濱田めぐみさんのミュージカルデビュー25周年記念CD「Connect」が、2022年1月26日(水)に発売されます。アイデアニュースでは濱田さんにインタビューさせていただき、収録されている全曲について伺いました。インタビューは、上、下に分けてお届けします。
「上」では、25周年を迎えられての思い、CD収録曲の「追憶」(『スコット&ゼルダ』)・「遥かな調べ」・「サヨナラは日曜日に」(『Tell Me on a Sunday』)・「Unrequited Love」・「イシスとオシリスのように」(『王家の紋章』)・「マーダー・バラッド」(『マーダー・バラッド』)について伺いました。「追憶」を選んだ理由、『Tell Me on a Sunday』で経験された一人芝居ならではのこと、『王家の紋章』の難曲のこと、レコーディング時の浦井健治さんとのエピソード、「マーダー・バラッド」の曲としての特徴などについても紹介しています。
「下」では、CD収録曲の「その日に私が」(『フランケンシュタイン』)・「お砂糖ひとさじ」・「どんなことだってできる」(『メリー・ポピンズ』)・「私の殺意」(『メタルマクベスdisc1』)・「夢やぶれて」(『レ ・ミゼラブル』)・「もっと高く」(『アリージャンス〜忠誠〜』)・「Come What May」(『ムーラン・ルージュ』)について伺いました。共演された柿澤勇人さんと中川晃教さん、佐藤隆紀さん(LE VELVETS)のこと、客演された劇団⭐︎新感線のこと、デュエット曲を決めるにあたり『グリーン&ブラックス』で共演された井上芳雄さんとお話しされたこと、25年間ずっと作品のファンでもあるという『レ・ミゼラブル』にファンテーヌ役で出演したことへの思い、「もっと高く」で感じたエルファバとのリンク、CDのタイトルやジャケットに込めた思い、2022年の抱負などについて話してくださった内容を紹介します。
——25周年を迎えられた感覚は、いかがですか?
四半世紀ですよね。でも全く何にも変わってないんですよ。役者としての資質がそうさせるのかもしれないですが、ずっと走り続けてきた感覚です。ベースは何も変わらずに、止まらずにきたら、25年経っていてすごいなと思いました。
——気づいたら、25年経っていたんですね。
市村(正親)さんは50年、石丸(幹二)さんも30年。先輩方に、すごい方がたくさんいらっしゃいますからね。
——今回のCDの選曲は、どのように考えられたのですか?
前回のCD発売から5年経っているので、この5年間で演じた作品の曲をメインに選曲しました。
——CDを聴く人も、一緒に振り返られる感じですね。
そうですね。上演順に収録されているので、一曲ごとに思い出していただけますね。
✳︎✳︎✳︎
——ぜひ全曲についてお話をお聞かせください。まず、『スコット&ゼルダ』の曲の中から、「追憶」を選ばれたのはなぜですか?
『スコット&ゼルダ』は、ゼルダが「現在から過去を見ていく」という話です。ウエンツ(瑛士)くんが演じるスコットとの結婚生活のことが散りばめられていて、特殊な2人の関係性だったということがこの歌で表されています。ゼルダはこの時、精神病棟に入っているんですね。その精神病棟に、山西(惇)さんが演じるベンというライターが訪ねてきます。ベンが、面白おかしいゴシップ記事を書くためにゼルダと話をするところから回想が始まっていくんです。
最後、精神病棟に入っているゼルダが、「私はここに入っているけれども、私はおかしいとは思っていないのよ。私の周りの世界がおかしいのよ」と言うんです。彼女が、自分の人生で一番大切だった人を想って歌うラストのこの曲で、幕が閉まるんです。作品のコンセプトの一番重要なところを突いている曲なので、思い入れも深いですし、歌っているとやはり思い出しますよね。
ゼルダはベンに、「いろいろあったけれど、スコットは作家としてすごかった。あなたは今の自分の仕事を正しいと思ってるの? 面白いと思ってるの?」と突きつけるんですね。文字を書く仕事をしたりしているスタッフさんが観た時に、ゼルダの「あなたはどうなの?それで面白いの?」という問いかけにすごく共鳴してくださったりしていました。
——クリエイターの人たちに刺さる作品だと耳にします。みなさん、この曲を入れてほしいと思っていらしたでしょうね。
今でも、そうした話を聞くことがあるので、やっぱりそういう作品なんだなぁと思います。当時、この作品を見て「ぐっさり」やられた人はたくさんいらしたみたいですね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、「遥かな調べ」・「サヨナラは日曜日に」・「Unrequited Love」・「イシスとオシリスのように」・「マーダー・バラッド」についてやレコーディング時の浦井健治さんとのエピソードなど、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。1月23日掲載予定のインタビュー「下」では、CD収録曲の「その日に私が」・「お砂糖ひとさじ」・「どんなことだってできる」・「私の殺意」・「夢やぶれて」・「もっと高く」・「Come What May」について伺いました。また、共演された柿澤勇人さんと中川晃教さん、佐藤隆紀さん(LE VELVETS)のこと、客演された劇団⭐︎新感線のこと、デュエット曲を決めるにあたり『グリーン&ブラックス』で共演された井上芳雄さんとお話しされたこと、25年間ずっと作品のファンでもあるという『レ・ミゼラブル』にファンテーヌ役で出演したことへの思い、「もっと高く」で感じたエルファバとのリンク、CDのタイトルやジャケットに込めた思い、2022年の抱負などについて話してくださった内容など、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■一人芝居『Tell Me on a Sunday』は、全員の注目が私に。この5年間で一番のきつさ
■「イシスとオシリスのように」は、とんでもない難曲。何度も歌わないと唇に入らない
■『王家の紋章』再演直後のレコーディング。浦井くんは絶好調で、超絶メンフィス
■「火が跳ねる」という言い方が、ポップスならではと思った「マーダー・バラッド」
<ミュージカルデビュー25周年記念CD「Connect」>
2022年1月26日(水)発売
公式サイト
https://horipro-shop.com/products/detail/925
■「Connect」収録曲
01追憶(スコット&ゼルダ)
02遥かな調べ(Tell Me on a Sunday)
03サヨナラは日曜日に(Tell Me on a Sunday)
04Unrequited Love(王家の紋章)
05イシスとオシリスのように(王家の紋章)ゲスト浦井健治
06マーダー・バラッド(マーダー・バラッド)
07その日に私が(フランケンシュタイン)
08お砂糖ひとさじ(メリー・ポピンズ)
09どんなことだってできる(メリー・ポピンズ)
10私の殺意(メタルマクベスdisc1)
11夢やぶれて(レ・ミゼラブル)
12もっと高く(アリージャンス~忠誠~)
13Come What May(ムーラン・ルージュ)ゲスト井上芳雄
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■一人芝居『Tell Me on a Sunday』は、全員の注目が私に。この5年間で一番のきつさ
——次は『Tell Me on a Sunday』から「遥かな調べ」と「サヨナラは日曜日に」の2曲です。この2曲を選ばれたのはどうしてですか?
「遥かな調べ」は、メロディーがすごく綺麗なんですよね。「サヨナラは日曜日に」とともに、代表的な2曲です。一人芝居だったから大変でした。
——ひとりでミュージカルをされるのは、いかがでしたか?
やることが多すぎて、立ち止まれないんです。常に何かをし続けていなければいけない2時間弱なので。素敵な演目ですし、観劇するのは面白いだろうなぁと思いながら、やる方は大変でしたね。
アンドリュー・ロイド=ウェバーさんの曲を歌いながら、一人で相手がいるストーリーを演じながら、情景の変化も全部出さなければならないんです。子供に対して歌っていることや、夜の街や、公園なども表現して、目線で相手との距離感も表現します。
舞台上にはトランクが5個ぐらいあって、それを並べ変えると、テーブルにもなるし椅子にもなるんです。トランクの中には道具が入っていて、歌いながら早替えもしました。生バンドで、すべてをずっとやり続けるのですが、今考えても、この5年間で一番きつかったかもしれないですね。身体のきつさは、ダントツで『メタルマクベス』(disc1)でしたが(笑)。
——身体的なことではなく、気持ち的なことで一番大変だったのは『Tell Me on a Sunday』だったと。
集中力がとにかく必要で、間違えられない恐怖感。お客様はもちろん、スタッフさん、オケさん、照明さんも、音響さんも、全員が私ひとりだけを、2時間ずっと見ているという状況です。なかなか大変でした。
■「イシスとオシリスのように」は、とんでもない難曲。何度も歌わないと唇に入らない
——その次は『王家の紋章』からの2曲、「Unrequited Love」と、浦井健治さんとのデュエット「イシスとオシリスのように」ですね。濱田さんは姉のアイシスを、浦井さんが弟のメンフィスを演じました。
アイシスの曲に関しては、私が、シルヴェスター・リーヴァイさんに「とんでもなく難しい曲を書いてください」と言ってしまったがために、とんでもなく難しい曲になってしまったんですよね。
——今回の再演でも、その話を耳にしました。
本当ですか。でも、あのふたり(朝夏まなとさん、新妻聖子さん)ならば大丈夫です。
——確かに、おふたりとも、歌いこなしていらっしゃいました。
「Unrequited Love」は、メロディーラインがある程度予測通りに行くんですが、「イシスとオシリスのように」に関しては、とんでもない音に飛んでいくので、難しい曲をお願いして申し訳なかったです。
——「難しい曲を」というご自身のリクエストでしたが、それでも難しかったですか。
難しかったです。コーラスA、コーラスB、次にAダッシュが来るとしても、これが全く違うものなんです。Aだけれど半音上がるとか、半音下がるとか、そこに浦井くんのハモリが入ってきて間違えられないですし、そのハモリも微妙に難しいんです。とにかく回数をやらないと、唇に入ってこないんです。オルゴールみたいな、いい曲なんですけどね。
■『王家の紋章』再演直後のレコーディング。浦井くんは絶好調で、超絶メンフィス
——今回、浦井さんとは、どんなレコーディングでしたか?
懐かしかったです。「一緒にやったねー!」って。浦井くんは、やはりメンフィスだなって思いました。浦井くんは、今回の再演の後に来てくれたので「僕は今歌ってるからいいけど、めぐさんは思い出さないとダメでしょ」って。何回か歌わないと、筋肉が思い出さないんです。
ーー浦井さんは再演の直後でしたし、絶好調ですよね。
絶好調で、超絶メンフィスでした。
——『王家の紋章』は、アイシス物語のようにも感じました。
現代も古代も、アイシスは、ずっと出ていますしね。ストーリーテラーとは言わないまでも、アイシスの流れに沿って物語が動いていますから。
■「火が跳ねる」という言い方が、ポップスならではと思った「マーダー・バラッド」
——次は『マーダー・バラッド』から、「マーダー・バラッド」です。曲の並びの中でも、アクセントになっていますが、いつものミュージカルナンバーとは違うと思います。曲としていかがですか?
(森)雪之丞さんが訳詞してくださった曲で、いきなり「マッチ」という言葉から始まります。「マッチをする」「火が跳ねる(はねる)」という言葉が、ポップスならではですね。ミュージカルだとわかりやすくするので、「マッチで火をつける」とは言いますが、「火が跳ねる」という言い方はしないじゃないですか。「炎の薔薇、赤く咲く」とか、単語のイメージがポンポンと出る歌なんですよ。
ジャジーかつロックっぽい、スモーキーな感じの歌なので、最初はそこが難しかったです。原曲をたくさん聴いて、雪之丞さんが入った歌稽古でディスカッションや歌唱指導をしていただきました。コツをつかめたら、バンドの人たちと「あーっ!」となりましたが、なかなかな作品でしたね。
※濱田めぐみさんの写真1カットとサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは2月22日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
濱田めぐみさんの25周年の記事掲載ありがとうございました。
めぐさんの劇団四季時代には、あいにく拝見できていませんが、四季退団後の最初の公演を観て、めぐさんの歌唱力に驚き、そして歌唱からのお芝居にもひきつけられて、ずーっとファンとして、今も応援しています。
これまでを振り返ってのめぐさんからのコメント、そしてかかわられてきた方々からのコメントも嬉しいです。
ありがとうございました。
曲への想いを読むと、改めて観劇時の思い出や感想がよみがえってきます。
(上)の中では王家の紋章でのアイシスの絶唱に涙腺が大崩壊したことも。
こうしてみると名曲揃いですね。
共演者へのコメントもあって嬉しい限りです。
(下)も楽しみにしています。