ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』に、ロベスピエール役とプリンス・オブ・ウェールズ役で出演する、上原理生さんのインタビュー後半です。有料会員限定部分では、上演中の『レ・ミゼラブル』について伺いました。
――『スカーレット・ピンパーネル』は冒険活劇の娯楽的な面白さもあると思うので、これまでご出演されてきた『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』などとは違う面白さがあると思うのですが。
映像を観ていて思ったのは、ロベスピエールは実は要所要所で間隔を空けてポイント的に出て来ますよね。直接ピンパーネル団と関わりがある訳ではなく、どちらかというとショーブランと関わっています。ロベスピエールは史実上の人物でもありますし、逆にリアリティを出せたらいいのかなと思っています。2幕冒頭のナンバーにしても、彼の当初抱いていた理念や、そこまで来た思いがとても色濃く表現されていると思ったので、それをどんな風にして届けられるか。時期としてはロベスピエール自身が処刑される寸前の話だと思うんですよ。なので、少し生き急いでいるのか、切羽詰まっているのか、そんな感情が見えたので、そういうものを匂わせられたらいいなと思っています。
――ピンパーネル団とは、衣装の色彩などを見ても対照的ですね。
個人的には『1789』で、ロベスピエールという男を傍で見ていたので、折角だから何か繋げられたらいいなと思うんですよね。5年という歳月を経ての話ですが、その5年の間に彼に何があったのか、そういうものを掘り下げていけたら舞台にいる時に醸し出せるのかなと思っています。
――人物の背景が浮かび上がるような。
そこまで潜ってみたいなという思いはあります。
――ある意味、出てくるポイント、ポイントで跡を残していくような。
そうなんです。なぜ彼がそういう行動を取ったのか。そういうアプローチが出来たらいいなと思っています。
――最近のお話も伺いたいと思います。『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役でご出演中ですが、4回目ですよね。日本上演30周年の記念イベントなどもありましたが、上原さんにとって今年はどんな『レ・ミゼラブル』であり、どんなアンジョルラスですか?
30周年というのはあまり意識してないんです。事実としてそれがある訳で、それよりも自分も4度目のアンジョルラスなので、今の自分が感じられるアンジョルラスを出さなければ、これからの『レ・ミゼラブル』の歴史の一つにならないんじゃないかなと思いました。今の自分がどう感じるのかですね。2年前と比べても、デビューさせて頂いた2011年頃と比べても、この男を見た時の印象は違いますし、それをどう表現出来るだろうかと考えました。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、昨年30歳になっての気持ちの変化などについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■今回はアンジョルラスという男が、より原作に近づけた感じがありました
■最終的にはジャン・バルジャンという男に行き着けたら、役者冥利に尽きるのかなと
■年を聞かれて20いくつと答えるのが恥ずかしかった。「30歳」と言えて気が楽に
■『スカーレット・ピンパーネル』、グレードアップしたと言われるように頑張ります
<ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』>
【大阪公演】2017年11月13日(月)~11月15日(水) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2017年11月20日(月)~12月5日(火) TBS赤坂ACTシアター
<公式サイト>
梅田芸術劇場 ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』 http://www.umegei.com/the-scarlet-pimpernel/
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』公式Facebook https://www.facebook.com/pimpernel2017/
<関連リンク>
「Theatre De Rio」上原理生オフィシャルサイト https://dermond1029.wixsite.com/theatre-de-rio
上原理生オフィシャルファンクラブ https://www.dermond1029.com
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■今回はアンジョルラスという男が、より原作に近づけた感じがありました
――『レ・ミゼラブル』について、上原さんのオフィシャルサイトのコメントに、原作を読み込んで、作品のテーマなどについて深く、熱く書いていましたね。
今回はアンジョルラスという男が、より原作に近づけた感じがありましたね。もちろん長いこと携わらせて頂いているので分かっていることもありますし、知識が深くなってきたからこそ、それが出来るのかなと思います。言葉や歌では語られない部分をどう表現するか。アンジョルラスという男が何を考えてきたのか。生き方や思っていることは、役者として成長させてもらった所もあるので、そこからアプローチしたいと強く思っているので、また違う感覚で臨めています。
――原作に近づけたというのは、積み重ねてきたアンジョルラスに向き合う時間が深まったら、そこへ辿りついたということでしょうか。
そうですね、辿り着いたという感覚です。結局、やはりこれが真実だったんだと思いました。
――毎回次があると思って取り組んではいないと思いますが、ある程度何度目まで来ると、卒業されるのかなという思いも出てきますが、今回はどういう風に思われていますか?
アンジョルラスは今回が最後と思っていますね。次にやってしまったら、too muchかなと思ってしまって。彼らも若いから負けた部分があるんですね。
――なるほど。大人だったらまた違った行動を起こしたかもしれないと。
若さゆえのという部分もあったので、もし次回またやってしまったらその説得力は、僕は損なわれるんじゃないかと思うんです。もちろんやると決まったら、そのための努力はしなければいけないですが、どうなんだろうなという気持ちはあるので、今はそういう感覚でやっていますね。
■最終的にはジャン・バルジャンという男に行き着けたら、役者冥利に尽きるのかなと
――例えば、この先にバルジャンやジャベールをやりたいとか、そういう思いはあります?
もちろんです。
――目指すならどの役ですか?
バルジャンですね。
――少し意外です。ジャベールかなと思いました。
もちろんジャベールも出来たら面白いと思いますが、最終的にはジャン・バルジャンという男に行き着けたらと。ジャン・バルジャンは、ものすごい激動の人生を歩んできた人なので、これが出来たら役者冥利に尽きるのかなと思っています。だから、やりたいと思うんです。
――拝見してみたいですね。逆に年齢を重ねて出来る役でもありますしね。
40〜50歳ぐらいに出来たらいいんじゃないかと思っています。
■年を聞かれて20いくつと答えるのが恥ずかしかった。「30歳」と言えて気が楽に
――去年、30歳になられましたよね。30歳になった時に気持ちは変わりましたか?
ようやく見た目と内容が追いついてきたなと。
――(笑)。
全然、実年齢に見られないんですよ。みんなにすごく言われるから、自分も年を聞かれて20いくつと答えるのが恥ずかしかったんです。
――そうなんですね(笑)。
「実はそうなんです」って言ったら、「嘘でしょ」って(笑)。そういうやり取りが恥ずかしくて。「30歳です」とようやく言えて少し気が楽になりましたね。
――中身的にはどうですか? 男性の方で30代は色々変わっていかれたり、考えたりする方が比較的多い気がするんですが、意識の変化はありましたか?
意識の変化……30代になったからというのが関係するか分かりませんが、自分の歌に対してもっと職人にならなくてはいけないと思いましたね。もちろん、ずっとやってきて、ほぼ毎日欠かさず発声練習をして、自分の歌に向き合う時間はあるんですが、体も変わってきて、その中でどれだけ力を抜いて楽に歌えるか。結構声質も変わってきて、テノールっぽくなってきた感じもあるんです。
そうすると、今までの出し方と周りの人に聞いている聞こえ方が変わってきて、すごく戸惑っていた部分も、実は年明けぐらいにあったんです。こういう舞台に出させてもらって、テノールみたいな高音を出させて頂く機会があったので、それも原因かとは思いますが、尚更自分の歌にもっと真摯に職人のように向き合って、ずっと研ぎ澄まさなければいけないという思いがとても強まりましたね。
――まず技術的な面というかプロフェッショナルな意識ですね。
今までよりもさらにちゃんと、「一瞬一瞬、しっかり向き合っていかなければダメだな」とすごく感じるようになりました。
■『スカーレット・ピンパーネル』、グレードアップしたと言われるように頑張ります
――最後に『スカーレット・ピンパーネル』を楽しみにしていらっしゃる方へメッセージをお願いします。
初演から出演されている方々と共に、また新たに自分も含めて加わるメンバーもいて、絶対にさらにパワーアップすると思います。その中で遅れを取らずに、前回よりもさらにグレードアップしたと言われるように頑張りますので、楽しみにしていてください。
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1789で理生さんを知ってから様々な公演を観ましたが、若さが必要なアンジョルラスという役を観劇できた幸せを改めて感じました。
理生さんのまっすぐさがインタビューから伝わってきて、これからも応援し続けたいという気持ちでいっぱいです!
素敵な記事とお写真をありがとうございます。
レ・ミゼラブル、1789、ミス・サイゴンなどで上原理生さんを拝見し、情熱的な声が革命家にぴったりだと感じました。
スカピンのロベスピエールも楽しみです。
後半も素敵な記事を本当にありがとうございます!
写真もどれも素敵で、笑顔系がないところがかえって今はアンジョルラスの真っ最中なんだなって感じで魅力的☆
30代の理生くんのご活躍、すっごく楽しみですけど、20代の頃の若き(*´▽`*)アンジョルラスやジョン、その時その時の理生さんの舞台も歌もずっと忘れません。