2018年8月5日(日)にシアタークリエで開幕し、大阪、福岡、愛知でも上演されるミュージカル『ゴースト』に出演する平間壮一さん。7月上旬に稽古場を訪れてインタビューしました。平間さんはカール役を演じます。(上)(下)にわけてお届けします。
――稽古が始まって2週間程と伺いました。
2週間しか経ってないんだ! 濃いですね。めっちゃ濃いです。濃くて、早くて、もうすぐ2幕終わりまで行きそうです。
――それはいつもより速いスピードなんですか?
速いですね。演出のダレン(・ヤップさん)のやり方で、最後まで一気にやって、そのあとでいろいろ調整していくようです。
――ギュッとした2週間を過ごされて、今の心境はいかがですか?
色んな方向性がダレンには見えるんだなと思って悩んでいますね。でも、ダレンからは、全然悩むところではないと言われました。最終的にどれをチョイスするかだから、色んな案が出てきていいんじゃない?と。今は最後まで演出をつけなければという状況なので「え、それでいくの? どうするの?」という戸惑いも感じる一方、自分としては、まだ定まらなくていいのかなとも感じています。今までやった中では、稽古の自由度が一番大きいかもしれないです。どうにでも転がせるというか。
――役を作るという意味での自由度が?
はい。カール自身の生活や人物像みたいなものは、あまり脚本に書かれていないので、そこの過ごし方次第で、表に出てくるところがだいぶ変わってきます。そこは、ダレンと「どれを引っこ抜いて、どう演じるかだね」と話しています。
――それをここから3週間ぐらいで作っていく感じですか?
カールがメインで物語が進んでいくわけではないので、サムとモリーの動き方次第で変わってくると思います。
――4人の役の色んな絡みが変わってくるわけですね。公式サイトの動画コメントで、ブロードウェイで『ゴースト』をご覧になって、すごくショーアップされた作品だったけれど、ダレンさんはお芝居として作りたいみたい、と仰ってましたよね。
実際にそうですね。だから難しくて。
――ブロードウェイでご覧になったものとはだいぶ違いますか?
今の段階では違う方向を目指していますが、ブロードウェイ作品の方向性もあって……。難しいです。
――どっちにも行けるみたいな。
どっちにするかはこれからという感じですね。作品全体的にはお芝居っぽく、オリジナルとは全然違うものになっています。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、演出のダレン・ヤップさんとのやりとりや、映画では悪役として描かれたカールをどのように演じるか、現時点で考えていることについて話してくださった内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。7月31日掲載予定のインタビュー「下」では、共演する浦井健治さん、咲妃みゆさん、秋元才加さん、森公美子さんについてや、この1年間で出演した舞台の中から『Indigo Tomato』や『髑髏城の七人』などについて話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。(8月2日と3日には、咲妃みゆさんのインタビューも掲載します)
<有料会員限定部分の小見出し>
■(ダレンさんは)「舞台だからこうしなきゃ」みたいな感覚はゼロでいいと
■「心が通じ合ってる気がするよ、君とは」とダレンが言ってくれて
■カールは、僕の中では今、悪人ではないんです。本番はわかりませんが(笑)
■だんだん「ああやるしかなかったんだな、こいつは」という理由が出てきて
<ミュージカル『ゴースト』>
【東京公演】2018年8月5日(日)~8月31日(金) シアタークリエ
【大阪公演】2018年9月8日(土)~9月10日(月) サンケイホールブリーゼ
【福岡公演】2018年9月15日(土)~9月16日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【愛知公演】2018年9月22日(土)~9月23日(日) 刈谷市総合文化センター アイリス
<公式サイト>
ミュージカル『ゴースト』
http://www.tohostage.com/ghost/
<関連リンク>
平間壮一 アミューズオフィシャルサイト
http://artist.amuse.co.jp/artist/hirama_soichi/
平間壮一 オフィシャルブログ
http://lineblog.me/hirama_soichi/
平間壮一&STAFF Twitter
https://twitter.com/so1_staff
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※平間壮一さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは8月30日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
※ここから有料会員限定部分です。
■(ダレンさんは)「舞台だからこうしなきゃ」みたいな感覚はゼロでいいと
――では、日本ならではの『ゴースト』が生まれつつある?
できているんじゃないかなとは思います。
――映画「ゴースト/ニューヨークの幻」と、ブロードウェイの『ゴースト』をご覧になってみて、特に日本版はここが面白いというところは?
どうでしょう。ダレンに任せている部分もありますが、まず稽古の最初に「舞台だから自分たちが演じる時にこうしなきゃ」みたいな、まるでお客さんたちに覗きこまれているような感覚はゼロでいいよ、そんなに気にしないでと言われました。だから、ちょっとでも「あ! 今、客席にお尻向けた、ダメだ」となると、ダレンはすぐ分かるんですよ。「もっとリアルでいいから。机をよけてこう周りたいと思ったらそれでいいし」と。
――見え方は意識しなくていいということですね。
はい。だから、お客さんを置いていっているわけではなくて、逆にお客さんをよく見て、お客さんが何を感じているかをたくさん見なければと僕は思います。僕も、サムとモリーが一緒にろくろを回すシーンを見ていたりして、家で本当にこうやって過ごしているのかな、と。
――私たち観客が登場人物の生活を垣間見るような感じですね。
はい。見ていてちょっと恥ずかしくなる(笑)。
――(笑)。演じる側としては、そういう風にしていいよと言われることは、これまでのご経験と比べるといかがですか?
僕は、めちゃくちゃありがたいです。「センターでバン!と居て」と言われるのが得意ではないので、逆にやりやすいです(笑)。でもやはり、みなさんは大きい舞台に慣れてらっしゃるから、パワーがすごいんですよ。自分のパワーバランスをうまく合わせられていないなと思う瞬間はたくさんあって、それを本番までにどこまで持っていくのか、探っている感じがあります。
■「心が通じ合ってる気がするよ、君とは」とダレンが言ってくれて
――『RENT』でも海外の演出家と作品を作る経験はおありですが、ダレンさんと作っていて、いかがですか?
やはり、敏感です。日本人は、海外の方は大雑把なのかなと思いがちじゃないですか。だけど、稽古させてもらうと、演技の部分についてとても繊細だなと。例えば、突っ立っていて、何も身振り手振りせずに、心の中だけを若干変えても、ダレンは目を見て分かってくれるんです。「今、流れが変わったね」と。それぐらい見てくれている気がしますし、それが自分的にはありがたいです。誰も気づかないぐらいのことでも、ダレンは見てくれているんだろうなと。
――なるほど。それがダレンさんならではなんですね。
間(ま)とかは、わりと稽古段階では無視しちゃうんですよ。テンポが悪くなってもいいから、思いがこみ上がってくるまでは、次のセリフを言わないようにしようと思うんです。そうすると、自分重視だから変な間は確かにできてしまうんですね。相手の台詞を聞いて、次の思いが出てくるまでちょっと待ってね、みたいな空気が(笑)。それでも、ダレンは全然止めたりしないんです。
――一緒に作られていて、何か印象的な言葉などはありますか?
そうですね……。僕は英語はあまりわかりませんが、「心が通じ合ってる気がするよ、君とは」とダレンは言ってくれて。肩の力が抜けていて良い感じだねと。こんなに楽にやらせてくれるんだと思いました。
■カールは、僕の中では今、悪人ではないんです。本番はわかりませんが(笑)
――カール役について伺いたいのですが、映画を見ると、どう考えても悪人じゃないですか。
それはどうかな?(笑) 僕の中では今、悪人ではないんです。
――それは、ダレンとの共通認識?
はい、いったんその方向で作っています。最終的には、どこに向かうかわかりませんが、自分の中では、悪い人ではないですね。
――じゃあ、映画のカールのイメージを払拭できるという感じですか?
全然違うと思います! (映画では)“悪いよ~”という顔をして出てきますが(笑)。
――最近は、そういう人でも裏側や色んなブレを描いたりしますが、あの頃の映画って、わりとわかりやすく描かれることが多いですよね?
善と悪! ヒーローショーみたいな。
――映画ではわかりやすいエンターテインメントという感じなので、どうするんだろうなと思ったのですが。
そうなんです。「今めざす方向で作るとここが表現できないんだけど」と言うと、ダレンは「変えよう」という感じです。
――ということは、意外と、見ていてカールに気持ちが行く人が……。
このまま行けば、あるかもしれないですね。まだ演出が最後までついていないので、本番はどうなっているかわかりません(笑)。ちょっとこっちでやってみようか、というものも出てくるかもしれませんし。でも皆が思っているのが、じゃあなぜサムとカールが親友だったんだろうねということなんです。映画を見ていると、思うじゃないですか。
――そこは今回の『ゴースト』を見れば、スッキリするかもしれないですね。
でも、カールのお話が描かれているわけではないので、「あの子には何があったのかな」と想像して頂ければと思います。
――平間さんがこれまでやってきた役を考えると、今までとちょっと違う種類の役じゃないですか。今まで、わりと良い人だったり、可愛かったり。
そう、僕も「悪者をやらなきゃ」と緊張していたのですが、いざ台本を読み込んで役を作っていくと、違いましたね。人間的で、良いと悪いが、本当に近くにあった。
■だんだん「ああやるしかなかったんだな、こいつは」という理由が出てきて
――映画の共通認識がある中で、今そういうカールを作っていることを、皆さんがどんな風に仰るのかなと思いますが。
そこなんですよ。そこが今ちょっと悩みどころで。お話を知っていて、さらっと台本をめくると、カールは悪役かと思うのですが、自分でやると思って色々裏を考えると、次第に「ああやるしかなかったんだな、こいつは」という理由が出てきて、そうなると、悪いだけの人ではなくなっていくんですよ。環境がそうさせてしまったということなのですが。でも映画が好きな人には「なんであの人、もっと悪ぶってくれないんだろう」って思わせてしまうんじゃないか、って(笑)。
――演じる側としては、その理由付けができないと作れないですよね。
はい。ですが、そこの作り方次第で、単なる金を稼ぎたかった奴にもできますし、やるしかなかった奴にもできますし、成り上がりたかった奴にもなれる。それが面白いですよね。自分の思うこと次第で、全然変わってしまうから。
――そうやって方向性を広げられる役って、すごいですね。ダレンさんには「こっちで」とは言われていないということですよね。
そうです。もっとカールについていっぱい書かれていたら、だいたいその方向性が決まってきちゃうと思うんです。ポイントでやらなきゃいけないことはもちろんありますが、自由度が大きいですね。
――今、ちょうど稽古場では、森(公美子)さんのすごくソウルフルな歌声が流れてきていますが、これまでは、どちらかというと、そういうショーアップされたシーンに登場される印象が強かったですが、今回はそうじゃないんですね。
汗、かいてないです(笑)。
――平間さんの新境地開拓な役ですね。
本当にそうですね。本当に挑戦だなと、自分では思っています。
――挑戦していていかがですか。お話を聞いていても、楽しそうで、今までにないことを結構仰っているなと。
そうです。悩んでいますが、楽しいです。ついにダレンに「お前は考え過ぎているから、ちょっと休め」と言われました。
――それだけ考えてらっしゃるんですね。
考えているというか、伝わりにくいんですよ。やはり、カールの人間らしいものというか、自分の考えている裏の事情が。歌、芝居、ステージング、様々な方々と作品を作っているなかでいろんな意見があって、「カールって悪者でしょ? なんでそう演じているのかがわからない」となるときも。僕はどっちに行ったらいいんだろうという悩みがあります。
――でも、その悩みを楽しくやってらっしゃることはわかりました。その終着点は舞台でということですね。
自分の中では2通りのシーンが作れて、そのどっちでも、カールの事情を作りました。とことん悪役で突き詰める方向か、人間らしい、親友でもありちゃんと生きている人か。
――どちらになったかを、皆さんお楽しみにということですね。
※平間壮一さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは8月30日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
舞台を観る前にこちらの記事を読ませてもらい、なかなか他では語られてない平間くんとダレンの通じあってる関係性がわかり有難かったです。映画とは少し違うかもしれないと仰ってたカールをどんな風に作っていくのかと興味持ちながら実際舞台観てきました。そしてあらためてこちらの記事を読ませて頂いて平間くんとダレンが作り上げたカールがこういう形になったのか!とその仕上がりの素晴らしさに演技に感動しました。
平間くんがリラックスしてお話されてた感じがして、また取材お願いします!
インタビューの続きが読みたくて会員登録させて頂きました。
舞台では描かれていないカールのバックボーンについて、平間さんの考えを聞くことが出来てとても嬉しいです。演出家のダレンさんともたくさん話し合いを重ね、カールという役が作られたんだなと改めて感じることが出来ました。インタビューを読んで作品に対して考えを深めることで、自分の観劇がより良いものになったと感じています。
素敵な記事をありがとうございました。
平間さんの新境地となる役どころに挑む心境が詳しく伝わってきて、とても読み応えのある素敵なインタビューでした。観るのがますます楽しみになりました。お写真もたくさん、素敵なものばかりでとても嬉しいです。平間さんのカールへの考えはもちろん、なかなか知ることのできない稽古の様子や演出家さんの方針のお話までありすごく興味深く読ませていただきました。内容が詰まったインタビューをありがとうございました。
インタビューの続きが読みたくて会員登録させていただきました。
とても読み応えがあり満足しています。壮ちゃんのカールに対する気持ちを聞けて舞台が更に楽しみになりました。本番はどんな感じになっているのか考えるとワクワクします。素敵なお写真とインタビューありがとうございました。
平間さんのまた新しい挑戦への気持ちをたくさん知ることが出来て嬉しいです。
カールがどのように舞台上で生き抜くのか
とても楽しみです。
きっと日本版でしか作れないGHOSTができるんだろうとワクワクしています。
素敵な記事をありがとうございました。
平間壮一さんのファンとなり 丁度1年です。
こんなに才能溢れた 素敵な俳優さん に 出会えたこと きっかけを作ってくれた 娘にも 感謝です!ゴースト 楽しみにしております。
平間さんのゴーストについてのインタビューを読みたくて登録しました。素敵な記事をありがとうございます。
ゴーストの映画は観た事がありましたが、今回の記事を見て、平間さんがダンレさんと話し合って、舞台、役作り、そしてお客さんに対してもすごく考えて、平間さんが演じるカールをすごく気になって、舞台凄く楽しみにしてます。
読み応えのある記事と素敵な表情のお写真で益々初日の幕が開くのが楽しみになりました。ありがとうございます。
平間さんの仰る通り、映画版では、サムとカールの友情の部分に物足りなさや疑問を感じていました。物語の裏にある関係性や事情のようなもの、カールがどんな人間なのか。どんな方向性になるのか未知ですが、平間さんの考えられた二通りのシーンの両方を観てみたいです。きっとカールのことをもっと知りたいと思わせられるような仕上がりになるのでしょうね。モリーとの関わり方にも期待しています!
こちらの記事を読みたくて登録しましたが、読み応えがあり登録してとても良かったと思っています。
本番どんなカールになっているか今から楽しみですし、GHOSTを観に行くのがますます楽しみになりました!
写真もどれも素敵でした。
ゴーストの初日が待ちきれないです。
ダレンさんとの良い関係性が伝わってきた素敵な記事でした。
壮ちゃんの演じるカールがどんな人物か楽しみです。
(私は悪いカールが見たいです)
もちろん、歌や他のキャストさんもどんな感じなのかワクワクしています。
始まる前からチケットを増やしたくなりました(´∀`; )
カールを悪役にも親友にも持っていくことができると仰る平間さんがどのようにカールを演じられるか、開幕まで待ち遠しいです。ただの悪役だけじゃなく、しっかりと背景や感情が伝わる役が好きなのでとても楽しみです。ダレンさんが役者に表現や解釈に自由度を待たせてることが伝わったので、このキャストでしかできないGHOSTが観れるのではないかと期待が高まりました。写真も記事も素敵です!
すごく考えて役作りしているのが伝わってきました!本番どっちのカールになっているのか楽しみです。
平間さんの記事を読みたくて会員登録しましたが、読み応えがあって登録した良かったと思っています。
まもなくGHOSTも初日を迎えるので、この記事を読んで初日が楽しみになりました。
素敵な写真と記事をありがとうございました。