柄本佑さんインタビュー後半です。演出、振付、美術、衣裳を手掛けるイスラエルの演出家ユニット、インバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんが、森山未來さんと作った舞台をご覧になった印象から、百鬼オペラ『羅生門』に期待することなどについて伺いました。有料部分では、様々な作品でご活躍される柄本さんに、仕事への思いなどについて伺いました。
――インバルさん&アヴシャロムさんが作り、森山未來さんが出演された『DUST―ダスト』をご覧になったそうですが、どんな印象でしたか?
非常に抽象的な感じがしました。不思議とそこまで暗いという印象は受けませんでした。よくよく考えてみると、コンテンポラリーの中にチャーミングな動きがあるので、テーマ的にずっしりとくるものでも、表面的な動きによってマイルドになっていたりするのかなと思いました。動きが面白くて楽しかったですし、「これはどういう意味なんだろう」と考えながら観るのでとても楽しかったです。でも、観終わって少し疲れました。僕はあまり観慣れていないですし、考えながら観たからでしょうか。ただ観て、何かを楽しむものなんだという感覚になれたらいいのですが、コンテンポラリーに慣れていなかったので、最初は少し戸惑いました。戸惑う必要はないんでしょうが、頭も使って少し疲れました。
――刺激も受けますし、想像力も膨らみますよね。
とても面白かったですね。ただ、爽やかな感じはしなかったかな。観ていて楽しかったですが、どうやら暗いなと。あとは、これをどういう風に作っていくんだろうと思いました。振付家が、細かく振付しているんだろうか、どうやってこの動きを一つ一つ決めているんだろうかと。毎回同じように踊っていると思いますが、決まったような動きがなかったんですよね。それがすごいなと思いました。
――ミュージカル『100万回生きたねこ』はご覧になりましたか?
残念ながら見ていないです。
――今回、共演される満島ひかりさんは『100万回生きたねこ』にも出演されていましたが、何かお話されましたか?
稽古場での話はしましたが、詳しい話はまだですね。でも、「楽しいよ」と言っていました。最初に稽古場に行ったら、「自分を表現してください」と言われて、全然動けなかったという話をしていましたね。
――「自分を表現してください」というのは、あるかもしれませんね。
はぁ……(ため息)。暗い気持ちになるので、あまり思い出さないようにしているんですよね。
(一同爆笑)
――色々やらされるかもしれない、と(笑)。
どうしよう……。
――開かなければいかない扉がたくさんありますね。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、緊張していて喋っていないだけなのに周りから「いつも飄々としていていいよね」と言われるなど、ご自身についても語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■『羅生門』の第1稿、同じシチュエーションがずっとループするような形が面白そう
■演出家がインバルさん&アヴシャロムさんで、価値観や演出方法に興味があります
■「佑はいいよね、いつも飄々としていて」って。本当にそんなことないですから!
■稽古場で何かが生まれないと本番でも生まれないので、いい稽古場を作れるように
<百鬼オペラ『羅生門』>
【東京公演】2017年9月8日(金)~9月25日(月) Bunkamura シアターコクーン
【兵庫公演】2017年10月6日(金)~10月9日(月・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【静岡公演】2017年10月14日(土)~10月15日(日) 富士市文化会館 ロゼシアター 大ホール
【愛知公演】2017年10月22日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール
<関連サイト>
百鬼オペラ『羅生門』ホリプロのページ http://hpot.jp/stage/rashomon
百鬼オペラ『羅生門』梅田芸術劇場のページ http://www.umegei.com/schedule/652/
百鬼オペラ『羅生門』公式ツイッター https://twitter.com/operashomon
<関連リンク>
柄本佑アーティストファイル ALPHA AGENCY http://www.alpha-agency.com/artist/emoto.html
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■『羅生門』の第1稿、同じシチュエーションがずっとループするような形が面白そう
――インバルさん&アヴシャロムさんが作られる『羅生門』について、今知っている情報などから、特に興味を持っている所はありますか?
現段階の構想を聞きましたが、同じシチュエーションがループするようなシーンもあるようなんです。それが面白そうだなと思いました。さらに、舞台セットも楽しみの一つですね。どんな所で芝居をするんだろうというのは気になります。『DUST―ダスト』が教室みたいなセットで、とても不思議な空間だったんですよね。映像が映し出されたりしながら、色々な所を色々な使い方をしていたので、今回はどういう風になるんだろうと興味がつきないです。あんな風に動き回るのは楽しいだろうなと思いました。これから色々わかってきて、何か一つ掴めたら、楽しいんじゃないかと思います。出来るようになるというか、自分のことが分かってくると、少しずつ楽しくなってくるのかなという感じはしますね。
――この作品が終わったら引き出しが増えますよね。
そうですね、増えるかもしれません。
――歌や踊りがある作品など、今までと違うものが来るかもしれないですね。
そうなったら有り難いですね。
■演出家がインバルさん&アヴシャロムさんで、価値観や演出方法に興味があります
――柄本さんは映像や舞台も色々な種類の作品に出演されていますが、たくさんお仕事がくる中で、やりたいと思うポイントは何ですか?
(考え込んで……)映画だったら監督ですね。あとは、共演者の方でしょうか。でも、極端な話、別にないんです。
――そうなんですか。
どれも新しいですし、同じものは何もないですから。正直な所、わからないから選べないんです。
――やってみなければ分からない?
そうですね。今回は歌や踊りという明確にやらなければいけないことがあって、楽しそうだなと思いました。演出家がイスラエルのインバルさん&アヴシャロムさんということで、イスラエルの方の価値観や演出方法に興味があります。でも、今考えてみると、そういう魅力が色々とありますが、お引き受けした時は考えていませんでした。
――お話が来るということは、自分に合う要素があるんだろうなとか、割と自然な感じですか?
そうですね。明確に「これだからやろう」ということはないですね。でも、やりたい思いはあります。舞台ならば、演出家さんや脚本などはありますが、稽古に入るまでは分からないので。僕を呼んでくれたということが大きいんだと思います。
――その事実が最優先という感じですか。求められたという。
はい。選び取ったというよりは、巡り会えたんだと思います。状況が恵まれてきたから、嫌だと思ったことが全くないんです。もし「ドラえもんのスネオ役で」とオファーされたら、「僕のことをスネオって思ってくれるんだな!」と、スネオを研究します。いい感じで、色々ないいものが周りにあって嬉しいという感覚が近いかもしれないです。
■「佑はいいよね、いつも飄々としていて」って。本当にそんなことないですから!
――割とずっと自然体なんですか?
いつも緊張していますし、自然体ほど格好良くないですよ。
――思っていることがあまり表に出てこないんでしょうか? 周りに伝わらないというか、とても緊張しているようには見えていない?
見えないみたいです。それが損なんですね。「佑はいいよね、いつも飄々としていて」って。本当にそんなことないですから!
――そうなんですね(笑)。
本当に損だと思うんですね。ただ、緊張していて喋っていないだけなのに、「大物」みたいな感じで思われてしまうようで(笑)。
――少し誤解をされやすいんですね。
「少し緊張していて可愛いな」と思われたい……。
――(笑)。緊張が外に見えないんですね。確かに「飄々と」というか、どんと構えている印象があるかもしれませんが、そうではなかったんですね。
そうなんです。
■稽古場で何かが生まれないと本番でも生まれないので、いい稽古場を作れるように
――では、「そうではない」ということをお伝えしておきますね。
お願いします! 今回もとても緊張しているんです。ひかりよりは緊張していると思いますよ。彼女は緊張しないから……たいしたもんだよな(笑)。
――(笑)。今回もとても大きな扉を開けていくことになるんですね。
はい。でも、やってみないとわからないので、楽しんで出来るようにしたいです。稽古場で何かが生まれないと、本番でも生まれないので、とにかくいい稽古場を作れるように頑張ります。
――たくさんの大きな扉を開けた先に生まれる舞台を楽しみにしています。ありがとうございました。
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