女優の杉本彩さんにインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。(上)では、杉本さんが行っている動物愛護の活動について伺いました。(下)では久しぶりのストレートプレイ出演になる、「森奈津子芸術劇場 第一幕~パトス編~『いなくなった猫の話』」について伺いました。
※アイデアニュースでは、7月28日(金)から8月1日(火)まで紀伊國屋ホールで上演される「森奈津子芸術劇場 第一幕 ~パトス編~ 『哀愁主人、情熱奴隷』『いなくなった猫の話』」を紹介する記事を7月17日に掲載しましたが(⇒記事は、ここをクリック)、この記事に付随する形で、今回の舞台に読者10名さまを抽選でご招待しています(有料会員以外の方もご応募できます)。この記事の無料部分の末尾に簡単な応募フォームを掲載していますので、ご応募ください。応募締め切りは本日、7月24日(月)で、本日の23時59分までに送信くだされば大丈夫です。※このプレゼント募集は終了しました。
――皆さん、杉本さんのことはよくご存知だと思いますが、社交ダンスのイメージを持っていらっしゃる方もいれば、美の象徴と思っている方など、色々だと思いますが、最近は動物愛護の活動をされている印象が強いのかなと思います。
動物愛護の活動は25年以上ずっとやっていますが、個人でやっている時は活動の場も限られていました。「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」という財団を立ち上げてから、私がこういう活動をしていることを、多くの方が知る機会が増えたのかなと実感しています。
――杉本さんの活動のなかでも、保護した犬や猫を飼ってもらおうという啓蒙はとても意義深いと思います。日本はペットを飼う人がますます増えてきましたが、ペットショップから迎えたと聞くと、手放しに喜べないというか。
分かります。私もそういう話を聞いて、たくさんショックを受けることがあります。
――やはり、ペットショップの闇について知ってほしいですね。
ほとんどの人が知らないんですよね。だから、ペットショップで購入することになるんだと思いますが、何となく知っていても、ひどいところは一部ぐらいだろうという意識で、他人事の人もいるんです。
――リアルな数字は知らないというか。
「うちの近所にあるペットショップはそんなことないんじゃないの」と結構軽い感覚で、自分に都合のいいような解釈をする人が、残念ながらいることはいます。
――実際に活動されていて、変化を感じますか?
私が若い頃に活動していた状況よりは、随分変わったなと思います。「保護犬」や「保護猫」という言葉が色々な所から聞こえるようになって、「前はペットショップで買いましたが、里親になったんです」「今度こそは、次の子を見つけるときはそうします」という声が、たくさん聞こえるようになってきたので、明らかに昔より違うんだろうなと思います。意識がちゃんと芽生えた人達の絶対数が増えているのは確かです。ただ、まだまだペットショップがたくさん存在していますから、やはりペットショップの生体販売を支えてる消費者はいるんですよね。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、「一番大切なのは人の意識を変える啓発活動で、ものすごく地道ですが、実はそれが一番の近道なんじゃないかと思います」という思いなど、インタビューでお伺いしたお話の前半の全文と写真を掲載しています。また7月25日(火)掲載予定のインタビュー(下)では、2016年のミュージカル『クリスマス・キャロル』、今回の『いなくなった猫の話』と、久々の舞台出演で感じた「舞台の良さ」について語ってくださった内容など、インタビュー後半の全文を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■(「ペットショップで買った」と言えないくらいの社会にしなければ?)そうなんです。
■物心がついた時から猫との思い出がずっとあって、兄弟みたいな感じで育ちました
■色々な相談が来るようになり、保護や不妊去勢手術にチャリティガレージセールを
■近所の方々がバザーなどを手伝ってくれ、とても地元密着で活動していました
<森奈津子芸術劇場 第一幕 ~パトス編~ 『哀愁主人、情熱奴隷』『いなくなった猫の話』>
【東京公演】2017年7月28日(金)~8月1日(火) 紀伊國屋ホール
(7月28日は「前夜祭」としての『哀愁主人、情熱奴隷』上演とトークイベントで、杉本彩さんは出演しません)
【出演者(予定)】『哀愁主人、情熱奴隷』:伊藤孝太郎、加藤ひろたか、野尻大介、『いなくなった猫の話』:杉本彩、野尻大介、鈴木ハルニ、伊藤亜斗武、村上健斗、木下政治
※この作品は15歳未満入場不可です(映画のR-15と同程度のセクシュアルな表現があるため、15歳未満の入場をお断りしています)
【公式サイト】http://www.zuu24.com/mngg_pathos/
【公式twitter】https://twitter.com/mngg_zuu
<関連リンク>
杉本彩さんオフィシャルブログ https://ameblo.jp/sugimoto-aya/
⇒すべて見る
- 「どれだけ保護しても根本的問題を正さないと終わらない」、杉本彩インタビュー(下) 2017年7月25日
- 「近所のペットショップは…と都合よく解釈する人がいる」、杉本彩インタビュー(上) 2017年7月24日
- 森奈津子芸術劇場、爆笑の『哀愁主人、情熱奴隷』と切ない『いなくなった猫の話』 2017年7月17日
⇒すべて見る
※「森奈津子芸術劇場 第一幕~パトス編~『哀愁主人、情熱奴隷』『いなくなった猫の話』」公演に、抽選でアイデアニュースの読者10名さまをご招待します(有料会員以外の方もご応募できます)。この下のフォームから、観劇ご希望の公演の日時を選んで、ご応募ください(席はお選びいただけません)。応募締め切りは7月24日(月)です。当選された方には、7月25日(火)にお名前を書いた当選メールを送信しますので、観劇当日に、劇場受付で、当選メールをプリントアウトしたものを見せるか、当選メールが表示されたスマホなどの画面をお見せください。お名前を確認の上、チケットをお渡しします。※このプレゼント募集は終了しました。
※ここから有料会員限定部分です。
■(「ペットショップで買った」と言えないくらいの社会にしなければ?)そうなんです。
――そうですよね。活動をされていて、一番有効だなと思う活動はありますか?
色々な活動をしていますが。本当に一番大切なのは人の意識を変える啓発活動で、ものすごく地道ですが、実はそれが一番の近道なんじゃないかと思います。国や自治体に直接訴えかけても、日本は色々な物事を変えるのに非常に難しい仕組みになっていますよね。どこにも責任がないような仕組みになっていて。本当に、こんなに簡単なことがなぜ変わらないのかというくらい、国によって都合のいい仕組みになっている。だから、実は省庁に何かを働きかけて変えるよりも、国民の意識が変われば一番早いんじゃないかと、やる程に思えてきてならないんです。
――まずはペットショップ経営を支えている消費者たちの意識を変えていく。
やはり物事の社会のスタンダードが変わって、「これが当たり前じゃない」という所までやらないと、国は動きません。
――「ペットショップで買った」とは言えないくらいの社会通念にしなければいけない。
そうなんです。
■物心がついた時から猫との思い出がずっとあって、兄弟みたいな感じで育ちました
――杉本さんが最初に出会った猫はどんな猫だったんですか?
物心がついた時には、家に猫がいたんです。その頃のことは、自分があまりにも小さくて記憶にありませんが、自分の記憶の中にはっきりあるのは、小学校の頃です。親しいお家の人がシャム猫を飼っていたんですよね。その子を譲り受けたのが一番最初だったのかな。そこから本当に猫が大好きになって、近所で捨てられている野良猫が産んだ子どもに出会っては家に連れて帰ってきて……ということを幼少期はずっと繰り返していました。
――杉本さんの人生の歴史にずっと猫がいるという感じですね。
そうですね。猫との思い出がずっとあって、もう兄弟みたいな感じで一緒に育ちました。
■色々な相談が来るようになり、保護や不妊去勢手術にチャリティガレージセールを
――個人で動物保護の活動をされていたというのは、何かきっかけがあったんですか?
東京に移り住んでから、たまたま撮影所の敷地内に野良猫と思わしき猫が子どもを産んだようで、その子猫がひどい病気にかかってしまい、目がくちゃくちゃになっていて。とても小さかったので抵抗力もないし、放っておいたら死んでしまうと思って保護したんですね。病院で診てもらい、完治してしばらく家で面倒を見ていたんですが、その時すでに2匹の猫がいたので、どなたかに里親になって頂くのが一番いいのかなと思って探したんです。1ヶ月後ぐらいに手を挙げてくださる方がいたので、号泣しながら見送って。
――お気持ちよく分かります。
もう初めて手放した経験だったんですよね。自分の気持ちのままに、家で飼うことも出来たかもしれませんが、もしまた同じことがあったら、それを繰り返さなければいけないと思ったというのが、本当に最初のスタートでした。それからは、ほおっておけない猫を見かけては、保護をするようになり、それを繰り返していたら、近所の人からも色々な相談が来るようになりました。保護や不妊去勢手術もお金がかかるので、チャリティーガレージセールを近所でやり始めたんですね。そうしたら、ますますこういう活動をしていることが有名になって、夜中にも電話がかかってくるくらい色々な人のSOSにいつも出動していたんです。
■近所の方々がバザーなどを手伝ってくれ、とても地元密着で活動していました
――いつ頃ですか?
20代半ばくらいです。エネルギーがありましたね。そんなことをやっている内に、動物愛護団体の人が「芸能人の杉本彩という人がそういうことをやっているようだ」というのを聞きつけて、見に来てくれたんです。その方から色々なアドバイスを受けて、捕獲器まで譲り受け、捕獲の方法も全部教えて頂き、TNR活動をやるようになりました。
――捕獲はじめたときも、個人で活動を続けられたんですよね。
20数年ずっと1人でやっていましたね。
――すごいですね! でも、周りの方でお手伝いをしてくださる方はいたんですか?
近所の方々がみんな、チャリティーバザーなどを手伝ってくれました。品物を寄付してくれたり、荷物がどんどん増えてきたので、近所の人が搬入用のトラックを用意してくれたり、売り子になってくれたり。お祭でも「このスペース貸してあげるから使ったら?」と声をかけてくださったりして、とても地元密着で活動をしていましたね。里親を探すときも、みんな近所の人が協力してくれるので、比較的早く見つかっていたんですよ。
――いい地域ですね!
ちなみに世田谷の桜新町です。
――とても素敵な町ですよね。