【2020年4月8日、編集部追記】ミュージカル『ボディガード』東京公演は、4月13日(月)~26日(日)まで東急シアターオーブでの上演が予定されていましたが、新型コロナウイルスに関する政府による緊急事態宣言の発令、及び地方自治体の自粛要請を受け、全公演を中止することが4月8日に発表されました。当初4月3日(金)~19日(日)を予定しておりましたが、このうち、4月3日(金)~12日(日)の公演を中止し、一部の公演を4月19日(日)~26日(日)に振り替えて上演させていただく予定でした。作品の製作委員会は「公演を楽しみにしてくださっていた皆様にはご迷惑とご心配をお掛け致しますこと、心よりお詫び申し上げます。お客様と、出演者・スタッフの安全確保を最優先に考え、大変心苦しい限りではございますがこの度の決定と致しました。主催者といたしましては、一刻も早い終息を願い感染抑止に努めて参りたいと存じます」としています。中止となった公演の払い戻し方法につきましては、公演のホームページでご案内しております。
公式ページ
http://bodyguardmusical.jp/
2020年3月24日(火)から大阪・梅田芸術劇場で、4月3日(金)から東京・東急シアターオーブで上演されるミュージカル『ボディガード』日本キャスト版に、現役FBI特別捜査官のレイ・コート役などで出演する青山航士さんにインタビューしました。14歳から21歳までアメリカに留学して厳しい全寮制の高校に通ってジュリアードのダンス科に学んで得たことや、『お気に召すまま』『パジャマゲーム』『CHESS』などで外国の振付家と一緒に仕事をしてきたこと、「ダンスリーダー」の具体的な役割などについても伺いました。
――直前まで『CHESS』の振付助手をニック・ウィンストンさんの元でされていましたね。ニックさんとのお仕事は?
『パジャマゲーム』(2017年)が初めてで、2回目です。
――『パジャマゲーム』のときは、演出にはトム・サザーランドさんがいらっしゃいましたが、『CHESS』ではニックさんが演出・振付両方ということで、いかがでしたか?
僕が想像していた通りというか。キャストの人は逆に驚いていて、歌がメインなのでそんなに踊らないだろうって感じだったんですよ。でも僕はその話をいただいて、ニックが来られなかったので僕がオーディションもさせていただいて。で、振りも考えてこんな感じで、結構踊ろうみたいな。ニックは、もともとやっぱりダンサーあがりなので、人を動かして演出するんだろう、ストーリーもそうだけど、多分動きで演出するだろうな、ってどっかで頭にあったので、「あぁ、やっぱりな」って。で、フタを開けたら、みんな「え? こんなに踊るの!?」って。だから僕は、知っていたのでそういう意味ではサプライズじゃなかったんですけど、ただ、大変でしたね(笑)。しかも振助をやるのも2回目だったんです。
――1回目は?
1回目は、柚希礼音さんが出演された『お気に召すまま』(2017年)です。最近外国の振付家の現場に入ることが多くて。
――やはり語学力も買われて。
英語もしゃべれるし、最近は振付の仕事もさせていただいてるので、振付もわかるから、ただ通訳するだけじゃなく、ちゃんと振付家の意図を分かって伝えるから。だから確かに使い易いのかなと思って、雇う方は(笑)。『お気に召すまま』のときは、ロリン・ラタロという振付師で、僕がジュリアード出身なんですけど、ロリンは後輩だったんですよ。年代は被ってないんですけど、学歴を見たらジュリアードのダンス科出身で「俺もジュリアード出身だよ。俺は年は上だけどね」って(笑)。そしたら「えー、そうだったのか!」って。
――もうそこで掴みはOKという感じですね(笑)。いまジュリアードのお話がありましたけど、十代で単身アメリカ留学をされたんですよね。
14歳から21歳ですね。
――ダンスのために留学となったのは?
もともと体を動かすのが好きだったんですけど、とくにダンスに意識があったわけじゃないんです。うちの親父が音楽関係でラジオ局で働いている人で、外国人タレントを扱うことが多かったので、レコードだったり、タレントのプロモーションビデオだったりという資料はいっぱいあったんですね。だからそれを見ていて、ジャネット・ジャクソンや、ホイットニー・ヒューストン、いろんな人のビデオ見ていて、そこから「こうやって、歌って踊って表現するのがかっこいいな」と本能的に思って。で、僕以外は、みんな音楽一家なんです。みんなピアノをやってたり、僕もちっちゃいときはやってたんですけど、落ち着きがなくて。エレクトーンとかもやってたんですけど、もうまったくじっとしてられないタイプで。少年野球をやっていたので、とにかく遊びに行きたい、遊びに行きたいで、もうじっとしてるのがイヤでイヤで。それで、中学において進路とか考えたときに、僕だけなんで音楽の才能ないんだろうかって考えて。そこからやっぱり、体を動かすのが好きで、そういう目標みたいなものに出会って、体を動かすことでなにか仕事したい、となったのがきっかけで、どうせやるなら本場でやろうって。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、アメリカに留学して厳しい全寮制の高校に通うようになって得たものや、「ダンスリーダー」の具体的な役割、『ボディガード』をご覧になるお客さまへのメッセージなどを伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■親父も出張でアメリカに行ったりしてて、どうせやるなら本場で良いものを身につけろと
■留学中の高校は全寮制ですごい厳しかった。でも厳しくなかったらたぶん、やめてました
■「ダンスリーダー」は、本番に入ってからのダンスのクオリティを千穐楽まで保つのが役目
■『ボディガード』は、ミュージカルコンサートを観ている感じで、愛が溢れて楽しい作品
<ミュージカル『ボディガード』日本キャスト版>
【大阪公演】2020年3月24日(火)~3月29日(日) 梅田芸術劇場メインホール
※3月19日(木)~3月22日(日)の公演は中止
【東京公演】2020年4月3日(金)~4月19日(日) 東急シアターオーブ
※新型コロナウイルスの影響で中止
http://bodyguardmusical.jp/
<関連リンク>
『ボディガード』公式 Twitter
https://twitter.com/BodyguardNIPPON
青山航士 ブルーマウンテン Cafe
http://aoyamakoji.jugem.jp/
F-spirit 青山航士
http://www.f-spirit.co.jp/f_artist_04aoyama.html
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※青山航士さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月18日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■親父も出張でアメリカに行ったりしてて、どうせやるなら本場で良いものを身につけろと
――「いまからやりたい! じゃあ本場で学ぼう」とは、なかなか行かない気がするのですが…。
たぶん環境ですね。親父も出張でアメリカ行ったり、いろんなとこに行ってて。
――アメリカは結構身近だった?
はい。身近な環境で、やっぱり芸術一家っていうのもあって、どうせやるなら本場で良いものを身につけろという感覚だったので。それは本当にありがたかった。
――ご両親としては「行ってこい!」 だった?
どうせやるなら、中途半端にやるんじゃなくて、ちゃんと良いものを身につけてって。
■留学中の高校は全寮制ですごい厳しかった。でも厳しくなかったらたぶん、やめてました
――ジュリアードに行って良かったな、もしくはコンチクショウ! な思い出はありますか?
いっぱいあります、ソレ(笑)。高校から行ってたんですけど、高校は全寮制で規則が厳しかったです。それに、英語もしゃべれない、踊りもできない。
――英語をマスターされないうちに行かれたんですね。
いじめというか、いじられることも多かったし。「なんで英語しゃべれないし、ダンスもやったことないのに来たんだ?」って。やっぱり、みんなそれなりにいろんな経験をしてきて、ちっちゃいころから、バレエとか音楽やったりして入ってきていたので、それでまず白い目で見られることも多かったし。でも、どんどん上達していって認められると、やっぱり向こうって、すごいWelcomeなんです。一気に手のひら返しじゃないけど。だから全寮制ですごい厳しかったのが良かった。厳しくなかったらたぶん、やめてましたね。
――厳しくなかったらやめていた。
普通にホームステイで、パブリックで、学校終わったら、もう終わり~、みたいな自由時間があったら、たぶん遊んじゃったと思う。厳しい全寮制だったから逃げ道がない。嫌でもやんなくちゃいけない環境だったから、厳しかったけど、それはもう本当に良かった。遊び時間はなかったんですけど。
■「ダンスリーダー」は、本番に入ってからのダンスのクオリティを千穐楽まで保つのが役目
――「ダンスリーダー」という言葉はよく耳にするのですが、具体的にはどんなことをされるのでしょう?
僕も、誰かから「ダンスリーダーはこうだよ」って教えられた記憶もないですけど、稽古中は振助(振付助手)の方が居たりとか、振付の人が居たりするんですけど、本番が開けると居なくなっちゃうので、基本的には、その本番のクオリティをいかに千穐楽まで保てるかをチェックするんです。だから、日々本番の録画したやつを見て、動きをチェックして「ここ最近ズレてきたから、気をつけようね」だったり、たとえばキャストから、「踊りながら最近ぶつかっちゃってて、ちょっとフォーメーションもう1回見直して欲しい」とか、そういうのがあったりしたら、「じゃあちょっと集めてやろうか」とか、そういう本番中のクオリティを保つための役目かなと思ってます。
――お稽古中よりは、むしろ本番に入ってからの方が、責任が…。
大きいですね。だから、自分が出てないシーンでも、ある程度ちゃんと振付も把握しとかないといけないです。
――いつぐらいからダンスリーダーを担われていたのでしょう?
僕のイメージとしては、カンパニーの中でも、ダンスのポジションの上の人がやるっていう記憶だったんですけど、意外と二十代の後半ぐらいから、なんかそういうポジションに就くことが多くて。
――相手のモチベーションを落とさないような指導も必要ですね。
そう。僕はそこが得意なのかどうかはまったくわからないんですけど、みんなからは、なんかやりやすいというか「航士くんに言われても、全然大丈夫」とか。言葉で言うのって、すごく責任があるじゃないですか。たとえば「ここ違うよ」っていうのに対しても、「最近、ココ全然振り違うから、ちゃんとやれよ」とかっていうのも、すごく責任があるし、それに対してすごいイヤな思いをする人も居るかもしれないです。だから、その人の性格で、伝え方を変えるというのを結構していて、それは別に計算しているっていう感覚は無いんですけど、元からなんかそういう風なのができるというか…。よくわかんないんですけど。
――リーダーのスキルが要りますね。
変にリーダーシップ、「オレリーダーだ!」っていう感覚は、ホントにまったくないんですよ。みんなと一緒で、和気あいあいでやってるし、なんか「自分が引っ張っていこう!」という感覚はぜんぜんないんですけど。でも「やることはやろう!」って。みんなで楽しいのはいいけど、これをずっとやっていたいっていうんだったら、それをちゃんとやろうって。ノート(ダメ出し)したあとは「でも、ここは良いからね」とかフォローしたり。やっぱり結構普段の人間関係が大事ですね。「お前に言われたくないし」みたいなのになっちゃうと。
――しんどいケースもありましたか?
あります、正直。女性の方がやっぱり気を使ったりするし、先輩の方とかに直接言えなかったりするんです。男性の方が意外と気を使わないというか、結構フランクにお互いキャスト同士で「ここ違うから直して」とか。女性同士は気を使ったりするので、逆に、僕を通して言えば害はないので「わかった。言っとくね」って。ほかにも、たとえば本番で誰か怪我しちゃったときにポジションのチェンジ考えて、「今日はこうやろう」とか。
――キャストの怪我でカバーしなきゃならない場面もありましたか?
他の作品ではありましたね、やっぱり。急遽「このときはここに誰かが」とか。演者の方がわかってたりするので「この台詞をこの人が言った方がいいんじゃないんですか」とか、こうしようああしようって本番前に話し合って、ちょっと稽古をしてもう本番、とか。
■『ボディガード』は、ミュージカルコンサートを観ている感じで、愛が溢れて楽しい作品
――最後に『ボディガード』をご覧になるお客さまへ、メッセージをお願いします。
楽曲はもう誰でも知っている曲ですし、それにあわせてミュージカルコンサートを観ている感じで、ワクワクしてもらえたらというのと、プラス、その中に群像劇もあるので、フランクという人の目線で観てもらってもいいと思います。レイチェルはスターだけど、どこか孤独だったり、フランクもどこか孤独で、でも誰かを仕事として守る、自分の命を犠牲にしてでも。それを仕事だからできるかといったら、その職についたのもなにかしらあっただろうし。そんな普通の人と違う二人が惹かれる瞬間ってたぶん、ごく僅かだと思うんですよね。普通の人が入れない隙間。この二人だからこそ、見える隙間。お互い足りない部分だったり、周りにいる人たちの人間らしさとか、レイチェルに対しての愛情、そういうのが垣間見えて、すごく愛が溢れていて、すごく楽しい作品です。ただハッピーなだけじゃなく、キュンとしたり、女性としては絶対、あんなフランクに守られたいって思うだろうなというのは、100、200パーセントあるので、是非そう思って観てもらって、お家に帰って欲しいなって思います。
※青山航士さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは4月18日(土)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。