初アルバム「L’Ange(ランジュ)=天使」リリース、蘭寿とむインタビュー(下)

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

元宝塚花組トップスターの蘭寿とむさんが、2015年11月14日、阪急西宮ガーデンズ(兵庫県西宮市)でファーストアルバム『L’Ange』の記念ライブを開催されました。ライブの後、まず合同インタビューが行われ、その後、宝塚歌劇について詳しいライターのさかせがわ猫丸さんが、アイデアニュースとして蘭寿さんに単独インタビューしました。その内容を紹介します。(写真は、阪急西宮ガーデンズでのミニライブと、単独インタビューの際に撮影したものです)

――初のオリジナルアルバムリリース、おめでとうございます。アルバムができると自分の子供ができたみたいなんて話もありますが、蘭寿さんにとってはいかがでしょうか?

そこまでは……(笑)。でも出たばかりでライブもやらせていただいて、初めてこのお話があった時は本当に驚いたので、光栄なことだなと思っています。挑戦したいな、というところから始まっているので、選曲もレコーディングもとにかく夢中で、出来上がった時は本当に実現したんだという喜びと、これを手にとって聴いて下さる方がいるんだという感動が押し寄せてきました。試聴ランキングも1位をいただいたり、順位内に4曲入っていたりしたこともすごくびっくりしましたし、「ああ、みなさんすごく聞いてくださっているんだろうな」と思いました。いざ発売になると19位で、全国でたくさんの方が買って下さってるんだなと実感し、それだけの方が聞いてくださっているということだから、どんな感想を持って下さってるのかすごく知りたくて。それでライブの時は、みなさんの表情見ながら歌うと、曲によっては、本当に涙しながら聴いてくださった方が結構いらっしゃったんですよね。生で伝えているっていうこともあるかもしれないんですけど、そうやって聴き入って下さる機会をもらえたのはすごく幸せだなと思いました。

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――アルバムの収録曲は、すべて蘭寿さんが選曲されたんですか?

アルバムの12曲は、そうですね。まずオリジナルの曲を作りたいとお願いして「会えない時間」という曲が生まれました。他にもオリジナル曲がいっぱいありますけど、そこから歌いたいカバー曲やご提案いただいた曲、「ああ、これも歌いたい」と思ったものを選曲して出来上がりました。

――ということは、思い入れがすごくありますよね?

そうですね。わからない分、手探りといいますか、自分の感覚で作っていったところもありますので。そういう意味では、本当に製品になった時、皆さんが聴いて下さっているんだと思うだけで感動しました。

――最初に声をかけていただいたきっかけって、アルバム「麗人-REIJIN-」からだということなんですが、宝塚時代は蘭寿さんにとって、歌ってどういったものでしたか? 蘭寿さんはよくダンスのイメージがあると言われることが多かったようですが……。

私は歌も大好きでしたし、ダンスもお芝居も大好きっていうところでやっていましたので……。ダンスは小学校からクラシックバレエをやっていたというところでは期間が長く、より近い存在だったんですが、歌もどんどん好きになっていって、今回、声を褒めていただき、評価していただいたことは、自分にとって大きなことで、チャレンジしてみたいなとすごく思いました。実際にやってみて歌がもっと好きになりましたし、いっぱい曲もあったので、「これも歌ってみたいな」とかいろいろな思いが出てきて、そういう意味では歌がどんどん好きになっているなって思います。

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――以前の舞台では「演じながら歌う」という「お話の中の歌」が多かったと思うんですが、今回は歌だけで自分を表現し、勝負するということへの取り組み方は変わりましたか? 例えば技術面であったり、感覚や意識の中での変化は?

そういうのはありますね。役だと、役の思いやバックボーンとか、いろんなものを考えて歌うというところなんですが、そうではなく自分自身感じたものを表現するというところで、自分の声と向き合ったり、曲によっても出し方が全然変わってきたりしますので、そのあたりも今ちょうどトレーニングしてる段階で。こういうものを出させていただくに当たっても「今できる最高のものを」と思って作っていきました。

――ご自身の中で「私にはこういうところがあったんだな」みたいな、何か気づいたことはありましたか?

これまであまり聴かなかった声ではありましたね。わりと高めの声で、あまり使っていなかった音域の音だけど、まあでも、こういった声もありだなとか、そういった発見がありました。

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

――ファンの皆さんから、お便りや感想をいただいたりすることはありましたか?

はい。「すごく新鮮で今まで聞いたことない声だ」といった感想だったり、「この曲が好きです」「作詞されたこのフレーズが好きです」「私はここが響きます」「自分のこんなことを思い出しました」などなど、ご自分の体験談を書かれていたり……。

――具体的に「ここが良かった」と言われると、すごく嬉しいですよね?

そうですね。自分でも「そこ、こだわって書きました」というところもあれば、「自分にとってそこまでではなくても、この人にとってはこの経験の中で響くワードなんだな」とか、そういうのはありましたね。

蘭寿とむさん=撮影:アイデアニュース・橋本正人

蘭寿とむさん=撮影:アイデアニュース・橋本正人

——————-

アイデアニュースは、読者に本当に役に立つ情報を提供するため、企業広告を一切掲載せず、記事のようでじつは企業からお金をもらっている「タイアップ記事」も掲載せず、有料会員のみなさんの支援のみで運営しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、「全文閲覧権」(月額300円、初月無料)を購入すると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文が読めるようになります。良質な取材活動を続けるため、どうかご協力をお願いいたします。全文閲覧権購入の検討は、こちら ⇒https://ideanews.jp/backup/archives/2387

<ここからは、アイデアニュース有料会員向け部分です>

宝塚歌劇団の後輩や今後の公演などについて、うかがいました。(全文閲覧権購入後、ログインすると全文が表示されます)

――今日は、悠真 倫さんをはじめ、後輩のみなさんも来られていましたが、皆さんからは何か言われたりしますか? 退団されて、蘭寿さん、綺麗なお姉さんになった、とか(笑)。

アハ(笑)。今日会って、「髪伸びたね」って、まず言われました(笑)。

――もともと蘭寿さんが美女だということは「天使の季節」で女装して出て来られた時、あまりに美しくて……あそこは笑いの場面だったはずなのに、綺麗すぎて全然笑えなかったというのが私の印象です(笑)。

そんなことはないと思うんですが(笑)。「なんで女性なのに女装なんだろう」って、そういう記憶しかないです(笑)。

――男役の時って世界中のキザなセリフを言わせてもOKだという男役だったのに、すごく綺麗なお姉さんになった「振り幅」がすごい。なのに、違和感がないということに、すごく驚いています。

ああ、なんだか、めちゃめちゃ褒めてもらってますね。ありがとうございます。そこ「赤字」にしといてください。あっ、強調は「太字」か(笑)。

――皆さんからも「違和感がない」って言われるんじゃないですか?

確かに、そうですね。だけど、自分の中ではすごく自然というか、自分自身がいる感覚なんですけどね。

――今でもよく後輩の舞台を観に行かれているみたいなんですが、古巣に後輩たちが頑張っている姿をご覧になって、どのような感想を持たれますか?

もうね、みんなが笑顔で輝いているだけで泣けてくるんですよね。嬉しくて。

――涙が出る?

じわーっと、「輝いているなあ、生き生きしてるなあ」って……。それだけでも嬉しいんですよね。

――かつてご自身が立っていた舞台ですが、そういったことをすごく昔のことのように感じていますか?

んーー……すごく昔というよりは、「あんなところで、こういうことをさせてもらえていたんだな」という感覚ですかね。

――元々は女性ではありますが、退団されて、「女性」になって、お芝居のことを含めて「こんなに違うのか」といったような発見されたことはありますか?

自分自身は、元々女性で過ごしていたので、別に特別何か日常で発見っていうのはないかもしれないですね。お芝居では、なにか本当に「より自分の感じたまま」ですね。今までは男役という中でそれを表現するということは、ある意味省いたり、プラスしたり、そういう作業があったわけです。だから、今はそれがなく、より自然でナチュラルですね。歌も芝居も踊りも……。

――以前は、作り込んでいたという感じだったんですか?

そうですね。楽しんで作り込んでいたと思います。

――いまは自分自身を?

そのままをストレートに表現するという感じですね。

――じゃあまさに今回のアルバムは、それをストレートに一番表現できたわけですね?

歌詞の内容であったり、そういう意味ではそうだと思います。

――これからは、女優に特化するだけではなく、いろんなことにチャレンジしながら探していく感じですか?

そうですね。まだ、チャレンジしていきたい段階ですね。

――せっかくならダンスも……。アルバムに収録されている「POP STAR」などを聴いていると思わず踊り出したくなるんじゃないかなと思いましたが、また踊ってみたいとか、そういう気持ちはありますか?

もちろん! 次の出演予定である、地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14 『The Love Bugs』では踊りもあります。制作発表の時、岸谷(五朗)さんに「歌も踊りもお芝居も、城田(優)さんと蘭寿さんはやってもらいます」と言われたので、今それに向かって身体も鍛えているところです。

――これから新たに、舞台だけではなくテレビドラマ等々、いろんなシーンでご活躍されるのを楽しみにしています。

ありがとうございました。

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

「蘭寿とむ アルバム『L’Ange』リリース記念ミニライブ」より=撮影:アイデアニュース・橋本正人

——————-

※ここから先は、どなたでもお読みいただける部分です。

  • <アルバム情報>
    L’Ange 【生産限定盤】
    CD+DVD / VIZL-890 ¥4,200+税 Victor 2015.10.21リリース
    CD
    01 会えない時間
    02 POP STAR
    03 君に贈る歌 ~Song For You
    04 L’Ange
    05 Precious
    06 I WILL
    07 Lead ~つながる
    08 つばさ
    09 いのちの名前
    10 Blooming
    11 運命のせいにして
    12 ここにしか咲かない花
    DVD
    (Music Video)会えない時間
    (メイキングPV)つばさ
    (メイキングPV)君に贈る歌 ~Song For You
    (メイキングPV)いのちの名前

<関連サイト>

蘭寿とむ Victor Entertainmentのページ
⇒ http://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A025249.html

蘭寿とむオフィシャルブログ「Le Soleil」
⇒ http://ameblo.jp/ranjunokai/

蘭寿とむオフィシャルファンクラブ「Ranju」
⇒ http://tomu-ranju.jp/

<プレゼント>
蘭寿とむさんの直筆サイン入り小型クリアファイルとファーストアルバム「L’Ange(ランジュ)=天使」をセットにして、抽選で1名の方にプレゼントします。どなたでも応募できます。応募締め切りは12月25日(金)。当選者の発表は、発送をもってかえさせていただきます。プレゼント応募はこちらから。
⇒ https://ideanews.jp/backup/present

<アイデアニュース関連記事>
蘭寿とむ、初アルバム「L’Ange(ランジュ)=天使」リリース記念にライブ
⇒ https://ideanews.jp/backup/archives/12470
初アルバム「L’Ange(ランジュ)=天使」リリース、蘭寿とむインタビュー(上)
⇒ https://ideanews.jp/backup/archives/13231
初アルバム「L’Ange(ランジュ)=天使」リリース、蘭寿とむインタビュー(下)
⇒ https://ideanews.jp/backup/archives/13239

<読者の声>(プレゼント応募時のコメントより)

明るく華やかな曲がとても素敵です。次回はムーディーなジャズナンバーも聞きたいです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA