「人に会えないことが、こんなにも辛いとは」、新納慎也インタビュー(下)

新納慎也さん=撮影・伊藤華織

黒澤明生誕110年記念として2020年10月9日(金)から日生劇場で上演され、富山・兵庫・福岡・名古屋でも上演されるミュージカル『生きる』に、作品のストーリーテラーで主人公の人生に大きく関わる「小説家」役を演じる新納慎也さんのインタビュー、「下」を掲載します。新納さんが新型コロナウィルスによる自粛期間をどのように過ごしていたか、そうした時間を過ごしたからこそ見つかったもの、このタイミングでミュージカル『生きる』が再演されることについての想いなどについて、お話しいただきました。

新納慎也さん=撮影・伊藤華織
新納慎也さん=撮影・伊藤華織

──新型コロナウィルスによる自粛期間を、どのように過ごされていましたか?

ものすごく普通です(笑)。テレビなどに密着して欲しいと思ったくらい、お手本のような自粛生活をしていました。本当に家から出ませんでしたし、人にも会いませんでした。「密になっているからスーパーは三日に一回にして下さい」と言われたら「はい!」と、きちんと三日に一回にしていました(笑)。

手洗い、うがい、マスクは必ず励行していましたし、運動不足になるのでジョギングは続けていたのですが「公園に人が多くなっているので行かないで下さい」と言われたら「はい、行きません!」と人のいないところを走ったり(笑)。真面目に普通に家にいました。

──家ではどんなことを?

海外ドラマが大好きなので観まくりましたし、リモート飲み会もしました。そして、徹底的な大掃除をして断捨離をしました。家具を全てどけて、家具の下になっているフローリングに全てワックスをかけました。引っ越してきた時と同じ状態にしてやろうと思って(笑)。壁紙も全部拭きました。

それでこの大掃除が終わったら、インスタLIVEとか、何か配信ものもやろうかなという気持ちはあったのですが、意外とその大掃除に時間がかかってしまって。終わった時には皆さんが新しい何かを発信しなければ、配信だ、という流れに乗り遅れていて、あまり配信はやっていないです(笑)。

──そうした時間を過ごしたからこそ見つかったものは?

まず何よりも感じたのが、役者という仕事が好きだ、本当に僕は舞台が好きで舞台に立ちたいんだ!ということでした。どんな形でも良いからどんどん露出していきたいという願望ではなくて、僕は芝居がしたいんです。それが配信ものに積極的には踏み出せなかったひとつの理由でもあったのですが、こんなにもお芝居がしたいのかと。もちろんわかってましたよ。わかっていましたけれども、改めてつくづくとそう思いました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、自粛期間を過ごしたからこそ見つかったもの、このタイミングでミュージカル『生きる』が再演されることについての想いなどについて、お話しいただいたインタビュー「下」の後半部分の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■人に会えないことが辛い、人に会いたいと心から思いました

■新型コロナによって、日常に「死」が背中合わせになった

■このタイミングで『生きる』を再演できるのは、とても意味がある

■『ラ・カージュ・オ・フォール』の日生劇場で上演。嬉しい!

<ミュージカル『生きる』>
【東京公演】2020年10月9日(金)~10月28日(水) 日生劇場
【富山公演】2020年11月2日(月)~11月3日(火・祝) オーバードホール
【兵庫公演】2020年11月13日(金)~11月14日(土) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
【福岡公演】2020年11月21日(土)〜11月22日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【名古屋公演】2020年11月28日(土)~11月30日(月) 御園座
公式サイト:
http://www.ikiru-musical.com

<関連リンク>
新納慎也 公式サイト
http://www.shinya-niiro.jp/top/
新納慎也 オフィシャルブログ『ニイロの思考カイロ』
https://ameblo.jp/shinya-niiro/
新納慎也Twitter
https://twitter.com/ShinyaNIRO
新納慎也|ワタナベエンターテインメント
https://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000087/

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新納慎也さん=撮影・伊藤華織
新納慎也さん=撮影・伊藤華織

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■人に会えないことが辛い、人に会いたいなと心から思いました

──家でずっといるのは、どうでしたか?

僕は普段はアウトドア派で、外に出ていくのが大好きだし、人と飲みに行くことも本当に大好きなんです。でもそんな僕が、この自粛期間、Stay homeでずーっと家にいることが全然苦じゃなかったんです。

──意外だった?

そう。僕って結構インドア派だったのか、と思ったくらい。このまま海外ドラマを観続けていつまででも過ごせるという感覚でした。ただそうは言っても一方で、やっぱり僕は人が好きなので、本当に誰にも会うことができない、人に会えないということがこんなに辛いんだとは思いました。それは再認識した部分です。人に会いたいなと心から思いました。

新納慎也さん=撮影・伊藤華織
新納慎也さん=撮影・伊藤華織

■新型コロナによって、日常に「死」が背中合わせになった

──そういうタイミングで、このミュージカル『生きる』が動き出したわけですが、再演に向かっての想いは?

新型コロナというものは、世の中の人の考え方や価値観を大きく変えたと思います。やっぱり日常に「死」が背中合わせになることって、これまでなかなか感じられていなかった。この作品は主人公の渡辺が死を宣告されて「余命」を告げられ、初めて自分の人生と向き合うというお話です。初演でももちろんそれは丁寧に描いていったことですが、このコロナを挟んだことによって、演じる僕たち、スタッフの方々ばかりではなくて、物語を受け取るお客様側にもリアリティが増していると思います。

新納慎也さん=撮影・伊藤華織
新納慎也さん=撮影・伊藤華織

■このタイミングで『生きる』を再演できるのは、とても意味がある

人が死ぬということ、命ということ、人生に対する価値観が皆さんそれぞれ、確実にどこかで変わったでしょうから、今、このタイミングで、再びこの『生きる』を再演できるというのは、とても意味のあることだと思っています。

僕たちが仮に初演と全く同じものをお届けしたとしても受け取る皆さんが違うものをご覧になると思うし、僕もこの再演では市村正親さん演じる渡辺ともご一緒させて頂きますが、それも含めて僕らも変わっているし、また高めてもいきますので、今だからこそこの作品を観て、いのちや生き方を考えて欲しいなぁと思います。

■『ラ・カージュ・オ・フォール』の日生劇場で上演。嬉しい!

──劇場も新しくなりますね!

日生劇場に変わるんです! 大好きな劇場! 色々な劇場それぞれに好きなところがありますが、日生劇場はもう全体的に大好きなので、すごく嬉しいです。特に市村さんと鹿賀さんとずっとご一緒させて頂いている『ラ・カージュ・オ・フォール』を演じ続けているのが日生劇場ですから、お二方と今度は『生きる』という全く別の作品で戻っていくんだ、という気持ちも大きいですし、僕にとっては感慨深いことです。新たな『生きる』を、ぜひ日生劇場に観にいらして下さい!

新納慎也さん=撮影・伊藤華織
新納慎也さん=撮影・伊藤華織

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“「人に会えないことが、こんなにも辛いとは」、新納慎也インタビュー(下)” への 2 件のフィードバック

  1. 菜月 より:

    橘涼香さん、カメラの伊藤香織さん、素敵なインタビューをありがとうございました。
    世界をパニックに陥れているコロナ禍によって、人の生死について深く考えせられました。今日元気だった人が明日も無事とは限らない。自分が逝く時に成し遂げられなかった後悔ばかりが過るのではないかと考えて慄然とします。渡辺勘治のように公園造りなど大きなことは無理ですが、毎日しっかり生きて自分の出来る小さなことを積み上げていきたいと思います。
    2020年版で見る「生きる」は初演版よりもっと生きることの素晴らしさ,生かされていることの幸せを感じさせてくれる舞台になるでしょう。
    新納さんの小説家が市村さんの渡辺と関わった時に、どのような化学反応を起こすかも楽しみです。もちろん初演時大感動した鹿賀さんと新納さんのコンビにもまた会いたいです。楽しみにお待ちしています。
    それまでは万全の体調で観劇できるように自粛生活を頑張ります。
    必ず必ず上演出来ますように! そして「生きる」に関わる全ての方々がご無事でありますように。

  2. たま より:

    NÎROさんが、どれほど芝居が好きなのかが良く分かりました。コロナ禍を経て観る作品を自分がどう感じるのかも楽しみなんです。
    日生劇場の風格に相応しい作品だと思います!

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