「音楽の世界観が壮大」、舞台『海の上のピアニスト』北翔海莉インタビュー(下)

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

2019年10月22日(火)開幕の音楽劇『ハムレット』ではハムレットの母・王妃ガートルード役を、2019年11月2日(土)から京都・博多・東京で上演される舞台『海の上のピアニスト』では天才男性ピアニスト・ノヴェチェント役を演じる北翔海莉さんのインタビュー、後半です。インタビュー(下)では、『海の上のピアニスト』を中心にお話を聞きました。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

――では、ここからは『海の上のピアニスト』について教えてください。昨年(2018年)末に続いての再演ですね。

はい。ありがたいことに。でも初演は「こんなに稽古時間が少なくて本当にできるんだろうか」という状態だったんです。みんな忙しくて一緒に稽古できる日が1週間のうち数日くらいで、不安しかなかったんです。しかも私のセリフの量が多すぎて…。実は最初、朗読劇だと聞いていたので安心して引き受けたんです。なのに「北翔さんは暗記してください」という演出家からの要望がありまして。「ええーっ」「喜多村(緑郎)さんは読んでいるのに、私だけ暗記!?」と(笑)。そんなこともあってなかなか大変でした。

――話が違うよ、という感じだったんですね。

最初はそうだったんですよ。でも、鍵盤男子の大井(健)さんのピアノが鳴ると自然に物語の世界に引き込まれていって、知らない間にセリフも覚えていました。私たちは一心同体、ふたりでひとつの役だったので。あれはまるで魔法にかかったみたいな1週間でしたね。

――船の上で暮らし続ける音楽家の役を演じていかがでしたか?

私自身、飛鳥Ⅱや日本丸とか、船でのショーのお仕事も多かったので、海の上でパフォーマンスする人の気持ちや海の上での生活もある程度わかっていました。役には入りやすかったです。未知の世界の人物の人生なのに、すごくわかる感じがしました。ただ、陸に降りない生活がどんなものなのか、そこはわかりませんでしたが。

――出演者は3人ですか?

はい。本当に3人だけなんです。それにしても新派の喜多村さんと私と鍵盤男子という面白い組み合わせをよく考えたと思います。すごいですよね。

――舞台セットも印象的でしたね。

天空劇場という劇場そのものが船のデッキみたいなんです。そこまで計算されてなかったはずですが、舞台稽古で「あれ?デッキみたい」となりました。劇場の作りがまるで装置のようだったので、不思議な空間でしたね。そこまで広いステージでもないし、舞台転換があるわけでもないんですが、船の中での一生の話をきちんと表現できる、面白い作品でした。

※アイデアニュース有料会員(月額450円)限定部分には、『海の上のピアニスト』の楽曲やピアノ一本で表現する世界観について、ノヴェチェントという男性を演じることについて、コンサートなど今後の予定について伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■激しい波も、穏やかな海のイメージもピアノ一本で。音楽の世界観が壮大

■ノヴェチェントは男性ですが、純粋な少年の心のまま一生涯過ごした人

■クリスマスあたりに2つコンサートをやります

■音楽劇『ハムレット』と『海の上のピアニスト』、よろしくお願いいたします

<音楽劇『ハムレット』>
【東京公演】2019年10月22日(火)~10月25日(金) 天空劇場(北千住 東京芸術センター21F)
音楽劇『ハムレット』公式サイト
https://artistjapan.co.jp/performance/hamlet/
東京芸術センター(天空劇場)
http://www.art-center.jp/tokyo/

<舞台『海の上のピアニスト』>
【京都公演】2019年11月2日(土) 京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/06/novecento_kyoto_20190613_f.jpg
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/06/novecento_kyoto_20190613_b.jpg
【福岡公演】2019年11月5日(火)~11月6日(水) 博多 電気ビル みらいホール
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/08/novecento_hakata_20190809_f.jpg
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/08/novecento_hakata_20190809_b.jpg
【東京公演】2019年11月13日(水)~11月15日(金) 天空劇場(北千住・東京芸術センター 21階)
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/03/novecento_tokyo_20190326.jpg
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/04/novecento_tokyo_20190408_2.jpg

<関連リンク>
北翔海莉公式サイト
https://hokushokairi.co.jp/

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北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

※ここから有料会員限定部分です。

■激しい波も、穏やかな海のイメージもピアノ一本で。音楽の世界観が壮大

――ピアノの効果はいかがでしたか?

オープニングで大井さんのピアノが始まると、お客さんが飴の袋を開けるバリッという音さえしなくなるんです、不思議と(笑)。それこそ海外のオペラの会場の緊張感みたいなものがありましたし、また同時に癒されるものもありました。波が激しいシーンや穏やかな海のイメージも、すべてピアノ一本で表現するんです。鍵盤男子の中村(匡宏)さんが作曲されて、大井さんが演奏されましたが、おふたりが作り出す音楽の世界観は壮大でしたね。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

■ノヴェチェントは男性ですが、純粋な少年の心のまま一生涯過ごした人

――その中で北翔さんは男性役を演じる。

ノヴェチェントは男性ですが、ずっと海の上で育っている分、世の中のいろんなものにすれていないというか、純粋な少年の心のまま一生涯過ごした人なんです。そういう意味では女性がこの役を演じたほうが、彼の持っているピュアな部分がより表現できるような気がしました。実は最初にこのお話をいただいたときは「男役をやるのはどうかな」と躊躇したんです。「歌劇団を卒業して女優として頑張ろうとしているのに男役か~」と。でも、実際に演じてみたら、性別を超えた役でした。

――今回の再演にあたっての心構えはいかがですか?

再演ということで、初演と演出が変わる部分も当然出てくると思います。演出家が何を見せたいかによって自然と見せ方も変わってきましすし。今回、劇場によって、喜多村さんの役が中村さんに変わる日もあるんですね。相手役が変われば私の表現も自然と変わるので。そういう部分では、私にとっても、相手役さんに新しい引き出しを引っ張ってもらうような、勉強になる公演になると期待しています。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

■クリスマスあたりに2つコンサートをやります

――最後に今後の予定を教えてください。

『ハムレット』と『海の上のピアニスト』が終わったらクリスマスあたりに2つコンサートをやります。いろんなジャンルからお声をかけていただけるのは、本当に幸せですね。

――次々と意欲的にお仕事をされていて本当に素晴らしいです!

もう嫁に行ったんで、おとなしくしようかなとは思ってるんですけど(爆笑)。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

■音楽劇『ハムレット』と『海の上のピアニスト』、よろしくお願いいたします

――ちなみに、藤山直美さんの大ファンだったとお聞きしました。

追っかけだったんです(笑)。

――その甥御さんの藤山扇治郎さんとご結婚されたのはご縁ですね。

本当に不思議ですよね。でも藤山直美さんに対しては、親戚とか身内の感覚はありません。お仕事として、役者として見ているので、今でも遠く手の届かない存在の方なんです。この憧れと尊敬は多分、一生涯変わらないと思います。来年のことはまだよくわかりませんが、楽しみですね。その前に今は音楽劇『ハムレット』と『海の上のピアニスト』を、どうぞよろしくお願いいたします。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

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