「既存の楽曲に共通の世界観を」、『我ラのルネサンス』岡崎大樹・石川新太対談(上)

岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

KAOS Performers OFFICE主催“THE SHOW CASE”シリーズの第6弾『KAOS Presents The Show Case vol.Ⅵ 我ラのルネサンス~復興ノ風二舞フ~』の作・構成・演出・一部振付・宣伝デザインを担当し出演する岡崎大樹さんと、一部音楽製作・歌唱指導協力を担当して出演する石川新太さんにインタビューしました。5年ぶりの開催で、所属の12名の皆さんが出演するこの作品は、2020年10月24日(土)に東京二子玉川のGEMINI Theaterで開催が予定されていましたが、上演日程が延期されています。このインタビューは、上演延期が発表される前に実施したものです。

岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI
岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

――タイトルと文字の組み合わせがとても素敵ですが、どなたのアイデアですか?

岡崎:アラタだよね。

石川:イイエ! 大嘘をつかないでください。

岡崎:えーとですね(笑)、僕が事務所の方と一緒に考えました。「復興」というのが大きなテーマだったので、初めは「私たちの復興!」という感じだったんです。ただ語気が強いし、「復興」っていろんな意味があるので、もうちょっと芸術、僕らのやっているエンタメ寄りにしたいというのがありまして。それで、あんまり重くなり過ぎても、軽くなり過ぎてもアレだし、程良く交じる言葉を結構討論して探して。しかもちょっと懐古主義というか、昔のことも取り入れてやっていきたいというのがあったので、ルネサンスというのが一番落ち着くかなと思って。ちょっとボヤかしながら、でも落ち着いてるんじゃないかってことで、ローマ字で書くのもちょっと何か洒落すぎてるから、カタカナぐらいのバランスじゃないかって、結構そのバランス感が重要だったりしました。

――ダ・ビンチの「ウィトルウィウス的人体図」をモチーフにしたヴィジュアルもインパクトがあります。

石川:凄いですよねアレ。

岡崎:普通のヴィジュアルだと、観に来られる人も、参加するみんなも、今回のテーマが伝わりづらいなと思いまして。作り手側の根底に、アングラとまでいかないですけど、普通のレイヤーと違うショーにしたいという考えがありました。それが伝わりやすいのが、ああいうよくわからないモノ、よくわからないけど何かメッセージがありそうだぞという着地点で、こんな人体図と、頭から花が咲いちゃってるみたいな、そこに意味あり気じゃないですか(笑)。いいなっていう直感でいろいろ組み合わせていって、それで人体図から世界に向かって花が開いてるようなヴィジュアルがいいんじゃないかなという感じになりました。結局その人体図は、今回ディレクション・監修で入っていらっしゃる森田守恒先生が、昔ムーブメントリサーチクラスで、テーマに掲げている身体操作法のコンセプトと同じだったらしくて。

石川:そうですよね、森田先生のクラス受けた時に見覚えあるなぁと思ってました。

岡崎:そうそう。僕はそれは偶然だったんですけど、そしたら「良いね」っていうことになって「よくわかってるじゃないか、大樹は!」って言われて、「勘で描いたんですけど」って(笑)。

――製作はどのくらいかかりましたか?

岡崎:はい、一晩で。

石川:うそぉ! 大樹さんはもう、最近ほぼほぼ半分ぐらい絵描きですよね、「職業、絵描き」。

岡崎:そうそう、そうなんです。うちの先輩、中河内雅貴さんにも「そろそろ、そっちに行けば?」とか言われるから「わかりました!」みたいな会話を(笑)。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、どのような作品を作ろうとしているのか、音楽やダンス、稽古の様子などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。10月27日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、岡崎大樹さんにトートダンサーとして『エリザベート』に出演してきたことや、東京都の「アートにエールを」に『イキ』という作品で参加されたことについて、石川新太さんに2021年に『ポーの一族』に出演することや、2020年10月に開いたバンド「Offshore」の初のワンマンライブなどについても伺った、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■石川:古き良き楽曲をたくさん使って、「レトロ・ポップ」に通じるものもあるかと

■岡崎:稽古は、マスクをしたり、組むダンスがなかったり、気をつけてます

■石川:帝劇『THE MUSICAL CONCERT』、ゲネプロでマスクを外したら楽でびっくり

■岡崎:マサくん(中河内雅貴さん)が男性だけのダンスシーンを創ってくれている

<『我ラのルネサンス~復興ノ風二舞フ~』>
【東京公演】上演延期 (当初予定は2020年10月24日 GEMINI Theater)
公式サイト
https://kaos-showcase.amebaownd.com/

<関連リンク>
岡崎大樹 Twitter
https://twitter.com/hiroki0823
石川新太 Twitter
https://twitter.com/aratap811
KAOS Performers OFFICE 公式 Twitter
https://twitter.com/kaos_office
岡崎大樹がお送りするニコニコチャンネル「続 エイヒレ畑で捕まえて」
https://sp.ch.nicovideo.jp/eibata
岡崎大樹 プロフィール
https://kaosperformers.tumblr.com/post/101743167787/hiroki-okazaki
石川新太 プロフィール
http://kaosperformers.tumblr.com/post/101744189477/arata-ishikawa

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岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI
岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

※ここから有料会員限定部分です。

■石川:古き良き楽曲をたくさん使って、「レトロ・ポップ」に通じるものもあるかと

――どんな内容の作品でしょう?

岡崎:アラタくんから見たのを聞きたいです。俺らはなんとなく分かってるんだけど、まだピースピースの稽古だから。

石川:そうなんですよね、感染症の対策の面もあって、時間をすごく細かく区切って稽古してるんです。なので、共有されている稽古動画をチラチラと観る限りなんですけど、毎度「The Show Case」ってそうなんですけど、本当にいろんなバラエティーに富んだショーが集まっています。バラエティーに富んでいるんだけれども、何かどこか一貫性がある。さっき、大樹さんがおっしゃっていたアングラ的な要素だったり、何か未だわからないんだけど、何かあり気なショーに仕上がっているなというのを、僕はすごく感じます。歴代の「The Show Case」でやっていた楽曲も取り入れていて、実は僕的には、全部出させていただいてるので、何かちょっと懐かしかったりとか、いろいろあるんですけど、その「The Show Case」という面だけでじゃなく、古き良き楽曲をたくさん使って、どこか懐かしく感じながらも、今、「レトロ・ポップ」っていうムーブメントがすごい流行っているんですけど、何かそことも通じるものがあると思います。古いものを取り上げてるんだけど、それが今僕にはすごく新しく感じるので、僕の年代の人からしたら新しく感じるだろうし、僕より上の年代からしたら、懐かしく感じるだろうし、やっぱり人それぞれの捉え方がありそうなショーだなぁと思っています。

岡崎:うん、うん。

――新太さんは、音楽製作などのご担当ですね。

石川:基本的には既存の楽曲を使って、いろいろと歌唱の面だったり、本番で使うオケの作成だったり、あと本編中でギターの演奏をしたり、そんな感じです。

岡崎:そうです、そうです。指導もしたりして、ほぼ音楽監督という感じで。音楽監督・歌唱指導という感じの。

石川:そうですね。実際に現場でやらせてもらえ、勉強させてもらっています。

石川新太さん=撮影・NORI
石川新太さん=撮影・NORI

■岡崎:稽古は、マスクをしたり、組むダンスがなかったり、気をつけてます

――稽古はどんな感じですか?

岡崎:マスクをしたり、組むダンスがなかったり、というのは気をつけてますね。アラタくんに教えてもらったんですけど、90センチ離れるということは、45センチの大きいスカートを履いてる気分でいれば、距離が保てるのかな、みたいなことを考えたりしてます。メンタル面では、やっぱりみんな自粛長かったし、飛んでしまった舞台が凄く多かったから、そういう意味で、ちょっと溜まってるモノというか、稽古久し振りだなっていう、そういう開放感もありつつ。でも結局、演劇創るのは大変だから、一応個々人の壁にもちょいちょいぶつかりつつ、演劇やってるなって感じはします。

石川:一番分かりやすいのは、マスク着けっぱなしの稽古ですね。

岡崎:そうだよね、苦しいよね。

――本番もマスクをされるんですか?

石川:本番はマスクはしないです。でも一応、マスクを取ったとしても、ディスタンスを保っているという作り方をしているので、マスク取って大丈夫なんですけど、やっぱり稽古場だと、どうしても閉鎖された空間になってしまいますし、踊ってるとき以外、すれ違ったり、討論したりというときは、やっぱりマスクをずっと着けてないといけないし、マスクをしてる、してないで濃厚接触者になる、ならないっていうことにもなってくるので、念には念を入れて、ちょっと心肺トレーニングも兼ねながら、マスクしたまんま踊ってます。

岡崎:うん。

岡崎大樹さん=撮影・NORI
岡崎大樹さん=撮影・NORI

■石川:帝劇『THE MUSICAL CONCERT』、ゲネプロでマスクを外したら楽でびっくり

――マスクを着けてのダンスや歌は、かなり身体に負担がかかりますか?

石川:正直しんどいです。

――今回特に意識していることはありますか?

石川:歌の面で言うと、やっぱり息って大切なので、マスクをしてると、どうしてもいつもより息を吸いづらいし、出しづらいから、いつもより呼吸に関しては意識しながら歌うようにしています。じゃないと、マスクしながら歌っていると、どうしても喉を傷めてしまうので。息をちゃんと通すことを意識してます。

――マスクをしながら歌うと、喉を傷めやすい?

石川:やっぱり、息をちゃんと吸って、ちゃんと吐けてないと負担がかかってしまうので。マスクしているときは、いつも以上に意識をしながら歌うように心がけています。

――マスクを外した本番では、普段以上に歌いやすく感じそうですね。

石川:ちょっと重りをつけて動いていたのが、外れる感覚っていうのがあって。僕、帝劇の『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』に出演してたんですけど、それも、もちろん稽古中はみんなずっとマスクをしていて、ゲネプロで初めてマスクを取ったんですね。

――そしたら?

石川:「こんなラクっ!?」 って(笑)。

岡崎:(笑)。

石川:びっくりしますね。稽古場で汗だくでゼーハーで踊ってたものが、マスクを外してやっただけで全然楽で。ちょっとそれは、もしかしたら逆にいつもよりも、本番のパフォーマンス自体が上がってるかもしれないですね、演劇業界全体として。

岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI
岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

■岡崎:マサくん(中河内雅貴さん)が男性だけのダンスシーンを創ってくれている

――今回の「The Show Case」の内容は、ダンスと歌、そして芝居要素もあるのでしょうか?

岡崎:がっつりシーンがあって台詞を割り振って、みたいなシーンはないですけど、「居方」が芝居っぽいというか、普通のニュートラルな居方じゃなくて、“セピアの画面越しに見る人間たち” みたいなふうになればいいなという感じはあります。ライブで出て歌ってハケるっていう、普通のオムニバスっぽい感じじゃなくて、ちょっとどこかで世界観が、別世界と言うと変ですけど、時代が違うというか、フィルター1個かませた居方で、みんな居るように見えたらいいなっていう作り方をしようと思っています。

石川:たぶん特に気を配ってるのは、それこそ既存の楽曲を使用するということで、関連のない楽曲が繋がることだってあるわけじゃないですか。その中でやっぱり、全体として共通の世界観でいることで、楽曲と楽曲の間を埋めたり、人と人が入れ替わるときに、何らかの関係性を僕らの中だけでも持つことで、曲と曲がスムーズに繋がって、そこにもお客さまが「ここに何か意味があるじゃないか?」って考えて、楽しめたりということをやろうとしてます。

――いろんな「何か意味がありそう」を発見できそうでワクワクします!

岡崎:「もしかして?」と考えているうちに次のシーンに行く感じです。

――ご出演は事務所に所属されている12名のみなさんですね。

岡崎:それぞれ見せ場はあって、得意分野を持ち寄って活かしてもらうという形になっています。

――見どころは?

岡崎:中河内くんやアラタくんとか、普段、個々の別々のところでやってる人たちが一緒に出てワンシーン作ってて、普段彼らはメインのポジションでやっているけれども「こんなことしちゃうの?」みたいな、ほぼアンサンブルに近いようなダンスをしたり、世界観を作るために、センターではなく周りに居たりという所があるんです。それって事務所で作る「The Show Case」のみしか見られないので、その贅沢な使い方というか、無駄使いとか(笑)、そういうところを。すべてにおいて、“とんでもないこと” をしてるんですけれど、僕が古典バレエに挑戦? とか、マサくん(中河内雅貴さん)が男性だけのダンスシーンを創ってくれてて、それは見どころかな。

石川:マサさんの振付する作品を観ることって、あんまりないですよね。だけど中河内さんはクリエイティブ的なことも、とても興味がある方なので、踊りを創作することに対してすごく意欲的で、めちゃくちゃ力を入れてるので、それを観られるっていうのはデカいんじゃないですか。

――所属事務所のショーならではの、普段観られない皆さんの姿を拝見できそうです。

岡崎:そうですね。全員が指示待ちだけしていても意味のない、もてる才能をフルに活用できるカンパニーなんです。

石川:舞台は小さいですが、僕は、それはたぶんプラスだと思っていて。お客さんからしても、すごく近距離に感じると思うんです。同じ空間に居るというのを、いつも観ている大劇場以上に感じると思うので。すぐそこで、しかも普段じゃ見られないようなことをしているというのが続くわけなので、やっぱりとても新鮮に感じるんじゃないかと思います。

岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI
岡崎大樹さん(左)と石川新太さん(右)=撮影・NORI

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“「既存の楽曲に共通の世界観を」、『我ラのルネサンス』岡崎大樹・石川新太対談(上)” への 1 件のフィードバック

  1. や~こ より:

    公演を楽しみにしていたので、延期が発表された時は残念でしたが、やはり誰しもが安心して楽しめることが第一だと思うのでいつか実現される日を楽しみに待ちます。

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