帝国劇場で、その後、大阪、名古屋、福岡で上演される、ミュージカル『エリザベート』にルイジ・ルキーニ役で出演する黒羽麻璃央さんのインタビュー後半です(尾上松也さん、上山竜治さんとトリプルキャスト)。ルキーニついて調べていて思うことや、共演者、舞台への思いなどを伺いました。
※編集部注:新型コロナウイルス感染症拡大にかかわる政府及び東京都の方針等を踏まえ、政府より「緊急事態宣言」が発出されたことを受け、お客様の安全を第一と考え、帝国劇場公演から全国ツアーまで全公演中止されることが、4月8日に発表されました。中止によるご入場券の払戻しにつきましては公式サイトをご確認ください。
https://www.tohostage.com/cancel2020_7.html
--今の準備のなかで、たとえば、歴史を調べるなどもされていますか?
それはもちろん調べていますね。ルキーニの情報的なものは、安易にネットなどにはなってしまいますが、警察官に捕まっているときの堂々たる姿の写真を見たりなど、いろいろとしています。あとは人を殺めることについて。その時代だったら、どうかは分かりませんが、やはり今の自分からすると理解のできないことですし、戦争や革命などいろいろなことがあって、僕らの時代の人間じゃ分からないような深層心理ですよね。だから、いろいろと落ち込むんですよ。落ち込むというか、どんどん暗い人間になるというか(笑)。心が壊れないようにしなければと。「偉そうな人なら誰でもよかった」など、ルキーニはいろいろと言っていますが、究極をいうとですよね。生まれや貧富の差があったり、劇中でもミルクのくだりがあったりもしますが、我々が当たり前のように生活していることが、やはり時代では違う。海外だけではなく、日本でもそういう時代があったと思いますし、そこをいかに表現するか。ルキーニが生まれた時からのバックボーンがすごく大事だなと思います。
--エリザベートを殺すに至るまでのですね。
そうです。軍人だったときに、今まで一体何人の人を殺してきて、人の恨みの果てにそれがあるのか。権力を持っている人たちがどうしても許せなかったのは、何をされてきて、そういう考えに陥ってしまったのか。考えれば考えるほど、いろいろな方向性があると思うので、楽しいです。悩みながら、どれが正しいのかは分かりませんが、それは稽古をしていく中で作っていくのかなと。ありがたいことに(山崎)育三郎さんや(尾上)松也さんなど、前回ルキーニを演じた方も、長らく『エリザベート』に関わってきた皆さまがいますので、そういった方たちからもいろいろと伺って、最終的に自分のルキーニが誕生すればいいかなとは思います。前段階として、いろいろなことを勉強しながら、「こういうルキーニがいても、おもしろかったりするかな」など、いろいろなことを考えています。こればかりは、演じてみないと分からないですね。
--共演者の皆さんとはいかがですか? これまでに共演されている方もいらっしゃいますが、この『エリザベート』について話されたりしましたか?
りょん君(三浦涼介)とはご飯に行く機会が何回かありましたが、どういう風に演じるかをすごく楽しみにしてくれています。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、2019年に続いて2020年も『エリザベート』にルドルフ役で出演する三浦涼介さんから『エリザベート』出演についてかけられた言葉なども紹介してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■りょん君とお話した時に、すごく楽になった
■お客さまの前で何かを表現することが好き、 逃げ場所がどこにもない状況で
■贅沢な役を頂いたので、ルキーニに染まりたい
■10周年、名刺代わりになるような役に出会えた
<ミュージカル『エリザベート』>
【東京公演】2020年4月9日(木)~5月4日(月・祝) 帝国劇場
【大阪公演】2020年5月11日(月)~6月2日(火) 梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】2020年6月10日(水)~6月28日(日) 御園座
【福岡公演】2020年7月6日(月)~8月3日(月) 博多座
※全公演中止となりました
公式サイト
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<関連リンク>
黒羽麻璃央official site
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- ミュージカル『るろうに剣心 京都編』、小池徹平・黒羽麻璃央・松下優也・加藤和樹ら 2022年1月25日
※黒羽麻璃央さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月12日(日)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■りょん君とお話した時、すごく楽になった
--ルキーニとルドルフも結構関わりますね。
そうですね。先輩からのプレッシャーを感じながら(笑)。
--(笑)。
りょん君に「どう演じるか楽しみ」なんて言われたら(笑)。僕が一時期不安だなと思った時期があるんですが、りょん君に「楽しんでやった方がいいよ」と言われて、すごく前向きになりました。ロミジュリ(『ロミオ&ジュリエット』)のときも「そんなことで悩むな」と。りょん君は「あなたは、あなたで素晴らしいから」と言ってくれるんですよ。どうしても自分の力不足のところなど、いろいろなことを痛感したときに、落ち込みやすいのかもしれません。そうなる瞬間に、何度も救ってくださったんですよね。りょん君とお話しした時に、すごく楽になったんですよ。
--そういう方がいると、心強いですよね。
「どういう風に演じるか楽しみだよ」と言ってくれたので、期待してくれている先輩にも「やるじゃん」というところを見せられたらなと思います。
■お客さまの前で何かを表現することが好き、 逃げ場所がどこにもない状況で
--私は黒羽さんのロミジュリを観て、生命力やエネルギーを強く感じる方だなと思いました。
そうですか?
--はい。いろいろなタイプの役者さんがいますが、前に来るエネルギーがすごくある方だなと。この仕事をしていて、一番のモチベーションや大事にしていることなど、どういうスタンスでされていますか?
難しいですね…。でも、舞台が好きで、人前で何かをすることが好きなんですよね。映像などで撮影するときの人前ではなくて、直接お客さまの前で何かを表現することが多分好きなんだろうなと、この1年ですごく感じています。ライブ感というか、逃げ場所がどこにもない状況で。
--360度すべてを見られていますよね。
そのときに感動を呼んだり、お客さまを惹きつけたりした瞬間が、すごく好きなんだろうなと思いました。だから、舞台の仕事はすごくやりたいです。去年の6月頃から舞台をやっていなかったのですが、約1年近くぶりの舞台なので、すごく楽しみです。
■贅沢な役を頂いたので、ルキーニに染まりたい
--待ちに待った機会ですね。
それまではずっと舞台をやってきたので、少し舞台から離れたことで、その欲が余計に増しました。やはり僕は舞台が好きなんだなと。
--ご自身で再認識する感じですか?
離れてみないと分からないこともあったのかもしれないですね。映像への興味ももちろんあったので、映像をやらせて欲しいと思い、少しやらせていただいていたんですが、自分のやりたいことが、すごく明確に分かってきたかなと。再び舞台に入ったら、映像をやりたくなるだろうとは思いますが、いいバランスでできたらおもしろいなと思います。演劇人と言われるような人に、やはり憧れますね。
--なるほど。そうすると、ルキーニはお客さまとの距離が近い役だから、一番いいんじゃないですか。
そうですね。あとは、俳優さんが演じたいと思う役ですよね。いろいろな人に聞くと、ルキーニはやりたいと言っている人はすごく多いですね。贅沢な役を頂いたので、ルキーニに染まりたいなと思います。
■10周年、名刺代わりになるような役に出会えた
--『エリザベート』は観ているけれど、黒羽さんを観たことがないお客さまもいらっしゃると思います。ファンの方々へ、そして期待している方々に向けて、メッセージをお願いいたします。
舞台をやってきた人間として、やはり「帝国劇場に立ちたい」という目標もありました。これだけ長く皆さまに愛されている『エリザベート』に、しかもルイジ・ルキーニという役をいただきました。僕自身もこの世界に入って今年10年目なので、『エリザベート』は東宝版20周年で、僕は10周年で、いい区切りというかタイミングに、自分の名刺代わりになるような役に出会えたので、ぜひ応援してくださった人には、観ていただきたいなと思います。今回、初めましての方は、どうしましょうね(笑)。
--どうしましょう(笑)。
僕個人としては、今後もミュージカルをやっていきたいと思っていますので、「若い時代の黒羽の舞台を観たことがある」とお客さまの記憶に残ればなと(笑)。
--将来「あの頃の黒羽さんをみた」と言える。
原作物や2.5次元といわれる舞台をいろいろやらせていただいてきて、そちらにはその魅力がありますし、僕をきっかけにでもいいので、2.5次元舞台を観てみようかなと思っていただけたら、すごく嬉しいです。一番は何の違和感もなくルキーニを観てもらうのが一番いいと思うので、何かのフィルターがないような俳優であり、ルキーニとして生きられるように頑張りますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。
※黒羽麻璃央さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは4月12日(日)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
公演中止が決まってしまい、本当に残念です。
本来であれば黒羽さんのルキーニ初日、そして帝劇デビューが今日だったんだな、、と思いながらこの記事を改めて読んでおりました。
ルキーニとして生きる姿をこの目で観たかったという悔しい想いはありますが、
出演が決まってから黒羽さん自身が役や作品と向き合い、真摯に積み重ねてきたことは必ず彼の中で今後も息づいていくと思うので、、
世の中の状況が落ち着いた時、今度こそ彼がルキーニとして生き抜く姿をしっかりとこの目で見届けたいと思います。
今は苦しく辛い時期ですが、演劇という人生の栄養を忘れずに乗り越えていきたいです。
素敵なインタビューありがとうございました!
インタビューから、今の稽古期間、自分で色々と勉強したり、先輩方からも沢山学んでいるんだろうなと想像をしてしまいました。先輩方から愛されていそうとも感じました。お客さまの前で何かを表現することが好き、舞台が好きという黒羽さんの久々の舞台が、ルキーニをいう重要な役であり、それは素敵な出会いだなと思うのと、そのルキーニを観ることができるのをとても楽しみであり、どんな新しいルキーニが誕生するのかなとワクワクしています。素敵なインタビュー、お写真ありがとうございました。
黒羽さんもエリザベートもそれぞれに好きな俳優さん、演目でしたのでルキーニに大抜擢されたことに驚きました。ルキーニはキャストさんによって観る側のエリザベートに対する気持ちが変わってくる不思議な役だと思います。記事の写真はもうすでにルキーニのお顔をされているように見えますし、並々ならぬ強い思いで挑まれていることも知れてとてもよかったです。舞台上で他のキャストさん達とどのような化学変化を起こされるのか、拝見する日を心待ちにしています。
後半のインタビューありがとうございます。
人の気持ちになって考えることができるってことは、それだけ感情移入しやすいってことなんじゃないかなぁ…とだからこそ今回の役どころは心にかかる負担も相当大きいんだろうなぁ…と思っていて。
真剣に役と向き合っているからこその悩みなんだろうな…と思うので、だからこそそんな中で優しいすてきな先輩にも恵まれてよかったなぁと思います。
りょんくんの言葉、本当に素敵ですね。
岩村さんの仰るように、舞台上での麻璃央くんの惹きつける力ってものすごくて、目を離すのがもったいないって思うほど…!
わたしも舞台に立つ麻璃央くんを観るのが1番好きなので、もう本当に公演が待ち遠しいとこの記事を読んでいて改めて強く感じました…!!!
素敵な記事とお写真をありがとうございました!!!横顔と窓に映る横顔のお写真がものすごく好きです!!!