明けまして、おめでとうございます。2019年最初の記事は、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』に出演する小西遼生さんのインタビューです。2019年1月5日(土)に東京芸術劇場プレイハウスで開幕するこの作品の稽古場を、2018年12月上旬に訪ねてインタビューしました。(上)(下)に分けてお届けします。今までにないミュージカルというこの作品の見どころ、小西さんが演じるアナトール役について、共演者の印象などを伺いました。インタビュー(下)では、2018年に出演した『戯伝写楽2018』『生きる』などを振り返ってのお話を掲載します。
――稽古に参加されて2週間ぐらいとのことですが、作品の印象はいかがですか?
まず一度最後の方まで大枠を作っている段階ですが、今の時点でも新しい舞台だと感じますね。稽古場にセットが組まれたのが12月頭頃ですが、ステージ自体がとても特殊な形をしているんです。奥行きがあって、客席が埋め込まれた状態のステージ。ブロードウェイ版もそういう作りなんですが、やはり稽古場に作られるのを見ると、客席から舞台を見る単一方向性の作品とは全然違う雰囲気です。僕ら役者は360℃意識しなければいけない作品でもありますし、場面が抽象的になっているので、おそらく照明が入るとまた変わると思いますが、感覚的に新しくて、慣れるのに時間がかかるなと感じています。
――観客が入るとさらに印象が変わるかもしれませんね。
そもそもお客様が入らないと、完成しない作品ですね。全体像をイメージはしていますが、実際完成するのはお客様が入ってから。さらに、歌だけで綴られている作品です。『レ・ミゼラブル』など歌だけで構成されている作品はありますが、レミのようにリフレインが多用されているものでもないんです。EDMとの融合が、斬新だけど表現する側も聴く側も慣れるまではなかなか難しい気がします。多分日本では観たことがないような新しいエンターテイメント性のある舞台になると思います。
――普段目にしない要素が集まっているから新しいんですね。舞台構造だけでも新しいですが、音楽なども全部含めて。
特に、日本のミュージカルを観にくるお客様はあまり馴染みのない世界観なんじゃないかと思います。全体的な音楽のテイストには、かなりクラブミュージックが融合されているんです。特に狂想的な部分はかなり個性的な打ち込みが使われていたり、ずっとフラッシュが光っているような、薄暗いクラブの中のようなところで流れている音楽というイメージ。けれど、音階や曲はオペラだったりするんですよね。何世紀も前からあるオペラと、現代的な現代クラブミュージックの融合。それがこの作品の原作である「戦争と平和」のテーマとも重なって意味をなす。両極の対比によって「愛」とは、「生きる」とはと言った主題を感じることが出来るんです。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、小西さんが演じるアナトール役について、小西さんがどのように役を作ろうとしているのかなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。1月2日(水)掲載予定のインタビュー「下」では、2018年に出演した『戯伝写楽2018』や『生きる』についても話していただいたインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■こう表現していいのかわかりませんが、昼ドラみたいな感じなんですよ(笑)
■全部歌なので、感情を歌に出す。「なんてハンサムな人」っていう歌詞が…
■アナトールは「結婚してる」って言われても、「好きなんだもん!」って(笑)
■単純な役だから楽ということはなくて、「こう生きよう」という選択肢は全部平等
<『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』>
【東京公演】2019年1月5日(土)~1月27日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
<公式サイト>
https://www.tohostage.com/thegreatcomet/
<関連リンク>
小西遼生 オフィシャルサイト
https://konishiryosei.com
小西遼生 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/ryosei-konishi/
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■こう表現していいのかわかりませんが、昼ドラみたいな感じなんですよ(笑)
――その新しい構造と音楽で描く物語は、トルストイ原作の『戦争と平和』ということですが。
『戦争と平和』と考えると難しいイメージがありますが、今作の粗筋は結構シンプルです。一番主題になっている部分は「生きる」とか「愛」とか、深いテーマですが、お話の筋は考えようによっては、とても若い感情の物語というか。こう表現していいのかわかりませんが、昼ドラみたいな感じなんですよ(笑)。
――なるほど(笑)。
皆、お互い既婚者やフィアンセがいるという立場があるのに、違う人に惚れてしまったりとか、僕の妹役のエレンなんて、男狂いの悪女。男をとっかえひっかえ漁ってるけれど、ピエールという男の嫁なんです。時代的なバックグラウンドを無視していうと、情に溺れている人たち(笑)。情や欲に溺れている人たちや、真実の愛をまだ知らずに生きている人たちの物語です。ヒロインのナターシャは純真で自由な女の子で、まだ世の中をそんなに知らなくて、恋愛的な感情でいうと、とても若い感情の持ち主。アンドレイというフィアンセが旅にでていて、1年間くらい離れ離れになっているんです。アンドレイのことを愛しているんですが、やはり1年も離れていると不安になる。不安になるというかボヤける。愛情を注ぎたい相手がそばにいないわけじゃないですか。感情を若い子がもてあましている。
■全部歌なので、感情を歌に出す。「なんてハンサムな人」っていう歌詞が…
――特に若い人の1年は長いですもんね。
大人の世界をまだ知らない子で、社交界に出るシーンがありますが、オペラを初めて観に行ったときに一目惚れするんです。彼女が好きになってしまう相手が、僕が演じるアナトールです。今回全編歌なので、心の声も全部歌になるんですが、アナトールはとても魅力的で感じもよくて、愛想もいいし、笑顔も素敵で、パッと見ると「なんてハンサムな人」っていう歌詞が出てくるんです。結局そういう表層的なところに惚れてしまうのはある意味若さですよね(笑)。
――外見ということですかね(笑)。
アナトールは女と酒が全てのどうしようもない男なので、引っかかってはいけない男に簡単に引っかかっちゃてる女の子なんです(笑)。
――動画のコメントでもご自身の役について「快楽主義」と話していましたね。その外見的なことなんて小西さんにぴったりの役なんじゃないかって(笑)。
失礼な話ですけどね(笑)。
――もちろん内面は置いておいて、皆がコロッといっちゃうイメージが(笑)。たとえば、この間のミュージカル『生きる』だったら外見がどうのという役ではなく、内面ですよね。
『生きる』の小説家は、渡辺に出会うまで、くすぶったまま酒や睡眠薬に逃げて、いい加減に生きていた男なので、共通する部分もあるんですが、作品自体も、どちらも「生きる」というところで繋がっているなとは思います。
■アナトールは「結婚してる」って言われても、「好きなんだもん!」って(笑)
――その中で、今回演じるアナトール役は、どう感じていますか?
『戦争と平和』という作品自体には主に4つの貴族の家が出てくるんですが、その内のひとつのクラーギン家の男。最も品のない一族で、アナトールはとにかく女と酒が大好きなプレイボーイ。貴族の家に生まれているけど、いわゆる私財的なものは女と酒に使っちゃうし、今回の舞台では妹しか出てこないですが、兄がいて次男なので、家も継がなくていいから自由奔放に生きられる。だから、自分の感情に赴くままに生きているというか。フィアンセがいるにも関わらず、絶世の美女であるナターシャを自分のものにしようとする。自分も結婚しているのに。この時代のこの国は既婚者がほかの女の子に手を出してしまうと、かなり重刑になるらしいんですが、そんなことも考えられないくらい、まっすぐになってしまっている(笑)。自分の欲しい物は何でもすぐに手に入れたいタイプですね。
――なるほど。
今作の中では特に享楽的な役です。冒頭で皆のキャラクターを一言で紹介する曲があるんです。ナターシャは自由な子、ソーニャはいい子、マーリャは豪快とか。アナトールは「ホット」なんですよ。英語では「セクシー」の様な意味があるんですが、多分ちょっと卑猥な意味で、「性的魅力」があるというか。でも本人は結構単純な奴で、自分が行きたいと思ったら、「お前、結婚してるだろ」って周りに言われるのに、「好きなんだもん!」って行ってしまう(笑)。駆け落ちなんかしたら、大変なことだと思うんですが、誘拐しようとするし、ナターシャを連れ出して国を去ろうとするし、自由な男というか、いろんな意味でホットな男です(笑)。
■単純な役だから楽ということはなくて、「こう生きよう」という選択肢は全部平等
――小西さんご自身は、物語の構造、背景、音楽、役など、いつも色々と深く調べたり考えたりされるじゃないですか。これまで色々な役を演じられていますが、そういう単純な男を演じるというのは、どういう感覚ですか?
あまり変わらないですけれどね。全体像をまず最初に見て、自分の役を決めるので、こういう役割で作品の歯車という風に考えているので、単純だから楽ということはあまりなくて、「こういう風に役を作っていこう」「こういう風に生きよう」という選択肢は、感覚的に全部平等かな。でも単純な人間の役はやっていて楽しいことは多いです。『フランケンシュタイン』みたいな作品、役は、苦しいし、悲しい思いをしなくちゃいけないじゃないですか。そういう意味でいうと、悲しい思いはあまりしないので。その分周りが悲しい思いをしちゃいますが(笑)。
これまでに僕がやった役では、たとえば『ダブリンの鐘つきカビ人間』の戦士。バカな青春を謳歌する高校生みたいというか、「思う気持ちを全部口に出して大きな声で言ってます」みたいなタイプ(笑)。アナトールはどこが悪いかというと、若い女を騙すことになるし、相手にフィアンセがいるということも分かっているのに、それでも相手は自分に惚れるという自信があるその自己愛の強さ。というか、自分に惚れない女はいないって思ってるかな(笑)。そういう役柄を1曲の中で見せないといけないので、そういう部分は難しいけどおもしろいですよね。
※小西遼生さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2月1日(金)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
素敵なお写真とインタビューでとても感激いたしました!!
小西さんの思いなどが知れて嬉しかったです♪
観劇して、アナトールの魅力にとりつかれてここに辿り着きました(笑)
貴重なお話とお写真、ありがとうございました!
サイン色紙とお写真、当たりますように…!
とても丁寧なインタビューと、素敵な写真をありがとうございます!
(白紙で観たかったので)観劇後に読ませていただいたのですが、
舞台を思い返しながら、うんうんと頷くことばかりでした。
そして改めて舞台の厚みみたいなものを感じました。
また、素敵な記事をお願いします!
中々舞台に対する気持ち、思いなど聞くことがないので、嬉しいです。
すてきな記事と写真をありがとうございます!
アナトール役と知ったときは、あのクズ男役を小西さんが!?と少し不安を感じましたが今はものすごく楽しみになりました。期待しかありません♪♪
後半の記事も楽しみにしております。
素敵な写真とインタビューありがとうございますo(^▽^)o
観劇がより一層楽しみになりました!
今回も素敵な写真とインタビュー記事、ありがとうございます♪
小西くんの言葉に益々楽しみに♪
コメットシートでの観劇もあるのでそちらもドキドキです!
オペラとクラブミュージックの融合、どんな世界が待っているんだろう…
インタビュー後編も楽しみにしてます!
いつも楽しく、嬉しく飲ませていただいてます。
グレート コメット…益々楽しみになりました(*^^*)
お写真も、やっぱりステキ♥
ワクワクを頂きまして、
ありがとうございます。
いつも小西さんの記事を書いて下さりありがとうございます。2019年は小西さんからスタート!と言うのが、ファンの私はとても嬉しいです。グレートコメット、観劇しますが、インタビューからどんな役作りをしているのかな、とかこんな風に舞台のことを考えているんだ…!と、改めて小西さんのことが大好きになりました。いつもideanewsさん、ありがとうございます。今年もたくさん小西さんを取り上げてくださいね。楽しみにしています。
いつも楽しく拝見しています!
読み応えのあるインタビューと素敵なお写真ありがとうございました。
後編も楽しみにしております!
いつもの楽しく読ませていただいています。岩村さんのインタビューはかゆいとこに手が届くみたいな(^^;読んでいてすごく引かれます。お写真もいつも素敵です。(下)も楽しみです。
いつも楽しく拝見しています。
岩村さんのお写真、インタビューともに、
いつも お相手の表層だけでなく内面をうかがわせる内容でとても好きです。
今後も楽しみにしています(^^)
クラブミュージックと古典作品が融合して、そこに観客が入り混じり、生と死、愛と情熱が渦巻く、なんだかグラングランするような、面白そうな舞台になりそうですね。
小説で「ならず者」と表現されている、魅惑的でどうしようもないアナトールを小西さんが演じられるのが、楽しみでなりません。
明日のインタビューの続きも楽しみ♪
元旦から、岩村さんによるお写真とインタビューで小西さんの記事が拝見出来てとても嬉しいです。
後編も楽しみにしております。
ステキな写真はもちろんですが、インタビューが面白い。小西さんの舞台や役への入り方や考え方まで突っ込んで下さるので、とても面白いです。想像が広がります。
グレコメ、あまり肩肘張らずに楽しみたいですね。音楽も楽しみ♪
あ、といってもやはり写真も素敵です。
後半のインタビューも楽しみです。
いつも素敵な記事にお写真、ありがとうございます。楽しみでしかたない作品です。
小西さんのアナトール、めちゃくちゃ楽しみです。
記事も読み応えありますが、岩村さんの撮られた写真もどれもステキですね
もうほんとに分かりやすいダメなイケメン役みたいで、ありそうで今までされていなかった役柄ですよね。
どうしたらこんなに育っちゃうのかねぇっていう、ホットなアナトールが楽しみです。
後半の記事も楽しみにしています
いつも素晴らしい記事とお写真ありがとうございます‼小西さん大好きです!!これからもよろしくお願いします。
声や姿をカタチにするというのは
両側の雰囲気を纏うと思うんです。
小西さんのインタビューを
岩村さんが というのは私にとって
好きが好きに包まれてるようで
読めることがいつも嬉しいです。
明日も楽しみにしています(^^)
新年早々 小西さんのインタビューが読めてとても嬉しいです。ますますグレコメ観劇が楽しみになりました!明日も楽しみにしています。