2018年12月14日（金）から12月17日（月）まで、TBS赤坂ＡＣＴシアターで上演されるTHE CONVOY SHOW vol.36『ONE!』に出演する本田礼生さんにインタビューしました。「上」「下」に分けてお届けします。「上」では、THE CONVOY SHOW vol.36『ONE!』についてのお話のほか、小さいころはどんなお子さんだったのか、上京した時のこと、役者になろうと決意したきっかけなどについて伺いました。

――THE CONVOY SHOWに参加されるのは３作目ですが、本田さんからみた、今感じている魅力をお聞かせください。

THE CONVOY SHOWの、とても素敵なところは、見どころが人によって違うところだと思います。年齢やその人の育った環境、職業によって、全然違うと思うんです。たとえば、前回の『星屑バンプ』だと、若者対おじさんの構図なんですが、多分年齢が僕らより大先輩の大人の方だったら、大人のシーンが見どころだったりするでしょうし、僕らに近い人だと、僕らのシーンに共感するところがあると思います。だから、どこに共感するかによって、作品の見方が全く違ってくると思います。その上で、僕が思う『ONE!』の見どころは、舞台に立つ俳優、表現者として僕が忘れてはいけないことが詰まっている作品だと感じていて。エンターテイナーや表現者は、こうあるべきというところが、僕としては見どころです。みなさんから観たときには、また違うものがあるんじゃないかと思います。そういうところが、THE CONVOY SHOWの魅力だと思います。

――「こうあるべき」とは、具体的に言えることは、ありますか？

僕は上京する前にダンスを趣味でやっていたころがあったんです。で、お祭りのときに「踊ってください」と頼まれることがあったりしました。そういうときは、仕事ではないので、出たいときに出る。やりたいときにやればいい。でも、いまは舞台に立つ事が仕事になっています。本質的なところでは、僕らの職業は絶対にお客さんに観てもらわないと成立しない仕事なんです。それを何年かやらせてもらっていると、忘れることはありませんが、『ONE!』の物語の中であるきっかけでショーをやるんですが、そのきっかけがとても素敵なんです。でもそれって、今の僕にできるのかなと。例えば仕事が重なっていたりとか様々なしがらみのなかで、僕は今、この作品と同じようにできるのかなって、ふと思ったんです。

――今の自分にできるかなと、考えさせられちゃう内容なんですね。

多分、それは舞台に立つ側が思っていることだろうと思います。でも見ている側にも通じるものがあると思うんです。いい意味で、誰にでも共感してもらえる。だから、THE CONVOY SHOWは家族で観に来てもらえると、とても楽しいだろうなって思います。

※アイデアニュース有料会員（月額300円）限定部分には、THE CONVOY SHOW vol.36『ONE!』についてのお話のほか、小さいころはどんなお子さんだったのか、上京した時のこと、役者になろうと決意したきっかけなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。12月11日掲載予定のインタビュー「下」では、ミュージカル『テニスの王子様』出演から、最近のSTAGE COMPANY THE MIX-UP 『TRANS-トランス-』、『GEM CLUBⅡ』出演などについても話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■THE CONVOY SHOWは体力的にきつい。果てしなくきついんです

■オーディションではダントツに下手くそ。でも、世界が変わった

■自分が感動したその気持ちを、色々な人に感じてもらいたいと

■TBS赤坂ACTシアターで「ここに立つまで愛媛に帰らない」って決めた

＜THE CONVOY SHOW vol.36 『ONE！』＞
【東京公演】2018年12月14日（金）～12月17日（月）　赤坂ＡＣＴシアター
http://theconvoyshow-one.com/

＜関連リンク＞
THE CONVOY SHOW
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本田礼生 オフィシャルブログ
https://lineblog.me/hondareo/
本田礼生 Twitter
https://twitter.com/honda_reo

• 「役者のあり方を教わった THE CONVOY SHOW」、本田礼生インタビュー（下） 2018年12月11日
• 「間口が広い」、THE CONVOY SHOW vol.36『ONE!』本田礼生インタビュー（上） 2018年12月10日
• THE CONVOY SHOW vol.36『ONE！』、オリジナルメンバー6人と若手5人で上演 2018年12月4日

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• 「自分の中にないものは出ない。視野を広げなければ」、蒼木陣インタビュー（下） 2021年8月19日
• 2019年以前の有料会員登録のきっかけ 2020年8月18日
• 「役者のあり方を教わった THE CONVOY SHOW」、本田礼生インタビュー（下） 2018年12月11日

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※本田礼生さんのサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは1月10日（木）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

※ここから有料会員限定部分です。

■THE CONVOY SHOWは体力的にきつい。果てしなくきついんです

――たとえば、お父さんやお母さん、子どもによって解釈や反応するところが違うだろうということですか。

絶対違うと思います。作品を観たあとに、お父さんやお母さんは、子供にはまだ分からないだろうなと思いながら話すこともあるだろうし、実は僕らにも分からないことがあるんですよ。でも、若い人にしか分からないこともある。それが一番楽しいところなんじゃないかと。誰が観てもいい。間口がとても広いです。

――若い方が加わって、いっそう間口が広くなりましたね。

今回に限らず、僕らが入ってからのTHE CONVOY SHOWは、若者とベテランさんが一緒にやっているので、そこが魅力だと思うんですよね。

――世代を超えて、それぞれの立場から。

そうですね。

――THE CONVOY SHOWに参加して２年経ちましたが、参加してから一番印象に残っているものや手応え、変化などはありますか？　心に響いたことでも。

THE CONVOY SHOWって体力的に本当にきついんです。若い僕らですら、きつい。とにかく果てしなくきついんです。それは稽古のときからです。他の舞台ではベテランとして活躍する方々が、毎日、アップを一時間以上して、身体を痛めつけるくらい動かして、筋肉痛になって、僕らと一緒に汗をかいている姿をみると、この姿を忘れちゃいけないって思います。自分が60歳になったとき、絶対に覚えているのだろうと思いながら、前回作の『星屑バンプ』は各地を回っていました。10年後に僕が40歳手前になったとき、「10年経ったのにまだあの時の年齢に追いついていないのか」って思うだろうと。それが参加できた一番の宝です。

――先輩方が前に進んでいく姿というか。

はい。その姿を見て、一緒に稽古していると、演劇に対しての姿勢だったり、技術的なところはもちろん、ダンスや歌、芝居も成長できたと自分自身でも感じます。本当に感謝しています。みなさんの演劇に対する真摯な姿勢。それは忘れたくないです。

――逆に同世代で、そういう話をしたりしますか？

僕はすごく仲がいい人って多くなくて、片手で数えられるくらいなんです。でもそういう人とは、話しますね。観にきてくれるし、どういう役者になりたいのかという話とかたくさんします。

――たとえば彼らが観て、なにか覚えている言葉はありますか？

純粋に、「羨ましい」と言われましたね。コンボイに関しては、僕も自分が出ているから観てというよりは、この作品は役者として絶対観た方がいいから、絶対観てほしいと思っています。作品を観てほしい。そう言える作品に出会えることは、とても素晴らしいことだと思います。

――THE CONVOY SHOWは自信をもって観に来てほしいと役者仲間を呼べる？

はい、そうですね。

――作品について、なにか持って帰ってもらえれば……。

僕に対する話というより、作品について話すことが多いです。もし逆の立場だったら、絶対に嫉妬しますし。

――自分がそこに立ちたかったと？

「悔しい！」って。でも、役者仲間の「悔しい」とか「嫉妬する」って、最高の褒め言葉だと思うんです。その悔しそうな顔を見て、自分はニコニコしています。「いいでしょ？この舞台」って。と（笑）。そう言えるのが、うれしいです。

■オーディションではダントツに下手くそ。でも、世界が変わった

――なるほど。そうすると、２年前にオーディションを受けた、当時の自分に「よく受けたな」と思われるでしょう？

いや～。本当によく受けたなと思います。僕は、ジャズダンスやタップダンスは、一切やったことがなく、運動神経と、ストリートで培ってきたものしかなかったので、オーディションの中でもダントツに下手くそでした。とはいえ、ストリートでダンスはやっていましたから、やったことがないジャンルでも、振り付けがあれば出来るだろうと思っていたんです。でも、それがものの見事に打ち砕かれて、まったく出来なかった。そういう経験は、今までで初めてでした。その印象がとても強い。

――本田さんご自身のことを伺いたいのですが、小さいころは、どんなお子さんでしたか？

僕は男三兄弟の末っ子なんです。上ふたりは年子で、僕だけ5、6歳離れているので、甘えん坊でしたね。僕は、長男に育てられたという感じです。ずっと背中におんぶされていた記憶があります。

――ご出身はどちらですか？

愛媛県です。

――私、岡山に住んでいたことがあるんですが、あの辺りいいところですよね。

近いですね！　僕、母親が岡山なんですよ。あの辺りが日本で一番いいところだと思います（笑）。

――食べ物もおいしいし、気候もいい（笑）。

完璧です。本当に素敵なところです。

――娯楽がそんなに多くないじゃないですか。

そうですね、だから、運動ばかりしていました。運動神経だけは、昔からよかったんです。

――何の運動をしていたんですか？

しっかりとやったのは、柔道とサッカー、ダンスですが、趣味でテニスや卓球をやったり、陸上クラブに入ったり。自分で言うのもなんですが（笑）、運動は何でも出来る。ただ、水泳だけは出来なかったです。水が苦手で。

――その中でダンスをやり始めたのは？

10歳か、11歳くらいのときです。一番上の兄が、先輩からブレイクダンスの講座ビデオを借りてもっていて。兄弟みんな仲がよくて、兄が観ていたら、それをみんなで観るという感じだったんですね。それを遊びで真似していて、少しずつ出来るようになってきて、「大会に出てみようか」となって出てみたら、自分たちが意外に踊れていることを知って、どんどんやるようになりました。

■自分が感動したその気持ちを、色々な人に感じてもらいたいと

――それが愛媛のときで、東京に出てきたのは、いつごろですか？

上京したのは、18、19歳のころですね。

――じゃあ、ダンスを始めて7、8年は愛媛で大会に出たりしていたんですね。

そうですね。

――上京すると、結構環境が変わるじゃないですか。その中でホームシックになるとかは？

上京して最初の１ヶ月で実家に帰りました。兄に「何やってるの？」って言われました（笑）。４日間くらい実家にいましたね。

――それは本気で帰るんじゃなくて、家族に会いに帰った。

上京してすぐに、インフルエンザになっちゃったんですよ。2週間くらい寝込んでしまって。もう、それで心が折れちゃって（笑）。とりあえず1回帰ろう！と帰りました。

――なるほど。愛媛から出てきて、何を目指したり、目標にしていたんですか？

目標はもちろん“役者になる”でした。そもそも上京した目的がそれでしたから。

――役者を目指したのはいつですか？

上京前です。東京でお芝居を観たんですが、そのときに自分が感動したその気持ちを、自分が色々な人に感じてもらいたいと思ったんです。それは、今でも変わっていません。

――たとえば、ダンスをやっていたときは、自分が楽しくてやっていたということですか？

そうですね。強くなるために、上手くなるために。

――自分本位として。

そう、自分がうまくなりたいという自分本位。

――それが「人に届けたい」という意識の変化に変わって、仕事としてやっていきたいという風に変わったんですね。

■TBS赤坂ACTシアターで「ここに立つまで愛媛に帰らない」って決めた

そして、もうひとつのモチベーションになったのが、赤坂ACTシアターという劇場です。僕にとってはすごく思いの強い劇場なんです。いわゆる大きな劇場で始めて観たのが、TBS赤坂ACTシアターだったんです。観劇した帰りに「この劇場の舞台に立つまでは、愛媛に帰らない」って決めたんです。兄にも「あそこに立つまで帰らない」って宣言しました。

――それは、ちょっとした帰省も帰らないということですか？

帰省はする（笑）。

――それは、する（笑）。

スカウトされたわけでもない自分が愛媛から上京して、そのときは役者で生きていけるとは、正直思っていなくて。いい舞台に出られたらいいなとは思っていました。ダメだったら愛媛に帰っても就職はできるだろうし、いつか帰るんだろうと思っていたんです。それが、ACTで観たときに「絶対にACTに立つ」って思ったんです。そしてそのちょうど１年後に、舞台『タンブリング』vol.4で、ACTに立つことが出来ました。もしかしたら、それが僕の役者としての一番の転機だったのかもしれないです。舞台に立てて、少ないながらも台詞があって、「今、俺、ACTでやっているんだ」と心に来るものがあって。それで、「次はメインで立つ！」と思ったんです。

――そのステップを踏んでという感じですね。

うれしいことに、今回の舞台もACTシアターです。僕が最初にTHE CONVOY SHOWに参加した『asiapan』もACTシアターでした。あの時の気持ちは絶対に忘れないですね。今後、他の公演でACTに帰ってきたときも、ここを夢みていたんだなと思うんでしょうね。だから、TBS赤坂ACTシアターは多分、一生当たり前にはならない劇場です。

――特別な劇場なんですね。

はじめて観にいったとき、劇場を出てから20分くらい、劇場を見つめていました。「絶対、ここに立つんだ！」と思いながら。

＜THE CONVOY SHOW vol.36 『ONE！』＞
【東京公演】2018年12月14日（金）～12月17日（月）　TBS赤坂ＡＣＴシアター
http://theconvoyshow-one.com/

＜関連リンク＞
THE CONVOY SHOW
http://theconvoyshow.com/
本田礼生 オフィシャルブログ
https://lineblog.me/hondareo/
本田礼生 Twitter
https://twitter.com/honda_reo

• 「役者のあり方を教わった THE CONVOY SHOW」、本田礼生インタビュー（下） 2018年12月11日
• 「間口が広い」、THE CONVOY SHOW vol.36『ONE!』本田礼生インタビュー（上） 2018年12月10日
• THE CONVOY SHOW vol.36『ONE！』、オリジナルメンバー6人と若手5人で上演 2018年12月4日

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• 「自分の中にないものは出ない。視野を広げなければ」、蒼木陣インタビュー（下） 2021年8月19日
• 2019年以前の有料会員登録のきっかけ 2020年8月18日
• 「役者のあり方を教わった THE CONVOY SHOW」、本田礼生インタビュー（下） 2018年12月11日

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