ドラマ「ニーチェ先生」主演、浦井健治インタビュー(下)

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

演劇界で活躍する浦井健治さんに、実写化ドラマ「ニーチェ先生」(2016年1月下旬:読売テレビ・日本テレビほかで放送。地上波の1週間前からオンライン動画サービスHuluにて独占先行配信)主演のお話を伺ったインタビュー後半。(下)では、共演者の印象を、有料会員向け部分では、映像と舞台への思いなどを本人の言葉で紹介する。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

――間宮祥太朗さんとダブル主演ですが、初めてご一緒されたんですよね?

はい。間宮くんはクランクイン2日目からの撮影だったのですが、仁井くんが来たことが嬉しくて、「わー! よろしくねー!」とロケバスのメイク室で騒いだんです。僕が去った瞬間に、「あの人は多動症なんですか?」と言ったとか(笑)。その瞬間に、松駒くんと仁井くんの関係性が確立したそうです。

――会ってすぐに確立したんですか(笑)。

それから芝居の掛け合いや待ち時間で、どんどん密度が濃くなっていき、常に一緒にいました。食事も並んで食べて、普通に友達同士の会話を楽しんで。同じ酉年でひとまわり違うのですが、敬語を使わないで会話する状況をお互いに許せているというのは、ダブル主演としてタッグを組むうえで、撮影中に生まれた信頼感ですよね。きっとこの信頼感は画面の中にも出ると信じて撮影しました。彼は映像の場数も踏んでいて、プランやセリフの構築の仕方がとても的確です。瞬発力もあり、臨機応変に変えていくタイプの役者さんだと思いました。僕が投げかけたり、彼から受けたものをパスすると、そんな方向からくるのかと驚くぐらいのシュートを返してくる。ひとまわりも下なのに、すごい方だなと尊敬しています。頼りになる存在です。

――作品ごとに顔が変わる方ですよね。

すごく柔軟で、自由で。福田さんは「男が惚れる男」とおっしゃっていましたね。生き様がかっこいいので、仁井くんにぴったりだと思いますね。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

――おふたりは映像と舞台の出演比率がちょうど逆ですね。以前お話を伺ったときに、本格的なストレートプレイをやりたいとおっしゃっていました。

心強いですね。舞台の話などもしました。共通言語でわかり合えて、お芝居が好きなんだなと思いました。すごい逸材だと思います。

――さらに、店長役の佐藤二朗さんがすごかったとか。

店長役がすごく嵌まっていました。今思い出しても可笑しくて。やることなすこと子供みたいで、どうしようもないんですが、それが愛らしくて憎めない。そんな店長を演じられるのは佐藤さんだけだと思います。笑いの爆弾をどんどん投げられるので、仁井くんとどうやったら笑わずにいられるのか苦労しました。撮影初日、台本にないのにいきなりキスされたり(笑)。自分でもよく耐えたと思います。僕の一番のおすすめは店長の登場シーンですね。佐藤さんにしか出来ない真骨頂を見せつけられました。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

――他の共演者の方々についてもお聞かせください。

シソンヌじろうさんは、松駒くんの先輩アルバイトの渡利役でした。佐藤さんの「店長」とじろうさんの「先輩」の演技の構築の仕方が真逆で、自由vs.骨組み重視。渡利役を明確に作り込んで来て、頭脳プレイを完璧にされるんです。笑いの間やリズムを計算して投げて来られるのですが、僕と間宮くん、柴田健役の松田稜くんの3人が、その間で返せたことを福田さんが褒めてくださって。それさえも委ねて誘導してくださるような上手さを持っていらっしゃるんだと思います。

――撮影現場でいろんな芝居の経験をされたんですね。なんだかワークショップのような。

本当に学びが多い現場でした。松駒くんは必ずその場にいて、受け身の芝居がほとんどなんです。自分発信の場面は3シーンぐらい。芝居を受けるという勉強を、楽しみながらできたと思います。

――松田さん、松井玲奈さん、内田理央さんはいかがでしたか?

松田くんは、「はい!」という返事ひと言で役を確立していました。原作ファンの方が見ても納得されるのではないかと思います。自分の出番が終わっても残って、12時間近くも現場を見ている程お芝居が大好きで、そんな松田くんが僕は大好きですね。松井さんは塩山楓役。福田さんの要望のはるか上を演じていらして、新境地を開かれたんじゃないでしょうか。そのストイックさが素敵な女優さんだなと思いました。内田さんは、もえちゃんという原作にはないキャラクターを演じられましたが、佐藤さんが笑って崩れ落ちる程に、破壊力と攻撃力をもったもえちゃんを300%の完成度で作ってきたんです。もえちゃんのあるシーンがすごく可笑しくて、オールアップのときに、どうしても、もう一度見たくて、みんなでお願いして動画も撮りました(笑)。すごく仲が良いカンパニーでしたね。編集がどんな風に仕上がってくるのか楽しみです。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

<関連サイト>
ドラマ「ニーチェ先生」公式サイト
→ http://ni-chesensei.com/
ドラマ「ニーチェ先生」公式Twitter(@NietzscheSensei)
→ https://twitter.com/NietzscheSensei
浦井健治オフィシャルファンクラブ
→ http://www.fanclub.co.jp/k_urai/?id=8

<アイデアニュース関連記事>
ドラマ「ニーチェ先生」主演、浦井健治インタビュー(上)
→ https://ideanews.jp/backup/archives/12572
ドラマ「ニーチェ先生」主演、浦井健治インタビュー(下)
→ https://ideanews.jp/backup/archives/12574

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映像と舞台への思いなどを、本人の言葉で紹介します。

――昨年あたりから映像のお仕事も増えていて、舞台と両方のお仕事ができている今を、どんな風に受け止めていますか?

とても有り難い環境です。10年後の自分に向けて、ハードルをあげたり、いろいろなトライをしたいと思っています。たくさんの刺激的な新しい出会いにも恵まれている今を、とても有意義に過ごせていて、感謝しかありません。そういう経験ができていること自体も奇跡に近いと思うので、たくさんの方に感謝を込めて、その場その場、ひとつひとつで答えを出していけるようにという心意気でやっています。さらに、それによって舞台作品での自分の演技がどう変わっていくのかもトライのひとつだと思っています。映像と舞台を行ったり来たり、さらに先輩方は同時期に両方を平行してやっていらっしゃるので、いつかはそういうことにもトライできるようになりたいですね。そのためにはポテンシャルを上げて、心身ともに健全に、より強化していけたらと思います。

――両方に出演されている役者さんがどんどん増えてきている印象です。

以前からいらしたと思いますが、特にミュージカルの現場で活躍される方の映像出演が増えてきたのかなと思います。僕たち後輩は、先輩方の突っ走っていく背中を憧れと負けられない思いでみているので、追いかけているという感覚もあって、それは自分が役者として今後どうしていくかと考えたときの目標のひとつでもあります。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

――映像と舞台は面白さが違いますか?

やっていることは重なることも多いですが、映像はOKが出たらそのセリフはもう言わないので、「このセリフをもう言わないのか…」という千秋楽のような寂しさがあったりします。また、稽古をして練っていく舞台と違うのは、撮影のときに完成度のあるイメージを監督に提示しなければいけない、そういう責任も感じます。さらに、映像を通して稽古場も同じことなんだと改めて思いました。「最初から提示してくれたら調理しやすい」と 演出の小川絵梨子さんがおっしゃっていたのですが、通じていますよね。芝居はすべてが繋がっていて、出会ってきた人達や事柄がそのときそのときに自分に必要なものであり、すべて無駄はないと思いました。

――放送は来年年明けで、初笑いのように見れると思うのですが、楽しみにしている視聴者へメッセージと、来年の抱負をお願い致します。

原作のメッセージや雰囲気などがぎっしり詰まっていて、きっと楽しんで頂けるものになっていると思います。さらに、福田ワールドが沸き起っていて、それを役者、スタッフ一丸となって作ってきました。その熱量を感じて頂けたら嬉しいです。来年も新たな出会いがありますし、今までお世話になった方と新しいトライができる機会も増えます。いろいろなトライの中で、身をゆだねていきたいと思っています。皆さんに楽しんで頂けるような役者として精進していきますので、どうぞ宜しくお願い致します。

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

浦井健治さん=撮影・岩村美佳

ドラマ「ニーチェ先生」主演、浦井健治インタビュー(下) おわり

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