ミュージカル『サムシング・ロッテン!』に兄弟役で出演する、中川晃教さんと平方元基さんにインタビューしました。中川さんは兄・ニック・ボトム役、平方さんは弟・ナイジェル・ボトム役を演じます。今年は、『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜で、星野鉄郎役とキャプテン・ハーロック役という真逆ともいえる関係性の役を演じたおふたりが、どんな兄弟を演じるのか期待が高まります。さらに、2019年は『銀河鉄道999』さよならメーテル〜僕の永遠で、再び共演の予定。共演が続くおふたりに、ふたりならではの関係性などについて伺いました。(上)(下)に分けてお届けします。
前回の対談でもおふたりの仲の良さは存分に伺いましたが、プライベートからとても仲良しのおふたり。中川さんの左手のブレスレットは、平方さんから中川さんへ誕生日プレゼント。中川さんのバースデー翌日の取材で、この撮影の前にプレゼントを渡していました。「めっちゃ可愛い!」と中川さん。早速つけて撮影しました。
ーーこの作品の面白さについてどう感じていますか?
平方:どの曲もキャッチーなので、歌稽古をやっていてもすごく楽しいですね。そこに毎公演気持ちを乗せていくのは、僕たちがとても頑張らないといけないんだろうなと思います。ふたり一緒のときはいいんですが、それぞれの物語が進み出したときに、お兄ちゃんはお兄ちゃんが、僕は僕のやらなければいけないことがあるので。
中川:新鮮さっていうこと?
平方:単純にセリフの物量じゃないかな。
中川:結構多いもんね。
平方:アッキー(中川)はずっと喋ってるじゃん。ただ、アッキーが喋ったら面白いんだろうなというセリフがたくさんある(笑)。
中川:さすが福田(雄一)さん。
ーー特にここがとかありますか?
平方:もちろんキャラクターありきなんですが、普通だったらアッキーに言わせないようなセリフが、想像がつかなくて面白い。
ーー確かに。私も台本を拝見して、むしろ平方さんのナイジェルのほうが、まだ想像がつくというか。
平方:そうそう! ナイジェルは、物語の厚みのなかでも、真ん中の筋のほうをちゃんと辿っていくじゃないですか。普通の人間の感情のままに。お兄ちゃんは破天荒だし。
ーー文字だけを追っていくと、ニックに共感できなかったんです。売れるためにノストラダムスに頼ってしまうところとか。
平方:確かにかなり辛辣なことは言っていますが、音楽が鳴ると中和されるので、それは大丈夫だと思います。
ーー中川さんはこの作品の面白さや興味の惹かれるところなどはいかがですか?
中川:とっても面白い作品だと思いました。僕たち兄弟の話で、作品としても、「サムシング・ロッテン」=「何かが腐っている」という意味から想像する最初のイメージと、台本を読んだときに感じたものとが、僕のなかでは違ったんですよ。最初は、人間の持っている本質的なものに対する皮肉とかなんだろうかと思ったんですが、読んでみたらこれはミュージカルのことなんだと。ミュージカルについてのエトセトラなんだと思ったときに、おやおや?と。兄弟に対するシェイクスピアという人間がいる構図がわかったときに、またおやおや?と。ミュージカルが生まれる起源というものが、ひとつのテーマとしてあって、じゃあこのタイトルからくるものは何なのだろうと考えたんです。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、『サムシング・ロッテン!』についてのさらに詳しいお話のほか、共演された『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜をふまえてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。12月14日掲載予定のインタビュー「下」では、「僕たちはまだ30代」というおふたりならではのお話など、インタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■中川「ブロードウェイが抱えている現実、過去もコメディとして面白くしてしまう」
■平方「『銀河鉄道999』で、アッキーがぽつっと『元基も、そのうちわかる』と」
■平方「あのアッキーを見ているからこそ、劇団でニックが奔走する姿がわかった」
■中川「今回は、元基が言ってくれたように、このままの関係性が兄弟役に繋がれば」
<ミュージカル『サムシング・ロッテン!』>
【東京公演】2018年12月17日(月)~12月30日(日) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】2019年1月11日(金)~1月14日(月・祝) オリックス劇場
公式ホームページ
http://www.something-rotten.jp/
<関連リンク>
中川晃教 オフィシャルサイト
http://www.akinori.info/
中川晃教 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/nakagawa1982aki
平方元基 オフィシャルサイト
http://www.horipro.co.jp/hirakatagenki/
平方元基 Twitter
https://twitter.com/hirakatagenki
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※中川晃教さんと平方元基さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは1月13日(日)です。(このプレゼントの募集は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
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■中川「ブロードウェイが抱えている現実、過去もコメディとして面白くしてしまう」
中川:僕がミュージカルのなかで重要視しているところは、芝居としてやりどころがあるのかということ。この作品のタイトル「サムシング・ロッテン」の意味は、何かが腐ってるという意味ですが、何かが腐っているという“何か”が、ある意味お客様にも投げかけられるものでもあるのが、面白いと思います。それは兄弟の夢や情熱の結果、表目にでたり裏目にでたりする人間らしさは現代の全ての人にも通じたり。ブロードウェイミュージカルであることも興味深いことのひとつ。例えばユダヤ人などの人種、イギリスに対するアメリカの歴史など、ブロードウェイが抱えている現実、過去さえもコメディとして面白く可笑しくしてしまうセンスみたいなものが、このなかに詰まっているなと。そう思ったときに、これを日本で上演する理由が僕なりに見えてきたんですね。
そう思ったときに明瞭に見えてきたのは、福田さんの配役。何がしか役と俳優がリアルタイムで直結できるんじゃないか、もしくは過去にやった役がリンクできるんじゃないか、同じエンターテインメントの世界で、共有事項を持つことによってうまれる対峙する魅力があるんじゃないかなど。そういうものも含めて、どの役にもそれぞれに旬があるなと思ったときに、今すごくいいタイミングで上演されるんだ! まさに何かが熟しているんじゃないかと思える面白さを感じました。
■平方「『銀河鉄道999』で、アッキーがぽつっと『元基も、そのうちわかる』と」
ーーおふたりは『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜に引き続いての共演になりますが、その時間を踏まえて、今度は『サムシング・ロッテン!』のニック&ナイジェル兄弟役で共演することについてはどう感じていますか?
平方:前回初めて一緒にお芝居をして、アッキーがぽつっと「元基も頑張り続けると、そのうちわかることがあるよ」と言ったことをすごく覚えているんです。
ーーそれはどんなタイミングだったんですか?
平方:それは覚えてない(笑)。あんまり人の話を聞かないから覚えられないんですよね(笑)。
(一同笑)
平方:でも、刺さる言葉は覚えているじゃないですか。その言葉は刺さっていたから覚えていたんですよ。あのとき、カンパニーのなかで、どうにかしなければ、何とかしなければとなっていたアッキーの姿を、僕は間近ですごく見ていたんです。彼の孤独だったり。
中川:あたすのこと?(笑)
■平方「あのアッキーを見ているからこそ、劇団でニックが奔走する姿がわかった」
平方:(笑)。おそらくその姿を知らない人は、アッキーとニックとを結びつけにくいんだけれど、今回『サムシング・ロッテン!』の台本を読んだときに、前に進まなければいけないというアッキーの姿を知っているがゆえに、劇団でニックが奔走する姿がものすごくわかったんです。
ーーリアリティがあるんですね。
平方:歌詞をたどっても、あのアッキーを見ているからこそ、すごく通じるものがあったんです。だからこそ、ノストラダムスのところに行って、なんとかしなきゃいけないんだと、兄弟にさえも嘘をついたり。アッキーが嘘をついたことはないけれど、ニックはそういう手段をとらざるを得なかったりする。ニックはジャンプする幅が広いから、普通にやっているととても疲弊すると思いますが、普段のものをつくるアッキーを間近で見れたので、ニックの人物像にすごくリアリティが生まれてきました。ハーロックと鉄朗は、精神的には近いけれどリアルな距離感的には遠いじゃないですか。今回はずっと隣にいるし、より深く近い、今、役を纏わないで僕らが話しているようなのに近い関係性でできるような配役だと思いました。
■中川「今回は、元基が言ってくれたように、このままの関係性が兄弟役に繋がれば」
中川:確かにハーロックのときは、鉄郎の心のなかの支え、指針みたいなところで、心で通じ合っていたけれど、直接的な一緒に歩いたり会話をすることに重きはなかったよね。初共演だったけれど、個人的に遊んだり話したりする機会があったから、感じていたことを役に生かしていたんだよね。それは、元基という人間が持っている、こんなに素敵なところがあるなとか、こんなに優しいところがあるんだとか、こんなに周りと歩幅を合わせながらも自分がどうすべきかを真剣に悩んでいるんだとか、ポジティブな部分、憧れる部分。今回は、元基が言ってくれたように、このままの関係性が兄弟役に繋がればと思っています。
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アッキーの靴下が可愛いですね!
ニックもナイジェルも可愛かったです?皆さん、表情豊かで沢山笑いました?
東京千秋楽までにもう一度記事を読み返しました。ボトム兄弟の「なんか腐ってる!」が心地よく身体に浸透しました☆*゚
(弱さって誰にもありますよね)
大阪公演でもきっとその、「なんか腐ってる!」感が息のあったボトム兄弟から醸し出されるのを楽しみにしています.。.:* ♬*゜
「笑い」を楽しみにするミュージカル♪と今までにないワクワク感で大阪公演を待つ中川晃教ファンです。この記事で 「これまで諦めずに前に進んできた中川晃教だからこその公演なんだ」との思いが重なり、貴重な公演と実感。
全力で楽しもう♪ 意欲満々♪
来年が楽しみに♪
素敵な記事のチカラ!
友達がダビングしてくれたBW版のCDを聴いたら、どのナンバーもワクワクする楽しさでした。これらをアッキーや元基くんたちが歌うかと思うと、本当に楽しみです。
素敵な記事ありがとうございました。
お2人の仲の良さ、そこから通ずるお芝居がとっても楽しみになりました。
後半も楽しみにしています!
初福田雄一作品、楽しみにしています。長〜い間 思っていた○川○教の共演も! (※編集部補足:この作品には中川晃教さんと西川貴教さんが共演されます)
中川さんと平方さんの仲良しさが伝わる温かいインタビュー記事をありがとうございます!お二人の柔らかい表情の写真も素敵です!
開幕直前のワクワクがピークに達する時期に素敵な記事を掲載してくださり、いつもながら本当にありがとうございます!
平方さんと中川さんの仲良しぶりがお写真からもインタビューからも伝わってきて、この関係性を舞台から感じ取ることがとても楽しみになりました。
タイトルの意味、今上演する意味、配役の理由など深く掘り下げて考える中川さんの取り組み方、尊敬します。
その中川さんを近くで見て、役との繋がり、ご自身との繋がりを重ね合わせる平方さん、、お二人に見えているものがどのように舞台上に現れてくるのか、期待が高まります!