三浦涼介さんのインタビュー後半です。『エリザベート』の楽曲に取り組んでいての手応え、さらに『ロミオ&ジュリエット』を終えての思いやミュージカルへの思いなどについて伺いました。
――楽曲は歌ってみていかがですか?
キーは高いと思いますが、楽しいなと思います。歌っていて、もちろん難しい歌なんですが、やはり何も知らなかった、それこそ譜面を読むという作業すら今までずっとなかったので、感覚で覚えるというよりも、譜面を見て自分で音を追ってみて、「こういう風に繋がるんだ」とか、「ここにこの音があるんだ」ということを楽しんでいる感じですね。「うわー、やだな、音符がいっぱいあるな」という感じではなくて。譜面を見ることに、ちょっと慣れてきたのかもしれません。それが楽しいですね。
――どちらかというと、三浦さんは低音が魅力のイメージがあります。
そうなんですかね。
――ルドルフの高音を歌うとどうなるんだろうなと。
これからの課題ですね。前回ベンヴォーリオ役のときにも、高い音のところを歌ったりしていましたが、プライベートで高い歌を歌っているときは、割りと出るんです。それなのに仕事になると、何か変な意識をしてしまっているのか出ないんですよ。その辺の兼ね合いをもう少し今回学べたらいいなと思います。
――その模索の結果は舞台でですね。
はい!
――『ロミオ&ジュリエット』などについてもお伺いしたいのですが、あんなにロミオのことが好きなベンヴォーリオは初めてじゃないかと思ったんです。ロミジュリのインタビューでも、こうやろうではなくて、出来る気がするとおっしゃっていましたが、どうやってあのベンヴォーリオになったのだろうかと。
本当にお稽古の終盤になるにつれて、本番が目の前だから、もうちょっと固まっていたいとか、自分の気持ちとしても落としておきたいという気持ちが、いつもなら出てくるのですが、どうしていいか回りに回って分からなくなってしまったんです。小池先生の意見が大きかったですし、木村(達成)さんと話したり、他のキャストの方の話を聞いたりしてもそうだったんですが、順調だなと理解しはじめたところから、割と迷いに迷って本番を迎えた感じだったんです。本番でも毎日探していました。僕が多分最初に言っていたのは、ベンヴォーリオのイメージというものが最初から最後まで出ている割には残らない。印象がないと。
――そう話されていましたね。
それがこういうことだったのかなと、大千秋楽に行きついたのはそこだったんです。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、『ロミオ&ジュリエット』を終えての思いやミュージカルへの思いなどについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■ダブルキャストは精神的に大変でした。意外と全然休めないんです
■(死んだロミオにキス)いつ生まれたのか覚えていないんです
■期待されることの怖さが嫌で、求められない方向にいこうとしてきた
■「思っていたよりも、よかったね」と思っていただけるように努力したい
<ミュージカル『エリザベート』>
【東京公演】2019年6月7日(金)~8月26日(月) 帝国劇場
公式サイト
https://www.tohostage.com/elisabeth/
<関連リンク>
三浦涼介公式サイト
https://miura-ryosuke.com
三浦涼介 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/3ura-ryosuke/
三浦涼介 オフィシャルinstagram
https://www.instagram.com/ryosuke.miura216/
三浦涼介 Twitter
https://twitter.com/ryosukemiura216
- 結成15周年のLE VELVETS、待望の4人全員で開幕した『Eternal』ライブ配信決定 2022年11月3日
- 『古川雄大 The Greatest Concert vol.2 -A Musical Journey-』、2023年2月に開催 2022年10月10日
- 「ふたりともお調子者」、小西遼生・伊礼彼方(下) 2022年9月25日
- 【動画】ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』ゲネプロ動画公開 2022年9月26日
- 「ふたりの関係があるからこその」、大貫勇輔・三浦涼介(下) 2022年9月25日
- 「人間は、こんなことを毎日やれるんだと」、『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』大貫勇輔・三浦涼介(上) 2022年9月24日
※三浦涼介さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは7月6日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■ダブルキャストは精神的に大変でした。意外と全然休めないんです
その途中だったんだと思います。そういう悩みもありつつ、途中からもうひとつ悩んだことは、やはりダブルキャストはしんどいなと思いました。気持ちの上で、みんなとひとつの作品を作っている感覚が毎日公演を続けていくのと違う。日にちが空くというのが、ちょっと精神的にも大変でした。「休めていいね」と思われるんですが、意外とそうでもなくて全然休めないんです。その空いた時間を取り戻すかのごとく、舞台の時間を過ごさなければいけない感覚に陥ってしまって。
――ダブルキャスト自体が初めての経験だったからですね。
その日に起こることやハプニングというものをこれまで嫌ってきたんですが、すごくしんどかったからこそ、そういうものを大事にしていこうかなと。割と目の前で起きている人の表情や空気感を使ってみようと。枠にハマるのではなく、役ありきで出来る範囲で広げてみようかなと思った結果、ああいう感じになっちゃいました。
――自分の中で探しながらやった状態だったんですね。
ちょっとキツかったですね。
――普段は初日を迎えるまでに、しっかりと役ができている状態のはずなのに?
そうじゃないといけないですよね。もちろん本番を毎日過ごしていたら、多少の変化があったり、生まれたりするものはあるんでしょうが、そういうことじゃなかったんです。
――なるほど。ダブル、トリプルキャストに慣れている人なら、その加減が分かるのかもしれませんが、その加減を掴みきれなかったんですね。そうすると、『エリザベート』は少し慣れるかもしれないですね。
そうかもしれません。環境として自分と同じ役の人がいるということの大きさは、ロミジュリで感じられたので、そこはすごくプラスになると思いますが、要は自分自身の気持ちと体と体調ですね。
■(死んだロミオにキス)いつ生まれたのか覚えていないんです
――ロミオが死んでしまったラストシーンで、死んだロミオにキスしにいくベンヴォーリオを初めて観たなと。
(笑)。あれもね、いつ生まれたのか覚えていないんです。
――そうなんですか!
覚えてない。東京でしてたかなぁ。
――東京でしてましたよ。
してました?
――いつからと言われたら、ちょっと分かりませんが。
伏線として最初に、『世界の王』の前のマウストゥマウスのときに、マーキューシオがベンヴォーリオを起き上がらせてという絵と、マーキューシオが死ぬときにベンヴォーリオが抱っこするという絵として同じようにしたいというのが先生の意見だったんです。そのマウストゥマウスの部分が引っかかっていて、「何でわざわざこういうことをするんだろう? おもしろいかな?」と思っていて。笑いになるわけでもなく、割とサラッと進んじゃうような部分だったりもしますから。でも、コイツらは、ジョークのように毎日のように掛け合っていたから、サラッと進めるのかなと考えた僕の伏線として、あのときは冗談で「されたくもないし」という遊びがあったけれど、そこにスタンプじゃないですが、「これで終わり」という完結。
――自分の中でのピリオドみたいな。
ベンヴォとしての終わり方というところに、多分納めたかったんですよね。
――それは理論ではなく、いつの間にかやっていた?
自然とやっていましたね。
――おもしろいですね! ティボルトを殺してしまったロミオが、大公に問い詰められている場面も、ロミオを抱えこんで、ものすごく大事そうにしていましたし(笑)。
あそこも……何かね(笑)。
――その一連の流れで、とても愛情が強いベンヴォーリオだなと思ったので。
どうしてもあそこの場面にいくと、そうなっちゃうんです。「ダメだ」と言われたのに。
――そんなになっちゃダメだ、行き過ぎだ、ということですよね?
そうです! そのポイントは守りたいとか、そうだよなと思うんですが、何かね、あの場にいくとね……。
――それが感情の動きなんですね。
だから、最後まで僕のわがままを通している感じでした。
――それがDVDにも残ったわけですね(笑)。
(笑)。
――改めてDVD拝見したらさらに面白いんじゃないかと思います。
■期待されることの怖さが嫌で、求められない方向にいこうとしてきた
――主に映像やストレートプレイからキャリアを始めて、もう経歴も長いですよね。他の記事で拝見しましたが、ミュージカルを最初は好きじゃなかったと話されていたときもあり、今こうしてどっぷりとミュージカルに触れて演じてみて、三浦さんにとってミュージカルがどんなものになっていますか?
すごくありがたいですし、お仕事を頂けることに本当に感謝しています。ただ、僕の中で期待されることの怖さが小さいころから嫌で、それが怖かったから求められない方向にいこうとしてきた気がするんです。「こっちに来ればいいんだよ」といわれても、わざわざそっちにいかないようにして生きてきた気がするんです。今ミュージカルの世界にいますが、決して自分から近寄っている感じではなくて、流れに身を任せている時間として捉えているので、僕がこの先、一生ミュージカルをやるということではなく、やるのかもしれないし、やらないかもしれない。おかげさまで、芸歴は長くさせて頂いていますが、毎回新たなことを、やれるところまでやってみようかなと思うところの、今、ミュージカルという存在かなと思います。
■「思っていたよりも、よかったね」と思っていただけるように努力したい
――実は『ショーシャンクの空に』を拝見して、「三浦さんすごい!」と思ったんです。
本当ですか! ありがとうございます。
――最初にお芝居で三浦さんがすごいと思った感覚があるので、ミュージカルで役をどう作られるのかが毎回楽しみなのですが、これまでに何度も上演されている、大作である『エリザベート』のルドルフ役をどう作っていきたいか意気込みをお聞かせください。
毎回やはりどんな作品でも、僕が知らない事はたくさんありますし、お客様のほうが知っていることが多いこともあると思いますが、どこまで自分が跳ね上がれるか。お客様が思っていたところよりも少しでも、「思っていたよりも、よかったね」と思っていただけるように、努力したいなと思っています。
――皆さんものすごく期待されていると思いますので。
はい! ありがとうございました!
――ありがとうございました!
※三浦涼介さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは7月6日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
まだ見ぬルドルフに期待が高まりました。
そして、未知数なこの先の活躍もとても楽しみです。
これからも三浦さんの想いを引き出してくれるインタビューをよろしくお願いします。
とってもとっても面白かったです。
私はストレートプレイの三浦さんも大大大好きなので、今後にさらに期待がふくらみました。
これ迄ストプレしか観ていませんでしたが、三浦さんのお陰でミュージカルに触れる機会が増えました。いつもながら背景まで感じられるお芝居に興味がつきません。その過程や裏側にまで知ることが出来るインタビューは貴重だと思います。ありがとうございました。
三浦さんの初ミュージカル、手紙を観て、三浦さんはミュージカルも合っていると感じました。ロミオ&ジュリエットのベンヴォーリオも、三浦さんが演じたからこその愛情深いキャラクターになって愛されているんだと思いました。エリザベートのルドルフ皇子も三浦さんならではのキャラクターですよね。長い公演中でどのようにルドルフが成長するか、またインタビューで聴かせていただきたいです。
14回観劇させて頂きましたが、毎回本当に新鮮で、日々みなさまが進化されるお姿に圧倒されました。特に三浦さんの演技力には驚かされてばかりです。これからも益々楽しみにしています。
ステキな写真とインタビューありがとうございます
本日エリザベート見に行きます!!
記事を読んでますます楽しみになりました
三浦さんが演じていた役とどのように向き合って自分と擦り合わせていくのか、その苦労、裏に秘めた考え、秘話など、舞台が終わってからもなかなか聞けないような貴重な話が聞けてとても嬉しく拝読しました。あまり裏の話やご苦労を話したがらない三浦さんからここまで話を引き出して下さってるのはインタビュアー岩村さんのなせる技だなと思います(^^)
また次回三浦さんのディープなインタビューお待ちしています。
ロミジュリのお話からミュージカルへの思いなど気になっていたことをたくさん知ることができて満足しました。今後も応援したい気持ちが強くなりました。今後もぜひ三浦さんをピックアップした記事を読めると嬉しいです。
後半も密度の濃いお話でした
普段三浦さんはあまり演技について語らないので掘り下げた質問にすんなりと答えているのは岩村さんのお人柄でしょうか
ダブルキャストの大変さ
ベンヴォーリオに対する思い
小池先生とのこと
お聞きしたい内容が全てぎゅっと詰まっててとてもありがたかったです
いつも嬉しい内容の対談、素敵なお写真ありがとうございます
後編読んで泣きそうです
岩村さん、素晴らしいお話を彼から引き出してくれてありがとうございます
演じ終えたタイミングとはいえ、彼が役を掴む経過や、演じてからの葛藤をこんなに語ってくれることはとても稀です。そして、その言葉を分かりやすく伝えてくれる文章がとても好きです。次のインタビューを楽しみに待ってます
ルドルフ編を是非お願いします
後半も、素晴らしいお写真と、ぎっしり濃い内容のインタビュー、ありがとうございます!
ベンヴォーリオの演技について、ダブルキャストについて、小池先生の演出のお話、楽譜を読むことなど、聞きたかったことがたくさん聞けて、本当に嬉しいです。
今までのお仕事でのあり方や、これからのお仕事についての気持ちや展望も、改めて知ることができて、ファンとしてもますます今後の活躍と飛躍が楽しみになりました。
ルドルフ役を経験した後のお話も聞きたいので、秋の公演(LOVE’S LABOUR’S LOST)前にも、ぜひインタビューお願いします!
涼くんのミュージカルへの思いを知ることができるインタビューありがとうございました
一日一日最後の日までその役の人物を模索し創り続ける涼くんが大好きで、エリザベートの舞台も涼くんがどんなルドルフに成っていくのかとても楽しみになりました😊
きっと三浦さんからの発信では聞けないようなお話しを
いつも上手に聞き出してくださる岩村さんのインタビューが
読めるのはここだけです。
今回もロミジュリの話も含んだ上でのルドルフ役がとても
楽しみになるような素敵な記事でした。
あと毎回涼介さんのお写真が美しすぎてツイッターで唐突に見かけると
緊張します笑…。
後半まっていました。
ベンヴォーリオの頃の気持ち、ダブルキャストだからこその苦悩などすごく深く聞けて、嬉しいです。
ロミオへの思いも、そうだったのか!!と読んでて納得です。
すごく努力家で役の気持ちを考えている方なのは知っていても、ここまで聞いてくださる方はなかなかいないので、お2人が信頼しあってるからこそのインタビューだなとかんじました。