「無駄なことは、ひとつも無かった」、OSK日本歌劇団 楊琳インタビュー(上)

楊琳さん=撮影・岩村美佳

2022年に劇団創立100周年を迎えるOSK日本歌劇団の公演、「レビュー夏のおどり『STARt』」が、2021年8月5日(木)から8月8日(日)まで、東京の新橋演舞場で上演されます。2021年4月にOSK日本歌劇団の新トップスターに就任した楊琳(やん・りん)さんの「新トップスターお披露目公演」です。大阪松竹座で6月に上演され、満を持しての東京公演となります。

アイデアニュースでは、楊さんにご自身のこれまでの歩みと、これからについて伺いました。上、下に分けてお届けします。上では、トップスターになって感じる意識の変化や、OSKに入るまでの経緯、入団してから感じたことなどについて伺いました。

楊琳さん=撮影・岩村美佳
楊琳さん=撮影・岩村美佳

ーーさきほど製作発表を拝見して、とても可愛らしい印象でした。

良かった。ありがとうございます。

ーーコロナで大変な中、みなさんコミュニケーションは、どのように取られているんですか?

私は連絡無精な方なので、お稽古場でちゃんと話すようにしています。今は、会ってお食事をするということができないので、短い時間でしっかりとコミュニケーションをとることを意識しています。同期とは、特に仲がいいですね。

ーー楊さんは、オンとオフの切り替えは、きちんとされている方なんですか?

私は、けっこう切り替わっていると思います。家に帰ったら、自然とリラックスしています。デロリンチョとした感じで(笑)。

ーー(笑)。トップになると気が張るのかなと思って。

家を1歩出たらそうなりますが、家の中ではのんびり三昧です(笑)。

ーートップになって、いろんなことが変わりましたか?

以前よりさらに「自分の感情は関係ない」と思うようになりました。

ーー自分の感情が関係ない?

自分よりも優先するべきものがたくさんできた、という感じです。「看板」になることで、ありがたいことに舞台以外のお仕事も増えました。自分を通してOSKを見ていただくので、私自身がまずしっかりしていないといけないなと。その日の自分のコンディションなどはお客様には関係ないので、切り替えは前より速くなりました。

ーー意識的にスイッチを入れなくても切り替わる?

はい。自然と。自分のことよりも、OSKを伝えたいという気持ちが勝るようになりました。

ーーOSKに入りたてのころと、中堅と呼ばれるころと、もうすぐトップと言われるようになったころと、意識は変わりましたか?

入りたての時は、どうしても意識が自分に集中してしまって「どうしてできないんだろう」と悩むことばかりでした。でも、自分の「ああーっ!」という気持ちが勝ってしまうと、お客様をないがしろにしてしまう部分が出てくるんですよね。「できて当たり前」という感覚でないと成長しないと、次第に気づくようになりました。

ーー表現者として。

そうですね。舞台人として。先輩方が活動をして劇団を残してきたので、そういう思いが本当に強いんです。

ーー危機を乗り切ってきた方々ですね。

はい。そうしたお姿を間近に見てきて、どこからこの想いやバイタリティーは出てくるんだろうと考えていましたが、それが自分の中にもちゃんとあると思うようになりました。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、OSK日本歌劇団に入るまでの経緯、入団してから感じたことなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。8月5日(木)午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、入団して間がないころに前トップスターの桐生麻耶さんからいただいた言葉や、OSKのテーマソング「桜咲く国」について、2人の娘役トップスターの舞美りらさんと千咲えみさんについて、OSKならではの魅力などについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■宝塚音楽学校を不合格になった時、塞ぎ込みすぎず観劇に出掛けたことが運命に

■「まだ夢を追える」と思いました。青春を賭けたことが無駄にならなかった

■入った直後は上下関係の厳しさなど、今までと違う環境に一生懸命適応

■だんだん視野が広がっていった。固執しなくてもいい。いろんな発見がある

<OSK日本歌劇団 「レビュー夏のおどり『STARt』」>
【東京公演】2021年8月5日(木)~8月8日(日) 新橋演舞場
東京都中央区銀座 6-18-2 / 03-3541-2600
地下鉄「東銀座」「築地市場」駅下車
公式ページ:
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_202106/

<出演者>
※入団年別・五十音順
楊琳、舞美りら、千咲えみ、白藤麗華、虹架路万、愛瀬光、城月れい、華月奏、遥花ここ、栞さな、実花もも、翼和希、穂香めぐみ、天輝レオ、登堂結斗、壱弥ゆう、椿りょう、羽那舞、唯城ありす、柚咲ふう、琴海沙羅、蘭ちさと、凜華あい、有絢まこ、純果こころ、瀧登有真、知颯かなで、翔馬かいと、空良玲澄、璃音あかり
(97期初舞台生)碧輝来、華蓮いろは、柊湖春、南星杜有
(特別専科)桐生麻耶、朝香櫻子

<スタッフ>
作・演出・振付:平澤智
音楽:斉藤恒芳、岩崎廉、竹内聡、湖東ひとみ
振付:KAORIalive、SHUN、中山菜
美術:松井るみ
照明:石原直盛
音響:湯浅典幸
衣裳:松竹衣裳
振付助手:Naomi
歌唱指導:斉藤亜子
舞台監督:出口勇作
制作:松竹株式会社、OSK 日本歌劇団
製作:松竹株式会社

<チケット>
S席(1・2階)9,500円 A席(3階)5,000円
チケット Web 松竹(24 時間受付):
https://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
チケットぴあ:0570-02-9999 [P コード 505-701]
https://t.pia.jp/
ローソンチケット:[L コード 33444]
https://l-tike.com/
イープラス
https://eplus.jp/
CN プレイガイド 0570-08-9999
https://www.cnplayguide.com//
松竹ホームページ
https://www.shochiku.co.jp/
お問合せ先:
チケットホン松竹 0570-000-489(10:00~17:00)

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楊琳さん=撮影・岩村美佳
楊琳さん=撮影・岩村美佳

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■宝塚音楽学校を不合格になった時、塞ぎ込みすぎず観劇に出掛けたことが運命に

ーーこれまでのインタビューをいろいろ見させていただきましたが、宝塚音楽学校を受験して不合格だった時のお気持ちを伺えますでしょうか。

本当に受験のこと以外考えていなかったので、何もない状態になってしまって。何をしたらいいかわからないけれども、このままではよくないと、すごく焦っていました。

ーー友達とか、周りの人にその気持ちを話ましたか?

いえ。受験スクールの子たちもそれぞれがショックを受けていましたので、中々気持ちを話すようなことはありませんでした。

ーーそこからOSKになったのは?

通っていたダンス教室の先輩に、OSKのOGの方がいらっしゃって、声をかけてくださったんです。あの時は「とりあえず見に行こう」という気持ちで。行動することが安心につながるというか。

ーー引きこもるより、行動するのはいいですよね。

今思うと、あそこで塞ぎ込みすぎず観劇に出掛けたことは、運命だったんだと思います。

楊琳さん=撮影・岩村美佳
楊琳さん=撮影・岩村美佳

■「まだ夢を追える」と思いました。青春を賭けたことが無駄にならなかった

ーーそこで出会って見た世界は、いかがでしたか?

率直に言って「まだ夢を追える」と思いました。「このまま続けられることが見つかった」と。自分が、青春を賭けたと胸を張って言えることが、無駄にならなかったことが嬉しかったです。自分の青春というか、ありったけを注ぎ込むことができる世界があることが嬉しかったです。今なら受験を経験したことは決して無駄ではないとわかるんですが、当時は分からなかったです。それが、両親をはじめ応援して下さった皆様に恥ずかしくない自分でいられると、一気に世界が色づいて見えました。

楊琳さん=撮影・岩村美佳
楊琳さん=撮影・岩村美佳

■入った直後は上下関係の厳しさなど、今までと違う環境に一生懸命適応

ーー入った直後は、自分が上達していくことを中心に考えたという感じでしょうか。

そうですね。必死でした。まず大阪に住むというのも初めてで、上下関係も厳しいですし、今までとは違う環境への適応に一生懸命になりました。

ーーまずは自分の足元を固めるという感じ?

はい。まずはご指導いただくことをちゃんと覚えることで精一杯でしたね。

楊琳さん=撮影・岩村美佳
楊琳さん=撮影・岩村美佳

■だんだん視野が広がっていった。固執しなくてもいい。いろんな発見がある

ーーそこで、違う景色が見えましたか?

一気には見えなかったのですが、だんだん視野が広がっていった感じです。ひとつに固執しなくてもいい。いろんな発見があって、振り返る、無駄なことはひとつも無かったと思います。

楊琳さん=撮影・岩村美佳
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“「無駄なことは、ひとつも無かった」、OSK日本歌劇団 楊琳インタビュー(上)” への 1 件のフィードバック

  1. ハツ より:

    お披露目ということで、インタビューは多く見る機会がありましたが、こんなに細やかに楊さんが語っている記事を読めて嬉しかったです。
    記者さんの愛と敬意を感じます。
    お写真もとても素敵。
    楊さんの柔らかい透明感のある笑顔、ありがとうございます♥️

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