ミュージカル『エリザベート』が2019年6月7日（金）から8月26日（月）まで、帝国劇場で上演されます。ルドルフ役ではじめて出演する三浦涼介さんに、4月下旬にインタビューしました（京本大我さんと木村達成さんとトリプルキャスト）。作品、役に取り組んでいて思うこと、大作ミュージカルに１年取り組んで思うことなどを伺いました。

――『エリザベート』の稽古がはじまって、感触はいかがですか？

ここ１年間ミュージカルという世界に身を置かせていただいて、『1789-バスティーユの恋人たち-』（以下『1789』）から考えると、いろいろな経験をさせてもらった１年間でした。やはり何が一番好きかというと、最初に稽古場に入った時の雰囲気や空気感。それは、先輩方や同世代の仲間たちが作りあげるもので、その一番最初の段階が稽古場というところです。１年間を思い返すと、いろいろな稽古場があったと思うんです。どこも素敵でしたし、どこも楽しかった。ミュージカルの世界で、そして小池修一郎先生のもとで、今回また１年ぶりに帝劇（帝国劇場）に帰ってこさせていただいて、またこの稽古場に入るという感覚が、やはり「１年経ったな」という感じがすごくしたんですよね。

――ちょうど１年前に帝国劇場に立っていましたね。

この稽古場がオーディションの場所でもありましたし、お稽古から東京公演本番まで、半年間この場所にお世話になりましたが、やはりそういうものに驚かなくなってきたというか。どうしても初めての場所や初めて共演する方、初めてお仕事させていただくスタッフさんと出会うこと、まずそこが越えられないというのが、毎回毎回お仕事をするたびに、僕にとっては大きな壁だったんです。でも、そういったことがこの１年間で、色んな経験をさせてもらったんだと、お稽古に入って感じています。ゼロからというよりも、それを経て『エリザベート』のステージに向かっていると、初日からなんとなく感じています。

――１年分積み上げたものが、自分の足場にあるということですよね。『1789』の製作発表のときに、すごく初々しい挨拶をされていたのを思い出しました（笑）。

（爆笑）。

――あのとき「母から30歳迄に帝国劇場に立ってほしいと言われていた」と話していましたよね。すごく印象に残っています。

そうでしたね（笑）。もちろん歴史ある場所ですし、そこに立てることへの感謝は変わらないですが、自分の中でどうしても先に進めなかった部分があったんです。もうちょっと早めにこの段階までいけていたら、もうちょっと違う形で本番を迎えられたんじゃないかとか、もうちょっと１歩先に行けたまま千秋楽を迎えられたんじゃないかと、すごく考える日々でした。特に、やはりお稽古場に入った瞬間に、稽古場での１時間でも、30分でも、10分でも、すごく大事な時間なんだなと感じるので、今、前向きにお稽古に取り組めています。

※アイデアニュース有料会員（月額300円）限定部分には、『エリザベート』という作品について、またルドルフという役について、どのように思っているかなどについて伺ったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。6月7日（金）掲載予定のインタビュー「下」には、『エリザベート』の楽曲に取り組んでいての手応え、『ロミオ＆ジュリエット』を終えての思いなどについて伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■僕にとっては初演、これがベストという仕事の仕方が出来たら

■ルドルフの生き様を、その20分でどこまで見せられるか、伝えられるか

■課題をどう自分が越えていけるか、純粋に進んでいくことが近道

■（役のイメージが自分に似ているならば）それを上手く使わない手はない

＜ミュージカル『エリザベート』＞
【東京公演】2019年6月7日（金）～8月26日（月）　帝国劇場
公式サイト
https://www.tohostage.com/elisabeth/

＜関連リンク＞
三浦涼介公式サイト
https://miura-ryosuke.com
三浦涼介 オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/3ura-ryosuke/
三浦涼介 オフィシャルinstagram
https://www.instagram.com/ryosuke.miura216/
三浦涼介 Twitter
https://twitter.com/ryosukemiura216

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※三浦涼介さんのサイン色紙と写真１カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは7月6日（土）です。（このプレゼントの募集は終了しました）有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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■僕にとっては初演、これがベストという仕事の仕方が出来たら

――大きい作品に取り組む方法論的なものも、入ってきた感覚ですか？

それはあるかもしれませんね。やはり指導していただいた方がたくさんいますから、すごく自分のためにもなってきています。それが活かされているか明確には分かりませんが、自分の中で段階として踏ませていただけていますし、それが少しずつ塊になってきているのかなという感触はあります。

――『エリザベート』という作品は知っていましたか？　最初にルドルフ役をと聞いて、どう感じましたか？

光栄なことに、小池先生が「ルドルフを涼介にやらせたい」と、はやい段階から言ってくださっていたみたいなんです。『エリザベート』という名前はもちろん知っていましたが、内容や作品は全く触れていなくて、帝国劇場で長い間この作品が愛されて、続いているのはすごいことだなと思っていました。でも、それは『1789』に出演させていただいたときもそうですし、るろ剣（『るろうに剣心』）やロミジュリ（『ロミオ＆ジュリエット』）も、どんな仕事もそうですが、過去がどうだったとか、初演がどうとか、というのは、正直よく分からないんです。３作品とも初演ではなかったので。

――そうでしたね。すべて再演作品でしたね。

だから、分からないということを自分の中でよしとして学んでいくという作業が、割と毎回仕事のスタンスだったりしますね。それこそ初演に出演していて、再演に出演しますというのは、もしかしたら僕にはその感覚はないのかもしれないです。初演で出させてもらって、再演となったときには、もうきっと……。

――「次に進みたい」みたいな？

そうなんです。だから、割と皆さんにとっては再演でも、僕にとっては初演で、これがベストですという仕事の仕方が出来たらいいなと毎回思っています。

■ルドルフの生き様を、その20分でどこまで見せられるか、伝えられるか

――ルドルフ役に取り組み始めて、役についてはどう思っていますか？

今お芝居の稽古はまだやっていなくて、歌の稽古だけなのでこれからなのですが、時代が大きく進む中の大きな出来事として、彼があの若さでいなくなってしまったことが歴史として残っていく、その存在というものが、彼がその若さで一生分を生きたんだなと。50年、60年、70年ではなく、彼がその短い時間の中で一生懸命に生きたという様が、この『エリザベート』という作品のルドルフが登場する20分くらいに現れているのかなと。

――ルドルフの出番はそのくらいに凝縮されていますね。

やっぱりそこなんだなと思うんです。どこを調べても、（その死については）謎に終わっていることしかわからないので。キャラクター像というものを僕がどういう風に捉えて、短い時間で皆さんと関わって、感触としてどう捉えていけるのかがすごく楽しみですし、母に対しての思いや愛情を理解されず、突っ返された部分、その感覚というものが、どれだけ辛くて、どれだけ厳しい世界で生きてきたか。ルドルフの……何て言うんですかね。寂しさというより生き様を、その20分でどこまで見せられるか、伝えられるかを大切にできたらいいなと思います。

■課題をどう自分が越えていけるか、純粋に進んでいくことが近道

――『エリザベート』は、ほとんどが歌で物語が進む作品ですが、そのルドルフに近づけるために、どこから取り組むんですか？

それこそ台詞がないんですよね。どの方がやっても「ルドルフってこうだ」というイメージというものがあって、それこそベンヴォーリオ役をやったときもそうでしたが、やはりイメージが先に立ってしまうので、そこがすごく越えられない壁だったりするんだろうなって。それをあえて飛び越えるつもりはないですし、突拍子もないことをもってこようとは、もちろん思っていませんが、今回ルドルフ役が３人いて、同じことをやっても多分全然違うものに見えるというのが小池先生の感覚だと思うんです。そもそも僕自身が、本格的にミュージカルをやろうと思ったこの１年の中で出来たものに加えて、さらに課題が山積みになると思うんです。それをどう自分が越えていけるか、前に進んでいけるか。そういうところに思いを置いて、純粋に進んでいくことが近道なのかなと思います。

――真面目に、真摯に、着実にという感じですか？

そうですね。それは本当にこの１年で学んだなと思います。

■（役のイメージが自分に似ているならば）それを上手く使わない手はない

――先日、古川（雄大）さんを取材させて頂いて、３人のルドルフの印象を伺ったら、一番ハマり役になりそうなのは三浦さんだと思うとおっしゃっていて。

そうなんですか！

――多分、観客の皆さんもそう思っていると思うんです。

そうなんですか？

――おそらく（笑）。ご自身では、そう思うことはありますか？

もしかしたら、自分とかけ離れているような、それこそ仕事としては、ベンヴォーリオみたいなやったことのない役だと、そのハードルが高ければ高いほど、“やっている感”で進めるんです。辛いと思いつつも楽しめる。今回は（役のイメージが自分に）似ているがゆえに、どう演じて、どう進もうかと、稽古期間中にさらっと、でも一生懸命にやれちゃう気がする。

――なるほど。ご自身でも遠くはないと。

遠くはないんですよね。だけど、それもやはり僕に対してのイメージがそうなのであれば、それを上手く使わない手はないですけどね（笑）。

――くつがえすんじゃなくて、上手く利用するんですね。先程も、もうこのままルドルフだなって思いながら撮影しました（笑）。

そうでしたか（笑）！

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