「たくさん笑って涙して…」、『シラノ・ド・ベルジュラック』大野拓朗・白洲迅対談(上)

大野拓朗さんと白洲迅さん=撮影・岩村美佳

『シラノ・ド・ベルジュラック』でクリスチャンをダブルキャストで演じる、大野拓朗さんと白洲迅さんの合同インタビューに参加しました。(上)(下)に分けてお届けします。(下)有料部分には、アイデアニュース独自のインタビューを掲載します。

大野拓朗さんと白洲迅さん=撮影・岩村美佳

大野拓朗さんと白洲迅さん=撮影・岩村美佳

――『シラノ・ド・ベルジュラック』に出演されるにあたり、率直なお気持ちを伺えればと思います。

大野:名前自体は聞いたことがありましたが、正直内容までは詳しく知らなかったですね。今回お話を頂いて、まずあらすじを読んだときに、とってもいい話だなと思い、「こんなに素敵な作品に出られるんだ」という喜びがありました。台本を読んで、たくさん笑って涙して、台本がもつパワーもすごくて。稽古に入って、演出の鈴木裕美さんと、吉田鋼太郎さん、黒木瞳さん、諸先輩方、芸達者な方がたくさんいらっしゃる中で、裕美さんに細かく演出をつけて頂いて、本当にこの現場でひと回りも、ふた回りも成長できるなという期待があります。鋼太郎さんも「今年いちばんおもしろい舞台」とおっしゃっていましたが、それはビッグマウスでもなんでもなく、それくらい自信をもって、みなさまにお披露目できる作品になるだろうという期待感でいっぱいです。

白洲:いま拓朗くんが言っていたように、今回の原作・脚本がとても素敵な話で、おもしろいです。実際に稽古場に入ってみて、みんなで最初に読み合わせをしましたが、そこで素晴らしい方々が読まれて、もう何度も読んで内容も分かっているのに、途中でゲラゲラ笑うし、最後が本当に泣けてきてしまって、ここまで何度読みこんでいても、心動かされる作品はなかなかないと思います。そういう作品にクリスチャンとして出演できるのは、本当に嬉しいですね。

――作品のなかでクリスチャンはどういう立ち位置なんですか?

大野:それに関して、「シラノにも放っておけないなと思われた方がいいのか」というのが、正直なところ、まだ探り中なんですよね。シラノはロクサーヌだけへの思いで突っ走った方がいいのか、僕は僕でロクサーヌへの思いを突っ走った方がいいのか。ちゃんとシラノにもクリスチャンにも、友情や信頼関係があるなかでの物語になった方が深みがでるのかなど考えているところです。

白洲:クリスチャンは、どこまで分かっていて、どこまで分かっていないのかという、そこの絶妙な按配がおもしろさと感動を生みますよね。シラノとの関係でいうと、友情の絶妙な加減で変わってくるなと思いますね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、共演者や演出家、音楽などについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。5月8日掲載予定のインタビュー「下」では、お2人の学生時代からの「モテ方」や食べ物の好み、映像と舞台の違いなどについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■白洲:大勢の前で黒木さんと抱き合うというのは、少し緊張しました(笑)

■大野:やはり鋼太郎さんは全部受け止めてくれて、返してくださいます

■大野:清塚さんは、1回聴いたものを伴奏で弾いたり。「すっげぇ!」と

■白洲:(鈴木裕美さんの演出は)一瞬でも気を抜くと、見抜かれてズバッと

<シラノ・ド・ベルジュラック>
【東京公演】2018年5月15日(火)~5月30日(水) 日生劇場
http://www.tohostage.com/cyrano/
【兵庫公演】2018年6月8日(金)~6月10日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
http://www.umegei.com/schedule/713/
→兵庫県立芸術文化センターのページ

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大野拓朗さん=撮影・岩村美佳

大野拓朗さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■白洲:大勢の前で黒木さんと抱き合うというのは、少し緊張しました(笑)

――製作発表で、はじめてみなさんの前で役の姿になってみたのは、いかがでしたか?

大野:楽しかったです。

――第一声ですもんね。

大野:そうですね~! でも、どんなことをやっても、鋼太郎さんや、黒木さんが必ずひろってくださるという絶対的信頼があったので、僕は勢いよくやるだけでした。本当に信頼に包まれてやったので、そんなに緊張もしませんでした。

――噛んでしまっても鋼太郎さんが、うまくアドリブというか、「しっかりやれよ」という感じでできるシーンでしたね。

大野:クリスチャンという役がいいというのもありますね。噛んだとしても、それがキャラクターになる(笑)。

白洲:そうですね。あれは狙いでしょ?(笑)

大野:うん、わざと。昨日の夜から噛む場所はずっと考えていました。最初の方は若干アドリブなので、「鋼太郎さん、どうくるんだろう」と思いながら(笑)。

――シラノの言葉を聞いて、言う感覚なんですね。

白洲:僕も思ったよりも緊張しなかったですし、後半の台詞自体は少なかったので。でも、あの大勢の前で黒木さんと抱き合うというのは、そこは少し緊張しました(笑)。

大野:(笑)。

白洲迅さん=撮影・岩村美佳

白洲迅さん=撮影・岩村美佳

■大野:やはり鋼太郎さんは全部受け止めてくれて、返してくださいます

――これまでの稽古で、吉田鋼太郎さんと黒木瞳さんとお芝居をはじめていて、お二人とお芝居をする実感としてはどうですか?

大野:まだがっつりとご一緒させて頂いていないのですが、製作発表のリーディング用に少し稽古をした際には、やはり鋼太郎さんは全部受け止めてくれて、返してくださいました。本稽古に入ったら、演出の裕美さんプラス、鋼太郎さんからのアドバイスも、たくさん頂けるんじゃないかなというのも楽しみです。

白洲:本当に、全部受け止めて返してくれるので、本当にありがたいなと思いますね。

大野:あとは、鋼太郎さんと黒木さんのシーンを見ていると、黒木さんが「私に対してはどうぞ好きなようにやって、私が返すから」という感じですね。

白洲:まだ探り中ですが、そのおふたりと、いい三角関係になれるようにクリスチャンとして、作っていけたらいいなと思います。

――恋のお相手の黒木さんの魅力というのは。

大野:可愛い。綺麗だもん。

白洲:本当に美しい。「美しい」という、普段使わない表現がぴったりですね。

――どきどきしちゃいますよね。

大野・白洲:(大きくうなずいて)はい!

白洲:凛とした強さがありますね。

――守られる女性というのとは違うオーラや存在感がありますね。

大野:そうですね。

――稽古の合間など、なにかお話はされましたか? 「こんな人なんだな」と感じられるエピソードはありますか?

大野:なんでしょう。そんなにプライベートな話はできてない。

白洲:まだですよね。

――好きになってもらいたいアピールなどはしていくのかなって(笑)

大野:口下手なので、見た目で気にいってもらおうかなって(笑)。

白洲:心じゃない(笑)。

――清潔にとか、そういうことですか?(笑)。じゃあ、お稽古はいつもよりワンランク上のシャツを着ていこうかなとか。

大野:そうですね。あんまり汚い格好をして行けないなとは思っています。毎回ちゃんとヒゲ剃ってとか(笑)。今日もいいシャツを着てきましたし。

白洲:そうだね。毎回髪もセットして。

大野:セットしてるよね!

白洲:普段そんなことしないんですが、一応ね(笑)。

――この作品を通して、お二人とも男前が磨かれるかもしれないですね。

大野・白洲:(笑)。

大野拓朗さん=撮影・岩村美佳

大野拓朗さん=撮影・岩村美佳

■大野:清塚さんは、1回聴いたものを伴奏で弾いたり。「すっげぇ!」と

――今日の製作発表でも流れていましたが、清塚(信也)さんの音楽は本当に美しかったですね。いかがでしたか?

大野:綺麗。素敵! もう最高ですね。

白洲:もう、ぐっとくる。

――隊歌みたいなものもありましたが、あれもかっこよかったですよね。あれはどんな印象ですか?

大野:男らしくなりますね。格好良くて綺麗な曲のなかに、ところどころ男らしさが出せるメロディラインになっています。だから、ところどころで男くさい役者たちのかっこよさも感じられる曲です。役者にちゃんと遊びをもたせてくれるメロディなので、それがすごいなと思いました。

白洲:役者を乗せてくれるメロディですね。クリスチャンはガスコン青年隊の曲は歌わないと思いますが、すごく歌いたいと、ファーストインプレッションで思いましたね。気持ちがあがってきます。

大野:清塚さんは、稽古場にもずっと付きっきりでいらっしゃるんです。

――ぜいたくな時間ですね。

大野:今後、音楽がつくであろうシーンも、「いま弾きます?」と裕美さんに提案されて。まだ、ガスコン青年隊の曲が決まっていないときに、早稲田の校歌がちょうどぴったり合うって。

白洲:とりあえず。勇ましい感じで。

大野:そこでみんながアカペラで歌っているときに、清塚さんのすごいところは、1回聴いたものを「じゃあ、僕これ弾きますよ」って校歌の伴奏弾いたりとか。「うわ! やっぱ、すっげぇ!」と思って(笑)。

白洲:かっこよかったな、あれ。

大野:「10分休憩入ります」というときに、BGMなのか「こんな感じの曲」というのをやっているのか分かりませんが、弾いているから、とても優雅な休憩時間。

白洲:素敵なBGM。

大野:稽古を見ているときに、見ながら弾いているときもありました。

白洲迅さん=撮影・岩村美佳

白洲迅さん=撮影・岩村美佳

■白洲:(鈴木裕美さんの演出は)一瞬でも気を抜くと、見抜かれてズバッと

――鈴木裕美さんの演出についてお伺いしたいのですが、大野さんは初めてで、白洲さんは2回目ですよね。白洲さんは改めて時間があいて、どうかというのを伺いたいのと、大野さんは初めて演出を受けてみて、具体的にいま伺っている言葉など、どうですか?

大野:かしこい!

――かしこい?(笑)

白洲:めちゃくちゃ頭がいいですよね。

大野:なんでも知っているというか、知らないことは「ごめんなさい、調べます」とおっしゃいますし、すごく気持ちいい方だなと思います。そして、優しくて厳しい。とても細かいところまで詰めてくださるんですが、その言い方、物腰がとても役者を立てながら、尊重しながらお話してくださるんです。だから、本当に楽しいです。僕はたくさん言われたいタイプなので。

――そうなんですね(笑)。

大野:蜷川さんにも、「死ね、この野郎!」と言われたくて、「それを言われるのが目標です」というくらいの気持ちで稽古場に入って、散々言われて「ありがとうございます!」って(笑)。

――そこでへこたれないんですね(笑)。

大野:自分が100%正しいなんて思っていないですし、200%の自信がないので、やはり言われてなんぼだと思いますし、言われなかったら逆に不安で、怖い。だから、今回もたくさん言ってもらおうと思いながら、やっていますね。

――白洲さんはどうですか?

白洲:「帰ってきた」ではないですが、稽古場の雰囲気はいい緊張感が常にあって、張りつめていて、一瞬でも気を抜くともう見抜かれて、ズバッとつっこまれてしまう。だから、常に頭を働かせている感じです。稽古が終わったときの疲れが……。

大野:ホント!

白洲:ホントにすごいですよね。

――ばちっとスイッチが落ちるみたいな。

白洲:そう。

大野:まだ、僕らがメインのシーンの稽古はやってないんですが、22時にはもう眠いですもん。

――(笑)。

白洲:ホントにね。

――今日1日分のエネルギーを使ったみたいな(笑)。

白洲:頭を働かせてちゃんと聞いていないとダメですね。裕美さんの話し方や伝え方って、それぞれによって全然違っていて、結構ユニークな伝え方もされますし、それが伝わらなかったら別の方向で、別の方向でというのが、とてもおもしろいんです。

大野:色々な方向から言ってくれるから、すごく理解がしやすい。

白洲:「この方法じゃ伝わらなかったね。じゃあ、たとえば、こういうこと……」という風に、そのレパートリーが無限にあって。

大野:諦めないしね。ちゃんと理解できるまで、熱心に言ってくれる。

白洲:そこまで突きつめるというのは、愛だと思うんです。たとえば、「いま、そっちからそっちまで動いたけど、どういう意味?」など、そこまで細かく。いきなり答えを渡すわけでもなく、ちゃんと考えさせてくれる。

――久しぶりにお会いして、「成長した」とか何か言われたことはありましたか?

白洲:まだ僕らは登場のシーンまで稽古がいけてないということもありますが、そんなスケベ心は一発で見抜かれると思うので。

――(笑)。

白洲:ただただ一生懸命やるだけです(笑)。

――製作発表では、演出の鈴木さんが大衆演劇というか、みんなで盛り上げたいとおっしゃっていましたが、台本を読まれたときにマキノノゾミさんと鈴木哲也さんの台本はいかがでしたか?

大野:めちゃくちゃおもしろいんですよ! 言葉遣いもそうですし、ノリがよくて、難しい言葉なのにとってもサクサク読めますし、グルーヴ感がとても楽しかったですね。

白洲:なんて言うのかな。「いまどきのノリ」じゃないですが、すごく入りやすかったです。

――決して古典ではないイメージもあるわけですか?

大野:そうですね。古典の要素は、衣装と詩の中の言葉遣いや、シラノの言葉遣いくらい。僕らはそんなに難しい言葉遣いはないですから。

白洲:シラノの美しい言葉はたくさんありますが、お話の筋としては本当に分かりやすいです。

大野:単純明快。ところどころに、ストレートプレイではめったにない拍手ポイントも作れていますね。

白洲:長台詞や百人斬りなど、すごくエンターテイメント要素も高いですね。

大野拓朗さんと白洲迅さん=撮影・岩村美佳

大野拓朗さんと白洲迅さん=撮影・岩村美佳

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