【動画】パリとミラノで生まれた新曲2曲を披露、ピアニスト・木住野佳子ライブ

「木住野佳子 -New Year Live 2018-」より=写真提供:ヨシヨシ・ミュージック

ジャズピアニストの木住野佳子さんのライブ「木住野佳子 -New Year Live 2018-」が2018年2月24日、ビルボード大阪ライブで行われました。当日の様子を動画と写真、テキストでご紹介します。

「木住野佳子 -New Year Live 2018-」より=写真提供:ヨシヨシ・ミュージック

「木住野佳子 -New Year Live 2018-」より=写真提供:ヨシヨシ・ミュージック

木住野さんは、1995年に名門レーベルGRPより初の日本人アーティストとして世界デビュー。ジャズのみならずジャンルにとらわれない自らのサウンドを作り上げ、世界中のファンに愛されてきました。

今年でデビュー23年目を迎え、昨年はインドネシア、バリ島、上海、イタリア、フランス等、海外でも幅広く活動。2018年は恒例のニューイヤーライブでスタートし、大阪公演では大阪出身の早川哲也さん(ベース)、柴田亮さん(ドラム)とのトリオ編成で登場し、オリジナル、カバー、そして、パリ・ミラノ滞在時に作曲した新曲を披露されました。

アイデアニュースではこれまでも木住野さんのインタビューや活動についてご紹介してきましたが、今回は特別企画としてビルボードライブ大阪にも協力いただき、ライブレポートとあわせて当日のライブ映像を公開いたします。

無料ページでは、アイデアニュース読者の皆様に木住野さん本人からいただいたメッセージ動画とライブ映像の一部を、有料ページではライブレポートとライブ映像から見どころをピックアップしてご紹介!

こちらは、2018年2月24日のライブの1stステージと2ndステージの間の休憩時間に、木住野さんにお話を伺った動画です。

それでは、ビルボードの空間にとけこむ「木住野佳子の世界」のレポートをお楽しみください。

「2月になりましたが、ニューイヤーライブということで、あけましておめでとうございます! 今年初めての大阪、とても楽しみにしてまいりました」。春らしいパステルカラーのドレスを装った木住野さん、早川さん、柴田さんが登場すると、会場は大きな拍手に包まれました。この日の客席は2ステージとも満席で、開場前から多くのファンが列をなし、開演を心待ちにしている様子でした。

オープニングはリチャード・ロジャースの「My Favorite Things」。これまでのライブでも演奏されてきたファンにとってはおなじみのナンバーでもあります。

透明感のあるピアノの音色は繊細かつ力強く、ドラムとベースのリズムが重なるとさらなる迫力を増していきました。動画でご覧ください。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分では、ライブの様子を写真とテキストで詳しくレポートするとともに、ラストナンバーの「極楽鳥」を、前後のMCとともに1曲まるごと収録した動画(7分51秒)でご紹介します。まるで和太鼓のようなバチさばきで始まるドラムのソロに、力強いピアノが挑戦していくかのように重なって、さらには重低音のベースが激しくぶつかり合っていく、ライブでしか味わえない演奏の魅力を動画でお楽しみください。

<有料会員限定部分の小見出し>

■ボサノヴァ4曲をメドレーで。鍵盤を弾きながらスタンディングでダンス!

■パリで作曲した「Nuage」(雲)は、メロディがはっきりと歌声のように

■日差しが水面を照らす光景を思わせる、ミラノで生まれた新曲「La Costa」

■ラストは「極楽鳥」、和太鼓のようなドラムソロに力強いピアノが重なる

<木住野佳子 -New Year Live 2018->
【大阪公演】2018年2月24日(土) Billboard Live OSAKA (この公演は終了しています)
公式サイト
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10854&shop=2

<木住野佳子 トリオ>
【東京公演】2018年3月16日(金) BODY & SOUL
港区南青山6-13-9 TEL.03-5466-3348(午後5時以降)
http://www.bodyandsoul.co.jp/event/180316#content1top

<木住野佳子TRIO -Primavera Live->
【東京公演】2018年4月27日(金) JZ Brat SOUND OF TOKYO
渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2階 TEL.03-5728-0168 (受付時間は平日15:00~21:00)
https://www.jzbrat.com/liveinfo/2018/04/index.html#20180427

<ボサノヴァのライブ>
【神奈川公演】2018年5月31日(木) モーションブルー
横浜市中区新港一丁目1番2号 横浜赤レンガ倉庫2号館3F
https://reserve.motionblue.co.jp/reserve/schedule/move/201805/
(※編集部注:2018年3月7日現在、このページには予定は表示されていません)

<関係サイト>
木住野佳子オフィシャルウェブサイト
http://www.kishino.net/html/all.html
「Anthology」プレビューのページ(itunes)
https://itunes.apple.com/jp/album/anthology-20th-anniversary/id1025674159?app=itunes&ign-mpt=uo%3D8

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「木住野佳子 -New Year Live 2018-」より=写真提供:ヨシヨシ・ミュージック

「木住野佳子 -New Year Live 2018-」より=写真提供:ヨシヨシ・ミュージック

■パリで作曲した「Nuage」(雲)は、メロディがはっきりと歌声のように

今回のライブでは、新曲も2曲披露されました。1曲目は、パリでの滞在時に作曲したという「Nuage」。2017年はインドネシア、バリ島、上海、イタリア、フランス……と様々な国で演奏する機会に恵まれた木住野さんですが、「イタリアとパリは生涯のうちに必ず行きたいと思っていたので、2回ずつ行ってきました」。

「雲」という意味をもつこの曲は、メロディラインがはっきりとしていて、まるで歌声のよう。ピアノの調べとともに、パリの優雅な街と、白い雲が浮かぶ光景が目の前に広がっていくような気持ちで聴きました。

続いてはビル・エヴァンスの名曲「Waltz For Debby」。カバー曲でありながらも、木住野さんの代表曲ともいえるナンバーで、筆者も個人的に大好きな曲です。

演奏を終えた瞬間の客席に向けられた笑顔は幸福そのもの。この曲を演奏しているときの3人はとても楽しそうで、面白味のあるインタープレイを存分に楽しむことができました。

■ボサノヴァ4曲をメドレーで。鍵盤を弾きながらスタンディングでダンス!

そして「Jobin medley」。ボサノヴァ誕生の中心となったアントニオ・カルロス・ジョビンの曲から「赤いブラウス」「イパネマの娘」「おいしい水 原題:Agua de Beber」「想いあふれて 原題:Chega de Saudade(No More Blues)」の4曲をメドレーで演奏。

「年が明けると、不思議とボサノヴァを演奏したくなります。私はアントニオ・カルロス・ジョビンの曲が大好きなので、たくさん演奏したい曲があり、昨年のライブでもメドレーを演奏したんですが、今年はまた違った曲でメドレーを作ってきました」

「赤いブラウス」は2000年に発表したボサノヴァのアルバム「Siesta」にも収録されており、軽快なリズムが印象的。「イパネマの娘」はトリオではほとんど演奏しない曲だそうですが、アレンジが施されて独自の世界観を作り出していました。「おいしい水」は少し懐かしい感じのメロディラインで大人のムード満点、締めくくりの「想いあふれて」では、楽しそうにダンスを繰り広げながら、スタンディングで鍵盤を弾くと、観客も手拍子。木住野さん本人も踊りながら演奏していたので、曲が終わったとたん「息切れしました(笑)」と、会場をさらに和ませてくれました。

■日差しが水面を照らす光景を思わせる、ミラノで生まれた新曲「La Costa」

新曲2曲目は、ミラノで生まれたという「La Costa」。ドラムブラシの「シャンシャンシャン」という音色は打ち寄せてくる静かな波の音、ベースの優しい重低音と透明感あるピアノの調べは、日差しが水面をキラキラと照らす光景を思わせるサウンドでした。3つの音が重なり合い、やがて力強くなっていく曲調がとてもかっこ良くてお洒落です。

この曲について木住野さんは、「昨年の3月、ミラノのフェスティバルで友人の家に泊めてもらった時に、海辺を散歩しながら生まれた曲です」と話しました。

さらには、ジャズの名曲でナット・サイモンの「poinciana」も演奏。「お花」という意味を持つ原曲にアレンジを施してしっとりと奏で、心地よいピアノセラピーを体感しながら、ラストナンバーの「極楽鳥」へと続いていきます。

■ラストは「極楽鳥」、和太鼓のようなドラムソロに力強いピアノが重なる

「極楽鳥」は、最近のライブでラストを飾ることの多い、とてもパワフルな曲です。まるで和太鼓のようなバチさばきで始まるドラムのソロに、力強いピアノが挑戦していくかのように重なり、さらには重低音のベースが激しくぶつかり合っていきます。3つの音の競演が最後にはぴったりと重なり合うサウンドは圧巻、思わず歓声が上がるほどの大迫力でした。

アンコールは、アストル・ピアソラの「Libertango」。いまや彼女のライブで定番の曲となっており、「これが聴きたかったの!」という声が客席からも聞こえてくるほど。ファンの皆さんにとっても新春のスタートにふさわしいライブとなったのではないでしょうか。

なお、4月27日には、東京・渋谷「JZ Brat」で「木住野佳子TRIO -Primavera Live‐」が行われる予定です。

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