「2.5次元とオリジナル、違いはない」、鈴木勝吾・宮崎秋人インタビュー(下)

鈴木勝吾さんと宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

2018年1月6日から、東京と大阪・愛知で上演される、少年社中20周年記念第一弾 少年社中×東映 舞台プロジェクト『ピカレスク◆セブン』に出演される鈴木勝吾さんと宮崎秋人さんのインタビュー、後半です。

鈴木勝吾さんと宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

鈴木勝吾さんと宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

――2.5次元舞台に出演されることも多いお2人ですが、今回は完全オリジナルの作品です。2.5次元の舞台作品とオリジナル作品を比べたときに、違いはありますか?

鈴木:違いはないです。

――そうなんですか。

鈴木:制作側は考えると思いますが、僕自身の違いはないですね。僕は原作のキャラクターは、原作を好きな人がリスペクトとするものという思いはあるんですが、例えばマンガが原作でアニメ化、舞台化するとなると、もう声優さんはオリジナルではないわけで。

オリジナル作品と2.5次元舞台の作品をやるときに、あまり僕の中で違いはなくて、逆に原作がアニメであれば、アニメは見ないようにします。それも声優さんが台本を読んで解釈したものの一つなので、とてもリスペクトするものであっても、そこで僕が演じるときの違いというものはないですね。

ただ、二次元化しているので見た目が分かるので、その人がどういう暮らしをしているのか、どういうアイデンティティがにじみ出ているのかは、その二次元化されたものを見ることで、とてもすくいやすいです。

――2.5次元作品の方がイメージしやすいということですね。

鈴木:それは大きいですね。でも、「じゃあ役作りはオリジナル作品と2.5次元作品で変わるのか」と聞かれたら、あまり変わらないですね。

■宮崎:演じる上で、誰よりもこの役を愛しているという自信だけをもって

宮崎:僕も作っていく段階では変わらないです。始まる前は原作を読んで、アニメも見ますが、自分に与えられた役を演じる上で、誰よりもこの役だけを愛しているという自信だけをもって稽古に臨んでいます。

それくらいの違いで、答えがマンガにあるかといったら、結局コマとコマの間は何もないので、僕らに与えられているのは台本が全て。あとは、演出家さんの演出もありますが、台本と睨めっこをして、共演者の芝居を感じて……ということは、やっている作業としては変わらないですね。

でも、心の中ではお客さんに対して、「これが自分が演じるキャラクターだ」という思いをぶつけているか、「この作品にはこういう人物がいます、これがオリジナルの人物です」という心もちに若干違いはあります。

でも、2.5次元作品といわれるものでも、自分が作ったものという軸はあって、自分もこの役が大好き、この原作が大好きという自信もあるので、きっと受け入れてくれるだろうという気持ちでやっているだけなので、あまり作業は変わらないですね。臨み方も変わらないですし、変な話、似ている、似ていないというのは、自分の中では気にしていないです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、お2人が目指すものなどについて語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■鈴木:舞台の上で生きているなと思わせるのは、僕らの仕事だと思っているので

■鈴木:お客さんのために常に真摯に作品に取り組める役者になりたい

■宮崎:客さんに喜んでもらって、いい気持ちで帰ってもらいたいです

■鈴木:『ピカレスク◆セブン』、型にはまらずにロックな舞台に

■宮崎:『ピカレスク◆セブン』、大爆発を、ぜひ生で観て頂けたら

<少年社中20周年記念第一弾 少年社中×東映 舞台プロジェクト『ピカレスク◆セブン』 >
【東京公演】2018年1月6日(土)~1月15日(月)サンシャイン劇場
【大阪公演】2018年1月20日(土)・21日(日)サンケイホールブリーゼ
【愛知公演】2018年1月27日(土)岡崎市民会館 あおいホール

<関連リンク>
『ピカレスク◆セブン』 公式ページ http://www.shachu.com/p7/
劇団 少年社中 公式サイト http://www.shachu.com/
鈴木勝吾 オフィシャルブログ「Smiling days」 https://ameblo.jp/shogo-suzuki/
鈴木勝吾 twitter https://twitter.com/shogo_suzuki_
鈴木勝吾 プロフィール(ヒラタオフィス) http://www.hirata-office.jp/talent_profile/men/shogo_suzuki.html
宮崎秋人 オフィシャルブログ「I’m no one」 https://ameblo.jp/shuto-miyazaki-we/
宮崎秋人 twitter https://twitter.com/shuto_mi
宮崎秋人 プロフィール(ワタナベエンターテインメント) http://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000057/

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鈴木勝吾さんと宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

鈴木勝吾さんと宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

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■鈴木:舞台の上で生きているなと思わせるのは、僕らの仕事だと思っているので

鈴木:これはどの作品も当てはまることだと僕は思っていて、シェイクスピアの作品もそうですし、『レ・ミゼラブル』のような原作のある作品があって、今まで何人もの方がいろんな役を演じてきていて、多分、お客さん次第で、「この年に演じたこの役はお芝居が上手だった」、「この年に演じたこの役の方は歌が上手かった」など、そういう違いをきっと思うじゃないですか。

同じ題材を頂いて、他の俳優さんと違うものをみせることは当然だと思っています。その中で、作品の役割だけは作品として変えられないので、与えられた役割を全うするだけなのだと思います。そして、舞台の上では、自分が演じている役が、現実として、舞台の上で生きているなと思わせるのは、僕らの仕事だと思っているので。

――アニメ(原作)と似ている・似ていないという論点とは違うと?

鈴木:僕が思っていないのに「とても似ていました」という感想を頂いたというのは、多分そこの役の心理を僕も声優さんも同じものを掴んでいたということだと思うんです。それは舞台上で演じた結果なんだと思っています。

――結果的に似たということはあるということですね。

鈴木:僕らが最初から「似せ」にいってしまうと、それは嘘を演じることになってしまうと思うので、似ている、似ていないと結果的に思ってもらうことは僕らが考えることではないと思います。

――先程おっしゃっていた「『レ・ミゼラブル』の何年のこの方が演じた役に似ている」と言われても、そこに「似せ」にいっているわけではないと。

鈴木:結果同じような表現にいきついたということだと思います。原作では絶対にしないことをやっても、演劇なら「いいんじゃない? これおもしろいよね?」ということもあるだろうし、例えば、それが映画や映像作品になった時はまた違う表現も生まれるでしょうし。

――舞台には舞台の良さがありますもんね。

鈴木:色々な見方をして頂けるのはお客さんの自由なので、役者は表現することで、その場のお客さんと感情や気持ちを共有していける芝居を僕たちは続けていくだけかなと思っています。

■鈴木:お客さんのために常に真摯に作品に取り組める役者になりたい

――鈴木さんは2018年4月からはエン*ゲキ#03『ザ・池田屋!』に、宮崎さんは2018年4月には舞台『PHOTOGRAPH51』に出演することが決まっていますが、お二人は今後どういう役者になりたいかという目標はありますか?

鈴木:やはり演劇でもドラマでも、映画でも、僕はその瞬間刹那を切り取っているものが作品だと思う。普段見てほしいけど、見られない部分やそれぞれが抱えているものを作品で提示することによって、誰かに影響を与え続けていきたいと思っています。なので、自分がどんな仕事にも興味をもって、お客さんのために常に真摯に作品に取り組める役者になりたいなと思いますね。

鈴木勝吾さん=撮影・山本尚侍

鈴木勝吾さん=撮影・山本尚侍

■宮崎:お客さんに喜んでもらって、いい気持ちで帰ってもらいたいです

宮崎:僕は舞台だったら、観にきてくれるお客さんに喜んでもらって、いい気持ちで帰ってもらいたいです。それをずっと積み上げていけたら、きっとそれなりに技術はつくでしょうし、それを一生続けていけたら一生役者としてやっていけるだろうなと思うので、目の前のことを一つ一つ取りこぼさずに積み上げていきたいなと思います。

宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

宮崎秋人さん=撮影・山本尚侍

■鈴木:『ピカレスク◆セブン』、型にはまらずにロックな舞台に

――では、最後に『ピカレスク◆セブン』を楽しみにしていらっしゃるお客様へメッセージをお願いします。

鈴木:今回、少年社中×東映さんのプロジェクト第2弾となりますが、本当に絆で出来上がっているカンパニーだと思っています。元々東映さんの繋がりだったり、「毛利さんだから出たい」といっている人や、「少年社中×東映でやっているから出たかったんだ」と、すでにそういうカンパニーになってきている部分はあるので、間違いなくこれから大きくなっていくコンテンツです。

その第2弾で、かつ少年社中20周年の記念作品ということなので、本当に1人でも多くの人に観ていただきたい。ヒーローを書いていた毛利さんが悪人の話を書くというロックな部分もそうですし、ヒーローを演じていた役者が悪人を演じるというところや、どれだけ舞台の上でいろんな意味で闘えるのか。型にはまらずにロックなことをやりたいと思っていますので、ぜひ劇場へ観にきてほしいと思います。

――第1弾にも出られていましたね。

鈴木:僕は舞台に関しては生以上のものはないと思っているので、僕たちは色々な思いをもって、来てくれた人たちに報いるだけの作品を届けるつもりでいますので、自信をもって、楽しみに劇場に来て頂ければ、間違いないものをお見せしたいなと思います。

鈴木勝吾さん=撮影・山本尚侍

鈴木勝吾さん=撮影・山本尚侍

■宮崎:『ピカレスク◆セブン』、大爆発を、ぜひ生で観て頂けたら

宮崎:圧倒的な爆発力をもった役者たちが集まっています。お客さんとして舞台を観にいってもそう思わせてくれる役者さんたちがたくさん集まって、大高さんなどベテランの深みや重みのある人たちもいるので、僕からしても、すごい人たちが少年社中×東映の舞台プロジェクトに集まったなと。

それはひとえに「少年社中だから、毛利さんだから出たい」という思いをもって集まったみんなだと思っていて、それが年始ということもあって、本当にお祭騒ぎになると思います。劇場できっと大爆発が起こると思うので、ぜひぜひそれを生で観て頂けたらなと思います。

――ありがとうございました。

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“「2.5次元とオリジナル、違いはない」、鈴木勝吾・宮崎秋人インタビュー(下)” への 1 件のフィードバック

  1. kuma より:

    こちらのインタビュー記事、とても読み応えがありました!!

    2.5次元作品だからといって、ベースとなっている媒体によりかからず、
    台本と向き合い、ゼロからご自身が演じる人物像を作り上げていかれるという話。
    なにかをコピーするところから始めてしまった方が
    最初はやりやすい部分もあるんじゃないかと思いますが、
    それだけでは、役者として届けたい思いを実現することができない
    ということなんだろうと想像しながら、記事を読ませて頂きました。

    役者さんの思いと、演出家さん等の他の制作側の方々の意図。
    それぞれの立場の方がそれぞれの思いを持って関わられることで、
    良い作品が作り上げて行かれるんだろうと思います。

    劇場で公演を見るのがますます楽しみになる記事でした。
    ステキな記事をありがとうございました!!

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