたので、今回は自分の原点に戻り、とにかくロックで格好いいものにしたいと、大人のロックギターサウンドを中心にした、格好いいミニアルバムというコンセプトで作りました。

ーー『SPICY BOX』の“SPICY”にはどんな思いを込めたんですか？

これまでも色々とコンセプトに意味合いを持たせてきましたが、今回は“刺激”というところで、スパイスには色んなスパイスがあるじゃないですか。ピリッと辛かったり、ガツンと来るものであったり、色んな刺激が味わえるという意味合いを持たせたかったので、『SPICY BOX』とすぐに決まりました。

ーーミニアルバムは収録曲数が限られていますが、曲を絞り込むのは大変でしたか？

いつもそうですが、選曲のときに第一印象ですごくインパクトのあるものと世界観を考えました。そこにどういう歌詞を載せるのかはその後で相談し、耳に残って自分が歌いたいものを優先的にピックアップしていき、今回のナンバーになりました。その中に自分の曲も２曲入れさせて頂きました。

ーーライブで先に披露した曲も入っていましたね。

「Myself」「I’ll be there」に関しては、ライブで先に披露しました。先行配信にもなっていますし、その２曲も含めたより格好いいミニアルバムに仕上がっていることを楽しみにして頂ければと思います。いつもライブで歌うことを意識して選曲するので、先にライブで披露出来たことは、よりお客さんの期待値も高められるのではないかと思いました。これからリリースイベントもありますし、はやく歌いたい気持ちです。

※アイデアニュース有料会員（月額300円）限定部分には、加藤さんが作詞作曲された２曲は、それぞれ『フランケンシュタイン』と『レディ・ベス』で加藤さんが演じた役の感情が自然に溢れこんだというお話など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。17日掲載予定のインタビュー「下」には、自身の課題などについて語ってくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■「I’ll be there」は、『フランケンシュタイン』の怪物の感情が溢れこんで

■「to you」は、『レディ・ベス』の稽古中で、ロビンにリンクした歌詞に

■舞台で演じた感情は、自分の中で地肉となって糧になる。それはリアル

■「Heart Beat」は、自分自身にも言い聞かせ奮い立たせる、一歩踏み出す曲

＜加藤和樹 MINI ALBUM『SPICY BOX』＞
2017年10月18日（水）発売
【初回限定盤】TECI-1558 ￥3,000（税込） 商品形態：CDA+DVD
【通常盤】TECI-1559 ￥2,000（税込） 商品形態：CDA
CD 収録内容：初回限定盤・通常盤共通

「con・fu・sion ～心の叫び～」

「Myself」

「Heart Beat」

「君は Fragile」

「I’ll be there」

「to you」
DVD 収録内容（初回限定盤のみ）：「Myself」Music Video、メイキング映像 収録予定

＜加藤和樹『SPICY BOX』発売記念スペシャルイベント＞
【東京】2017年10月17日（火）　TOWERmini汐留店
【東京】2017年10月17日（火）　渋谷MODI
【東京】2017年10月19日（木）　HMVららぽーと豊洲
【東京】2017年10月19日（木）　アニメイト新宿
【茨城】2017年10月22日（日）　イオンモール土浦
【東京】2017年10月24日（火）　SHIBUYA TSUTAYA
【東京】2017年10月26日（木）　タワーレコード渋谷店
【東京】2017年10月27日（金）　タワーレコード新宿店
【佐賀】2017年11月19日（日）　モラージュ佐賀
【滋賀】2017年12月 3日（日）　ピエリ守山

＜関連リンク＞
加藤和樹　テイチクオフィシャルサイト
http://www.teichiku.co.jp/artist/kato-kazuki/
加藤和樹　Official Web Site / ASSIST
http://katokazuki.com/
加藤和樹　オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/katokazuki-blog/
加藤和樹　twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007

• 城田優が演出と出演、加藤和樹・真彩希帆・sara出演、ミュージカル『ファントム』東京・大阪で2023年夏上演 2022年10月7日
• 「冒険的な挑戦」、『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』小西遼生・伊礼彼方（上） 2022年9月25日
• スターが日替わりで登場するバラエティショー『THE PARTY in PARCO劇場』、2022年11月開催 2022年9月13日

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※今回の取材で撮影した写真にサインをしていただいた、加藤和樹さんのサイン入り写真1枚を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは10月30日（月）です。（このプレゼントの応募は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

※ここから有料会員限定部分です。

■「I’ll be there」は、『フランケンシュタイン』の怪物の感情が溢れこんで

ーー曲の並びはどのように決めたんですか？

全部が完成したところで繋いで聞いたときに違和感がないか、この曲の後にはこの曲がいいんじゃないかなど、スタッフさんを交えて相談し、僕はこれがいいんじゃないかというものを提示して、それを反映して頂きました。１曲目にはインパクトがあった方がいいと思い、リード曲の「Myself」がいいかなとも思いましたが、聞かせどころをもう少し後にとっておいて、「con・fu・sion ～心の叫び～」にしました。CDを入れて、音が聞こえてくるスタートの絵がすごく浮かんだんですよ。

ーーその中で、ご自身で作詞のみされた「Heart Beat」、作詞作曲された「I’ll be there」「to you」がありますが、収録する曲を選んで、後からこういう曲をと作られたんですか？

元々自分でも作りたいとは言っていたんです。ただ、作ったからといって、自分の曲が採用されるかどうかというのはわからないので、この曲のバランスだったらこれを入れた方がいいねといつも話し合って入れています。

ーー作詞作曲された２曲について、どんな思いで作られたのかぜひお伺いしたいです。

「I’ll be there」は、自分が演じた『フランケンシュタイン』というミュージカルからインスピレーションを受けて書いた曲で、マイナー系のロックテイストで作りたいと思い、ギターサウンドを中心にして曲を作り、そこに歌詞を乗せて行きました。少しダークな雰囲気もある曲に仕上がりましたね。

ーー具体的に『フランケンシュタイン』のどんなところからインスピレーションを受けたんでしょうか？

演じているとその役が生きて、自分にはない感情も生まれます。今回、自分で作ったサウンドの中に、怪物の感情がすごく溢れこんで来たんですよ。物語としては暗めの報われない物語ですが、日常の中でも自分は何のために生まれて、何処へ向って生きているんだろうという自分の存在意義みたいなものを、僕自身もそうですし、誰しも感じたことがあると思うんですね。生きる理由を探し求めるのは、どういう環境下に生まれようが、どういう立場にいようがみんな変わらないんじゃないかと。そういうことを書けたのは怪物を演じたからこそですね。

■「to you」は、『レディ・ベス』の稽古中で、ロビンにリンクした歌詞に

ーー演じることで生まれた感情を歌に書いたんですね。「to you」はどんな思いで作られたんでしょうか？

「to you」は１曲バラードも入れたいと思い、前々から自分で試行錯誤しながら作っていたものをブラッシュアップして完成させました。最初は最近あまり作っていなかったハッピーエンドの曲を作ろうと思っていたんですが、ちょうどミュージカル『レディ・ベス』の稽古をしていたこともあって、役の気持ちが自分の中から自然と言葉になってきて、気がついたら役の気持ちにもリンクした歌詞になっていたんです。「to you」は手紙をイメージして書いたのですが、そういう仕上がりになったと思います。内容的にはそれぞれの道を選んで行ったけれど、両思いではなく、見守る愛の形がテーマになっています。

ーーまさに『レディ・ベス』ですね。

音的にもアコーステックギターをベースにした、マイナーからはじまる切なくも温かい楽曲にしたいと思っていたんです。でも書いているうちに、物語の中で対象に宛てたメッセージにしたいと思い、手紙にしたいと思ったんです。僕はいつも最後にタイトルを決めるんですが、「to you」がいいなと。稽古でリアルに演じている最中だったので、そういう愛の形もありだなとすごく感じたんですよね。

ーー稽古中のタイミングで書かれたんですね。書きはじめたらそうなってしまったんですか？

予定ではハッピーな内容にしたいと思っていんですけれどね（笑）。

ーーベスをやっている最中にはハッピーに出来なかった？

ハッピーじゃないわけではないんですよ。ただ、形が違うだけで、そこに確かな思いがあることは変わらないので。

ーーロビンを作っている最中に歌詞を書いたらこういう方向に辿り着いたんですね。

自分の中でも叶わない恋ってあるじゃないですか。そういう部分にもちろんリンクするんですが、リアルに今の自分が出す言葉としては、自分が演じているロビンという役の気持ちが反映された感覚はありますね。

■舞台で演じた感情は、自分の中で地肉となって糧になる。それはリアル

ーーこういう曲が生まれるというのは、役者だからこそですね。

そうですね。今までも何曲かそういう曲はありましたが、より舞台で演じることによって、自分の中でも生きてくるわけですよね。そこに感情も人格もあるわけですし、それってひとつのリアルだなと思うんです。

ーーそれは感情が自分の中に残っていく感覚ですか？

もちろん作品が終われば消えて行くものですが、記憶も感覚もありますし、それは自分の中で地肉となって、糧になっているものですよね。

ーー誰しも色んな経験をすることで、色んな感情が増えていきますよね。役の経験で知る感情も、自然と自分の感情と合わさっていくような感じでしょうか？

それも結局は自分なんですよね。フィルターがひとつ通っただけで、今は自分の感情になっているんですよ。

ーー演じているけれど、自分の心が動いた感情だから残っている？

そうですね。

ーーどんどん増えていくんですね。

だからこれから先もたくさん演じていくのが楽しみです。それだけのものが自分に蓄積されていくんですから。

ーーアーティスト活動だけをされている方は、ご自身の体験や想像など色んな方法で音楽が生まれていくと思いますが、役というところから曲が生まれていくのが面白いですね。

それは俳優だからこそで、特殊だなと思います。

■「Heart Beat」は、自分自身にも言い聞かせ奮い立たせる、一歩踏み出す曲

ーー作詞のみ担当された「Heart Beat」はどんな思いを書かれたんでしょうか？

自分が書くに当たって、今までも色んな歌詞を書いてきましたが、前向きなもの、自分自身にも言い聞かせるというか、自分がそれを感じていないというところを念頭に置いて書くんですね。今回は「Myself」というリード曲があって、「Myself」も自分を奮い立たせるような、突き動かされるナンバーです。それとは違う、よりくだけた感じの、日常の中で感じているものから生まれてくる自分への課題というか、一歩踏み出す曲になっています。

これまでも「In the future」など前向きな曲を書いてきたんですが、より世間的なことも入れながら、日常の中でがんじがらめになっているけれど、そこからもう一歩踏み出していくという歌詞を書かせて頂きました。テンポに疾走感があって、フレーズの中に言葉数もすごく詰まっているんですよね。言葉遊びじゃないですが、文字数が多いからこそ、より詰められる言葉があるんじゃないかと思いました。決められたフレーズの中にこれだけの音符の数がある。自分で曲も作るときにはなかなかないことなので、言葉のハメ方は結構苦労しましたが、逆にそれが面白かったです。

ーー最初に曲を発注するとき、どんなイメージでお願いするんですか？　それとも作曲家にお任せしている？

基本的には「こういうテーマで作りたいから、こういう曲を」とお願いしますが、人それぞれ例えば「格好いい」というイメージも違いますし、その中でこういうものもありかなと考えてスタッフさんと一緒にチョイスしていきます。今回のアルバムは、個性の違う曲が集まった印象を受けていますね。１曲１曲が立っていると思いますし、レコーディングもそれぞれに色が違っていて、結構時間をかけてレーコーディングをしたので楽しかったですね。

ーーレコーディングでのエピソードは何かありますか？

これまではあったものに対して歌うことが多かったのですが、今回は歌い方なども意識していくなかで、歌ってみてこっちのキーがいいんじゃないかと試行錯誤しました。自分の声に合う、大人の色気も醸し出したいという思いもありましたし、低音などの自分の一番いいところを聞かせられるように意識して作りました。

ーー自分が思う自分のいいところと、例えば周りのスタッフが思ういいところにズレはなかったですか？

そこは擦り合わせでディレクターの方ともやりとりはしっかり出来ていたので、ぶつかったりしたことはなかったですね。

ーー逆に発見などは？

あまり自分では気づかないですが、音に対する反応がすごくいいと言われるんです。それは自分ではわからないですし、自分のやれることを吹き込むだけなので。そこにいつもの癖で音を気にしすぎて上手く歌おうとするのではなく、いかに気持ちを込められるかというのは毎回のテーマなので、同じ気持ちでやりました。

ーー今回新たに掴んだことや、挑戦したことは？

１曲１曲が毎回挑戦ですね。やはりはじめての楽曲なので、そこでいかにライブをイメージするか。歌っている絵が想像出来ないと、マイクを通して届けられないんですよね。その感覚が昔に比べて掴めて来たなと思います。

ーーマイクに向かいながらも、その向こうには観客の皆さんがいる？

限られた密閉された空間の中で歌っていると、すごく閉鎖的ですし、どうしても口先だけのマイクとの距離感で届けようとしてしまうんですが、そうではなくそのマイクの向こう側をいつもイメージしないと、気持ちが作れないんですよね。マイクではなく、その先にあるお客さんを対象にしないといけない。そのイメージは昔より出来てきたと思います。

ーーレコーディングするときに必需品みたいなものはあるんですか？　もしくはこういうシチュエーションが歌いやすいとか。

昔から曲によって部屋の照明を暗くしたりすることはあります。例えば、「I’ll be there」のダークな感じのときはちょっと暗くしたり、バラードのときは温かい照明にしたりしますね。今回も「to you」は少し照明を落としてレコーディングしてみました。

※今回の取材で撮影した写真にサインをしていただいた、加藤和樹さんのサイン入り写真1枚を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは10月30日（月）です。（このプレゼントの応募は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。