「花魁役、ささやかですが自信になった部分はある」、壮一帆インタビュー(下)

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さんのインタビュー後半です。ほぼ初共演のみなさんについて伺いました。さらに、有料部分では、『魔都夜曲』や『戯伝写楽 2018』についても伺いました。

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

――今回全員、初共演ですか?

同じ事務所の(木戸)邑弥くんには、ディナーショーに出てもらいました。

――そうなんですね。みなさんの「ここが面白い」とかありますか?

(原田)優一くんはカンパニーの中では寮母さんみたいな感じですね。

――寮母さん(笑)。

玉野さんの作品にもたくさん出ているし、ご自身の経歴もすごいので、ものすごく冷静に色々な人や物事を見ているから、的確な考え方をスパッと言うことができる、頼りになるお母さん的な存在です。「お前ら演じろよ」みたいな真っ直ぐな兄貴の中河内(雅貴)くんがいて、何となく輪の中には入っているけれど、群れすぎずに自分のワールドで楽しんでいるのがみっちゃん(東山光明)。

――なるほど。

でも、常に輪の中には入っているんです。

――今の役割の中だと、壮さんはどういうポジショニングをするんですか?

私もみっちゃんのようなポジションにはいたいと思っていますが、玉野さの次に名前を連ねるところにいて、軸となってやらなければいけないところもあるので、そこはがっちり固めたいと思います。そうじゃないところは、漂って楽しめたらと思っていますね。

――他のキャストのみなさんはいかがでしょうか?

女子は男っぽいです。年齢は10歳くらい離れているんですが、やはり女優さんはサバサバしていて、男っぽいなと思います。すーちゃん(三森すずこさん)も醸し出すものは可愛いですが、軸の軸は割とさっぱりしています。(新垣)里沙ちゃんは本当に完璧。パーフェクトウーマンです。

――さすがですね。

本当に女子3人は出自がまったく違うフィールドなんですよ。声優、アイドル出身、宝塚出身というところなので、現場においてそれが出るんです。例えば、里沙ちゃんはアイドル出身で、テレビが多いからなのか、その場で覚えてパーフェクトなんです。もちろん性格もあるんでしょうが、私は元々グータラな人間なので、「初日に間に合えばいっか」という割と緩い感じ。すーちゃんは本人も言っていましたが、本を読みながら台詞を言うことに慣れてしまっていて、覚える感覚を少し思い出さないと出てこないって。そういう違いがすごく面白いなと思っているんです。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、『魔都夜曲』での男装の麗人・川島芳子役と、『戯伝写楽 2018』での花魁・浮雲役などについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■人と分け隔てなく喋るのが、自分の理想としている人生の理念の一つ

■『魔都夜曲』の川島芳子は、久しぶりに呼吸が出来たような役でした

■『戯伝写楽 2018』は「本当に心配していました」というファンレターがいっぱい

■まだ、3歳だから! 水が砂に染みこんでいくような感じでいきたいな

<SHOW HOUSE『GEM CLUBⅡ』(ジェムクラブⅡ)>
【東京・プレビュー公演】2018年3月16日(金)~3月18日(日) シアター1010
http://www.t1010.jp/html/calender/2018/340/
【東京公演】2018年3月24日(土)~4月5日(木) シアタークリエ
http://www.tohostage.com/gem_club/
【大阪公演】2018年4月14日(土)~4月15日(日) サンケイホールブリーゼ
http://www.sankeihallbreeze.com/list/drama/2017/10/show-house-gem-club.html
【愛知公演】2018年4月18日(水) 日本特殊陶業市民会館
http://www.kyodotokai.co.jp/events/detail/1458

<公式サイト>
http://www.tohostage.com/gem_club/

<関連リンク>
壮一帆オフィシャルファンクラブ「SO CLUB」
http://kazuho-so.tumblr.com/
壮一帆キューブオフィシャルサイト
http://www.cubeinc.co.jp/members/prf/016.html

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壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

――それこそ、みなさんそれぞれの細胞に埋めこまれたものがあるでしょうね。

みんなすごく自分と向き合っているんだろうなと思います。玉野さんもおっしゃっていましたが、芝居と違ってショーは自分自身の名前が全面に出るものだから、その“人となり”が芝居以上に出るんです。それが魅力となって出るように玉野さんも考えて構成していらっしゃるでしょうから、それに少しでもお応えできるようにしないといけないと思っています。里沙ちゃんは一番体が小さいですが、一番パワフルに動いていますよ。

――新垣さんはアクション系の舞台も出演されていますし、エネルギッシュなイメージがありますね。

■人と分け隔てなく喋るのが、自分の理想としている人生の理念の一つ

――GEMのみなさんとはご一緒されていかがですか?

若い! 20代前半ですからね。でも、もちろん私も年齢も意識しますが、基本的に人間同士誰であろうと分け隔てなく接するというのが、自分の理想としている人生の理念の一つでもあるので、いいものを彼らから吸収したいと思っています。『GEM CLUB』は彼らが主役ですから、私が出ることによって微力ながらですが、何かしら刺激を与える事が出来たらなと思い、それを探っている段階ですね。みんな今時の子ではあるんですが、モチベーションが高いと感じます。当たり前のことかもしれませんが、すごいですね。その出す方向性や出し方を少し刺激して、パーンって出せるようになったらいいなと。どうしても一つにまとまって、なかなかはみ出せないところもあると見ていて思うので、「そうじゃなくていいんだよ」と、お兄さんお姉さんたちでバランスを取りながら、発散させていけたらと思っています。

――それは宝塚にいたときの、下級生を見る感じと似ていますか?

似ていますね。「もっとやれよ、もっとでかけてこいよ、こっちこいよ」って(笑)。

――そういうときって、「こいよ」という“何か”をまくんですか?

私はストレートに口で言いますね。でも、手取り足取りではないです。ポイント、ポイントで言うようにしています。宝塚は人数が多いせいか、何となく役割が決まっているんです。私がトップの頃、任せられるところは下の子に任せて、私自身は最終手段として居るようにしましたね。一番上の人があまり手取り足取りやるというのは、それはそれで違うと私は思っていたので。

――それぞれの印象を伺えますか?

秀くん(多和田秀弥さん)は、まだちょっと分からない。秀くんとがっくん(松田岳さん)は大きいので、2人並んでいると、お山がそびえ立っている感じ。

――(笑)。

でも、性格もそんな感じなんです。がっくんは、あまり喋らないけれど、一人ぼっちが好きじゃないんですよ。だから、気がついたら側にいて、「どうしたの?」って。「いや、なんか俺一人だったから」って言うから、寂しん坊かって。

――(笑)。

がっくんは意外と、意外とって言ったら失礼だけれど、甘え上手なところはあります。(本田)礼生くんはとても気がつく、優等生タイプ。アクロバットがすごくかっこよくて、楽しみですよ。(古田)一紀くんは一番年下ですが、ホントに年下な感じですね。疲れたら、「疲れた」ってなっちゃうの(笑)。

――弟ポジションみたいな(笑)。

すごく“弟ポジション”で、可愛いところはちゃんと押さえている。でも、すごくしっかりとしていて、バイタリティが溢れていますね。

――木戸さんは今回作品で一緒になってみていかがですか?

木戸くんね、オチじゃないですが、相対的に、そういうキャラなんだと思います。すごく綺麗な顔をしているんですよね。でも、ただの綺麗な顔をしただけの俳優さんじゃないということです。それだけで終わるかと思いきや……というところが彼の面白さだと思います。

――昨年、5人のインタビューをさせて頂いたので、壮さんがおっしゃること、すごく分かります。

ホント? 合ってますか?

――今、風景が浮かびました(笑)。多和田さんについて「大きい」しか言ってないですが……(笑)。

そうですよね(笑)。秀くんとも喋りますが、まだ個性を見抜くところまではいけてなくて。1回、みんなでご飯食べにいかなきゃと思っているところです。

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

■『魔都夜曲』の川島芳子は、久しぶりに呼吸が出来たような役でした

――最近のお話を伺いたいのですが、先程、最近の舞台を観てくださってファンになってくださった方がいらっしゃるとのことでしたが、特に『魔都夜曲』『戯伝写楽 2018』は、壮さんのかっこいいところと、麗しいところと両方が見れて素晴らしかったです。

ホントに? やったー! 超嬉しい!

――私の周りでも、「壮さんが素敵だった」という声が多くて。きっとご覧になったみなさんが、そう思っていると思います。男装の麗人・川島芳子と、花魁・浮雲は、違うといえば違いますが、見せ方や格好よさに、壮さんの潔さが出ていて、とても素敵だなと思いました。ご自身では、あの二つの役を演じられてみて、今どう思っていますか?

先程も言いましたが、女優になって2年ちょっとなので、今、何をやるにしても、与えられた役をやるにしても、下級生のころの感覚にすごく近いものがあるんです。それが何かというと、「何かハマんないな」という感覚。もう19年も男役としてやってきて、最後は呼吸するように男を演じてきて、ある程度のベースがあった上で、そこに役のエッセンスを盛りこんで、自分なりに表現するというスタンスが出来上がっているんですよね。そこを根本から性別が違うものとして演じるというのは、女としてのベースメントが出来ていない分、やはりぐらぐらと軸が揺らいでしまうところがあるので、「これでいいんだろうか」という不安が毎回あるんですよ。

その中でも川島芳子は、男装することもあり、久しぶりに呼吸が出来たような役でしたね。スーツで立って芝居をするということが自分の中であまりにもハマりすぎて、その中で芳子としてキャラクターを作るというところにもってゆく事が出来たので、この時期にあの役に出会えたのは、すごく有難かったですね。

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

■『戯伝写楽 2018』は「本当に心配していました」というファンレターがいっぱい

花魁に関しては、正直ファンの方が想像以上に心配していたみたいです。「出来るの?」って。

――なるほど(笑)。

「今だから言いますが……」「本当に心配していました」というファンレターがいっぱい来るんですよ。「花魁出来るの?」と、そんなに心配されていたんだと思いました。初演がありましたから、どういう役どころかは分かっていましたし、「大丈夫だろう。でもやってみないと分からないや」と思って挑戦しましたが、事務所の先輩の村井(國夫)さんにも「今回、本当に勝負だからな。女の中の女を演じることが、どういうことか分かっているのか」とすごく言って頂きました。そういう先輩がいらっしゃることは、とても有難いことですね。(橋本)さとしさんとは3作ご一緒しましたが、その都度、自分に対して思った事を言ってくださるので、すごく有難かったです。

そういう中で、悩みながらでも花魁役に挑戦してみて、一緒に芝居をする共演者の方と意見を交わしながら創っていきましたが、そこには日舞というベースがあったんですよ。私は日舞の名手ではないですが、一応やってきましたし、娘役という、いいお手本が周りにずっといましたので、日本物をやったことがない女優さんがいきなり役づくりをするよりは、一つ上の段階から挑戦していけた気がして有難かったです。日本物は元々好きでしたしね。何より楽しんで出来たのがよかったです。あの大きなカツラも着物も重いですが、きらびやかな衣裳を着せてもらって、毎回自分でメイクをするのも、すごく楽しかったですね。

――じゃあ、ご自身でもその2つの役は手ごたえがあったということですね。

色々な意味で手ごたえはありました。でも、それと同時に安心は絶対してはいけないなと思うので、まだまだというところですね。先輩方はもっと厳しい意見をもっていらっしゃるので、それを自分から伺いにいって、これからの課題を得て次に繋げる。その中でも本当にささやかですが、何かしら自信になった部分はあるかなと思っています。

――今、すごく楽しそうですよね。

楽しい!

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

■まだ、3歳だから! 水が砂に染みこんでいくような感じでいきたいな

――新たな人生の、4年目に入られましたね。

そう! まだ、3歳だから! 水が砂に染みこんでいくような感じでいきたいなと思っています。

――なるほど。その3年半分、新たに進化した壮さんの、新たなショーという感じですね。

今までだったら、芝居をして女優として見せていた部分を、今度は“壮一帆”として、エンターティナーとしてお見せしたいです。こういう自分が、川島芳子や花魁に挑戦しているんですよという根本を観てもらえるという点では面白いかもしれません。自分の全てをさらけ出すつもりでやりたいと思います。

――分かりました。今の“壮一帆”を堪能できるということですね。最後に楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

今回『GEM CLUBⅡ』では、とにかく収まらないようにしたいと思います。それが私の一つのテーマです。これは若い彼らもきっとそうでしょうし、私も色々な経験を経た事でどこか収まりがちになってしまう気がするので、美しくみせるだけのことはしたくはないですね。見苦しくない程度にはみ出してやっていきたいので、温かく見守って頂ければと思います。

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

壮一帆さん=撮影・岩村美佳

※壮一帆さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。この下の応募フォームからご応募ください。応募締め切りは3月26日(月)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。

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“「花魁役、ささやかですが自信になった部分はある」、壮一帆インタビュー(下)” への 3 件のフィードバック

  1. グレイ より:

    読み応えありました。
    在団中から応援しています。
    これからも壮一帆さんを取り上げて下さいますようお願いします!

  2. とき より:

    初日、観劇しました。いろんな壮さんを観れ、舞台も笑いぱなしで、とても楽しかったです。宝塚時代の壮さんを知らないので、ショーの舞台に立つ姿を生で観劇するのは初めでした。宝塚でトップスターになる方の絶対的な輝きを観劇のたびに感じます。これからも、進化して行く、壮さんを観て行きたいと思います。

  3. きりん より:

    とても読み応えのあるインタビューでした◎
    魔都夜曲ではじめて壮さんを拝見して虜になった者の1人です。戯伝写楽の花魁しかり、GEM CLUBでも新たな壮さんのお姿を拝見できるのかと思うととてもわくわくします。

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