「役になってない時の柚希さんは、可愛い女の子」、加藤和樹インタビュー(下)

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

2018年1月21日から大阪と東京で上演されるミュージカル『マタ・ハリ』に、ラドゥー役とアルマン役で交互出演する、加藤和樹さんインタビューの後半です。有料部分では、この1年を振り返ったお話も伺いました。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

――フランク・ワイルドホーンさんの曲を歌うのは初めてですよね?

はい、初めてです。

――歌を得意とされる方々も、みなさん「ワイルドホーンは……」とおっしゃいます。

それだけの歌のもっていき方というか、メロディもそうですし、「歌える人が歌うとこうなるんだな」と韓国で観てきて思いました。やはりすごくダイナミックな所はダイナミックですし、繊細な楽曲は観ていて本当に心がそこへもっていかれてしまう繊細さがありますね。そこを役としてどう歌い上げられるかが挑戦でもあります。

――しかも、2役演じるということは曲が多いですよね。

単純にそうですね(笑)。心配なのは、ラドゥー、マタ・ハリ、アルマンの掛け合いがあるんですが、間違えないかなって(笑)。

――それは大変そうですね。

ミュージカルをやる時は他の方の曲も覚えますが、それを実際に舞台上で役として、違うパートを歌わなければいけないので。

――それを昼夜で歌い分けるわけですね。

それが結構心配ですね。

――柚希(礼音)さんの印象についてはいかがですか?

今回初めてご一緒させて頂きますが、ビジュアル撮影の時に初めてご挨拶させて頂いて、何の役にもなっていない時の彼女はすごく可愛らしくて、素の部分や飾らない部分が、マタ・ハリの隠している部分、弱い部分にすごく活きてくるんじゃないかなと思いました。やはり、マタ・ハリはとても強い女性じゃないですか。フランスからオランダに逃げてきて、名前を偽ってまで強く生きている女性なので、その強さと弱さがすごくぴったりだなと感じました。ステージで見る時の印象と、すごくガラッと変わるというか、そのギャップに少しビックリしました。

――舞台は何をご覧になったんですか?

『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』を観にいきましたし、その前の『ミュージカル バイオハザード ~ヴォイス・オブ・ガイア~』も観にいっています。

――取材などでご一緒されていますが、印象は何か変わりましたか?

とても可愛い女の子なんだなと。

<取材協力>
ヘアメイク:CHIHARU
スタイリスト:立山功
衣裳協力:SEVESKIG(STUDIO FABWORK tel 03-6438-9575)、Bennu(D,E.N inc. tel 03-6447-5685)、JUHA(tel 03-6659-9915)

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、『フランケンシュタイン』『ハムレット』『罠』『レディ・ベス』と舞台作品だけでも盛り沢山だった一年を振り返ってのお話など、インタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■「ラドゥー」「アルマン」と書いたゼッケンを付けようかと(笑)

■分かりやすい「LOVE」ではなく、戦時中の心が許せる場所に

■「若さがない」ことに気付いて、がむしゃらに初心を取り戻し

■石丸さん演出で、より女性の視点を入れた『マタ・ハリ』を

<ミュージカル『マタ・ハリ』>
【大阪公演】2018年1月21日(日)~1月28日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【東京公演】2018年2月3日(土)~2月18日(日) 東京国際フォーラム ホールC

<関連サイト>
梅田芸術劇場 ミュージカル『マタ・ハリ』
http://www.umegei.com/schedule/675/
ミュージカル『マタ・ハリ』 twitter
https://twitter.com/matahari_2018
加藤和樹 Official Web Site / ASSIST
http://www.katokazuki.com/
加藤和樹 twitter
https://twitter.com/kazuki_kato1007

<関連リンク>

マタ・ハリ 関連記事:

⇒すべて見る

加藤和樹 関連記事:

⇒すべて見る

※『マタ・ハリ』加藤和樹さんのサイン入り写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月30日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■「ラドゥー」「アルマン」と書いたゼッケンを付けようかと(笑)

――女の子?

笑った顔もすごくキュートですし。僕も男役のイメージが強く、強い女性というイメージはありましたが、彼女の持つ女性としての本能的な部分というものが、マタ・ハリにすごくいい影響を与えるんじゃないかなと。例えばアルマンと接しているときの屈託のない笑顔だったり、お互いのいい部分を引き出していけるんじゃないかという感じがしました。

――逆に加藤さんの印象について、柚希さんから言われて意外だったことはありますか?

お互い意外な面はあったと思いますよ。僕もクールと思われたりするので。これから一緒に稽古していくなかで、より役としての仲も深めていけると思います。僕は2役やるので、柚希さんをあまり混乱させないように(笑)。

――特に稽古中はビジュアルも変わらないですもんね。

「ラドゥー」「アルマン」と書いたゼッケンみたいなものを付けようかと(笑)。

――(笑)。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

■分かりやすい「LOVE」ではなく、戦時中の心が許せる場所に

――柚希さんが宝塚を退団されてから出演されたこれまでの作品には、あまり恋愛要素がなかったんです。その部分も柚希さんにとって新しい作品だと思いますが、そのお相手としてはいかがでしょうか?

やはりアルマンとラドゥーではアプローチの仕方も全く違いますし、どちらかというとアルマンの方がマタ・ハリと親密な関係になっていくということで、そこの女性の部分というのを引き出せるといいなと。ちゃんとロマンチックに2人が惹かれあうというところを、それは多分お互いに出しあっていかないと成立しないと思うんですよね。

――加藤さんがご出演されて来た最近の作品も、そんなに恋愛色は強くないですよね。

そうですね。でも、今回もガッツリではないかな。心が惹かれあうというか。例えばベッドシーンがあるとかそういう事ではなく、全く違うところにいる2人が、もちろんそれもアルマンの策略なんですが、そこでダメとは分かっていても惹かれあってしまう。いわゆる禁断の恋的なものですよね。見た目で「愛」「LOVE」というのものではなくて、心が繋がるという、どちらかといえば大人な感じの愛の物語が作り出せたらいいなと思っています。例えば『ロミオとジュリエット』のように、とても分かりやすい「LOVE」ではないと思うんですよね。やはり戦時中に、その中で繰り広げられていく一つの安息というか安らぎ、心が許せる場所みたいなものになるといいなと思いますね。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

■「若さがない」ことに気付いて、がむしゃらに初心を取り戻し

――今年は、『フランケンシュタイン』、『ハムレット』、『罠』、『レディ・ベス』と舞台作品だけでも盛り沢山の一年でしたが、振り返っていかがですか?

今年はすごく濃厚な1年だったと感じています。「1年過ぎるのが早い」とよく言われますが、一つ一つの時間の流れがちゃんと自分に帰ってくるというか。今この段階で思い返してみると、あっという間だったなと思いますが、一つ一つをしっかり思い出してみると、『フランケンシュタイン』も、『ハムレット』も、ライブも、一つ一つがちゃんと次に繋がるものになっていると思うんです。『罠』も7年ぶりにやって、自分の初心にも立ち返ることが出来ましたし、さらにそれが次に繋がっていくということを、すごく感じました。『レディ・ベス』も再演ですが、次へのステップになると思っています。それらすべてが、来年1本目の作品『マタ・ハリ』にすごくいい影響を及ぼすと思います。

今、自分が30歳を超えてから気付いたのは、「若さがない」ということ。それはいい意味でもありますし、悪い意味でもあるんですよね。すごくいい経験をして、もちろん歌も技術的には歌えるようになってきている。でも、その分失われた新鮮さ、フレッシュさ、がむしゃらさがあるということなんです。自分が気付かない内に失われてしまっていると気付かされたんですよ。だから、『レディ・ベス』ではその初心の気持ちを取り戻していてやっています。『マタ・ハリ』では新鮮な気持ちで、とにかくがむしゃらに挑んでいくということを忘れないようにしなければと思っています。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

■石丸さん演出で、より女性の視点を入れた『マタ・ハリ』を

それを乗り越えた先の『マタ・ハリ』という作品を自分はもちろん成功させたいですし、日本で初めて上演されるということで、韓国版とも違った日本で演じられる『マタ・ハリ』をお客様にお届けしたいと思います。今回の演出は石丸さち子さんです。韓国では男性の演出でしたが、女性なのでよりマタ・ハリの目線というか、女性の視点を入れてくださるのではないでしょうか。

――石丸さんはとても緻密に作られますね。

お話をさせて頂いていた時に、「お芝居の要素もより深くしたい」とおっしゃっていました。

――『フランケンシュタイン』もそうでしたが、日本で上演される時に日本ならではの良さが加わっていきますね。

歌の芝居だけでは伝えきれないところがどうしてもあるので、そこを芝居で補っていかないといけないですね。

――楽しみにしています。

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

加藤和樹さん=撮影・岩村美佳

※『マタ・ハリ』加藤和樹さんのサイン入り写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは11月30日(木)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

Follow me!

“「役になってない時の柚希さんは、可愛い女の子」、加藤和樹インタビュー(下)” への 4 件のフィードバック

  1. エル子 より:

    加藤和樹さんは、ロミジュリのティボルトで初めてでしたが、その頃と比べると、歌も演技もものすごく変わったと思います。特に今年のフランケンでは新しい加藤さんを発見できました。レディベスのロビンには、ピュアな演技に毎回泣かされました。来年のマタハリ、タイタニックもとても楽しみにしてます。

  2. りり より:

    加藤和樹さんは、今どんどん魅力が増してきている方だと思います。30才を越えてこその演技や歌唱で、観る者を魅了されてる気がします。これからが益々楽しみで仕方ありません!1789、タイタニックの再演も嬉しいですね?あとは是非フランケンシュタイン❗再演熱望してます‼

  3. エル より:

    素敵なインタビューをありがとうございます。
    ラドゥ役の方がご自身のイメージに近い印象ですが、レディベスのロビンを観て、アルマン役もとても合うのではないかと思ったので、どちらも拝見するのが楽しみです。

  4. ゆう より:

    加藤和樹さんのインタビュー後半もとても興味深く読ませていただきました。
    マタ・ハリという作品、2役がどういう形に出来上がるのか、とても楽しみです。
    ぜひまた和樹さんを取り上げていただけたら嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA