「僕とヒロキは、非常に難しい時代の2人を演じている」、一色洋平インタビュー(下)

一色洋平さん=撮影・岩村美佳

2021年12月8日(水)から12月29日(水)まで日生劇場で、2022年1月8日(土)から1月9日(日)まで梅田芸術劇場メインホールで、同年1月15日(土)から16日(日)まで愛知県芸術劇場大ホールで上演されるミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』 で、青年ラオウを演じる一色洋平さんのインタビュー、後半です。インタビュー(下)では、青年ラオウの役作り、「青年期」の役ならではの難しさ、トキ役の小野田龍之介さんと役作りについて話したこと、ラオウ役の福井晶一さんと宮尾俊太郎さんからの励みになる言葉、この作品に臨む想いやお客様へのメッセージなど、インタビュー後半の内容を紹介します。

一色洋平さん=撮影・岩村美佳
一色洋平さん=撮影・岩村美佳

――「兄弟の誓い」には、両親亡き後、ずっと自身の庇護下にあった弟トキが同じ武闘家を目指し「兄ちゃんを超えるんだ」と告げたとき、ラオウが「もし俺が道を誤ったときは、お前その手で俺の拳を封じてくれ」と言うシーンがあります。このシーンのラオウをどのように解釈していらっしゃいますか?

台詞の字面だけを追うと、ラオウはすごく優しくて弟思いで、「命をかけて弟を守る」ところもあると思うんです。多分ラオウには、そういう想像し難いほど優しい面と、想像し難いほど武闘家の面があるのだと思います。だからこそ、「崖から落とされて、やばい死ぬ!」という本当の極限状態でこそ爆発的に溢れ出る弟への愛と、修練で自分のことしか見えていないような描写の対比がすごく難しいんです。

ラオウは、「武闘家として自分が天下を取る。この世で一番強い人間になる」ということに、物凄い執着があると思うんです。だからやっぱり、「戦わない、戦えない弟」を、どこかで見限っている部分も正直あります。

僕とさち子さんと原作とで作った「青年ラオウ」は、そんな感じなんです。ちょっとでも優しくなると、さち子さんから「優しいところが出てる。そっちじゃない」と。やはり一番は「自分が武闘家として天下を取りたい」なんです。この思想が、もう子供の頃から出ているんですね。

弟のトキは、「自分も修行をする」とラオウに言うわけですが、そのときラオウの頭の中にはとても大きい「!」マークが出たんじゃないかと思います。このシーンのトキは歌詞の中で、「でも僕は怖いんだ。兄ちゃんが変わっていく」と言うんです。僕は、このシーンで、青年ラオウ自身も、青年トキに対して同じ思いを少し抱いていてもいいのかなと思っているんです。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、「青年期」の役ならではの難しさ、トキ役の小野田龍之介さんと役作りについて話したこと、ラオウ役の福井晶一さんと宮尾俊太郎さんからの励みになる言葉、この作品に臨む想いやお客様へのメッセージなどインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■「北斗神拳を本当に身につけたとき、人はどうなるのか」ラオウもトキも揺らぐ青年期

■トキ役の小野田くんと休憩中に会話。「勢いの中に、ちゃんと繊細なものを」と

■福井さんと宮尾さんが「いいバトンを貰っているよ」と。すごく励みになっています

■原作の力強さを追い風に。「新作」ならぬ「信作」ミュージカルにしたい『北斗の拳』

<ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』>
【東京公演】2021年12月8日(水)~12月29日(水) 日生劇場
【大阪公演】2022年1月8日(土)~1月9日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【愛知公演】2022年1月15日(土)~1月16日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
公式サイト
https://www.hokuto-no-ken-musical.com/
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021/

<関連リンク>
『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳』 Twitter
https://twitter.com/musical_fons
一色洋平 公式サイト
https://grandslam.ciao.jp/isshikiyohei/
一色洋平 Twitter
https://twitter.com/yohei_isshiki
一色洋平 YouTube
https://www.youtube.com/c/YoheiIsshiki
一色洋平 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/yohei-isshiki/

<キャスト>

ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香・May’n(Wキャスト)
トキ:加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
シン:植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
リュウケン:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生(交互役替わり)
ラオウ:福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)

バット:渡邉蒼
リン:山﨑玲奈・近藤華(Wキャスト)
リハク 他:中山昇
青年ラオウ 他:一色洋平
ライガ 他:後藤晋彦
フドウ 他:澄人
フウガ 他:田極翼
青年トキ 他:百名ヒロキ
ダグル(オリジナルキャラクター)他:宮河愛一郎
ミスミ 他:安福毅

飯作雄太郎
岩瀬光世
輝生かなで
坂口杏奈
内木克洋
中野高志
原広実
妃白ゆあ
福田えり
藤田宏樹
LEI’OH
大竹尚

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一色洋平さん=撮影・岩村美佳
一色洋平さん=撮影・岩村美佳

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■「北斗神拳を本当に身につけたとき、人はどうなるのか」ラオウもトキも揺らぐ青年期

ラオウの青年期は、「自分がどうなっていってしまうんだろう」「北斗神拳を本当に身につけたときに、人はどうなってしまうんだろう?」と揺らいでいる時期でもいいのかなと思っています。そして同じく揺らいでいる弟に対して、「お前も俺と同じ血を継いでいるならば、そうなる運命だったんだろう。ならば、俺がもし、北斗神拳の道を誤ったときは、お前が止めろよ」ということを、ラオウがきちんと言語化できた最後の時期なのかとも思っているんです。大人になると、ラオウもぶち抜けて行くので、そういう言葉は出なくなっていくんですよね。僕とヒロキは、非常に難しい時代の2人を演じているんだなと思います。

一色洋平さん=撮影・岩村美佳
一色洋平さん=撮影・岩村美佳

■トキ役の小野田くんと休憩中に会話。「勢いの中に、ちゃんと繊細なものを」と

――非常に難しい時代の2人…。青年期の自分への揺らぎという、とても細やかな表現を担われるのですね。

この間、小野田龍之介くん(トキ役/加藤和樹さんとのWキャスト)と、稽古の休憩中に話しました。原作の漫画がすごく勢いがあるから、勢いでやろうとしてしまう部分もたくさんあるんです。勢いも絶対に必要なのですが、それだけでは「ワーワー」言っているだけの世界観になってしまいます。青年から次の大人にバトンパスする繊細なものも、勢いの中にちゃんと取り入れていかなきゃいけない、ということを、今まさに課題としてすごく持っています。

一色洋平さん=撮影・岩村美佳
一色洋平さん=撮影・岩村美佳

■福井さんと宮尾さんが「いいバトンを貰っているよ」と。すごく励みになっています

――ラオウ役の福井晶一さんと宮尾俊太郎さんとは、役についてのお話をされることはありますか?

役については、正直そんなにお話していないかもしれません。わりと雑談の方が多いです。でも、お2人のシーンを僕はいつも前から拝見しています。お2人も、僕のシーンを見てくださっている気がします。

――具体的な言葉を交わさなくても、ラオウとして立たれるシーンはお互いにご覧になっているのですね。

シーンが終わった後に、ポロッと会話することがすごく励みになったり、ヒントになったりします。お二方とも、人としては温和な雰囲気なのですが、稽古場ではすごくドッシリされているんです。ちょっとラオウ的なところはあるかもしれないですね。ラオウに限らず、みんなそれぞれの立ち振る舞いや居方が、徐々にキャラクター寄りになってきているところがあります。そうなると、言葉数をたくさんというよりは、お互いのシーンを見ていろいろ感じて、自分でやってみるという雰囲気になります。そんな中でも、福井さんと宮尾さんが「すごくいいバトンを貰っているよ」と言ってくださったのは嬉しかったです。すごく励みになっていますし、千穐楽まで満足したくないなと思います。

一色洋平さん=撮影・岩村美佳
一色洋平さん=撮影・岩村美佳

■原作の力強さを追い風に。「新作」ならぬ「信作」ミュージカルにしたい『北斗の拳』

――ありがとうございました。最後に作品をご覧になるお客さまに向けてのメッセージをお願いします。

稽古場にいると、まず僕らがこの『北斗の拳』を舞台化できるか? ということを信じなければいけないということを痛感させられます。これは今僕が作った造語ですけれど「新作」かつ、信じて作ると書いて「信作」にしたいという思いが僕の中にはすごくあるんです。原作の勢いが強いから、引いちゃうともう負けなんですよね。でも人間が作ったものだから、きっと人間が体現できるはずだと思って、僕らは良い意味で原作の力強さを、ちょっと度外視してプラスに、追い風にして作り始めています。

皆さんが思っていらっしゃるよりも、とても人間ドラマだと思います。「ゴリゴリのビジュアル」に圧を感じられるかもしれませんが、あれもキャラクターたちが生きるために必要な体なんです。「日生劇場」らしくない新作ミュージカルを、皆さんの期待を斜め上で越えられるように作ってお届けできるよう頑張りますので、ぜひともお楽しみにしていてください。

一色洋平さん=撮影・岩村美佳
一色洋平さん=撮影・岩村美佳

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“「僕とヒロキは、非常に難しい時代の2人を演じている」、一色洋平インタビュー(下)” への 3 件のフィードバック

  1. えつかる より:

    小野田さん宮尾さん福井さんとの言葉数は多くないけれども、ちゃんと芯で繋がっているんだなというところが読み取れました。客席から観ていても感じられる部分でもありますが、インタビューとして伺うととても力強いです。残すところ年内は後少しですが、全力で楽しみにしています。

  2. モチ より:

    一色さんの日生劇場デビューを目撃しに初日に観劇して来ました!!青年ラオウだけでなく、多くの役をこなしていてそう言った意味でも楽しみがたくさん詰まっていました。観劇後、改めてインタビューを読み返すのも良いですね。

    これからも”信作”であるこの作品も、一色さんも進化していくのだろうなと思うので、それを楽しみにまた観に行きます!!

  3. さすけ より:

    豪華キャストで見応えのある作品になりそうだと楽しみにしています。
    一色さんの日生劇場デビューを応援したいです!

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