童話「桃太郎」を題材にした多彩な1人エンターテインメント(ソロアクト)「MOMOTARO」を上演し続けている神木優さんが、2017年6月に米国・シアトルでの公演を終え、2017年10月21日には、出身地でもある大阪の「TORII HALL」(トリイホール)で公演を開催することになりました。アイデアニュースでは、ユニークな活動を続けている神木優さんを、以前からインタビューや公演ルポで取り上げてきましたが、このたび神木さんがアイデアニュースのライター陣に加わってくださることになりました。まずは、神木さんから届いたシアトル公演の報告と、10月の大阪公演開催のお知らせを掲載します。
※ここから神木さんのシアトル公演報告です。
シアトル公演、おかげさまで大盛況で閉幕することができました。みなさまの応援・支援のおかげで日本の文化、伝統芸能、そしてオカリナの音色をアメリカに届けることができました。本当にありがとうございました。報告が遅くなりましたが、シアトル公演のご報告をさせていただきたいと思います。
6月10日のアメリカ・シアトル本公演。シアトルはこの時期21時くらいになってもまだ少し明るいようで。開演は19時でしたが、まだまだ明るい夜でした。前説の後、神木優のソロエンターテイメント「MOMOTARO」がスタート。まずは「舞-MOMOTARO-」音楽も振付も、桃太郎VS鬼をイメージしています。音楽は和楽器で構成し、小道具も扇や面を使い、和の要素を取り入れました。
衣装も着物とスーツを組み合わせた斬新なデザインだったので、冒頭から「和」のエッセンスを十分楽しんでいただけたと思います。途中で般若面への早替えがありましたが、その辺りも楽しんでいただけたようです。
次に「朗読-MOMOTARO-」。この作品は1885年に英語に翻訳された英語版桃太郎です。こちらは、みるとさんのオカリナと、古木さんのピアノとのコラボ演目。前奏、後奏、BGMとして入っていただきました。耳だけでは伝わない部分があるかと思い、プロジェクターで紙芝居的に翻訳された本に掲載されていたイラストを映し出しました。まだまだ外が明るかったので、映像が効果的ではない部分が少しありましたが、日本の童話「桃太郎」の世界、あらすじがよく伝わったと思います。次に、「プレゼンテーション -Dog, Monkey and pheasant on Yin and Yang principles-」。なぜ桃太郎のお供が犬と猿と雉だったのかを、陰陽五行や十二支を使って説明しました。
※こちらは大阪公演の案内です。
<神木優ソロエンターテイメント2017「MOMOTARO」>
【大阪公演】2017年10月21日(土) 千日前の「TORII HALL」(トリイホール)
公式サイト http://yuhkamiki.com/momotaro-osaka
<関連サイト>
神木優ドットコム http://yuhkamiki.com
TORII HALL http://www.toriihall.com/index.html
- 2017年以前の有料会員登録のきっかけ 2018年10月28日
- 神木優ソロアクト2018「MOMOTARO」渋谷・マウントレーニア公演 、5月12日 2018年4月2日
- 米国公演を終えた1人エンターテイメント「MOMOTARO」神木優、10月に大阪公演 2017年9月3日
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、神木優さんから届いたアメリカ・シアトル公演報告の続きの全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■十二支の説明をすると非常に反応が良く「本当か?」という質問などが飛び出しました
■「英語落語-MOMOTARO-」には、「私の落語デビュー」「生で見たのは初」という声も
■第2部はオカリナ奏者・みるとピアノ・古木佳祐による「Milt’s Ocarina World」
■想像以上の反応と評価をいただき、これからも海外公演をする野望が出て来ました
■クラウドファンディング参加のみなさま、本当にありがとうございました
※ここから有料会員限定部分です。
■十二支の説明をすると非常に反応が良く「本当か?」という質問などが飛び出しました
江戸時代までは日本人は十二支を使って時間や方角を表現していたということや、なぜ日本の鬼があんな格好をしているのかなどを十二支を使って説明すると、非常に反応が良く「本当か?」という質問まで飛び出しました。終わってからも干支の話で盛り上がったり、興味津々でした。十二支はアメリカにはあまり伝わっていないようで、その概念自体も伝えることができてよかったと思っています。
■「英語落語-MOMOTARO-」には、「私の落語デビュー」「生で見たのは初」という声も
最後は「英語落語-MOMOTARO-」。話は非常に簡単で、昔は子供は親の言うことをよく聞いたので、寝かしつけるときに桃太郎などの童話を読み聞かせるとすぐ寝たが、今は子供が生意気になって来て簡単には寝かしつけられなくなった。昔々といえば「いつ?」と聞いてくるし、あるところと言えば「どこ?」と聞いてくる。挙げ句の果てには「なぜおじいさんとおばあさんなのか、きびだんごの意味、鬼ヶ島の意味などを説明し始め、それを聞いていたお父さんが寝てしまう、という話。
18分ほどの落語だったので、英語の力量的に伝わりにくいところもあったとは思いますが、桃太郎を通した落語の文化をしっかりと伝えることができたと思っています。終わってから感想を聞いてみたところが、一番多かったのは「あれだけ覚えるのがすごい」でしたが(笑)、「あなたが私の落語デビューよ」や「生で見たのは初めて」という声もいただきました。英語落語もしっかりとアメリカに届けることができたと思います。
■第2部はオカリナ奏者・みるとピアノ・古木佳祐による「Milt’s Ocarina World」
もちろん、シアトルの一部の方にしか伝えられていませんから、アメリカ公演をやった!と言っても大したことはないのですが、第一歩を出すことができて本当に光栄な時間でした。本当に貴重な時間をいただきました。ソロアクトから10分ほどの休憩ののち、みるとさんによるパフォーマンスが始まりました。
後半第2部はオカリナ奏者・みるとピアノ・古木佳祐による「Milt’s Ocarina World」第1部とは打って変わって、音楽の世界へ。オカリナの音色を聞いたことがない人も、馴染みがある人もその世界観にどっぷりと浸かっていただきました。まずは世界の民謡、童謡シリーズ、3曲。
・峠の我が家
・ちょうちょ
・月の砂漠
「峠の我が家」と「ちょうちょ」は、日本だけでなく、アメリカでもよく知られている楽曲ですが、これを他にはない独特のアレンジに仕上げて、新しい民謡の世界をお届けしました。
続いて、アメリカでもよく知られている曲の独自アレンジやオリジナル曲を演奏しました。
・よこはまカフェ(オリジナル)
・The Rose
・サルベージ(オリジナル)
・人生のメリーゴーランド
お客さんはうっとりとその世界観に浸かっているように見えました。もちろんオカリナソロ、ピアノソロもありましたし、言葉ではない音楽によって繋がっていく心が見えるような感覚でした。最後はアンコール、「りんご追分」民謡や童謡など誰もが知っている曲でもみるとさんのアレンジにかかるとオリジナル曲のように聞こえる。でも、どこか懐かしく、聞いたことがあるように感じる心地よさ。本当に素晴らしい空間が流れていました。盛大な拍手で第2部を締めていただきました。
そのあとは、抽選会をして盛り上がり、最後は日本式の会の締め方、三本締めからなかば強制的なスタンディングオベーションで閉幕となりました。
■想像以上の反応と評価をいただき、これからも海外公演をする野望が出て来ました
本当に素晴らしい公演になりました。日本ではないところに日本の文化を伝えにいく。その反応も気にはなっていましたが、想像以上の反応と評価をいただき、驚いています。これからも海外公演の野望も出て来ましたし、日本の文化や伝統芸能を扱っている以上伝えていかねばならないなという、勝手な意識も芽生えました。またオカリナ奏者・みるとと組んで海外に回ることができれば幸せなことだな、と心から思います。
■クラウドファンディング参加のみなさま、本当にありがとうございました
また、クラウドファンディングに参加いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。想いを胸に、届けることができたと思っています。
最後になりましたが、本公演にあたり、シアトルでコーディネートしてくださった、さとみさん、ようこさんを始めシアトルのみなさま、本当にお世話になりました。ありがとうございました。
桃太郎俳優・神木優
オカリナ奏者・みると
ピアノ・古木佳祐
通訳・樹紫苑