2021年9月8日（水）～9月9日（木）に日本青年館ホール、2021年9月23日（木・祝）～9月26日（日）に宝塚バウホールで開催されるステージ、The Beginning of TAKARAZUKA LIVE NEXT!!『アプローズ』～夢十夜～に主演する彩凪翔（あやなぎ・しょう）さんにインタビューしました。この作品は、2021年4月に宝塚歌劇団を退団した彩凪さんの退団後初の舞台作品で、阪急阪神ホールディングスグループの1つとして、2020年4月に設立された「株式会社タカラヅカ・ライブ・ネクスト」の第一弾主催公演です。インタビューは上下に分けて2日連続で掲載し、「上」では、作品への思い、ダンスやお芝居における新たなチャレンジ、宝塚受験のきっかけなどについてのお話を紹介します。「下」では雪組公演『るろうに剣心』の武田観柳役について、15年在籍した宝塚歌劇団を卒業した翌朝の気持ち、これからチャレンジしたいこと、ファンのみなさまへの想いなどについてのお話を紹介します。

ーー『アプローズ～夢十夜～』は、どのような公演になりそうでしょうか？

私自身でもある主人公の「翔」がいろいろな人と出会って、舞台の役者として成長していくお話です。登場人物の「翔」としてだけではなく、「彩凪翔」自身としても、舞台を通して成長していけたらという思いがあります。いろいろな刺激を感じながら成長していく私自身の成長と、作品の中の成長とがリンクするように見えるといいなと思います。

ーーお稽古は始まっていますか？（取材は7月初旬に実施）

これからですね。今は、台本を見たところです。ポスター撮影の時点では、踊りでどんどん進めていくのかなと思っていたのですが、結構お芝居もあるんですよ。セリフもたくさんあるので、男役のセリフというよりは、自然体で等身大の自分として演じていけたらいいなという気持ちがあります。

ーー今回の出演者は、全員が元タカラジェンヌの方々ですね。

そうなんです。同じ組や同期、一期上さんや一期下だったりとご縁のある方が多いです。今までは、雪組という同じメンバーの中で、新しい作品をどんどん作り上げてきたのですが、今回は宝塚卒業後に、さまざまなフィールドで活躍されている方々が集まるステージとなります。卒業して1年目の新米としては、舞台のことだけじゃなくて、オフの過ごし方についてもみなさんから学べそうな気がしていています。今回の稽古場で、肌で感じたり学んだりしたことを、これからの卒業後の人生に活かしていけたらいいなと思います。

ーースペシャルゲストとして、日本青年館公演に彩輝なおさんが、宝塚バウホール公演に水夏希さんが登場されます。

そうなんですよ！ 受験生時代に、彩輝なおさんのファンだったんです。私が入団した時には卒業されていたので、今回、同じ舞台に立たせていただくという夢が叶うのはすごく嬉しいです。ちかさん（水夏希さん）は、下級生のときの雪組トップさんだったので、緊張も大きいですが、「なにかわからないことがあったら、ちかさんに聞いてみよう！」という気持ちです。

ーー下級生の頃は、いかがでしたか？

当時は私が下級生すぎたので、ちかさんとお話するといっても、本当にちょっとだったんです。ですから、宝塚でいろいろ学ばせていただいた今、再び舞台についてお話できるのがすごく楽しみです。

ーー今回のステージは、宝塚歌劇団を退団した卒業生の活躍支援等を目的として2020年に設立された「タカラヅカ・ライブ・ネクスト」主催の第一弾公演です。そこに主演されるお気持ちはいかがでしょうか？

プレッシャーです！ でも、ここで卒業後のスタートを切れることはありがたいです。第一歩というものは、とても大事だと思いますから。盛り上げていくのはもちろん、自分も楽しみたいです。卒業して第一歩のステージとして、開拓しながら、探りながらにはなりますが、楽しみながら準備をして、初日を迎えられたらと思っています。今回のメンバーは、在団中に、各組を代表されていたダンサーさんやシンガーさんばかりなので、本当にすごい作品になりそうです。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、コンテンポラリーダンスへの挑戦、縁のある舞台に再び立つことへの思い、お客さまに今回の舞台を通して届けたいことや、宝塚受験のきっかけなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。8月17日（火）午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、雪組公演『るろうに剣心』での武田観柳役について、卒業翌朝の想い、今後挑戦してみたいこと、ファンのみなさまへのメッセージなどを紹介します。

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■コンテンポラリー寄りの踊りが多くなる予定で、身体をすごく動かすと思います

■この状況でコンサートをさせていただけた『Wings』。なんと幸せなのか

■4歳からバレエ。中学2年の時に宝塚を観て「ここなら毎日舞台に立てる！」と

■『オネーギン』で初めて通し役に。役を作る段階が楽しくて、演じることが好きに

＜The Beginning of TAKARAZUKA LIVE NEXT!!『アプローズ』～夢十夜～＞
【日本青年館ホール】2021年9月8日（水）～9月9日（木）
【宝塚バウホール】2021年9月23日（木・祝）～9月26日（日）
公式サイト
https://www.takarazuka-live-next.co.jp/stage/2021/applause/

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■コンテンポラリー寄りの踊りが多くなる予定で、身体をすごく動かすと思います

ーーサブタイトル「夢十夜」の通り、さまざまな夢が載せられた作品になりそうですね。

夢が叶っていく作品になる気がしています。お芝居も踊りも、これまでに宝塚で磨いてきたものを活かしつつ、また違うものに挑戦できます。「男役を演じています」というよりは、自然なお芝居になると思います。踊りも、格好をつけて踊っていた部分がありましたが、すごく違ってきそうです。コンテンポラリー寄りの踊りが多くなる予定で、身体をすごく動かすのではないかと思います。

ーー今回のダンスは、コンテンポラリー寄りなんですね。

今回、音楽や感情を身体で表現することを、かなり勉強しなければいけないと思っています。宝塚でも、もちろん新しい振り付けにどんどん挑戦していきましたが、「男役はこういう風にキメる」というスタイルが、ある程度はあるように思います。今回、そこを崩して新たなものを作っていくことになります。大きな挑戦になりますが、楽しみです。

ーー新たなスタイルでの踊り、楽しみですね。

ポスターも躍動感のある感じに仕上がっていますよね。なんだか、今にも飛び出てきそうな迫力ですね。結構踊るみたいなのでドキドキしていますし、今、基礎レッスンを再開したんですよ。

ーー踊りの基礎レッスンですか？

はい。コンテンポラリーやモダンダンスは、バレエが軸になってくるので、新たに基礎から学び直しながら、もう一度身体を作り直したいと思ったんです。頑張ります！

■この状況でコンサートをさせていただけた『Wings』。なんと幸せなのか

ーー演出は三木先生ですね。

三木先生の演出は、下級生の頃に出演したショー以来なんです。だいぶ間が空きました。お芝居のお稽古をしていただくのは、今回が初めてになります。新鮮な気持ちです。会場が日本青年館と宝塚バウホールで、在団中から縁の深い場所なんですよ。卒業してまたその場に立たせていただけるのはとても光栄です。アットホームな空気を感じつつ、私の卒業後最初のステージ、そして外の世界に一歩踏み出すところを、温かく見守っていただけたらと思います。

ーー2021年6月に開かれた卒業後初めてとなるバースデイコンサート『Wings』は、いかがでしたか？

このご時世ですから、いろいろ不安を抱えていらっしゃるでしょうし、劇場に足をお運びいただくのも、やっぱり勇気がいる部分もあると思うんです。今、この状況でコンサートをさせていただけたのは、なんと幸せなのかと思いました。今回の『アプローズ』は、成長していく物語なので、前向きに考えてくださったり、明るく元気に明日からも頑張ろうという気持ちになっていただけるように、精一杯努めたいと思います。行くという決断をしてよかった、生の舞台を観られて良かったと思っていただけたら嬉しいです。

■4歳からバレエ。中学2年の時に宝塚を観て「ここなら毎日舞台に立てる！」と

ーー彩凪さんが宝塚を目指されたきっかけは何だったのでしょうか？

習い事として4歳からバレエをずっと続けていて、その同じバレエ団に所属していた先輩が、宝塚音楽学校に合格されて月組に入られたんです。その先輩の舞台を観に行かせていただいたのが、初観劇となりました。

ーーいつ頃ですか？

中学2年生の時です。行く予定のメンバーのお一人が風邪をひいてしまったので、ピンチヒッターとして私が呼ばれました。

ーーそれが彩凪さんの、宝塚初観劇になったのですね。

観に行ってすぐに「宝塚を受験したい」と思いました。身長が高いこともあり、「絶対受けた方がいいよ」と、言ってくださる方も多かったのですが、人前でお芝居をしたり歌ったりするなんて無理だと思っていました。人見知りだったので、全然考えていなかったです。

ーーでも、観に行かれたらガラリとお気持ちが変わったのですね。

そうなんですよ！ 大阪出身なので、宝塚大劇場は近くにあったんですが、自主的に観に行ったことはなかったんです。

ーー宝塚の舞台を観られて、どの点に魅力を感じられたのですか。

まず、「ここだったら、毎日舞台に立てる！」って思ったんです。バレエの発表会って、半年くらいお稽古して、クリスマスの頃に1回舞台に立てるという感じだったんですよね。人見知りなのに、舞台に立つのはずっと好きだったんですよ。

■『オネーギン』で初めて通し役に。役を作る段階が楽しくて、演じることが好きに

ーー舞台への思いが、人見知りな気持ちを上回ったということですね。

きらびやかな世界で、男役さんがとてもカッコいいなと思ったんです。最初は、自分が男役になろうとは思っていなくて、男役さんと一緒に踊りたいという気持ちで入りました。とにかく、ずっとバレエをしていたので、踊りで表現していきたいという思いがあったのですが、いろいろな機会をいただくうちに、お芝居もすごく楽しく、好きになっていきました。

ーーお芝居を好きになったきっかけは、何だったのでしょうか？

下級生の頃は、新人公演で役をいただくのが難しかったんです。同期や下級生に役がつくことが多かったんです。私自身も、芝居に苦手意識がずっとありましたし、踊れたらいいという気持ちで過ごしていたのですが、轟さん主演で植田景子先生の『オネーギン』のオーディションに2回目で受かって、初めての通し役をいただけました。轟さんの子役で、景子先生が、手取り足取り芝居を教えてくださったんです。いただいた役の芝居を作り上げていく段階が楽しくなって、演じることが好きになったのは、そこからです。

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