「16歳の頃には最高と最悪がある」、『ジェイミー』安蘭けいインタビュー(上)

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

ミュージカル『ジェイミー』が、2021年8月8日(日)から8月29日(日)まで東京の東京建物Brillia HALLで、9月4日(土)から9月12日 (日)まで大阪の新歌舞伎座で、9月25日(土)から9月26日(日)まで愛知の愛知県芸術劇場 大ホール上演されます。 アイデアニュースでは、先日掲載した森崎ウィンさん、髙橋颯(WATWING)さんに続き、ジェイミーの母親・マーガレット役を演じる、安蘭けいさんのインタビューを、上、下に分けてお届けします。

ミュージカル『ジェイミー』は、イギリス発の大ヒットミュージカルで日本初上陸。英BBCで放送されたドキュメンタリーが原作で、「自分らしく生きる」という普遍のテーマを、感動的な歌とダンスでみずみずしく表現した人間賛歌です。ジェンダー、人種、宗教など、根強い差別を抱えた現代社会へのメッセージ、そして、親子の普遍的な愛を描いています。イギリスのロックバンドであるザ・フィーリングのリードシンガー、ダン・ギレスピー・セルズによる音楽が新しく、作品の魅力のひとつです。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳
安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

――『ジェイミー』の出演が決まって、まずどう思われましたか?

最初は『キンキーブーツ』に似ているのかなと思いました。同じドラァグクイーンの話で、ロンドンのミュージカルという感じもしましたから。でもすごく明るくて、私の中で最近にはなかった、本当に楽しいミュージカルだと思います。

――森崎さん、髙橋さんが、ダブルキャストで演じるジェイミーという息子がいる母親・マーガレット役を演じられますが、おふたりはいかがですか?

ふたりとも全然違うキャラクターですが、話しやすくて、本当に素直です。森崎君は30歳、颯君は23歳と聞きましたが、森崎君は若く見えるので、年齢を聞いてびっくりしました。颯君は、もうちょっとすれたほうがいいんじゃないか、と思えるほどすれてないですよね。

――安蘭さんは、これまでにいくつか母親役を演じられていますが、今回のマーガレットはどんな印象ですか?

今まで演じたことがないタイプのとてもいいお母さんですね。

――すごく理解のあるお母さまですよね。

そうですね。息子思いということで考えたら、ミュージカル『ハル』がそうでしたが、「この子を守らなきゃ」という深い愛情がありながら、息子を心配するあまりどこか空回りしていました。逆にマーガレットはすごくアクティブな女性で、強さもあって、明るいお母さんだということがすごく嬉しいです。ほかにも『リトル・ヴォイス』で演じたのは本当にひどいお母さんでしたし、今回はいいお母さんで楽しみですね。

――この作品について、皆さんとお話しされたことや、テーマを含めて印象に残っていることはありますか?

ドラァグクイーンは、トランスジェンダーの人だけじゃないんだなということを、先ほど他の取材でも話していたんです。ただそういう扮装をするとか、エンターテイナーとしてドラァグクイーンをやる人もいるみたいで、そうなのかと。

<取材協力(衣裳)>
ワンピース:アダム エ ロペ(ジュンカスタマーセンター)
ピアス:Jouete(ジュエッテ)
問い合わせ先:
Jouete(ジュエッテ):0120-10-6616
https://www.jouete.com/
ジュンカスタマーセンター:0120-298-133

※アイデアニュース有料会員限定部分には、ジェイミーと同じ16歳の頃の安蘭さんは宝塚音楽学校の受験に落ちてショックを受けていたというお話や、劇団四季時代からファンだという保坂知寿さんとの共演などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。7月2日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、共演者の男性陣の印象や、今年芸能生活30周年を迎えたことなどについて話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載 します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■「あなたの好きなように生きなさい」と言える強さを持ち合わせている現代のお母さん

■純粋だからこそ、16歳の頃には最高と最悪がある

■みんなが近所で助け合って、人と人とがちゃんと関わり合っている生活が本当に尊い

■(保坂さんとの共演)夢の時間。本当に大好きで、劇団四季の時からファン

<ミュージカル『ジェイミー』>
【東京公演】2021年8月8日(日)~8月29日(日) 東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2021年9月4日(土)~9月12日(日) 新歌舞伎座
【愛知公演】2021年9月25日(土)~9月26日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール公式サイト:
https://horipro-stage.jp/stage/jamiemusicaljp2021/

<関連リンク>
安蘭けい ホリプロオフィシャルサイト
https://www.horipro.co.jp/arankei/
安蘭けい 公式ファンクラブ「Aran」
http://www.kei-aran.com
安蘭けい instagram
https://www.instagram.com/toko_aran
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安蘭けいさん=撮影・岩村美佳
安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■「あなたの好きなように生きなさい」と言える強さを持ち合わせている現代のお母さん

息子からドラァグクイーンになりたいと言われたら、自分の知らない世界に行かせることが、親としてはすごく怖いので、躊躇すると思うんです。でも、マーガレットはどちらかと言うと「 あなたの好きなように生きなさい」と言える強さを持ち合わせている、現代のお母さんだと思います。

こういう題材がミュージカル化されるということは、今は何でもありの時代ではあるけれど、やっぱりマイノリティの人たちに対しての、差別まではいかないかもしれないけれど、区別や違いがあると思っているから、お話になるんだろうなと思います。いつか普通になってきたら、目新しくもない話になるだろうし、そういう時代も来るのかなと思ったりしますね。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳
安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

■純粋だからこそ、16歳の頃には最高と最悪がある

――台本を読ませていただきましたが、最初の物語の設定紹介部分に「16歳であること」とピックアップされていて、「最高の自分と最悪の自分が同居している時代」と書いてあったのが、すごく印象に残りました。16歳ってそうだったんだ、みたいな。

そういう風に言われると、最悪は誰が決めるか分かりませんが、すごく傷つきやすい年齢ですよね。例えば私で言えば、宝塚を受験して落ちたことで、人生のどん底を知ったような頃。でも長く人生を生きていたら、そこまでショックにならないかもしれないですが、純粋だからこそ、最高と最悪があるんですね。一気に上げられるし、一気に落ちられる。そういう意味では、合点がいきました。なるほどな、と。

――まだいろいろなことを知らない年齢ですね。

無垢でね。ちょっと傷ついただけなのに、血がぶわっと出るみたいな。大人だったら、すぐ消毒して終わり、となりますが、子供にとっては若すぎて、傷がすごく深く抉られるようなことになるのかもしれませんね。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳
安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

■みんなが近所で助け合って、人と人とがちゃんと関わり合っている生活が本当に尊い

――『ジェイミー』の物語はイギリス北部の労働階級で、いわゆる開放的な空間ではないと思いますが、ちょっと『ビリー・エリオット』にも通じるものがあるのかなと。

時代も違いますし、『ビリー・エリオット』ほどではないと思いますが、やっぱり地方独特のものがあるのかもしれません。

――『ビリー・エリオット』で、地方独特の世界を生きてみてどうでしたか?

何でしょうね……あそこまでの街じゃないですが、私も田舎育ちでしたし、やっぱり分かるところはあります。都会にいたら分かりませんが、今でもちょっと田舎に行ったら、閉鎖的なところはあるでしょうし、住んでいる人の熱などはすごく理解できます。東京にいると、近所で集まったからこその絆、「この家が困っているから助けよう」と自然にできることが、今はないですものね。

――隣に誰が住んでいるか知らないような。

そういう寂しさはすごく感じますね。だから、みんなが近所で助け合って、人と人とがちゃんと関わり合っている生活が本当に尊いんだと思います。そういうところでジェイミーたちも生きていると思うんです。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳
安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

■(保坂さんとの共演)夢の時間。本当に大好きで、劇団四季の時からファン

――マーガレットには、レイという家族同然の、お隣さんがいますね。

保坂(知寿)さん!

――保坂さんとの共演はいかがですか?

本当に夢みたいで信じられません。私、保坂さんが大好きで、劇団四季の時からファンなので。

――何かお話はされましたか?

『ジェイミー』が決まってからまだお会いしていないです。(4月中旬の取材時)

――これまでに面識は?

劇場などでお会いしたことはあります。それに、私がファンだということは人づてに聞いていらっしゃると思いますし、どこかの劇場で写真を撮ってもらったり、お話ししたことはあります。

――そうすると、今回はものすごく夢の時間ですか?

本当に夢の時間。友達関係なんてできるかな……なんて(笑)。

――ただの友達ではなく、心の友であり家族ですよね。

ちゃんと言いにくいことも言い合えるような人ですしね。言わなくても分かるような仲だと思います。

――台本を読んだ印象では、パートナーに近いくらいの役かなと思いました。ふたりともお相手の男性を探しているから、そうではないんでしょうが、それくらいの近さなのかと。

役を通り越して、お近づきになれたら、すごく嬉しいです。でも、今はコロナだから、同じ稽古場にいても、あんまり役以外のところで話せないんですよね。いつもだったらもっと近くなれるのに、なれない距離ができてしまっているから残念です。どうにかならないかなと思っていますけれど。

――夢の共演ですね。

そうなんです。

安蘭けいさん=撮影・岩村美佳
安蘭けいさん=撮影・岩村美佳

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“「16歳の頃には最高と最悪がある」、『ジェイミー』安蘭けいインタビュー(上)” への 1 件のフィードバック

  1. piafmoto より:

    安蘭けいさんの記事、とても読み応えがあり
    ミュージカル『ジェイミー』のマーガレット役への思いが伝わってきて、
    観劇が益々楽しみに成りました。
    お写真も素敵で、いつまでも魅力的な安蘭さんですね。
    掲載ありがとうございました!

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