「紅さんはレモンスカッシュ」、『エニシング・ゴーズ』廣瀬友祐インタビュー（上）

ブロードウェイミュージカル『エニシング・ゴーズ』が、2021年8月11日（水）から8月29日（日）まで、明治座で上演されます（名古屋・大阪・福岡公演あり）。8年ぶりの上演にあたり、演出・キャストを一新。演出を宝塚歌劇団の原田諒さんが、ニューヨークで一番のナイトクラブの大スター、リノ・スウィーニー役を、元宝塚歌劇団星組トップスターの紅ゆずるさんが演じます。アイデアニュースでは、イヴリン・オークリー卿を演じる廣瀬友祐さんにインタビューしました。上、下に分けてお届けします。上では、これまで多くのお金持ち役を演じてきた廣瀬さんに、オークリー卿ならではのキャラクター像についてや、紅さんの印象などについて伺いました。（7月3日に行われた製作発表の後に伺ったお話です）【追記】2021年8月19日（木）から8月29日（日）までの公演は中止となりました。

――製作発表が、“にっぽん丸”で行われましたが、クルーズ船は初めてですか？

もちろんです。動いていなくてもこれだけ感動できるので、旅をしたらすごいだろうなと思いましたが、『エニシング・ゴーズ』はそういう作品なんだなと改めて思いました。

――実感が湧きましたか？

実感というよりは、特別な時間ではあるんだろうなと思いました。設定上で何となくではなく、実際にこういう場所に来られて、イメージが膨らんだりしました。これから稽古していく上で、イメージしやすくなったりするのかなとか。とにかくいろんなものすべてに感動しています。

――今、とてもラグジュアリーな部屋で取材させていただいていますが。

お風呂が丸いんだよ！

（一同笑）

――「みんな！聞いてよ！」ですね（笑）。

みんな、素晴らしいですよ。浴槽が丸い。感動です。

――きっとオークリー卿はこういう、あるいはもっとすごいお部屋にいたのかもしれませんね。

イヴリン・オークリー卿や、ホープ・ハーコート（愛加あゆさん）など、他のみんなも、かもしれませんが、すごくいい部屋に泊まっているんだろうなと思います。

――リアルに見えてきたものがありますか？

それこそ部屋のシーンなどもありますので、セットは違うとは思いますが、経験しているのと、経験していないのでは、何か違うんじゃないのかなとは、現時点で思っています。

――廣瀬さんが演じるオークリー卿ですが、再びの貴族役ですね。毎回伺ってますが、また位の高い役だなと。

最初にそういうイメージをしてもらえるような役をやらせてもらった、というのが大きいのかもしれないですが、お金を持ってる役が多いですよね。

――確かに、いい人でも、悪い人でも、いつもお金を持っていますね。

一文無しとか、その日暮らしみたいな役もやってみたいですね。今回は、僕がやってきたお金持ちの役の中でも、割と“おぼっちゃま”に近いキャラクターというか、今までやらせてもらった貴族のキャラクターともちょっと違うキャラクター像になるんじゃないかなという印象があるので、自分自身も挑戦ですし、お客様にも「お金持ちはお金持ちでも、今までとは違う」と思ってもらえるような役にできたらな、とは思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、オークリー卿についての話の続きのほか、コメディー作品について、共演する紅ゆずるさんについて話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。8 月11日（水）掲載予定のインタビュー「下」では、コール・ポーターの音楽やブロードウェイ作品ならではの見どころ、最近あった楽しいことなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■オークリー卿は「おいおい」なのに「まあ、いっか」と笑ってしまう雰囲気

■コメディーは好きですし、すごく難しい。ちゃんと基盤がある上で面白味を

■稽古の時間を含めて、笑える日々が待っていると思うと、ポジティブになれる

■紅さんはレモンスカッシュみたい、爽やかで、きりっとして、がつんとくる

＜ブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』＞
【東京公演】2021年8月11日（水）～8月29日（日）　明治座　【追記】2021年8月19日（木）から8月29日（日）までの公演は中止となりました。
https://anythinggoes2021.com/
【愛知公演】2021年9月4日（土）～9月12日（日）　御園座
https://www.misonoza.co.jp/lineup/month210904.html
【大阪公演】2021年9月17日（金）～9月26日（日）　新歌舞伎座
https://shinkabukiza.co.jp/perf_info/20210917.html
【福岡公演】2021年9月30日（木）～10月5日（火）　博多座
https://www.hakataza.co.jp/lineup/202109/anything/

＜関連リンク＞
廣瀬友祐オフィシャルサイト
http://hiroseyusuke.info/
廣瀬友祐twitter
https://twitter.com/hirose_yuusuke
廣瀬友祐instagram
https://www.instagram.com/yuusuke_hirose.official/　

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※ここから有料会員限定部分です。

■オークリー卿は「おいおい」なのに「まあ、いっか」と笑ってしまう雰囲気

――“おぼっちゃま”というのは、ちょっと世間ずれしている、みたいなことですか？

これから稽古でいろいろ変化進化していくとは思いますが、最初の印象としては、おぼっちゃまで、それゆえの何かズレというのか。イヴリン・オークリー卿の持っている雰囲気というのがどこか浮くような、でも最終的に憎めない人間像というか、そんな印象です。ちょっと「おいおい」ということをやるのに、「まあ、いっか」と笑ってしまう、それで許せてしまうようなキャラクターのイメージがあるから、どこか二枚目でいなきゃいけないとか、そういうイメージは、僕自身今回頭からなくて。だからすごく楽です。稽古場でいろいろチャレンジしていきたいなと思っていますね。

■コメディーは好きですし、すごく難しい。ちゃんと基盤がある上で面白味を

――これまで、コメディー作品はあまり出演されていませんよね。

そうですね。でも、コメディーは好きですし、すごく難しいとも思っています。だからこそ勢い任せにやらないようにと思います。演出の原田さんも、皆さんが集まった時に、「上っ面の薄っぺらい、ただ面白可笑しい作品にしたくない」とおっしゃっていました。僕自身、お笑い芸人さんなどを本当に尊敬していますが、少しでもなめてかかると、足元をすくわれるというか、全てが崩れ落ちそうな予感がしていますので、ちゃんと基盤がある上で、プラスアルファの要素で面白味が出せるのであれば、出したいなと思っています。誰も死にませんし、とにかくハッピーな、タイトル通り何でもありの作品だから、すごく楽しみですね。稽古場でも、本読みだけでも僕も笑いますし、そういう日々をこれから送れるというのは、すごくありがたいです。

■稽古の時間を含めて、笑える日々が待っていると思うと、ポジティブになれる

――博多座の公演まで三ヶ月強続きますね。

もちろん苦しいことや、乗り越えなければいけない壁はたくさんありますが、この先に稽古の時間を含めて、キャストの方々の演技などを見て笑える日々が待っていると思うと、すごくポジティブになれるし、最終的にお客様にそれを届けたいなと思います。

■紅さんはレモンスカッシュみたい、爽やかで、きりっとして、がつんとくる

――稽古が始まって雰囲気はいかがですか？

まだ全体としてはまだ深く交流はとれていなんですが、初めてご一緒する、リノ・スウィーニー役の紅さんが本当にそのままというか。印象通りだったというか。とにかくすごく眩しいですよね。なんというか、元気。

――エネルギーが強い、ということですか？

最初にお会いした時に、レモンスカッシュみたい、と思ったんです。

――レモンスカッシュ？爽やかという感じですか？

爽やかで、きりっとして、がつんとくるような。いい例えかどうか分かりませんが（笑）。そんなイメージがありました。最初に挨拶した時は、普通にしゃべる分には優しくて温厚な印象を受けるんですが、リノをやってる時は、「どこまでギアを入れているのかな」というくらい、ご本人に近いんだろうなと思います。紅さん自身もおっしゃっていたので、なるほどなと。その紅さんの雰囲気が、座組の雰囲気になっていきそうな感じはしています。

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