「本気で」、『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』平原綾香・May’n（上）

伝説的コミック『北斗の拳』を初めてミュージカル化した、『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』が、2021年12月8日（水）から12月29日（水）まで日生劇場で、2022年1月8日（土）から1月9日（日）まで梅田芸術劇場メインホールで、同年1月15日（土）から16日（日）まで愛知県芸術劇場大ホールで上演されます。アイデアニュースでは、出演者の方々にインタビューしました。本日から2日間は、ユリア役を演じる平原綾香さんとMay’nさんによる対談の独自インタビューの内容と独自写真を、上下に分けてお届けします。「上」では、稽古場で感じていること、これまでに出演したミュージカル作品との違いやつながっていること、ユリアを演じる難しさなどインタビュー前半の全文と写真を紹介します。「下」は、無料部分では、フランク・ワイルドホーンさんの楽曲でユリアを表現することや、その楽曲を歌える幸せについて、有料部分では、ミュージカルに出演することとソロアーティストの違い、ソロアーティストがユリアを演じる難しさなどについて話してくださったインタビュー後半の内容を紹介します。

――今、稽古が進む中で、感想や手応えはいかがですか？（※このインタビューは2021年11月中旬に行ったものです）

May’n：ミュージカルならではの魅力がたくさんある『北斗の拳』になると思います。漫画があり、アニメがあるこの作品の、どこを切り取るんだろう、どういう作品になるんだろうと、ミュージカルファンも原作ファンも期待していると思います。ミュージカルだからこそ、今だからこそ届けられる作品になるんじゃないかと、稽古に参加しながらワクワクしています。

平原：「大人の本気」の集まりですね。子供たちにも見てほしいのですが、大人たちにももちろん見てほしいです。性別を越えた強さみたいなものがあって、初めての感覚のミュージカルです。再演を含めずに、ミュージカルに出演するのはまだ4作品目ですが、これまで出演した『メリー・ポピンズ』とも『ビューティフル』とも、『ラブ・ネバー・ダイ』とも違います。倒れているシーンが多いのはこれまでと変わらないですね。『ビューティフル』では倒れませんけれど。

――『ビューティフル』でも気持ちの面では倒れていましたね。

平原：そうですね。だから倒れるのは結構得意なんです（笑）。稽古場では、皆さん一瞬一瞬真剣です。新作ミュージカルにはいろんな意見があると思いますが、たくさんの人の思いがぎゅーっと集まっているからこそ、「愛ってこういうことなんだ」というのが、痛いほど伝わってきます。きっと観る方も、何かしら共感できるシーンがあると思います。

――稽古場で愛を感じているんですね。

平原：お稽古を見ていても、兄と弟の愛や、ケンシロウとユリアの愛、ユリアのことが好きな男の人たちの愛が、悲しいけれどかっこよくて。愛は触れられないものですが、本当に触れたように感じられるミュージカルは、なかなかありません。台詞も他の作品に比べると良い意味で“クサイ”のかもしれません。結構、劇画調です。

――原作には、ストレートな部分が多いですよね。

平原：それが心地いいんです。演出の石丸（さち子）さんも、「これは非現実的なものだから、どれだけ非日常のものを日常なんだと想像して演じられるかが鍵だ」とおっしゃっていました。まさにそうですよね。だから私も一瞬一瞬を本気で演じます。そういう大人の本気が溢れた現場だなと思います。

May’n：確かに、稽古場の熱量がすごいですよね。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、May’nさんがこれまでのミュージカル出演で経験されたこと、平原さんとMay’nさんそれぞれがユリアという役について思うことや難しさなど、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。12月3日（金）午前11時0分掲載予定のインタビュー「下」では、フランク・ワイルドホーンさんの楽曲でユリアを表現することや、その楽曲を歌える幸せについて、ミュージカルに出演することとソロアーティストの違い、ソロアーティストがユリアを演じる難しさなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞（有料会員限定部分はこのページの下に出てきます）

■May’n：『ジャック・ザ・リッパー』で学んだ、フィクションを演じる気持ちをキープ

■May’n：私自身は極端な女。弱々しく作るのも、強すぎても違うユリアを演じる難しさ

■平原：「北斗の拳　ユリア」で検索すると、「嫌い」と出てきてすごくショックでした

■平原：石丸さんから「強さがあっていい」と。ユリアは精神面では一番強い

＜ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』＞
【東京公演】2021年12月8日（水）～12月29日（水）　日生劇場
【大阪公演】2022年1月8日（土）～1月9日（日）　梅田芸術劇場メインホール
【愛知公演】2022年1月15日（土）～1月16日（日）　愛知県芸術劇場大ホール
公式サイト
https://www.hokuto-no-ken-musical.com/
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021/

＜関連リンク＞
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳』Twitter
https://twitter.com/musical_fons

＜キャスト＞

ケンシロウ：大貫勇輔
ユリア：平原綾香・May’n（Wキャスト）
トキ：加藤和樹・小野田龍之介（Wキャスト）
シン：植原卓也・上田堪大（Wキャスト）
リュウケン：川口竜也
トウ・トヨ：白羽ゆり
マミヤ：松原凜子
レイ／ジュウザ：伊礼彼方・上原理生（交互役替わり）
ラオウ：福井晶一・宮尾俊太郎（Wキャスト）

バット：渡邉蒼
リン：山﨑玲奈・近藤華（Wキャスト）
リハク他：中山昇
青年ラオウ他：一色洋平
ライガ他：後藤晋彦
フドウ他：澄人
フウガ他：田極翼
青年トキ他：百名ヒロキ
ダグル（オリジナルキャラクター）他：宮河愛一郎
ミスミ他：安福毅

飯作雄太郎
岩瀬光世
輝生かなで
坂口杏奈
内木克洋
中野高志
原広実
妃白ゆあ
福田えり
藤田宏樹
LEI’OH
大竹尚

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※ここから有料会員限定部分です。

■May’n：『ジャック・ザ・リッパー』で学んだ、フィクションを演じる気持ちをキープ

――May’nさんは『生きる』、『ジャック・ザ・リッパー』でオリジナルミュージカルを経験されていますが、今までの経験と照らし合わせていかがですか？

May’n：ミュージカルは今回が3作品目ですが、全てがつながっていると感じています。初めて出演した『生きる』は、どちらかというと日常感のある作品でした。2作品目は『ジャック・ザ・リッパー』で、かなりフィクションの度合いが強い作品に出させていただきました。『ジャック・ザ・リッパー』では、演出の白井晃さんから「フィクションを演じる時には、フィクションを演じるだけの身体能力と気持ちの持って行き方が必要なんだ」と言われて、日常を表現する気持ちではだめなんだということを学んだので、そのことを忘れずに、フィクションを演じる気持ちの持って行き方はキープしていたいなと思っています。

――まさに、これまでの経験が生きているんですね。

May’n：台詞には日常で発しない言葉もありますが、「心と心を通わせなければいけない愛の物語だ」と感じます。石丸さんもおっしゃっていましたが、それを嘘くさくなく、共感できるところがあって「こういうのも、あるのかもしれない」と思わせられるようにしなければと、稽古をしていてもすごく感じます。

■May’n：私自身は極端な女。弱々しく作るのも、強すぎても違うユリアを演じる難しさ

――ユリア役について伺います。『北斗の拳』を知っている人ならば、多くの人が好きな役かと思いますが、演じていていかがですか？

平原：今世紀最大のモテ期ですよね！こんな女性いる？というくらい。みんな好きですよね。

May’n：そうですよね。『北斗の拳』の世界の中でも、みんながユリアを好きですが、現実的にも皆さんが好きな女性像でもあるじゃないですか。リアルタイムの世代の方は、男性はもちろん女性も憧れていたヒロイン像だと窺われますので、そこがすごく難しいなと感じていますね。

――みんなが憧れるヒロイン像を演じる難しさですね。

May’n：さらに、現代の女性像ともまた違いますよね。時代的なものもあって、男性よりもだいぶ後ろに下がっている感じがあるけれど、芯の強さもあって、「こうしたいんだ」という揺るがない信念みたいなものもある。この塩梅がすごく難しいです。弱々しく作るのも違うし、強すぎても違うし。私自身は極端な女なので。

（一同笑）

May’n：平原さんのユリアを拝見していると、すごく柔らかさがあって、どうやったらこれを出せるかなと、稽古場でいつも見ていますね。

■平原：「北斗の拳　ユリア」で検索すると、「嫌い」と出てきてすごくショックでした

平原：「北斗の拳　ユリア」で検索すると「嫌い」と出てきて驚いたんです。

May’n：そうなんですか？

平原：自分のことではないのに、すごくショックを受けました。どうしてユリアを嫌いかというと、ラオウに対しても、好きにさせてしまう優しさ、どっちつかず、八方美人みたいな感じが、男性としては「何で？」と思う人もいるみたいです。シンのサザンクロスにいる時も、シンとキスするシーンが出てくるんです。結局シンがユリアに噛まれて血が出るんですが、そういう想いも受け入れてしまう、みたいな。

■平原：石丸さんから「強さがあっていい」と。ユリアは精神面では一番強い

平原：だから、嫌いという意見を見た時に、すごく身が引き締まる思いでした。ユリアだからといって、油断するべからずという感じです。ユリアはそこにいたらいいような存在ですが、それだけでは現代の女性の良さみたいなものは出ない。ある意味、原作にさらに肉付けしていくような感じのユリアじゃないと、ただのお姫様みたいになってしまうんです。

――今、上演するミュージカルならではですね。

平原：石丸さんからも「強さがあっていい」と言われています。男たちは身体的には強いですが、ユリアは精神面では一番強いので、そこを網羅できるようなユリアじゃなければと思います。

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