「ある時、ぐいっとわかった瞬間があった」、小早川俊輔インタビュー(下)

小早川俊輔さん=撮影・NORI

2019年4月13日(土)に横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールで開幕(4月13日と14日はプレビュー公演)する舞台『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』。Blanc(ブラン)とCyan(シアン)のWチームで上演されるこの作品で、Cyanで主演を務める小早川俊輔さんのインタビュー、後半です。小早川さんが俳優を志したきっかけとこれまでの道のり、そして今作につながるご縁についてお話を伺いました。

小早川俊輔さん=撮影・NORI

小早川俊輔さん=撮影・NORI

――小早川さんが、一番最初に職業としての俳優を意識されたのはいつからですか?

中学3年生の時です。誰しもが将来のことを考え始めるタイミングですが、自分が興味を持っていたのは、職業よりもなによりも、なにが「かっこいい」のかということだったんです。「かっこいい」にも色々ありますよね、容姿がいいとか、スポーツができるとか。でも、そういうこととは違う、外面ではないかっこよさとは、どんなものがあるだろうと考えていました。そんな時に、テレビで『明日の記憶』という映画が放映されているのを見たんです。主演の渡辺謙さんがアルツハイマーの病になる役なんですが、それを見た時に「なんてかっこいい大人なんだ!」と、純粋に思いました。「本当はアルツハイマーではない人が、アルツハイマーの人になりきって、本物の涙を流してる」って。そのお芝居をされている姿のかっこよさに衝撃を受けたのが、僕にとっての俳優を志すきっかけでした。

それから自分もお芝居をやってみようと思ったのですが、高校の演劇部は自分がやりたいこととは違う気がして入部せず、それまでずっと続けてきたサッカー部を選びました。初めて舞台に立ったのは、大学の劇研の新人公演の時です。大学は芝居ができるところということで選びましたし、そこはいろんな方を輩出している劇研だったので、そんな方々が歩んだ道には何かがあるのではないかと思い必死に食らいつきましたが、そこでは自分の求めているものには出会えませんでした。劇研を辞めてからは、大学に通いながら小劇場に出させていただいたり、オーディションを受けたりしましたが、そのころの自分は単純に楽しいからというだけでやっていたのだと思います。サッカーを始めたての頃に、ボールを蹴るのが楽しいのと同じ感覚ですよね。

転機といえるものがあるとすれば、本当の意味でお芝居が面白いと思えた瞬間が訪れた時ですね。きっかけは、今回の演出家の保科由里子さんとの出会いでした。18歳の頃、人生で初めての「レッスン」を受けたのですが、それが保科さんの演技レッスンでした。通い始めたころは、レッスンを受けること自体に疑問を感じたり、教えていただく内容にもわからないことが多くて、今思い返すとツンツンしていたと思います。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、演出家の保科由里子さんから学んだこと、『テニスの王子様』出演などについて話してくださった内容など、インタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■「ぐいっ」とわかった瞬間に得た「楽しい」という感覚は今でも特別です

■やってみたい2人芝居を見つけた。でも、作品を思い出で終わらせたくない

■『テニスの王子様』で得たもの、学べたことは本当に大きいものでした

■全身全霊で臨んでいる『クロードと一緒に』、その醍醐味を味わっていただけたら

<舞台『Being at home with Claude ~クロードと一緒に~』>
【東京公演】2019年4月13日(土)~4月28日(日) 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
(4月13日と14日はプレビュー公演)
【Blanc(ブラン)チーム】演出:田尾下哲
出演:松田凌、石橋祐、福澤重文、鈴木ハルニ
【Cyan(シアン)チーム】演出:保科由里子
出演:小早川俊輔、根本正勝、川野直輝、澤田拓郎
公式サイト
https://www.zuu24.com/withclaude2019/
公式ツイッター
https://twitter.com/withClaude
公式フェイスブック
https://www.facebook.com/withclaude

<チケット>
【一般】全席指定 8,300円
【学生】当日引替券(各回20席限定) 3,900円
【プレビュー公演】(Cyan 4月13日/Blanc 4月14日) 3,900円
カンフェティ
https://www.confetti-web.com/search_result.php?search_text_post=withclaude
イープラス
https://eplus.jp/sf/detail/2885280001
チケットぴあ
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1906859

<小早川俊輔(こばやかわしゅんすけ)>
1993年10月12日生まれ、大阪府出身。2013年、舞台『飛龍伝』以降、ミュージカル『テニスの王子様 3rdシーズン』(2016~2018)『プリンス・オブ・ストライド』(2017)などに出演。2018年には『白痴』、『銀河英雄伝説Die Neue These』でそれぞれ主演を務めている。2016年4月から、TV情報番組「猫のひたいほどワイド」(tvk)の番組リポーターに就任。最近ではドラマ『私のおじさん~WATAOJI~』(2019・テレビ朝日)に出演するなど幅広く活躍中。

<関連リンク>
小早川俊輔 Twitter
https://twitter.com/kbykw_shnsk
小早川俊輔 公式ブログ
https://ameblo.jp/shunsuke-kobayakawa/

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小早川俊輔さん=撮影・NORI

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■「ぐいっ」とわかった瞬間に得た「楽しい」という感覚は今でも特別です

それでも続けていくことができたのは、保科さんのおっしゃることが、とても理にかなっていると思ったからなんです。応えられない自分のスキルも嫌でしたし「自分がやりたと思ったことは、それを得るまで投げ捨てない」と一つ心に決めていることがあるので、最終的に4~5年通いました。そうしたらある時「ぐいっ」とわかった瞬間があったんです。きっと保科さんが教えてくれようとしていたことの全体からすれば、まだまだだったとは思うのですが、その時に得た「楽しい」という感覚は今でも特別です。続けることが大事だとよく言いますけど、続ける場所がここでよかったと、心から思いました。

小早川俊輔さん=撮影・NORI

小早川俊輔さん=撮影・NORI

■やってみたい2人芝居を見つけた。でも、作品を思い出で終わらせたくない

お芝居を楽しめるようになってからはどんどん興味が増えていきました。保科さんはNYに10年いらした方なので、向こうの情報をたくさん教えて下さいましたし、知れば知るほど挑戦してみたい作品も増えていきました。その中に「これをいつかやってみたい」という2人芝居を見つけたんです。それを題材に自分で一回公演を打ってみるのはどうだろうと考えたこともありました。当時通っていた大学ではそれが普通のことだったので、出来ないことはなかったと思います。でも、そこでこの作品を思い出で終わらせたくないと思ったんです。

小早川俊輔さん=撮影・NORI

小早川俊輔さん=撮影・NORI

■『テニスの王子様』で得たもの、学べたことは本当に大きいものでした

やるならば、沢山の人に見てもらいたい、そのためにお客さんを呼べるようになりたいと、その時に強く思いました。そうして大きな場所にチャレンジしたのが『テニスの王子様』です。そこで得たもの、学べたことは本当に大きいものでした。3年間関わらせていただいた『テニス~』の本公演が終わったのは昨年ですが、そこで一回立ち止まってみたら、自分がこの道を選んだきっかけというのが改めてはっきりと見えてきたんですよね。そんなタイミングで、今回保科さんに演出してもらえるのはとても嬉しいです。取り組む作品は半端じゃないので、日々大奮闘中ですけど(笑)。

小早川俊輔さん=撮影・NORI

小早川俊輔さん=撮影・NORI

■全身全霊で臨んでいる『クロードと一緒に』、その醍醐味を味わっていただけたら

――それでは最後に、『クロードと一緒に』の見どころを教えていただけますか?

”面白い”と思います。物語の核となるのは「彼」と「刑事」という二人の登場人物なのですが、彼らにはそれぞれの目的があって、それを達成するためにいろんな手を使って守ったり攻めたりと、ものすごい長時間の拮抗を続けています。そこに、小さなハプニングや出来事が起きることによって形勢が変わっていくんですが、その攻防はちょっとチェスにも似た面白さがあると思います。舞台の上では決して特別なことが起きているわけではないのですが、翻訳とは思えないほど自然な言葉で折り重なり、複雑に積み上げられていく、とても多彩なドラマだと思います。ごくごく日常的な言葉で語られていくので、逆に覚えるのが大変なくらいですが、その分「刑事」が発する言葉のどこに「彼」がどう反応するのかということや、逆に、その反応によって「刑事」の心がどう動くのかというところに着目しても面白いと思います。

そういう作品にWチームで挑むということも、大きな見どころですよね。Blancの松田凌さんは今回で3回目の「彼」を演じられますが、今回もまったく新しい作品になるでしょうし、それぞれ違う演出家さんによる、BlancとCyanそれぞれの「世界」が、同時期にパラレルワールドのように存在することになります。「もうひとつの世界」に触れてみることができるっていうのは、体験としてこんなに贅沢で面白いことはないですよね。不思議な感覚ですけど。演じる側としても全身全霊で臨んでいる作品ですので、とてもエネルギーが必要だとは思いますが、気力のある方は(笑)是非両方ご覧になって、その醍醐味を味わっていただけたらと思います。

小早川俊輔さん=撮影・NORI

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“「ある時、ぐいっとわかった瞬間があった」、小早川俊輔インタビュー(下)” への 5 件のフィードバック

  1. 水引 より:

    素敵なインタビューありがとうございました!小早川くんがこの作品を演じるにあたってのバックボーンを知る事が出来て、より深くこの作品を楽しむことが出来ました。ここまで深く掘り下げたインタビューを読む機会が無かったので、小早川くんはこんな事を考えているんだと新たな発見もありました(笑)天性の思慮深さとお芝居へのまっすぐな気持ちが小早川くんの人を惹きつけるお芝居に繋がっているんですね。これからも小早川くんを微力ながら応援していきたいなと思いました。

  2. くらげ より:

    上に引き続き素敵な記事をありがとうございます。
    小早川さんの演技に対する考えや、紡ぎだす言葉にとても感動しました。
    ひとつひとつの事柄に丁寧に向き合う姿が伝わってきて、役者として目指すもの、人としての芯の強さにより魅力を感じました。
    これからも記者の方や、保科さんをはじめとした素敵な出会いがありますようささやかながら応援したいと思います。

  3. ユキハル より:

    小早川さんの役者としての強い思いが伝わってきました。
    「クロードと一緒に」ではどのような姿を見せてくれるのか楽しみです。
    Wキャストにより、同じ作品でありながら全く違う舞台になりそうですね!
    人と人との繋がり…皆さんがどのように表現されるのか心待ちにしています。

  4. ふくらしこ より:

    俳優・小早川俊輔の生い立ちに迫る素敵なインタビューをありがとうございます!保科さんとの関わりも知れて、より公演が楽しみになりました。
    また「作品を思い出で終わらせたくない」という言葉に感銘を強く受けたので、小早川さんが多くの人に作品を届けられるようにこれからも細やかながら応援して行きたいです。

  5. すず より:

    インタビュー記事で小早川くんが役者を志すきっかけやなぜあの大学を選んだのかわかって良かったです。クロード本当に楽しみです。公演観劇後にもう一度前編から読み返してみようと思います。

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