「エリザベート4都市シングルを終えて、ほっと」、田代万里生インタビュー(下)

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

田代万里生さんインタビュー後半です。2016年の『エリザベート』では、東京公演の後、福岡・大阪・名古屋でフランツ役をシングルキャストで務めあげた田代さんに、当時の様子などについて伺いました。

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

■ロングラン公演は初めてで、自信がついた部分と、初めて感じる課題もありました

――『エリザベート』を、大阪と名古屋で拝見しましたが、4都市をシングルキャストでやり遂げたことが本当にすごいなと思いました。

今考えても、今からあれをもう一度やろうと思ったら、かなりの覚悟が必要だなと思います。

――あの約3カ月間がどんな時間だったのかなと。

『エリザベート』は2015年、2016年の東京公演はダブルキャスト、地方公演をシングルキャストでやらせて頂きましたが、普通に考えて地方のシングルがキツいだろうと思っていたんですよ。でも、2015年、2016年の東京公演があったことで、かなり覚悟して臨めました。体の管理や、気持ちの覚悟もあるんですが、どちらかというと、もっともニュートラルでいられたのは地方公演でした。毎日毎日フランツを演じて、喉や体のメンテナンスや、ペース配分が絶対に必要なんです。いくら入り込むようにやっていても、ペース配分をしないと106公演を倒れずにやり遂げられない。そういう意味では、スムーズ過ぎず、ひとつひとつ充実して、噛み締めながら、でもいい意味で気持ちを淡々と、1公演1公演向き合えたのはシングルで演じたときだったんです。穴を開けずに最後まで出来たことは、今となってはほっとしています。改めて、シングルキャストでやり続けたトートダンサーは相当体を酷使しているんだなと思いましたし、もっとすごい人がいるんだなと思いました。実はロングラン公演自体が初めてだったんです。そういう意味では自信がついた部分と、初めて感じる課題もありました。『グレート・ギャツビー』もシングルですから、今後に生かしたいと思います。

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■知りたいことがたくさんあります。僕は、いわゆる知識欲が高いんだと思います

■『グレート・ギャツビー』の時代を調べようと思ったら、いくらでもあるんですよね

■2017年のお客様が観る意味がないとだめ、小池先生はそういうさじ加減が素晴らしい

<ミュージカル『グレート・ギャツビー』>
【東京公演】2017年5月8日(月)~5月29日(月) 日生劇場
【愛知公演】2017年6月3日(土)~6月15日(木) 中日劇場
【大阪公演】2017年7月4日(火)~7月16日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2017年7月20日(木)~7月25日(火) 博多座

<関連サイト>
『グレート・ギャツビー』日生劇場 梅田芸術劇場 博多座 中日劇場
http://www.tohostage.com/gatsby/
田代万里生オフィシャルブログ「MARIO CAPRICCIO」⇒http://ameblo.jp/mario-capriccio/
田代万里生オフィシャルWEBサイト Mario’s Toi Toi Toi!⇒http://fc.horipro.jp/tashiromario/

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田代万里生さん=撮影・岩村美佳

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

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■知りたいことがたくさんあります。僕は、いわゆる知識欲が高いんだと思います

――田代さんのブログを拝見していて、特にウィーン紀行(フランツ・ヨーゼフ紀行 ⇒第1回はこちら)が読み応えもあって面白かったのですが、調べることがお好きなのかなと。作品や役についてものすごく掘り下げて調べていますよね。

好きか嫌いかと言えば好きだと思います。作品や役について、特にフランツのように実在した人物や歴史的なことを調べることは好きですね。『グレート・ギャツビー』は実在した物語ではないですが、小池先生が「ギャツビーとニックのふたりに作者本人を投影している」とおっしゃったんです。あるときはギャツビー、あるときはニックに自分を重ね合わせていて、自分が経験したことをそれぞれにさせているので、ある種の歴史物と似たような感覚で取り組める作品なんです。作者はどんな人なんだろうか、禁酒法ってお酒がダメなことはわかるけれど、実際にどうだったんだろうかなど、知りたいことがたくさんあります。僕は、いわゆる知識欲が高いんだと思います。

――その欲をもとに色々調べていくんですね。

ブログは絶対に書こうと思っているわけではないんですが、ウィーンのことも書くと日記のように書き留めておくことができるので。知れば知るほど、絶対に知ってから舞台を観た方が面白いと思うことがたくさんあるんですよね。シシィとフランツはミュージカルではこう描かれているけれど、本当はこうだったんだよとか、あの場面のセットは実際にはこのぐらいだったとか、ウィーンからバートイシュルにはどのくらいの距離があったんだとか、どのくらいの覚悟でハンガリーに行ったのかとか、台本だけではわからないことがたくさんあるんです。僕は国境を越えるのに電車で6時間かけて行きましたが、当時は馬車ですからね。土地ごとの空気や、言葉が違ったり、人々の顔を見るとあきらかに人種が違っていたり、そういうことを知って、自分がもっと作品にのめり込んでいくので、その経験を共有したいと思います。特に『エリザベート』は、知りたいと思っている人が多いんじゃないでしょうか。もしくは僕よりも詳しい方がたくさんいらっしゃいますよね。ウィーンへの旅はものすごく楽しい経験でした。

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

■『グレート・ギャツビー』の時代を調べようと思ったら、いくらでもあるんですよね

――次は『グレート・ギャツビー』について色々調べていくんですね。

この時代の音楽はどうだったのか、流行った作曲家はどんな人だったんだろうとか興味は尽きないです。先日「ミッドナイト・イン・パリ」という映画を見たんです。パリを訪れた男が街で酔っぱらっていて、24時になるとやってくる車に乗った人から誘われて車に乗るんです。すると、乗っていった先にはフィッツジェラルドがいて、コール・ポーターがピアノを弾いていたり、ヘミングウェイが出てきたり。「グレート・ギャツビー」のワードも出てきて、何も知らずに見た映画だったので驚きました。この映画のように『グレート・ギャツビー』のサイドストーリーがたくさんあるんだろうなと。だから、この時代を調べようと思ったらいくらでもあるんですよね。禁酒法のなかでどうやってお酒を密造していたのかとか、線路を車が渡っていたとか、もちろんすべてを把握することは出来ないですが、知らないと面白味が半減してしまうことがたくさんあります。勉強という感じではなく、好奇心で調べている感じですね。

――好奇心が原動力なんですね。これからのブログには、『グレート・ギャツビー』関連について色々書かれていくかもしれないですね。

(笑)。

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

■2017年のお客様が観る意味がないとだめ、小池先生はそういうさじ加減が素晴らしい

――最期に、作品への意気込みをお聞かせください。

原作小説は1920年代の作品ですが、2017年にミュージカル化されるなんて思ってもみなかったかもしれませんね。名作といわれる例えばシェイクスピアは何百年も経ってから、作曲家が音楽を書いてミュージカルになったりもしています。「グレート・ギャツビー」という原作に新たな息吹を吹き込み、新しい音楽と新しいキャストと小池先生が作り出し生まれ変わる。そこには2017年のクリエイター陣が作り、2017年のお客様が観る意味がないとだめだと思うんです。小池先生はそういうさじ加減が素晴らしいので、僕らもすごく楽しみにしています。宝塚版でこの作品をご覧になった方は、全く別物ですがさらにハマると思います。比較的スタンダードなスタイルの音楽で作曲されるので、タイトルは知っていても見たことがなかった方には、うってつけの作品ではないでしょうか。さらに、ミュージカルが初めての方にも最適だと思いますので、ぜひお越し下さい。

――楽しみにしております。今日はありがとうございました。

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

田代万里生さん=撮影・岩村美佳

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“「エリザベート4都市シングルを終えて、ほっと」、田代万里生インタビュー(下)” への 7 件のフィードバック

  1. しと より:

    万里生くんの知識欲が高いといったパーソナルな部分から、ワクワクするような作品のみどころまで、素敵なインタビュー記事をありがとうございます。
    お写真と記事の内容とでますますグレートギャツビーが楽しみになりました。

  2. まるさん より:

    エリザベートがシングルキャストだった地方公演や旅を経てからの向き合い方がよくわかりました。ニック姿のお写真がみんなステキで等身大な万里生さんの年に近いニックがどんな人物像になるのか興味深くなり舞台が待ち遠しいです!

  3. メグ より:

    グレート・ギャツビーは大好きな小説なのでどんな風に舞台化されるのか楽しみです。
    万里生さんの写真もたくさん見られて嬉しい記事でした。

  4. エーデルヴァイス より:

    素敵な万里生さんのお写真入りの記事、読ませていただきました。今日帰り道、グレートギャツビーの宣伝の看板も見て、私のグレートギャツビーを観たいモードが高まりました。万里生さんのニック本当に楽しみです(#^.^#)

  5. フリューゲル より:

    いろいろなお話しが聞けて良かったです。これからも素敵なインタビューをお願いします。

  6. ちびくん より:

    このインタビューを読んで、早くニックを演じている万里生さんを観たいと思いました。
    素敵な写真もたくさん載せてくださって、ありがとうございます!

  7. NONO より:

    記事が読みたくて会員登録しました!
    私もしっかり勉強して観劇に備えたいと思います!
    これからも面白い記事楽しみに待ってます。

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