「『夢やぶれて』を歌わせてもらったのねと」、濱田めぐみ(下)

濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

2022年1月26日(水)に、ミュージカルデビュー25周年記念CD「Connect」が発売される濱田めぐみさんのインタビュー、後編です。「下」では、CD収録曲の「その日に私が」(『フランケンシュタイン』)・「お砂糖ひとさじ」・「どんなことだってできる」(『メリー・ポピンズ』)・「私の殺意」(『メタルマクベスdisc1』)・「夢やぶれて」(『レ ・ミゼラブル』)・「もっと高く」(『アリージャンス〜忠誠〜』)・「Come What May」(『ムーラン・ルージュ』)への思い、歌っている時に感じたこと、曲や作品にまつわるエピソードなどについて伺いました。共演された柿澤勇人さんと中川晃教さん、佐藤隆紀さん(LE VELVETS)のこと、客演された劇団⭐︎新感線のこと、デュエット曲を決めるにあたり『グリーン&ブラックス』で共演された井上芳雄さんとお話しされたこと、25年間ずっと作品のファンでもあるという『レ・ミゼラブル』にファンテーヌ役で出演したことへの思い、「もっと高く」で感じたエルファバとのリンク、CDのタイトルやジャケットに込めた思い、2022年の抱負なども紹介します。

濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳
濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

——次は『フランケンシュタイン』の「その日に私が」です。個人的に大好きな曲なので、とても嬉しいです。

本当にいい曲ですよね。思い出すのが、ビクター役のカッキー(柿澤勇人さん)やアッキー(中川晃教さん)が、グチャグチャに泣いている顔です。

——濱田さんは、ビクターの姉・エレンを演じていましたね。

「ビクター?」ってパッと振り向いたら、ふたりともすごい顔で泣いてて、鼻をぐちょぐちょにしていました。このシーンの直前にエレンが、首を吊られて処刑されて、そのエレンを「生き返らせるんだ」とビクターが言ったところから回想場面が始まります。エレンが「遅れてごめんなさい」って後ろから入ってきて…。

——エレンが、旅立つビクターを見送るところですね。

(鈴木)壮麻さんが演じている執事が「他に誰かいらっしゃいますか?」と聞くと、エレンが「誰も来ない。私だけよ」と答える。そして「ビクター?」と言ったら、ブワーって。ふたりとも本気で子供になって、しがみついて、オンオン泣くから、本当にいさめないといけない。だから、「これはあなたが決めたことでしょう。私はどこにも行かないから。頑張ってらっしゃい。つらいけれど」と本気で歌わないと、ふたりとも離れていかないんですよ。

——そうだったんですね。

本当にお姉ちゃんのことを好きだったんだろうなって思いますね。でもエレンは心を鬼にして、笑顔で「いってらっしゃい」って。いい曲ですよね。シーン的にもいい場面だったと思います。

——今、エレンの気持ちを具体的に聞かせていただいて、鳥肌が立ちました。場面が蘇りました。

✳︎✳︎✳︎

——一転して、次は『メリー・ポピンズ』の2曲、「お砂糖ひとさじ」「どんなことだってできる」ですね。まもなく再演もありますが、いかがでしたか?

「どんなことだってできる」は、メリーの思考になると、そうよねって思います。「できないことは無いのに、できなくしているのはあなたなのよ」と思っているメリーがいるからです。「お砂糖ひとさじ」は、ムチより飴。ピシピシ叩くよりも、褒めて飴玉1個あげて、よくできたねって言ったほうが、10倍みんな上手になれるよということを言ってるんです。歌いながらメリーの感覚になるので、「そういうことです、皆さん」と思いながら、歌っていました。

——歌を聴いていて、メリーの声だなと思いました。他の作品とは、ちょっと違いますよね。

無理して出さなくていいですし、キー的にも合ってるので、ラクですよ。そのままのトーンでセリフも言います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、CD収録曲の「私の殺意」・「夢やぶれて」・「もっと高く」・「Come What May」について伺いました。共演された佐藤隆紀さん(LE VELVETS)のこと、客演された劇団⭐︎新感線のこと、デュエット曲を決めるにあたり『グリーン&ブラックス』で共演された井上芳雄さんとお話しされたこと、25年間ずっと作品のファンでもあるという『レ・ミゼラブル』にファンテーヌ役で出演したことへの思い、「もっと高く」で感じたエルファバとのリンク、CDのタイトルやジャケットに込めた思い、2022年の抱負などについて話してくださった内容など、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■カッコよくて面白かった劇団⭐︎新感線。『メタルマクベスdisc1』では4キロ痩せた

■ファンテーヌが亡くなるシーンは、「シュガー、一緒に泣かず早く目を閉じて」と(笑)

■エルファバぽい感覚で歌っていた「もっと高く」。「いまー!」の振りの重なりは偶然

■タイトルの「Connect」同様、劇場空間はつながっている。みんなで前に進む2022年に

<ミュージカルデビュー25周年記念CD「Connect」>
2022年1月26日(水)発売
公式サイト
https://horipro-shop.com/products/detail/925

■「Connect」収録曲
01追憶(スコット&ゼルダ)
02遥かな調べ(Tell Me on a Sunday)
03サヨナラは日曜日に(Tell Me on a Sunday)
04Unrequited Love(王家の紋章)
05イシスとオシリスのように(王家の紋章)ゲスト浦井健治
06マーダー・バラッド(マーダー・バラッド)
07その日に私が(フランケンシュタイン)
08お砂糖ひとさじ(メリー・ポピンズ)
09どんなことだってできる(メリー・ポピンズ)
10私の殺意(メタルマクベスdisc1)
11夢やぶれて(レ・ミゼラブル)
12もっと高く(アリージャンス~忠誠~)
13Come What May(ムーラン・ルージュ)ゲスト井上芳雄

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濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳
濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

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■カッコよくて面白かった劇団⭐︎新感線。『メタルマクベスdisc1』では4キロ痩せた

——次は、『メタルマクベスdisc1』より「私の殺意」です。

メタマクは、千秋楽近くになって、いのうえ(ひでのり)さんがみんなを見に来られた時に、「おー!、みんな、痩せてる、痩せてる」って。

——(笑)。

「(橋本)さとし、どれぐらい痩せた?」「8キロ痩せました」、「めぐは?」「4キロ」「おー、結構いったね」みたいな。そのくらい、体力的にキツかったんです。でも、劇団⭐︎新感線は面白かったですね。体育会系のノリの人たちの中にお邪魔させていただいて、もう「男の子たち」って感じでした。女の人たちもたくさんいますが、劇団員の方々はみんなカッコいい。客演のみなさんは個性的で、ストレートプレイから来るような人たちばかりの中に、私が入っていて、すごく面白かったです。

——舞台上に、これまで見たことのない「濱田めぐみ」が存在しているという感じでした。

でも、実はああいうノリは好きなので、はっちゃけて結構イジられましたが、面白かったです。

濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳
濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

■ファンテーヌが亡くなるシーンは、「シュガー、一緒に泣かず早く目を閉じて」と(笑)

——次は『レ ・ミゼラブル』から「夢やぶれて」です。

もう素敵で、幸せでした。役で歌っているときは必死でしたね。

——ずっとやりたかった役を、オーディションを受けて掴み、演じた役の曲として、自分のCDに入るお気持ちはいかがですか?

不思議です。レミに関してはファン心理がずっとあります。25年間レミのファンで、今回出演させていただいて、歌っている時は「役者・濱田」でしたが、終わって客観的に見ると「『夢やぶれて』を歌わせてもらったのね」という気持ちです。

——他の作品とは違いますか?

仕事というよりも、「やらせていただき、ありがとうございます」みたいな感じです。ファンテーヌという人は、思ってたよりもずっと強かったです。ふんわりしたイメージかなと思っていたら、全然違って強くて驚きました。やってみないとわからないなって。

——目を開けたまま亡くなっていくファンテーヌ、とても強烈でした。

怖いですよね。だから本当にバルジャンの人たちには、「早く目を閉じさせて」って。

——(笑)。

特に、シュガー(佐藤隆紀さん)は、一緒に泣かずに早く目を閉じてって(笑)。目を開けたまま死ぬ演出なんですよ。

濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳
濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

■エルファバぽい感覚で歌っていた「もっと高く」。「いまー!」の振りの重なりは偶然

——次は、2021年春に上演されたばかりの『アリージャンス〜忠誠〜』から「もっと高く」です。まだ公演の記憶が鮮明ですが、この歌は、すごく力がありますね。

エルファバにも通じるものがありますよね。これは歌いながら彼女が決心をして、前に進んでいかなければいけない歌なんです。

この曲をきっかけに、ガンッと前に進まなければいけない、作品自体のポイントでもある歌なので、結構毎回気合を入れていました。ふんわりと静かに始まりますが、終わりがすごいじゃないですか。回想しながら歌っていかなければいけなく、曲自体も長いですしね。しかも、お客さまが集中して見ていますよね。

——そうですね。ものすごく引き込まれました。

だから、感覚的にはエルファバっぽかったですね。「いまー!」の部分も、なぜこういう振りをつけたのかと思いました。

——両手を大きく開く振りですね。

偶然ついたんです。やりながら、「何かこれ、私昔やったことがある」と思いました。キーもほぼ一緒だったので、観ている方たちも「エルファバだね。赤い服着てるけれど」みたいな感じがあったんじゃないかなと思います。

濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳
濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

■タイトルの「Connect」同様、劇場空間はつながっている。みんなで前に進む2022年に

——収録曲の最後はボーナストラックで、『ムーラン・ルージュ』から「Come What May」です。井上芳雄さんとのデュエットですね。この曲を選ばれたのはどうしてですか?

WOWOWの番組、グリブラ(『グリーン&ブラックス』)で、この曲をデュエットしました。ふたりが出演した作品の曲ではないだけに、歌い込んでいないからこそ新鮮で、一緒に歌ったときの感触が非常によくて気に入っていて「いい曲だね」と。収録曲は双方の出演したミュージカルの曲ではないものにしようという話になって、この前一緒に歌った『ムーラン・ルージュ』は、今回入れるのにいいねとなったんです。

――井上さんとデュエットの新鮮さも味わっていただけますね。

✳︎✳︎✳︎

——最後に、濱田さんの2022年に向けた思いをお聞かせください。

最近はコロナでいろんな人に会えなかったり、いろんなことができなかったりすることが続いていました。今回のアルバムのタイトルの「Connect」は、「つながる」「つながっていく」というイメージの言葉なんです。今までつながっていたつながりを、もう一度大切に思って、もう一度みんなで一緒に何かやれるきっかけになれたらいいなと思います。劇場空間はつながっていますし。2022年は、改めて、みんなで手をとって一歩前に進める年になるといいなと思います。

——ビジュアルもカラフルでいいですね。

カラフルな明るい感じにしたいなと思ったんです。写真ではなく、絵でいってみようと。パステル調で、色味を多めにしてもらいました。

——絵なんですね!

手書きで絵を描いていただいてるんです。線にも「あたたかみ」があるというか、描いた感じですよね。

——「あたたかみ」を持って、新しい年を始めて、次は『メリー・ポピンズ』ですね。

はい。やります!

——2022年も楽しみにしています。

濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳
濱田めぐみさん=撮影・岩村美佳

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