「ある種、全員がフラットで、同じ立場で作り上げて」岡崎大樹・石川新太対談(下)

岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

KAOS Performers OFFICE主催“THE SHOW CASE”シリーズの第6弾『KAOS Presents The Show Case vol.Ⅵ 我ラのルネサンス~復興ノ風二舞フ~』の作・構成・演出・一部振付・宣伝デザインを担当し出演する岡崎大樹さんと、一部音楽製作・歌唱指導協力を担当して出演する石川新太さんのインタビュー、後半です。おふたりの、それぞれの活動についてもお話いただきました。なお、この作品は、2020年10月24日に東京二子玉川のGEMINI Theaterで開催が予定されていましたが、上演日程が延期されています。延期された公演の上演日程などが決まりましたら、あらためて記事を掲載してお知らせします。このインタビューは、上演延期が発表される前に実施したものです。

岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI
岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

――稽古中に、メンバーの新たな一面に気がついた! みたいなことはありましたか?

岡崎:(石川さんを見ながら)イヤもう、頼もしいですよ。頼もしすぎて…。

――頼もしすぎて…?

岡崎:タスクのさばき方、貰った仕事のさばき方とか、「先生」とか「部長」みたいな感じで(笑)。(石川さんの口調を真似ながら)「コレ26日までに仕上げるんで、それで大丈夫ですね?」みたいな。「そしたら、じゃあたとえばココの楽曲、仮で入れとくんで、そしたらあとで生で重ねるっていうような仕事の進め方が、一番イイですよネ?」とかって言ってくるんです。ちょっともう、“42歳大コンポーザー” みたいな感じで。「ギターソロあって、裏打ちとボーカル両立しない感じなんで、ちょっとキツいっすネ」みたいな判断がめっちゃ早いし、すごいプロだ…、みたいな(笑)。だから、新たな一面、新たなアラタくんの一面っていうのがすごいありました。これからもあるでしょうし、本番入って、音の話とか音響の話とか、すごい詳しいので、見え方も詳しいでしょうし。なんか…みんなの粒が揃いすぎてるっていう感じです、頼りになりすぎて(笑)。

石川:ある種、全員がフラットで、同じ立場でみんなで作り上げています。もちろん普通の舞台だと演出家が居て振付家が居てですが、今作品はこの曲は誰が振付てるとか、誰が演出をしているっていうのは基本ありますけど、みんなで創り上げている感覚が強いのが特徴な気はします。

――メンバー間の連携が円滑なんですね。

石川:そうですね。逆に僕はあまり交流をしている方ではなくて、今回初めておしゃべりした人もいたり。

岡崎:男性、とくにマサくんと僕とアラタくん、洞至さんは、わりと長くて、山あり谷ありというか。僕はvol.4(2013年)から参加しているんですけど、森田守恒先生に言われたことで、僕らは今まで舞台出て、振付家が言ってるムーブメントを “体に入れて踊る” みたいなのが仕事だと思ってたんですけど、たとえば、アップダウン、アップダウンみたいな振付があったとしたら、「これどっちでやればいいんですか?」みたいな質問をしちゃうんですね。そしたら「その間だよ。それを勉強して欲しいからやってるんだよ」と言われたことがあるんです。だから、“1センチ、2センチの間の3ミリみたいなところを学んで欲しいから言ってるんだよ、どっちかとかじゃないんだよ” 、っていう、世界を作るのはその目盛りだからというのを、半分怒られながら学んで(笑)。でも、それが「The Show Case」をやるコアなんです。そういうことを僕らはずっとやりながら肌で感じてきてるから、未来がどうなんだろうなと思いながら、確定できる絵がバンって見えるシーンじゃないけれど、とりあえずチャレンジして全力でやってみる。それで結果見えてくるもので、また変えていく、みたいな作り方を知っている仲間たちなので、何か預け合えるところはあるかもしれません。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、岡崎大樹さんにトートダンサーとして『エリザベート』に出演してきたことや、東京都の「アートにエールを」に『イキ』という作品で参加されたことについて、石川新太さんに2021年に『ポーの一族』に出演することや、2020年10月に開いたバンド「Offshore」の初のワンマンライブなどについても伺った、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。などインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■岡崎:(トートダンサーの見分け方は?):取材に来てください。見分けられるようになります

■岡崎:(「アートにエールを」の『イキ』は?)マスク二重で走る踊る喋る。自分に負荷を

■石川:(『ポーの一族』出演が決まりましたが?)その世界に身を置けることが光栄

■石川:(バンドの初ワンマンライブは?)まだまだ僕は体力がないと思いました

■岡崎:みんなあんまり見たことない形、あまり知らない形の上演になる

■石川:カオスのメンバーの良さを思う存分、堪能して頂きたいと思います

<『我ラのルネサンス~復興ノ風二舞フ~』>
【東京公演】上演延期 (当初予定は2020年10月24日 GEMINI Theater)
公式サイト
https://kaos-showcase.amebaownd.com/

<関連リンク>
岡崎大樹 Twitter
https://twitter.com/hiroki0823
石川新太 Twitter
https://twitter.com/aratap811
KAOS Performers OFFICE 公式 Twitter
https://twitter.com/kaos_office
岡崎大樹がお送りするニコニコチャンネル「続 エイヒレ畑で捕まえて」
https://sp.ch.nicovideo.jp/eibata
岡崎大樹 プロフィール
https://kaosperformers.tumblr.com/post/101743167787/hiroki-okazaki
石川新太 プロフィール
http://kaosperformers.tumblr.com/post/101744189477/arata-ishikawa


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岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI
岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

※ここから有料会員限定部分です。

■岡崎:(トートダンサーの見分け方は?):取材に来てください。見分けられるようになります

――岡崎さんは2015年から連続して『エリザベート』にご出演ですね。Twitterに投稿している「トートダンサー見分け方(髪型)」の絵も、面白いと思いました。
https://twitter.com/hiroki0823/status/622580980662939648

岡崎:1回取材に来てください。性格が全員もうムチャクチャ…じゃなくてバラバラ、個性が際立っているので、1回取材に来ていただければ、見分けられるようになると思います(笑)。

岡崎大樹さん=撮影・NORI
岡崎大樹さん=撮影・NORI

■岡崎:(「アートにエールを」の『イキ』は?)マスク二重で走る踊る喋る。自分に負荷を

――東京都の「アートにエールを」に参加された『イキ』という作品についてお伺いしたいです。
https://cheerforart.jp/detail/4847

岡崎:「生き辛い世の中になったもんだ」って思ったんですよ、自粛中に。それで、東京都の企画で作品を作る機会があったので、そういうのを反映したいなと思いました。家の中で自粛して、外の世界、外に出て生きるべき世界がそこに残ってるのかな? っていう思いが結構あって、「出たときってどうなるんだろう、僕たちは?」ってなったときに、マスクつけるしかないし、なんかもう自由なのにとらわれている世界になるしかないじゃないですか、っていうので、表現するにあたって、結構負荷をかけたかったんです。それで、マスク二重で仮面を着けて、走る、踊る、そして喋る。自分ができるすべてを負荷をかけて、その挙句どうなるか? っていう、半分実験ですよね。だから、喋る言葉は何でもよかったんです。本当は、小池百合子さんの会見をずっと言おうと思ったんです(笑)。でもそれは逆になかなか社会性がありすぎるなと思って。

石川:(笑)。

岡崎:「今日の感染者数が何名で、学会が言うことは」っていうのをずっと喋り続けようかなと思ったんですけど、「アート」だから詩を読もうと思って、詩を覚えて、外の世界に出て、走り回って喋るということを思いつきました。撮るときにメチャメチャ蝉が怖かったですけどね、夜明け前で、僕に向かって飛んでくるんですよ。色白の上、服も白いので。

――撮影のときに蝉が飛んできたんですか?

岡崎:夜明け前の蝉は怖いです。日が昇ると、みんな木の上に行くんですけど。

石川:へぇーっ!

岡崎:僕のこと太陽だと思っている、白いから(笑)。

石川:光の反射で。

岡崎:今生きているということは…(蝉が飛んできて)ヒーーーッッみたいな(笑)。ひとりだったから、完全な変質者。

(全員爆笑)

――お一人で撮影されたんですか?

岡崎:1人で長回しでワンカットというのはこだわりです。

■石川:(『ポーの一族』出演が決まりましたが?)その世界に身を置けることが光栄

――石川さんは、来年1月から『ポーの一族』にご出演ですね。

石川:作品名はもちろん知っているんですけど、読んだことはなかったので、公演までは時間があるし、ここから読んでみようかなと思っています。すでに宝塚歌劇団で上演はされていますが、僕の中では、本当に小池修一郎先生の世界観とピッタリ合致する作品だなっていうのが強いんです。なので、その世界の中に身を置けることが、とても光栄だなと思っていますし、漫画が原作の作品というのは、僕出たことないんです。『ポーの一族』は、一般的には「2.5」と分類はされてないですけど、形的には漫画原作の2.5次元、それに出るのは初めてです。

岡崎:そうか…へぇー!

石川:僕は、普通のオリジナルミュージカルや既存のミュージカルと、2.5は全く別物だと思っていて、普段ミュージカルを演じるときは、もちろんその役に従って演じるんですけど、その役を自分なりに解釈して演じるんです。でも、2.5次元だと、その「役」のファンがいらっしゃるじゃないですか。なので、そのイメージを崩さないように。これはちょっと言葉選びがすごく難しいですけど、漫画の世界の中に自分が入っていって、そこでどう生きるか? ということになってくると思うんです。これはちょっと初体験なので、稽古場でいろいろ探らないといけないなと思っています。

石川新太さん=撮影・NORI
石川新太さん=撮影・NORI

■石川:(バンドの初ワンマンライブは?)まだまだ僕は体力がないと思いました

――「Offshore」のワンマンライブはいかがでしたか?

石川:10月2日に、自分の組んでいるバンドのワンマンライブを初めてやりました。ライブは高校の頃から、学校のライブでバンドという形でしたことありますけど、でも、普段ミュージカルで歌ってるのと全然違う体力を使うなって思ったんです。今回のワンマンライブは、もちろん第1は楽しかったという感想なんですけど、でも2番目に来るのは、とても勉強になったなという部分がすごく大きくて。バンドとしては、ワンマンライブって、対バンのイベントに出演するのとはまた全然別物で、リハーサルの時間をたくさん取って頂けて、音響さんとも話を詰めて音を創っていって、そして持ち時間がとてもたくさん時間があって、そのセットリストを自分で考えなきゃいけなくてという中で、いろいろ初めてやることが多かったので、そういう創り上げていくという部分でも勉強になりましたし、やっぱりバンドの中で歌うことって、普段舞台上で歌うよりも、とてもエネルギーを使うんです。なぜなら、後ろで本当にゼロ距離で生のドラムが鳴っていて、左右からはとても大きな音でギターアンプ、ベースアンプが鳴っている状況の中で、自分をコントロールしながら歌わなければいけないし、その音量に負けない音量で、そしてマイクに入力してあげないと、外に綺麗に届かないという部分もあるので、正直、まだまだ僕は体力がないんだなと思いました。

――そうなんですね。

石川:もちろんライブは無事に成功しましたけど、終わった後の「シュゥ~~~ッ」っていう感じがとても大きかったんです。なので、年間コレを何本もこなしている、もっとすごいバンドの方は、2時間のライブ、2時間半のコンサートをやっている。もちろん僕らよりも、もっと整った環境でやってらっしゃいますけど、でも本当にすごいことをやっているんだな、というのを身に沁みて感じました。でも超楽しかったです!

岡崎:その「シュゥ~~~ッ」ってなったときさ、アラタも缶ビールを、パーンと開けてカッて飲むなんてなるの?

石川:なるなる(笑)。

岡崎:「やってやったゼ、オルァ!」みたいなのになるの?

石川:なりますよ。

岡崎:なるんだ! へぇーっ。そこ見たいな。そこ見たくないですか? アラタくんがさ。

――演出に取り入れちゃうとか(笑)。

岡崎:「なんだよ!」みたいな。でも、アラタくん上手く演っちゃうから。その素のヤツが見たい。

石川:素のね。

岡崎:「シュゥ~~~ッ」ってなってるアラタが見たい。

■岡崎:みんなあんまり見たことない形、あまり知らない形の上演になる

――楽しいお話ありがとうございました。最後にお客さまにへのメッセージをお願いします。

岡崎:「内容がライブなのか何なのか、何をやるかわからない」みたいな声を聞いたりするんです。みんながあんまり見たことない形、あまり知らない形の上演になるから、こちらも内容をズバンと言うことができなくて心苦しいんですが、でも、あんまり観たことない特殊な、そういう面白さが絶対あります。なので、頭空っぽで観てくれたらいいなと思います。もちろん今、ソーシャル・ディスタンスで席を間引いているんですけど、今後ちょっと増えるかもしれないので「要チェックやで! まだ席出るかもしれへんで!」というのはメッセージとしてお伝えしたいです。「復興」ということで、みんな溜まってるエネルギーがあるので、それを出したいなと思っています。飛沫は出さずにエネルギーだけ出して。

岡崎大樹さん=撮影・NORI
岡崎大樹さん=撮影・NORI

■石川:カオスのメンバーの良さを思う存分、堪能して頂きたいと思います

石川:出演するメンバーが普段出ている作品は、また違った豪華さがあると思うんですけど、この作品はすごい限られた空間で、自分たちで創り上げているので、普段とは全く違う、ある種の豪華さがあって、とても贅沢な作品に仕上がっているなと思います。なので、それを思う存分楽しんでいただきたいですし、僕個人の話で言ったら、ギターを演奏したりとか、今回は音楽面にちょっと関わらせていただいたりというので、いつもと違う動きもしている中で、自分のパフォーマンスをどう発揮していくかというのも、本当に頑張りたいなと思っているので、それぞれのカオスのメンバーの良さを思う存分、堪能して頂きたいと思っています。

石川新太さん=撮影・NORI
石川新太さん=撮影・NORI

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