「母親役も毒を飲む役も初めて」、音楽劇『ハムレット』北翔海莉インタビュー(上)

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

2019年10月22日(火)に東京の天空劇場で開幕する音楽劇『ハムレット』ではハムレットの母・王妃ガートルード役を、2019年11月2日(土)から京都・博多・東京で上演される舞台『海の上のピアニスト』では天才男性ピアニスト・ノヴェチェント役を演じる北翔海莉さんにインタビューしました。上下に分けて、上では音楽劇『ハムレット』についての話を中心に、下では舞台『海の上のピアニスト』についての話を中心に、2日連続で掲載します。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

――まずは音楽劇『ハムレット』への出演を決められた理由を教えてください。

ハムレットは何年にもわたって世界各国で上演されてきている作品なので、みなさんのイメージもあると思うんです。私としては、今回の音楽劇『ハムレット』は藤間勘十郎先生が演出されるということが大きかったですね。先生だったらどういう演出になるんだろう。想像がつかない、普通ではない、常識的ではない舞台になるに違いない、と思ったんです。和物の先生が洋物にチャレンジするというところにものすごく惹かれて、それが出演の決め手になりました。

――予想がつかないだけに期待が高まりますね。

着物を着ない、三味線も使わない。でもすごくカブくものになると思います(笑)。お能の舞台も藤間勘十郎文芸シリーズも、『ふたり阿国』もそうなんですが、私は今年だけで6作品、先生とご一緒させていただいているんです。すべて着物を着ている中で、この『ハムレット』だけが洋装なので、さあどうなりますか、もう今から楽しみです。

――藤間勘十郎先生との最初の出会いは?

宝塚歌劇団を退団してから、お能の人間国宝の梅若玄祥先生の作品にチャレンジさせていただいたんですが、その間狂言の振り付け家の先生としてお会いしたのが最初でした。その後、先生のもとで『恐怖時代』で和物の七五調のセリフに挑戦したんですが、恐ろしく怖かったですね。できないと思いました。そのあとミュージカルの『ふたり阿国』や『怪談 牡丹灯籠』でもご一緒させていただきました。知識も引き出しもない状態で、それまでやったことのないものに挑戦する。自分の恥をさらすのがいつも藤間先生の前だったんです(笑)。なので私は0から宗家に育てていただいた、という感じですね。経験がないことをやるのは恐怖心が99%だけど、残りの1%のほうに楽しみと価値があると思っています。

――稽古場での先生は、どのような感じなのでしょうか。

先生は何をやってもうまい。作曲家としても振付家としても演出家としても役者としても、すべてにおいて才能が素晴らしい方です。知識も引き出しも豊富なのでアイデアが底知れず出てくるんです。私と同世代なのにこんなに違うのか!と思いますね。稽古場では「こういうバージョンがある、またはこんなバージョンもある」と何通りもいろいろなやり方を見せてくださる。日本舞踊がベースにあるからだと思いますが、女性を演じてもとにかく色っぽい。妖艶な感じもうぶな感じも素敵で本当に尊敬しています。

※アイデアニュース有料会員(月額450円)限定部分では、音楽劇『ハムレット』でハムレットを演じる韓国のアーティストのキム・ヨンソクさんについての話から、じつは北翔さんはK-POPや韓国ドラマにはまっていた時期があり、「韓国ドラマを体育座りで5時間見てぎっくり腰になった」ということもあったというお話など、インタビュー前半で伺った全文と写真を掲載しています。10月20日掲載予定のインタビュー「下」では、『海の上のピアニスト』についてのお話を中心に、コンサートや松竹新喜劇など今後の予定などについて話してくださったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■王妃ガートルードは悪女のイメージですが、台本をしっかり把握して…

■お父さんはやったことあったけど。イケメンの息子が生まれて喜ばしいかぎり

■当時は韓流スターにはまっていて、休演日は新大久保に行ってました(笑)

■私が和物もやるし、いろいろやるからでしょうね。役立つ出会いが多いんです

<音楽劇『ハムレット』>
【東京公演】2019年10月22日(火)~10月25日(金) 天空劇場(北千住 東京芸術センター21F)
音楽劇『ハムレット』公式サイト
https://artistjapan.co.jp/performance/hamlet/
東京芸術センター(天空劇場)
http://www.art-center.jp/tokyo/

<舞台『海の上のピアニスト』>
【京都公演】2019年11月2日(土) 京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/06/novecento_kyoto_20190613_f.jpg
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/06/novecento_kyoto_20190613_b.jpg
【福岡公演】2019年11月5日(火)~11月6日(水) 博多 電気ビル みらいホール
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/08/novecento_hakata_20190809_f.jpg
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/08/novecento_hakata_20190809_b.jpg
【東京公演】2019年11月13日(水)~11月15日(金) 天空劇場(北千住・東京芸術センター 21階)
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/03/novecento_tokyo_20190326.jpg
https://artistjapan.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/04/novecento_tokyo_20190408_2.jpg

<関連リンク>
北翔海莉公式サイト
https://hokushokairi.co.jp/

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北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

※ここから有料会員限定部分です。

■王妃ガートルードは悪女のイメージですが、台本をしっかり把握して…

――そんな先生のもとで、ハムレットの母親であるガートルードを演じるお気持ちは?

王妃ガートルードは「ハムレット」の中でも悪女のイメージが強い役柄ですよね。ですが、本当に悪かったのか、何も知らなかっただけなのか? 演出家が描きたいものによっても解釈が違ってくると思います。そのあたりは、台本に書かれていることをしっかり把握して演じたいですね。

――シェークスピアは初めてですか?

宝塚歌劇団に在籍していた時に1度出演したことがありました。私、2番目の役が好きなんです。今回でいうならオフェーリアではなくガートルード(笑)。やりたい役が来た!と思いました。歌劇団にいたときからそうなんですが、メインをサポートする役ほど演じていて面白いものはないんです。たとえば『カサブランカ』のルノーとか『蒲田行進曲』の階段落ちのヤスとか。座長として重量感を必要とする主役も演じましたが、2番目の役のやりがいもずっと経験してきたので、今回も「これは面白いことになりそうだ」と思いました。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

■お父さんはやったことあったけど。イケメンの息子が生まれて喜ばしいかぎり

――初めてのことはありますか?

私、今までお芝居の中で毒殺したことはあっても自分が毒を飲んだことはなかったんです。『恐怖時代』でも『ふたり阿国』でも“毒殺する女”だったので、今回はついにしっぺ返しがきたんだな、と(笑)。初めて毒を飲みます。あと、お父さん役はやったことがありましたが、お母さん役も初めてです。しかもこんなイケメンの息子が生まれて喜ばしいかぎりです(笑)。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

■当時は韓流スターにはまっていて、休演日は新大久保に行ってました(笑)

――ちなみにハムレットを演じるのは韓国のアーティストのキム・ヨンソクさんですが、K-POPにご興味は?

実は私、FTISLANDのイ・ホンギさんのファンだったんですよ(笑)。『美男<イケメン>ですね』がブームだった頃。イ・ホンギさんの歌を自分のディナーショーのアンコールで歌うくらいに。『いつか』という曲でしたね。ホンギさんは、日本語で歌うときの歌い方がすごくうまいんですよね。その当時の宙組は、みんなで韓流スターにはまっていて、休演日はいつも新大久保に行ってました(笑)。

――それは意外でした!

だけど今回、ヨンソクさんの前では言わないようにしようと思っています。たとえていうなら、香取慎吾さんの前で「私、V6の長野さんの追っかけでした」と言うみたいな感じじゃないですか?(笑)。あまり言わないほうがいいかなと思って(笑)。

――たとえが面白すぎます(笑)。ヨンソクさんはとても気さくなので、K-POPが好きと言われたら喜ぶと思いますが。

だったらいいのですが(笑)。あの時期は本当に韓流がマイブームでしたね。お休みの日に1日5時間くらい体育座りで韓国ドラマを見ていたんですが「あ、明日ゴミの日だ」って起き上がってゴミ袋持ってくしゃみをしたら、その拍子にぎっくり腰になってしまって! 「韓国ドラマを5時間見てぎっくり腰になった」なんて、恥ずかしくて人に言えない事件もありました(笑)。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

■私が和物もやるし、いろいろやるからでしょうね。役立つ出会いが多いんです

――それくらい韓流にハマってらしたんですね。今回の他の共演者の方々と面識は?

みなさん「はじめまして」です。ジャンルが違う方々も多いですし、すごく勉強になると思います。ルー大柴さんもいらっしゃるので稽古場が楽しみでしょうがないですね。どんな英語をしゃべられるのか(笑)。

――ジャンルが違う方とお仕事されるケースが多いですね。

そうですね。私自身が和物もミュージカルもやる、コンサートもあり、いろいろやるからでしょうね。だから現場で出会う方々がジャンル様々なんだと思います。『恐怖時代』で古今亭志ん輔さんにお目にかかって、そその後『蘭 ~緒方洪庵 浪華の事件帳~』で、浪華講の口上をしゃべることになったとき、志ん輔さんに、お稽古をつけてもらったんです。こういうセリフをもらったんだけど、どうやったら落語っぽく、「男はつらいよ」の渥美清さんの口上みたいに流暢にしゃべれるのか、教えてくださいと。こんなふうに、後に役立つ出会いが大変多いんですね。本当に貴重でありがたいな、と常々思っています。

――タカラヅカでトップも経験されている北翔さんは、カンパニーを引っ張っていくタイプなのでしょうか?

いえいえ、引っ張れないですね。みんなと一緒にあとからついて行くタイプです。(車の免許マニアなので)牽引車の免許は持ってますけど、そういう牽引は苦手です…(笑)。全然『ハムレット』じゃない話になっちゃいましたね、次いきましょうか(笑)。

北翔海莉さん=撮影・伊藤華織
北翔海莉さん=撮影・伊藤華織

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