2021年12月8日(水)から12月29日(水)まで日生劇場で、2022年1月8日(土)から1月9日(日)まで梅田芸術劇場メインホールで、同年1月15日(土)から16日(日)まで愛知県芸術劇場大ホールで上演されるミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』 で、ユリア役を演じる平原綾香さんとMay’nさんによる対談インタビュー、後半です。無料部分では、フランク・ワイルドホーンさんの楽曲でユリアを表現することや、その楽曲を歌える幸せについて、有料部分では、ミュージカルに出演することとソロアーティストの違い、ソロアーティストがユリアを演じる難しさなどのお話を紹介します。
――製作発表でも1曲披露されていましたが、フランク・ワイルドホーンさんの楽曲でユリアを表現されてみて、いかがですか?
May’n:もちろん素晴らしい楽曲たちだなと思います。ユリアの楽曲もそうですし、皆さんの楽曲も本当にメロディも綺麗ですし、コンサートのように楽しめるくらいポップス感といいますか、音楽が本当に聴き応えがあって、歌っていても楽しいなと思います。歌稽古をしていると、歌いやすかったり、楽しかったりという気持ちもありつつ、これをユリアとして持って行くにはどうしようとか、ユリアだったらこういう風に歌うかなとか、お芝居と音楽を結び付ける作業が、今は自分の中で課題だなと思っています。
――どんな課題がありますか?
May’n:元々自分がやろうとしていたユリア像では、歌えない歌が結構多いんです。音楽をお芝居に合わせるというよりは、音楽に芝居を近づけるというのも、ミュージカルの大事なところではあると思いますので、音楽に持って行くテンションをお芝居が作っていければと思います。お稽古でもっとユリアを知っていきたいと強く思っています。
――平原さんはいかがですか?
平原:私は、とにかくびっくりしました。『ジキルとハイド』の「Someone Like You」という曲がありますが、『ジキルとハイド』についてはよく知らなかったんですが、その曲だけとてつもなく好きで、ミュージカルの曲だと知らずに聴いていたんです。「私もいつかこんな曲を作りたい」と、憧れだったんです。
May’n:そうだったんですね!
平原:こういう曲を作れる人になりたいと思っていました。大好きで聴いていたんですが、「フランク・ワイルドホーンさん? あれ…? この方かな?」と気付いて。憧れの人に会えてしまいました。
――動画コメントのなかで、ワイルドホーンさんとの出会いが「自分の音楽人生を変える」とおっしゃっていましたよね。
平原:そうなんです。フランクさんは、ずっと音楽の中に浸かっている人なんですよね。音楽を作ろうと思って作るのではなくて、常に音楽の中にいらっしゃるんです。一瞬一瞬が魔法で、どんどん消えていくアイデアを、一生懸命掴んでいらして。音楽の神様みたいな方のメロディを歌えるのは、こんなにも幸せなのかと感じています。しかも新作で、私たちがこの作品を作るわけじゃないですか。
May’n:そうですね。私たちの歌を聴いて、メロディをちょっと変えられたところもありましたものね。
平原:そう! 私は初めてのことなんです。『ラブ・ネバー・ダイ』『ビューティフル』『メリー・ポピンズ』は、全部外国作品で大元がいらっしゃるから、日本初演とはいえども初演ではないじゃないですか。今回は初演だから、とにかく嬉しいですね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカルに出演することとソロアーティストの違い、ソロアーティストがユリアを演じる難しさなどインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■May’n:歌詞がすごくややこしくて、「1番と2番が少し違う」みたいな
■平原:演出家も作曲家もいて、自分で作らなくてもいいミュージカルは「癒し」
■May’n:「守りたい」と思わせるのは大変。本来の私たちは戦いたがっていますから
■平原:ユリアになるには、「こぼしたら自分で拭きに行っちゃうタイプ」をやめなきゃ
<ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』>
【東京公演】2021年12月8日(水)~12月29日(水) 日生劇場
【大阪公演】2022年1月8日(土)~1月9日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【愛知公演】2022年1月15日(土)~1月16日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/musical_fons2021/
<関連リンク>
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳』Twitter
https://twitter.com/musical_fons
<キャスト>
ケンシロウ:大貫勇輔
ユリア:平原綾香・May’n(Wキャスト)
トキ:加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
シン:植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
リュウケン:川口竜也
トウ・トヨ:白羽ゆり
マミヤ:松原凜子
レイ/ジュウザ:伊礼彼方・上原理生(交互役替わり)
ラオウ:福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)
バット:渡邉蒼
リン:山﨑玲奈・近藤華(Wキャスト)
リハク 他:中山昇
青年ラオウ 他:一色洋平
ライガ 他:後藤晋彦
フドウ 他:澄人
フウガ 他:田極翼
青年トキ 他:百名ヒロキ
ダグル(オリジナルキャラクター)他:宮河愛一郎
ミスミ 他:安福毅
飯作雄太郎
岩瀬光世
輝生かなで
坂口杏奈
内木克洋
中野高志
原広実
妃白ゆあ
福田えり
藤田宏樹
LEI’OH
大竹尚
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※ここから有料会員限定部分です。
■May’n:歌詞がすごくややこしくて、「1番と2番が少し違う」みたいな
――ユリアとして、ワイルドホーンさんの楽曲を見るといかがですか?
平原:製作発表の時は、「平原綾香」として、「May’n」として、歌っている感じがありました。そうじゃないとあの場は…。
May’n:前後のお芝居もありませんしね。
平原:フランクさんも「歌いあげてくれ、ポップス歌唱でいいから」と言ってくださいました。マイクを持っていましたしね。ユリアとしてどう歌うかというのは、私にとっても課題で、「役として歌う」というのはやらなければいけない作業ではあるのですが、まずはあの曲を歌いこなすことが先決で、そこからすべてが始まると思っています。とにかく歌いこなす、歌い慣れること。そして、ちょっとややこしい歌詞を、びくびくせずに歌うこと。
May’n:そうなんですよ! 歌詞がすごくややこしくて、「1番と2番が少し違う」みたいな(笑)。
平原:一瞬びくついて、「あ、合ってた」と(笑)。でも、その作業も楽しいです。そうやって毎日毎日プチ挫折をしていくことで、必ず成功が待っていると思います。
■平原:演出家も作曲家もいて、自分で作らなくてもいいミュージカルは「癒し」
――アーティストとして歌うことと、ミュージカルで役として歌うことについてはどう感じていますか?
平原:私たちはソロで歌っていると、自分しかいないんですよね。私はプロデューサーを立てているわけではなく、自分で全部やらなければならないので、自分でダメ出しをするし、自分で「これは違う」とか「これはよかった」と言わなきゃいけないんです。でもミュージカルは、演出家も作曲家もいらっしゃるので、自分で演出を考えなくてもいいし、作詞作曲しなくてもいい。だから癒しなんですよね。
May’n:え~!
平原:だって、1から考えなくていいんだもん。
May’n:私はミュージカルで最初にダメ出しされてかなり落ち込みました。こんなダメ出しをされるのは人生で初めてでしたから。あとは本番で、自分で楽屋を出なきゃいけないんだ、とか。
平原:それは私もいつもドキドキ。私ね、結構ぼけっとしてるから。
May’n:「何番から出るんだっけ?」とか。
平原:もちろん大変な部分がたくさんあるのは分かっているのですが、「作詞作曲しなくていい。プロデュースもしなくていい。ただそこにあるものを歌って、演じて」というのは、大変ですが癒しなんですよね。他の仲間たちがいますし、毎日お稽古場に行くのが楽しくて。ダブルキャストも、「平原綾香ダブル」「May’nダブル」というのは、ないじゃないですか。仲間がいるって、やっぱり楽しいですね。
――お二人で支え合っていますか?
May’n:私は支えているか分かりませんが、支えていただいています。
平原:お仕事で来られない時は、お互いに「ここは変更になったよ」とかね。
■May’n:「守りたい」と思わせるのは大変。本来の私たちは戦いたがっていますから
――最後に、読者の皆さんにメッセージをいただけますか。
May’n:ぜひ生で体感していただきたいです。私はこの機会だからこそ、平原さんに聞きたいことがあるんですが、いいですか?
――ぜひどうぞ!
May’n:ユリア像について、平原さんがユリアそのものだと思うんです。だから私は教えていただくことも多いです。自分にはできない、平原さんだからこその素敵なユリアなので、じゃあ私は何ができるかなと思っています。今の段階で、平原さんがまだ迷っていることはありますか?
平原:いっぱい迷ってる! でも、その迷いもユリアだなと思っています。
May’n:まだ本番まで1か月あるのに、もう完成されていて。
平原:そうかなあ。でも、私はケンシロウより強くなってしまうらしくて。“強い母ちゃん”になってしまう。もしかしたらそれは、私自身が37歳であるが所以の…、熟女って言いたくないけど(笑)。
May’n:熟女じゃないですよ!
平原:もう少し「守りたい」と思われるようなユリアを作っていかないと。
May’n:「守りたい」と思わせるのは大変ですね。本来の私たちは戦いたがっていますからね。
平原:そうなの! ある意味、守ってもらいたいという感覚じゃないから。
May’n:確かにソロアーティストは強いですからね。
平原:どの業界もそうだと思います。
■平原:ユリアになるには、「こぼしたら自分で拭きに行っちゃうタイプ」をやめなきゃ
――ひとりで仕事をするとなると、どうしても戦いますよね。
平原・May’n:そうなんですよね。
平原:何というか、こぼしたら自分で拭きに行っちゃうタイプをやめなきゃ、と思います。「あ…」と言って、反応がちょっと遅い、みたいな。
(一同爆笑)
May’n:そのマインドかあ! 勉強になります! 私自身は、コンマで拭きに行っちゃいます。「すみません!」って。
平原:だから、守ってあげたいって思われることに違和感を抱いてはいけないと思っています。
May’n:ちらっと見て「拭いて…」みたいなのも、また違うじゃないですか。それだと絶対嫌われるほうに行ってしまうし、“柔らかく行く”って難しいですね。でもすごく分かります。
――「守ってあげたいと思わせる」がキーワードですね。
平原:楽しみにしていてください!
May’n:頑張ります!
――ありがとうございました。
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