宝塚歌劇月組の梅田芸術劇場メインホール公演、ブロードウェイ・ミュージカル『ON THE TOWN』(オン・ザ・タウン)が2019年7月27日(土)、開幕しました。1944年にブロードウェイで初演されたこの作品は、レナード・バーンスタイン作曲の美しい音楽と、ジェローム・ロビンス振付による圧巻のダンスシーンで話題をよび、1949年にはジーン・ケリー主演の映画版『踊る大紐育』が大ヒット。2014年にはブロードウェイでリバイバル上演され、トニー賞作品賞を含む4部門にノミネートされました。今回は、野口幸作さん潤色・演出で宝塚版として2019年1月に東京国際フォーラムで上演。さらに梅田芸術劇場メインホール公演ではフィナーレの新場面や客席降りの演出が追加されました。開幕前日の2019年7月26日に行われた舞台稽古を取材・撮影しましたのでご紹介します(当日の役替わりは「A」パターンでした)。
海軍水兵のゲイビーは、地下鉄のポスターに写っている“ミス・サブウェイ”のアイヴィ・スミスに一目惚れ。仲間のオジー、チップと共にアイヴィ探しを始めます。その道中、オジーは人類学者のクレアと、チップはタクシードライバーのヒルディと出会いますが、ゲイビーはアイヴィをなかなか見つけることができず……。
主人公のゲイビー役を演じる珠城りょう(たまき・りょう)さんは、一目惚れした女の子に一途な想いを寄せる誠実な青年を好演。はしゃいだり、恋焦がれたり、落ち込んだりと、いろいろな表情を見せ、どうにかならないかと、オジーやチップと同様に、応援したくなります。特に、アイヴィに早く会いたいと歌うシーンでは、彼女への愛が溢れ出る優しげな表情がとても印象的でした。最後のフィナーレで登場するビシッとした軍服姿の珠城さんは、ため息が漏れてしまうほどカッコイイので、ぜひお楽しみに!
“ミス・サブウェイ”のアイヴィ役を演じるのは、『ON THE TOWN』東京国際フォーラム公演が月組のトップ娘役としてのお披露目公演となった美園さくら(みその・さくら)さん。周囲のイメージを裏切らないように影で努力している健気な女の子を演じます。歌のレッスンでは、三点倒立をしながら歌うシーンもありました。2019年3月からの『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-/クルンテープ 天使の都』で宝塚大劇場・東京宝塚劇場でのトップ娘役お披露目公演を終えた美園さん。珠城さんとの新トップコンビのさらなる活躍が楽しみです。
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<有料会員限定部分の小見出し>
■ワイルドな水兵役の鳳月杏さん。「またいつか」と歌い上げる表情は切なく
■自由奔放な人類学者役の夢奈瑠音さん。英真なおきさん演じる婚約者を翻弄
■母性本能をくすぐる水兵役の暁千星さん。時折見せる男らしい姿に胸キュン
■ドライバー役の白雪さち花さんと歌唱教師役の夏月都さんは、圧巻の歌声
■フィナーレでは、鳳月杏さんが中心の場面や、客席降りの演出が登場
<宝塚歌劇 月組 梅田芸術劇場メインホール公演 ブロードウェイ・ミュージカル『ON THE TOWN』』 >
【大阪公演】2019年7月27日(土)~8月12日(月) 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://www.umegei.com/onthetown/
<役変わり>(AパターンとBパターン)
ヒルディ・エスターハージー【タクシードライバー】(A)白雪さち花/(B)夢奈瑠音
クレア・デ・ルーン【人類学者】(A)夢奈瑠音/(B)海乃美月
ルーシー・シュミーラー【ヒルディのルームメイト】(A)海乃美月/(B)白雪さち花
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■ワイルドな水兵役の鳳月杏さん。「またいつか」と歌い上げる表情は切なく
ゲイビーの友人のひとり、水兵のオジー役をつとめた鳳月杏(ほうづき・あん)さんは、ワイルドでセクシーな男という役どころ。人類学者のクレアとは、「原始人にそっくり」という思わぬ理由で恋がはじまります。鳳月さんのキザな演技にはもちろんのこと、あと数時間しかない逢瀬のひとときを惜しみ、「またいつか」と歌い上げる切ない表情にも魅了されました。
■自由奔放な人類学者役の夢奈瑠音さん。英真なおきさん演じる婚約者を翻弄
夢奈瑠音(ゆめな・るね)さんが演じる人類学者のクレア・デ・ルーンは、お堅い人類学者かと思いきや、実は自分の欲望に正直で自由奔放なキャラクター。英真なおき(えま・なおき)さん演じる婚約者のピットキン・ブリッジワークを翻弄する、魔性の女っぷりが見物です。ピットキンに対してはどんどん扱いが雑になっていくようにも見えますが、愛に忠実な彼女の姿勢には、いっそ清々しささえ覚えました。そんなオジー&クレアの情熱的な一幕も、目が離せないポイントのひとつでしょう。
■母性本能をくすぐる水兵役の暁千星さん。時折見せる男らしい姿に胸キュン
オジーと同じく、ゲイビーの友人のひとりチップ役を演じるのは、暁千星(あかつき・ちせい)さん。暁さん演じるチップは母性本能をくすぐる、かわいい末っ子的キャラです。押しに弱い一面もありますが、そんなかわいいチップが時折見せる男らしい姿には胸キュン。「これがギャップ萌えか」と改めて、その魅力を再確認させられました。
■ドライバー役の白雪さち花さんと歌唱教師役の夏月都さんは、圧巻の歌声
一方、チップの恋のお相手で、タクシードライバー役のヒルディ・エスターハージーを演じたのは、白雪さち花(しらゆき・さちか)さんです。ゲイビーとの約束を優先させようとするチップと、そんな彼を強引に誘うヒルディの掛け合いは痛快!ヒルディの必死な様子に思わずクスリと笑ってしまい、どこか心が和みます。また、劇場内に響き渡るこぶしのきいた白雪さんの美声も必聴。今回、海乃美月(うみの・みつき)さんが演じたヒルディのルームメイト、ルーシー・シュミーラー役をどう演じるのかも楽しみです。
マダム・ディリー役の夏月都(かげつ・みやこ)さんは、アイヴィの歌唱指導の教師。奇抜な外見はさることながら、レッスン中にアイヴィの隙をみては酒瓶を手にするなど、ぶっ飛んだ振る舞いがおもしろく、記憶に残る印象深いキャラクターのひとり。歌えば聴き入ってしまう夏月さんのナンバーにも注目です。
■フィナーレでは、鳳月杏さんが中心の場面や、客席降りの演出が登場
全編を通して大人数でのダンスシーンが多く、ショー的要素がたっぷりと詰まったミュージカル『ON THE TOWN』。フィナーレでは梅田芸術劇場公演での新演出として、鳳月杏さんが中心の新場面や、客席降りの演出が登場し、最後まで見どころたっぷりで、ハッピーな気持ちで帰れること間違いなし! 劇場正面エントランスやロビーに広がる『ON THE TOWN』の世界も、ぜひ楽しんでみてください。