「僕たちはまだ30代。いい感じのバランスでやれる」、中川晃教&平方元基対談(下)

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さんと平方元基さんのインタビュー後半です。有料部分では、『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~を経てさらに感じたことや、『サムシング・ロッテン!』への期待を伺いました。

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

平方:ナイジェルはひどいプレッシャーを与えられると過呼吸になってしまうくらい、表に出ていく才能は自分にはないと思っていて。そういうところが割と僕に似ている気もします。僕も過度のプレッシャーを与えると使い物にならないから。

中川:そうなの?

平方:過呼吸にはならないけれど、過呼吸ぎみにはなるよね(笑)。

中川:信じられない(笑)。

平方:ブロードウェイの映像を見たときに、わりとリアリティをもってやっていたんですよ。わかりやすく過呼吸みたいにはやっていなくて、やばいやばい……となったところにお兄ちゃんが助けにきてくれるから。すごく難しいと思ったのは、リアリティと、台本に書かれているギャグの応酬の段差が広いから、そこを埋める作業をするなかで、みんなでこれでいいと思うところまで持っていけるか。不安な状態で、よくわからないよねというまま本番の舞台に乗せられて、笑わせなければいけないのは一番つらいので、それを超えていく稽古期間にするには、素に近いアッキーのニックがものすごく他のキャストにいい影響を与えるんじゃないかと思います。

中川:キーになるかな?

平方:すごくキーになると思うよ!

中川:いつも元基の話を聞いていて思うんだけれど、彼の話はすごくわかりやすいんですよ。だから、今、目の前にある作品に対して、役づくりをどうしていこうかと話している取材ではないけれども、聞いているとなるほどと思うことがあるんだよね。この兄弟はそういうことなのかもとか。すごいと思うのは、お互いに畑もちょっと違うんだけれども、このひとつの世界のなかで、お互いを尊重しあいながら、いい感じのバランスでやれる。このバランスが俺たちにはすごくあるなと。

平方:うんうん!

中川:そこに例えば大女優さんやベテラン俳優さんが入ってきたりすると、僕たちはまだ30代で、まだまだ気を使うというか、調和のなかで自分たちが何をすべきかを考える。その辺も含めて、決して自信がないとか、そういうことをやりたくないとかではなくて、本質的な部分で持っているものが、この兄弟のチャンスを掴めるところまで行っているのに、あとひとつ答えが出せずにもがき苦しんでいる人間臭さに繋がっていて。それってよく冷静に見てみたら、それぞれ何か決意や思いを持っているんだよねと。ぽんと背中を押される瞬間がある。

平方:わかる。歴史的にも間違いなく大物である、シェイクスピアがいたり、ノストラダムスがいたりという感じで、西川貴教さん、橋本さとしさん、というスーパースターが来るわけじゃないですか。そうなったときに、役者として、やっぱりどういう距離感をとろうかとかなってくるじゃない?

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~での共演を経て、お互いについて改めて思ったことや、新しい発見などについて伺ったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■平方「わからないことも突っ走らなければいけない台本。アッキーとなら行ける」

■平方「(前回の共演後)中川晃教という人と、ちゃんと喋りたいと。終わった後も」

■中川「ミュージカルがなぜこんなに楽しいのか、説得力を持たせられると思います」

■中川「観にくるまでわからない、そういう爆弾を投げる」。平方「やったるぜい!」

<ミュージカル『サムシング・ロッテン!』>
【東京公演】2018年12月17日(月)~12月30日(日) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】2019年1月11日(金)~1月14日(月・祝) オリックス劇場
公式ホームページ
http://www.something-rotten.jp/

<関連リンク>
中川晃教 オフィシャルサイト
http://www.akinori.info/
中川晃教 オフィシャルTwitter
https://twitter.com/nakagawa1982aki
平方元基 オフィシャルサイト
http://www.horipro.co.jp/hirakatagenki/
平方元基 Twitter
https://twitter.com/hirakatagenki

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平方元基さん=撮影・岩村美佳

平方元基さん=撮影・岩村美佳

※ここから有料会員限定部分です。

■平方「わからないことも突っ走らなければいけない台本。アッキーとなら行ける」

ーー当然ふたりだけのときとは違いますよね。

平方:そこで相談しなくても、アッキーがそっちに行くなら、俺はこっちにやってみるねとか、稽古場で混じり合うまでにそれぞれにやってみようと、言わずともできるのがありがたいですよね。

中川:そうそう! このキャスティングの意味が、そういうところにあるのかなって思ったもん。

平方:だって兄弟が、俳優どうしでギスギスしてたら嫌だもんね。

中川:そうだよね。

平方:わからないことも突っ走らなければいけない台本だと思うんですよ。そこを、アッキーとなら行けるって思った。

ーー心の支えになりますね。

平方:弟だから、かなり支えてもらいますよ!

中川:いやいや、俺もかなり元基に支えられると思うよ。

平方:「アッキー、目をつぶって走ろう!」って(笑)。

中川:そう(笑)。福田さんはなぜ俺たちを兄弟役にしたんだろうね。実は、僕は、最初はシェイクスピア役をやりたいと思ったんですよ。実際に蓋を開けてみたら、福田さんはニックがいいとおっしゃったんです。最初にシェイクスピアと思ったのは、この役に共通するやりたいと思う何かがあったからだけれど、そうじゃない役を渡されたんだよね。だからその辺のリアリティが、福田さんのなかにはあるのかなと思ったときに、今、話しているようなことも、もしかしたら福田さんの手の中なのかなって。それとも偶然なのか。

平方:偶然性もあるかもね。

中川:それが福田さんの才能なのかも。

ーー呼び合ったのかもしれないですね。

中川:急激に共演が続いていますからね。

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さん=撮影・岩村美佳

■平方「(前回の共演後)中川晃教という人と、ちゃんと喋りたいと。終わった後も」

ーー前回の共演を経て、お互いについて改めて思ったことや、新しい発見などはありましたか?

平方:やっぱり中川晃教という人と、ちゃんと喋りたいと思った。役をやっていて、大人数が稽古場の板の上で芝居していて、それぞれが悩んでいる間では、彼は主演で、共演者やスタッフ全員のことを考えながらやらなければいけないなかで、僕のことは言えないし。「でも本当はさ、こういう風にやっても良かったかもしれないって、今なら思えるよね」という話をアッキーとはできるから、そういう話を、終わった後もしたくて。昨日、一昨日も、アッキーが本番中で忙しいのは知っていたんだけれど、『サムシング・ロッテン!』の歌稽古が終わって楽しくなっちゃって。

中川:着信があった。

平方:もちろん、本番中だから忙しいかなとは思ったんだけど、電話をかけちゃったんだよね。そのときは出られなかったけれど、あとでアッキーから留守電が入っていて。聞いたら歌ってるんだもん。すごく楽しい状況で受け止めてくれているんだったら良かったって。いろんな話がしたいと思った。

中川:だから元基ってすごいと思うよ。

ーー改めて、作品の見どころをみなさんに伝えて頂けますか。

中川:ナイジェルとニックが、今、置かれている自分たちの現実に対して立ち向かっていこうとするときに、それがもしかすると最善の手段ではなかったかもしれないと、後になって気づくことも、その時は気づかないことってあるじゃないですか。でも、そうやって立ち向かって行くところに、人ってその人間を応援したいなとか、憎めないなとか、何をこの人はいわんとしているのかもう一回耳を澄ませて聞いてみようかなとか、そういう誠実さや真剣さみたいなものが、今のミュージカルの世界のなかにも置き換えられるのかもしれないと思うんです。

この作品のなかでの兄弟は、純粋にお客様に感動や楽しさを届けていく、そのヒントが欲しいんですよね。それは何なのか。ひとりの人間として、自分たちと向き合ったときには、妻がいるし、好きな人がいる。でもそこには乗り越えなければならない、それぞれに壁があるわけですよ。一攫千金かもしれない、夢かもしれないけれど、お客さんを楽しませたい思いが核となっていて、それを実現するためには、例えば好きな人に悲しい思いをさせるとか、兄弟喧嘩が起こるとか、ある意味犠牲が必要だったりする。そのプライベートと、夢に向かっていくことの両方が、社会で生きている人間が誰しもが共感するものだと思うんですよね。それを夢として絵空事として終わらせないところに有言実行という言葉があったりする。ストーリー的には、今の時代にも通じる話だし、それをこのメンバーで上演する本気さがすごく面白い。特にタップは僕も西川さんもやっていますし、アンサンブルのタップも圧巻。ダンスも振付はすごくゴージャス。衣装もね。2018年の年の瀬に見るのはぴったりのコメディ。2019年の幕開けに見るにはとっても楽しいと思います。

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

■中川「ミュージカルがなぜこんなに楽しいのか、説得力を持たせられると思います」

中川:本当に今の僕たちがミュージカルのなかで経験してきていること、経験してきたこと、そういうものを含めてリアリティも持ちながら、ミュージカルというものがなぜこんなに楽しいのか、面白いのかまで含めて、説得力を持たせられると思います。だって、なぜこんなにも面白いミュージカルがのちに生まれてきたのか、ルネッサンスの時代から描かれている、その起源の話ですから。タイムスリップしてもしこの物語を最初から経験すると読み解いたならば、絶対にミュージカルを知っているお客様は面白いし、知らない方でも十分に普通の人間ドラマとして面白い。そして、もし初めてみた方がミュージカルに興味を持ってくれたら…。そういうものも含めてコメディに、全てを笑いに変えていく。本当に真剣に僕たちは、この物語のなかに生きているんだと思うんですよ。真剣に悩んで、真剣に苦しむ。そうやってサクセスしていくところにこの役のやりがいを感じていて、しかもその相手が元基くんなので、よりいっそう期待して頂きたいと思います。

平方:よろしくお願いします!

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

■中川「観にくるまでわからない、そういう爆弾を投げる」。平方「やったるぜい!」

中川:これだけのメンバーが一堂に会して、何がサムシング・ロッテンなのって、観にくるまでお客さんはわからないと思うんですよ。それは何っていう、ある部分アンチテーゼというか、お客さんにとっても未知の世界で、まさにミュージカルがそれでいいと思うんですよね。来なければ体験できない、体感しなければわからない。東京公演は国際フォーラムですが、帝国劇場に、シアタークリエに、宝塚によく通っているお客さんも、テレビを見ているお客さんも、この作品を通してミュージカルって面白いじゃんと思える、そういう爆弾を投げるには、これほどのメンバーはいないだろうと思います。

平方:怖いもん! この爆弾たち!

ーーどこに投げるかも想像できない感じですね。

平方:種類の違う爆弾だもんね。

中川:期待して頂きたいです!

平方:やったるぜい!

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

中川晃教さんと平方元基さん=撮影・岩村美佳

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“「僕たちはまだ30代。いい感じのバランスでやれる」、中川晃教&平方元基対談(下)” への 9 件のフィードバック

  1. Potato より:

    いつもまわりの人には優しく、自然体でフレンドリーに接していて、芯はものすごく男らしいし、これについてはこうあるべきだ、という確かな理念と自信を持っているお二人が大好きです。銀河鉄道999の鉄郎とハーロックがみつめあって言葉をかわす場面も、今回の「ロッテン」の最後の方で二人で一緒に歌う場面も、心の響きあい、お互いへの思いを強く感じてほんとうに感動しました。思い出すだけで胸が熱くなります。去年から今年にかけて3作も一緒の作品に出演されていて嬉しいです。今後も一緒に大きな作品を作っていってくださったらいいな、と願わずにはいられません。
    こちらのサイトのインタビューは、いつも通りいっぺんのことだけでなく、深くつっこんだインタビューで、とても今の気持ちやみなさんをとりまく空気を感じます。舞台を観に行く前に読んでいったので、より楽しんで観ることができました。これからも、目が離せません。
    これからもよろしくお願いします。

  2. のこ より:

    観劇前に無料部分の記事を拝見し、観劇後に「楽しかった!」という気持ちで有料会員となり、有料部分の記事も全て拝見しました。
    インタビューから色々なことがうかがえて、とても素敵な作品だったなぁと改めて思い返すことができました(^^)

  3. kei より:

    記事を読んでから観劇して、観劇後に記事を読み返したくなって読み直しました☆*゚
    舞台では、中川さんと平方さんが、兄弟として目に飛び込んできました。破天荒なニック、かわいいナイジェルの兄弟の相乗効果をこれからも楽しみたいです♪

  4. よっすぃ〜 より:

    いつも貴重なインタビューをありがとうございます。
    今回もお二人がこの作品に込めた思いを感じる事が出来ました。
    サムシングロッテンを観劇しつつ、また記事も何度も読み返したいと思います!

  5. Weeber より:

    サムシングロッテンを拝見してからこの記事を読むとわかることが多くて嬉しかったです。
    平方さんのおっしゃる、「素に近いアッキーのニックがキーになる」という意味も納得。
    お二人の舞台への取り組みの気持ちが伝わる記事を有難うございました。

  6. かい より:

    ideanewsいつも楽しく拝読しています。あっきーと元基さんの仲の良さや作品の面白さが行間から溢れ出ていて、サムシングロッテン益々楽しみになってきました。

  7. kei より:

    岩村さん、スタッフの皆様、
    いつも記事を楽しみにしております☆*゚
    平方さん中川さんの声が、記事の中から聞こえてきそうでした♪
    お二人のお互いを尊敬している様子や、作品に向けての思いなどを知ることが出来て嬉しかったです☆
    これからも楽しみにしております♪
    ロッテン観劇ポイントを見付けることが出来ました。有り難うございます♪

  8. KK より:

    前後編ともに和やかな仲良しツーショット写真と共に、お稽古中の試行錯誤から作品紹介まで有意義なインタビューをありがとうございます。

    真っさらな気持ちで初日を観たいな…と、敢えて下調べもしていないので、どんな爆弾が投下されるのか楽しみです!

    いつもながら、中川さん視点の作品を深く掘り下げた解釈を読むのが好きです。もうすぐ初日!ワクワクします。

  9. リナ より:

    (上)に続いて楽しく読ませていただきました!
    ミュージカルとあまり縁のない人を連れていく予定なので、人間ドラマとしても面白いというお言葉が頼もしく感じられました。
    爆弾、期待しています!

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