ダンス公演「DANCE LEGEND」シリーズの第3弾となる「FLAMENCO CAFÉ DEL GATO」(フラメンコ・カフェ・デル・ガト)が、2016年6月25日と26日に大阪のサンケイホールブリーゼで上演されました。6月29日から7月4日まで、東京芸術劇場プレイハウスでも上演されます。「DANCE LEGEND」シリーズにこれまでも「BAD GLRLSメンバー」として出演してきた元宝塚歌劇団星組トップスター湖月わたるさん、元雪組トップスター水夏希さん、ダンサーの原田薫さんに加え、今回は元宝塚歌劇団男役の緒月遠麻さんが参加。さらに「FLAMENCO BOYS」にはダンサーで俳優の大貫勇輔さんが加わりました。キリッとした立ち姿の宝塚男役経験者らは、女性が凛としたスタイルで踊るフラメンコにはピッタリ。情熱的なストーリー仕立てとあいまって、わかりやすく力強いダンス公演でした。
「DANCE LEGEND」シリーズは、2012年に第1弾バレエをテーマとした「BAD GIRLS meets BAD BOYS」、2014年にはアルゼンチンタンゴをテーマとした第2弾「Argentango」、そして今回2016年はフラメンコをテーマとした「FLAMENCO CAFÉ DEL GATO」で第3弾となります。構成・演出・振付は、先日スペインフラメンコ界で最も権威のある賞である「フラメンコ・オイ賞」の男性舞踊家部門において受賞が決定した、「マリア・パヘス舞踊団」第一舞踏手のホセ・バリオス氏。湖月、水、原田、緒月、大貫の5名は、5月~6月にかけて約1か月間フラメンコの本場スペイン・マドリッドで、みっちりと稽古して、本番にのぞみました。
第1幕では、19世紀に存在したフラメンコショーを観劇できる酒場「カフェ・デル・ガト」を舞台にして物語が展開されます。エレディア4兄弟(長女ローラ:湖月、次女カルメン:緒月、三女:ゴメス、ギタリストの弟ルイス:大貫)によるショーが開催され、賑やかで華やかな店内。ショーの途中、スペインで最も有名な闘牛士が店に現れ、客の注目を一身に集める中、ローラは彼に一目ぼれ。ショーが終わり、客と踊りを楽しむエレディア4兄弟ですが、ルイスは女たらしで有名な闘牛士に心奪われたローラに忠告。カルメンはみんなに楽しく踊ることを提案しますが、ルイスは二人の仲を裂こうと闘牛士と争いになり、ついに傷つけてしまいます。
そんな時、闘牛士に心寄せるもう一人の女性マリア(原田)が現れ、妖艶な踊りをみせつけ誘惑しますが、闘牛士の心もローラから離れなくなっていました…。危険な雰囲気が漂う店内に現れたのはカフェ・デル・ガトの女主人アナ(水)。彼女はその場を収めようと無理だと知りつつ、最後はピストルで威嚇し…。
休憩をはさんで第2幕の舞台はアンダルシアへ。各地に伝わる、その土地独特のフラメンコリズムを求めて旅していくオリジナルフラメンコショーです。スクリーンに各地の風景が映し出され、その前で華やかなダンスが展開されました。
第2幕では、「BAD GLRLS」のメンバー4名がパンツスタイルで踊るフラメンコジャズもありました。
<公演情報>
「FLAMENCO CAFÉ DEL GATO」
【大阪公演】2016/6/25(土) ~ 2016/6/26(日)サンケイホールブリーゼ (この公演は終了しています)
⇒http://www.umegei.com/BGBB2016/
【東京公演】2016/6/29(水) ~ 2016/7/4(月)東京芸術劇場 プレイハウス
⇒http://www.umegei.com/schedule/532/ticket.html
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公演の様子を写真と文章で、さらに詳しくご紹介します
■セリフはなく全て音楽とフラメンコで表現
■重低音と共に、弟ルイス(大貫)の怒りが爆発
■長身の男性陣、カホンで演奏する姿も素敵
■闘牛士が湖月さんをリフトするシーンは見もの
■タイトスカートで踊ったフラメンコの足さばきに驚く
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■セリフはなく全て音楽とフラメンコで表現
ACT1、ACT2共にセリフはなく全て音楽とフラメンコで表現されていましたが、ACT1は特にストーリーが分かりやすかったので、感情移入しやすいものでした。ACT1の舞台は、フラメンコショーを観劇できる酒場「カフェ・デル・ガト」。酒場の女主人は水夏希さん。4兄弟でフラメンコショーをしている設定で、長女ローラ:湖月わたるさん、次女カルメン:緒月遠麻さん、三女モニカ:モニカ・ゴメスさん、そしてギタリストの弟ルイスは大貫勇輔さん。
■重低音と共に、弟(大貫)の怒りが爆発
そこに、歌劇「カルメン」第1幕への前奏曲という曲にのって、女たらしで有名なイケメン闘牛士(ベンジャミン ヒメネス レイバ)が青いベストにマントをまとってかっこよく登場します。すぐに一目惚れする長女ローラ。その姿を見て、気が気でない弟ルイス。体を震わせる重低音と共に、弟ルイスの怒りが爆発します。
■長身の男性陣、カホンで演奏する姿も素敵
次女カルメンが、みんなで楽しく踊ろうと提案するものの、ルイスは2人の仲を裂こうと闘牛士と争いになります。バストン(杖)を叩きつけ闘牛士を挑発します。スペインダンサー達は、カホン(四角いボックスで、その上に座って股の間から叩く打楽器)も使っていました。長身でスタイルがよいので、カホンで演奏する姿も素敵でした。
歌劇「カルメン」より第1幕 ハバネラ「恋は野の鳥」の曲で、闘牛士を誘惑する貴族の娘マリア(原田薫)。マリア役の原田薫さんの手首、腰の柔らかさ、そしてキレが妖艶さを倍増させていました。アバニコ(扇)の使い方もとても素敵で本当にセクシーでした。
■闘牛士が湖月さんをリフトするシーンは見もの
闘牛士はローラから離れられなくなっていて、ヒールを履いたら同じくらいの背丈になる湖月さんをリフトするシーンも見もの。危険な雰囲気が漂う店内に、場を収めようと現れる凛とした女主人の水夏希さんですが、その場が収まることもなく最後はピストルで威嚇…その後はどうなるかは観て頂いてのお楽しみです。
■タイトスカートで踊ったフラメンコの足さばきに驚く
ACT2では、舞台はスペイン・アンダルシアへ。カディス、ハエン、グラナダ、マラガ、ウエルバ、アルメリア、セルビア、コルドバと、アンダルシアの地域を映し出して、その土地独特のフラメンコリズムを求めて旅をしていきます。スペインダンサーのみのシーンもあり、4名の男性ダンサーと共に、女性のモニカ・ゴメスさんが、スリットの入ったタイトスカートで踊るフラメンコの足さばきには驚きました。スペインダンサーは、それにパリージョ(カスタネット)を打ち鳴らしながら踊るシーンもあり、あの足さばきと指先まで駆使するフラメンコがどんなに難しいのかを感じることができます。
また、BAD GLRLSのメンバー4名がパンツスタイルで踊るフラメンコジャズもあり、そのシーンは大村俊介(SHUN)さんが振付。3人の宝塚歌劇団時代のカッコよさを彷彿とさせ、がらりと雰囲気の変わる舞台のアクセントになっていました。
<ACT2 楽曲リスト>
EL MAR DE TU SENTIR (alegrias)
MONTES DE MALAGA (malagueña)
MENSAJE (fandangos)
CIUDAD DE LAS IDEAS (bulerias)
and more…