ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』に、ロベスピエール役とプリンス・オブ・ウェールズ役で出演する、上原理生さんにインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。
――『スカーレット・ピンパーネル』をご覧になったことはありますか?
昨年の舞台を資料映像で拝見しました。とてもいい話だなと思いました。革命期のフランスの中で活躍するピンパーネル団の冒険活劇は見ていてとてもスカッとする話でした。最後は大団円で良かった良かったと。
――出演のお話が来ていかがでしたか?
木暮の真ちゃん(真一郎)も出ていましたから、もちろん作品自体は知っていたので、出られるんだと嬉しかったです。しかもロベスピエール役ということで「来た!」と(笑)。
――(笑)。
僕、フランス人の革命家の役がこれで3人目なんです。アンジョルラス、ダントン、ロベスピエールで、「よし、来たぞ」と思って。
――革命家のポジションが上がっていくようですね。
そして、時代は遡っていくんですよね。ロベスピエール役と同時に、全く真逆の役・プリンス・オブ・ウェールズもやらせて頂くので楽しみです。特に、2幕の冒頭では、舞台上でロベスピエールからプリンス・オブ・ウェールズに変わる場面がありますよね。役者としての力量が問われるなと思い、頑張りたいと思っています。
――マジックのような転換がありますね。
全く違う人物が出てくるのは、すごい面白さだなと。コメディリリーフのような役割もあると思いますし、それを瞬時にやるので、どういう風にやろうかなという楽しみもあります。
――それもまた新しい経験ですね。
ロベスピエールとしてあんなにシリアスな曲を歌った後に、プリンス・オブ・ウェールズ役にすぐに入れるのはすごいなと思いました。早替えなどの段取りも大変そうですし、どうやるんだろうかと楽しみな所が多いです。
――曲についてはいかがですか? (フランク・)ワイルドホーンさんの曲はコンサートなどで歌っていらっしゃいますよね。
コンサートでは歌わせて頂きました。「ひとかけらの勇気」は一緒に出ていた方が歌っているのを聞いていたので、馴染みはありました。どれもいいナンバーというかビッグナンバーですね。2幕の冒頭のナンバーはロベスピエールの言いたいこと、思いが全部詰まっている曲だと思うんですよね。歌詞の中で「あの1789年」と言うじゃないですか。いたいた!って(笑)。
(上原さんはミュージカル『1789』で革命家ダントン役を演じていました)
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、アンジョルラス、ダントン、ロビスピエールと、丸1年以上ずっと革命家を演じている上原さんに、「革命家俳優」という立場から『スカーレット・ピンパーネル』のロビスピエール役について分析していただいたお話など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。22日掲載予定のインタビュー「下」では、上演中の『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役についても伺ったインタビューの後半の全文を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■アンジョルラスは「友愛」、ダントンは「自由」、ロベスピエールは「平等」だなと
■ワイルドホーンさんの曲は、歌い手としては「歌ってみたい」と衝動に駆られる楽曲
■カズさんはすごく良い方。ロベスピエールとしてどういう関係を築いていけるか楽しみ
■幹二さんの役作りにすごく触れたい。安蘭さんはとにかく歌を早く近くで生で聴きたい
<ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』>
【大阪公演】2017年11月13日(月)~11月15日(水) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年11月20日(月)~12月5日(火) TBS赤坂ACTシアター
<公式サイト>
梅田芸術劇場 ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』 http://www.umegei.com/the-scarlet-pimpernel/
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』公式Facebook https://www.facebook.com/pimpernel2017/
<関連リンク>
「Theatre De Rio」上原理生オフィシャルサイト https://dermond1029.wixsite.com/theatre-de-rio
上原理生オフィシャルファンクラブ https://www.dermond1029.com
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■アンジョルラスは「友愛」、ダントンは「自由」、ロベスピエールは「平等」だなと
ロベスピエールが当初抱いていた革命への志や、祖国フランスへの思い、その純粋な思いがあるなと思いました。他者から見たら恐怖政治真っ只中で、かけ離れた所にいるんですが、彼自身は非常に純粋に祖国のためを思ってやっているというのが描かれたナンバーですよね。長いナンバーで、結構おどろおどろしいような曲調で、歌い手として尊敬している佐藤(隆紀)さんが歌っていた曲をやらせて頂くので、歌い手としてどうアプローチしていくのか。そこに込められた歌詞の内容も、革命家俳優として、どんな風に感じて、表現していくのか。
――革命家俳優ってすごいですね!
もう、ロベスピエール役をやらせて頂くことで、名実共にそうだろうと。アンジョルラスから始まり、ダントン、ロベスピエールと、同じフランスでやらせて頂いているので。革命に対する理念や理論、概念、動機をまず知ろうと思うんですが、そこは分かっているつもりなので、そういう所からこのロベスピエールが歌うナンバーをどういう風にアプローチして、表現出来るかというのがとても楽しみですね。
――特にこの1年は『レ・ミゼラブル』から始まって、『スカーレット・ピンパーネル』を経て次は『1789』の再演がありますから、1年間以上戦っていますね。
丸1年以上ずっと革命家をしているんですよ。革命家イヤーですね。
――キャストが発表になった時に、「来た、来た」と思いました(笑)。
もう革命家と言えば(笑)。
――フランス革命について、他の方以上にたくさん情報を持っていると思います。
携わって長いですからね。
――これまでの革命家の役たちそれぞれの視点が色々あると思いますが、アンジョルラス、ダントン、ロベスピエール、同じ革命家でも立場も個性も違いますよね。ロベスピエールにスポットを当てると、どんなことを考えていますか?
少し考えていたんですが、フランスのトリコロールは「自由、平等、友愛」ですが、アンジョルラスは赤の「友愛」、ダントンは「自由」、それでロベスピエールは「平等」だなと。
――なるほど、同じフランス革命を、色々な作品のキャラクターを通して考えるのは面白いですね。
ロべスピエールという男はアンジョルラスと似ているなと以前から思っていたんです。非常に純粋で、まっすぐで、真っ白な正義を持っている人なのかなと。自分が正しいと思ったことに対してひた走る。結果それが恐怖政治になっていったのですが、彼は彼の祖国への愛や真摯な気持ち、革命に対しての誠実さが絶対にあったはずです。それを追い求め続けた結果、そういう立場になってしまったじゃないかなと思っています。多分、口喧嘩をしたら絶対に相手を言い負かすタイプ。
――(笑)。
非常に理論的ですし、秀才でしたね。でも、喧嘩が終わった後に「君が言っている事は正しいけれど、世の中は正論が全てじゃないんだよ」と言われるタイプの人間かなと。
――なるほど。
正論を推し進めようとした結果、恐怖政治で無実の貴族たちを、どんどんギロチン台に送っていった人なのかなと思っていて、何かそういう違いがあるのかなと思うんですよね。
■ワイルドホーンさんの曲は、歌い手としては「歌ってみたい」と衝動に駆られる楽曲
――作品全体の楽曲の印象はいかがですか?
この作品に限らず、ワイルドホーンさんの曲はすごく耳馴染みがあって、とにかくいい曲ですよね。歌い手としては「これを歌ってみたい」と衝動に駆られる楽曲だと思っていて、『スカーレット・ピンパーネル』を見ていても、BGMであったはずなのに、いつの間にか歌になっている感じが見ていてすごいと思いますね。芝居と歌が分かれてしまう作品も多いので、見ていて心地よかったです。
――上原さんにとって、この楽曲は難しいですか? 皆さんよく難しいとおっしゃいます。
難しいですね。実際に譜読みをしてからでないと分からないこともあると思いますが、どうなんでしょう。譜面に取り組むワクワク感はありますね。
――新たな作曲家の曲が、自分のレパートリーに入るというのは?
自分が培ってきた歌い手としての技量で、どのように取り組めるのか。そういう楽しみはありますね。
――未知の楽しみ?
難しければ難しいほど、登山みたいですね。やる時は大変だろうと思いますが、達成感はあると思うのでワクワクします。
■カズさんはすごく良い方。ロベスピエールとしてどういう関係を築いていけるか楽しみ
――共演者の皆様の印象も伺いたいですが、共演経験がおありの方は?
(泉見)洋平さんと、カズ(石井一孝)さん、(則松)亜海ちゃん。(藤田)玲くん、川口(竜也)さん、田村(雄一)さんとは、『レ・ミゼラブル』でご一緒しました。
――一番関わってくるのは石井さんですね。
コンサートでずっとご一緒させて頂いていた時があるんですが、舞台作品での共演は、実は初めてなんです。
――お芝居をするのは初めてなんですね。
昔、カズさんの舞台を観て、「滅多にいない役者さんだな」と思ったんです。カズさんってすごく良い方なんですよ。ジャンルは違う歌い手としての尊敬はもちろんありますし、一緒にロベスピエールとしてどういう関係を築いていけるかは、とても楽しみですね。
――役の上では上原さんの方が上の立場ですね。
「すみません……」と思いながら(笑)。
■幹二さんの役作りにすごく触れたい。安蘭さんはとにかく歌を早く近くで生で聴きたい
――石丸(幹二)さん、安蘭(けい)さんは初めてですか?
初めてです。
――お会いしたこともないですか?
楽屋で幹二さんをお見かけしたことはありますが、「石丸幹二さんだ!」と思いました。
――(笑)。お二人の印象はいかがですか?
幹二さんは同じ大学の先輩でもあります。「芝居の人」という印象が強くて、とても丁寧な役作りをされる方という印象があるので、それにすごく触れたいです。どういう風にアプローチされるんだろう、どんな芝居をされるんだろうと楽しみにしていて、間近で見せて頂きたいと思っています。安蘭さんはとにかく歌がお上手な方なので、早く近くで生で聴きたいと楽しみにしているところです。
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理生さんの力強い歌声が大好きです。
アンジョルラスもダントンも何度も拝見しました。
ロペスピエールをどう表現して頂けるのか!楽しみしかありません。
歌い手としての理生さんも大好きなので、ソロコンサートなども期待しています。
いつもながら、素晴らしいインタビューとお写真ありがとうございます!
理生さんのロベスピエール、楽しみにしています。アンジョルラスとダントンでもう300回以上も革命をこなしてますが、次はどんな革命家の顔を見せてくださるんでしょうか。素敵なインタビューをありがとうございます!
素敵な記事をありがとうございます。
横顔のお写真から瞳の強さが伝わって素敵です。
後編はアンジョルラスについてのお話もあるとのことなので、明日の更新をとても楽しみにしています!