2020年12月17日(木)から12月20日(日)まで、本多劇場で上演されるミュージカル『グッド・イブニング・スクール』に、音楽担当・出演で参加するオレノグラフィティさんにインタビューしました。このミュージカルは、原田優一さん、オレノグラフィティさん、小柳 心さん、鯨井康介さんの4人による新プロジェクト「PAT Company」初の作品。出演は、横田龍儀、中井智彦、黒沢ともよ、谷口ゆうな、オレノグラフィティ、小柳 心、鯨井康介、コング桑田のみなさん。演出は原田優一さん、音楽はオレノグラフィティさん、脚本は小柳 心さん、プロデューサーは鯨井康介さんです。
<ミュージカル『グッド・イブニング・スクール』ストーリー>
『生まれてから20年頑張れば、その後の80年順風満帆に過ごせる』。父からの厳格な教えを受けて育った若林(横田龍儀)は、父の教えの通り二十歳まで必死に生きた。そして父と同じ職である教師を目指し、名門進学校の教師となった。そこで出会った同僚の真田(黒沢ともよ)に淡い恋心を抱き、まさに順風満帆の第一歩を踏み出したのだが、ひとつだけ問題点が。「生徒が全員、年上だったのです」。赴任したのは有名進学校の中にある、定時制夜間クラス。通っているのは若林よりも年上で、一癖も二癖もある生徒たち。若林はそんな生徒たちに翻弄されるのだが、父に顔向け出来るよう教師の威厳を持って何とか生徒たちと対峙しようと試みる。努力が実って生徒の信頼を獲得した若林は、クラス評価を上げることに成功する。クラスがまとまり、若林も教師としての矜恃を持てたかに思えたその時、ふと電話がなった。その電話で若林が伝えられた事とは―――。
――「PAT Company」結成の経緯は?
今年(2020年)6月、小柳 心さんのYouTubeチャンネルに出演していた鯨井くんからLINEで、「小柳 心さんのYouTubeチャンネルやってるから、いまから出ない?」みたいな感じで呼ばれたんです。繋いでみたら原田優一さんもいらっしゃって、鯨井くんが「会わせたかったんだ。みんな僕の友達なんだ」みたいなことを言って、「この4人で何か舞台を創りたい」という話になったんです。僕は鯨井くんのことは全面的に信用していて、彼が面白いって言う人たちはきっと面白いし、彼が優しいと言う人はきっと優しい人だと思っているので、「ぜひやりましょう」って言ったら、「ちょっと電話するわ!」って電話したのがマーベラスさんだったらしくて。1週間後にマーベラスさんにみんなで行ったら「面白いからやっちゃいなよ」って言って下さって、「じゃあ、お願いします!」っていうのが配信のきっかけです。鯨井くんの速度が早すぎて、事情を知らされないまま新幹線に乗せられて気がついたら九州、みたいな感じ(笑)。
――新幹線並みのスピード感ですね。
僕は、わりと人見知りなんですけど、「なんだこれは!」って夢でも見てるんじゃなかろうかという感じでした。第1回目の放送の後に鯨井くんが「コロナ禍でお芝居が創れない状況だけどお芝居を創りたい。その布石を今、打っておきたい」と。「いつか必ずこの夜は明けるから、その日のために今できることをしたい」というお話をされたんです。その言葉があったので、第2回目からは、特急には乗っているけれど、目的地はわかっているから楽しいねという状況になりました。
――ユニット名は「PAT Company」という社名になり、ロゴ、社歌と進んで行きました。
ガワから入りたい、形から始まる人間が多かったんでしょうね。「バンドメンバー求む! 当方ベース」みたいなので集まった感覚があって、「ヨシ! 稽古やろうぜ」「イヤ、その前にバンド名決めようよ!」みたいな(笑)。劇場を押さえたら最初にチラシが要るからロゴを決めて、配信するから「オープニング曲創ってください」となったのは、第6回ぐらいの配信でした。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミュージカル『グッド・イブニング・スクール』が本多劇場で上演されることになった経緯や、鯨井さん、小柳さん、原田さんについてのお話などインタビュー前半で伺った内容の全文と写真を掲載しています。12月15日(火)掲載予定のインタビュー「下」では、稽古の様子などについてやミュージカルの楽曲を創ることについてのお話のほか、「劇団鹿殺し」卒業や新宿梁山泊『唐版 犬狼都市』出演などについても伺ったインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■本多劇場から「スピード感にしびれました」とお声がけをいただいて
■煮詰めている段階のプロットは配信できないので、別に講座をと
■鯨井くんは天真爛漫だけど頭のいい方。どこまで狙っていたのか
■小柳さんはオードリーの春日という感じ、原田さんは底が知れないタイプ
<ミュージカル『グッド・イブニング・スクール』>
【東京公演】2020年12月17日(木) ~ 12月20日(日) 本多劇場
公式サイト
https://www.marv.jp/special/pat_company/
<関連リンク>
PAT Company 公式 Twitter
https://twitter.com/stage_project_4
PAT Company 公式 YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCoezmdJTc9zQhm3H4b5JYkg
オレノグラフィティ公式 Web サイト
http://orenograffiti.com/
オレノグラフィティ Twitter
https://twitter.com/oreno_g
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■本多劇場から「スピード感にしびれました」とお声がけをいただいて
――第8回目の配信で、もう上演のお話になっていました。
本多劇場からSNSで僕に「配信を見ています」という連絡が来て、本多劇場グループの小劇場をパトカン(「PAT Company」の略称)のイベントとかで使いませんかというご提案をいただいたんです。その後、本多劇場の12月の枠がキャンセルで空いた時に「よかったらどうですか」と仰ってくださって、具体的な話を詰めさせていただきました。
――『DISTANCE』などで本多劇場さんに関わる機会があったからでしょうか?
実は、今年は本多劇場さんでずっと音楽に関わっていたんです。『DISTANCE』が2回と「KAKUTA」さんの『ひとよ』という作品と、ずっと本多さんとお付き合いがあって、それで僕の名前を思い出していただいたと思います。配信は第1回から見てくださっていて「スピード感に痺れました」というお話で。
――ものすごい勢いで物事が決まっていきますよね。
決める時は早いですね。
■煮詰めている段階のプロットは配信できないので、別に講座をと
――スタッフさん愛、劇場愛に溢れた回もありました。
演劇講座みたいだった時期は、分科会でプロットとかの話を煮詰めだした時期です。プロットを煮詰めている段階のものを配信には流せないので、別に講座を開こうという話になりました。間口を広げたいという思いもあったので。
――舞台に立たれている方とスタッフさんの肌感覚が感じられました。
あの手の話は、役者から話をする機会がなかなかないですから。ファン向けの配信になると、ディープな話よりサービス的なトークの方が多くなります。劇場の間口がどうだとかっていう話を、誰が喜ぶんだろうと思いながらやってましたけど、「またやってください」というお声もいただきました。
――客席の私たちも同じ土俵に上がらせてもらっていると感じました。
よかった、嬉しいです。僕ら自身が俳優をやりながら裏をやっている事もあって、両方を橋かけする人間が多いですから。やっぱり「PAT Company」は、皆さんと一緒に舞台を創るというテーマで、皆さんを社員として、僕らとともに演劇界を盛り上げていきましょうというのが一番の趣旨なんです。
■鯨井くんは天真爛漫だけど頭のいい方。どこまで狙っていたのか
――今回は、プロデューサー、音楽家、演出家、脚本家と、通常フライヤーにお名前だけが載る方々がドーンと前面に出ています。
面白いですよね、鯨井Pがどこまで考えてたのかなと。鯨井くんは天真爛漫な感じですけど、すごく頭のいい方なので、どこまで狙っていたのか。4人を集めた時点で意図はあったと思うんです。この4人がいれば、パッケージでひと舞台できるというのを、心くんのYoutubeチャンネルに出るときから考えたんだろうなと思っています。そしてその場で屋台骨のマーベラスさんに電話しちゃう。ホントにあの人は得体が知れないです(笑)。
――鯨井さんとは、長いお付き合いなんですか?
2010年に「Tシャツ寄席」というイベントがあって、そのイベントの時に鯨井くんと知り合いました。僕の名前を知ってくださっていたので「はじめまして。オレノです」って頭を下げたら、「やめてください! 僕の知ってるオレノさんはそんなんじゃないです!」って言われて(笑)。
――以前のインタビューで「挨拶したらがっかりされた」という話をされていましたが、鯨井さんだったんですね!
そうなんです。彼が「僕のオレノさんは、斜めからこうやって手を出してきて、ヨロシクって言うと思ってた。なに頭を下げてるんですか。やめてください! オレノ像が崩れる」って言われました(笑)。そこからの付き合いで、お互い呼ばれたことがない名前で呼び合いましょうということになって、僕は鯨井康介だから「クジコウ」って呼んで、彼は僕のことを本名で呼ぶんです。だから、たまに配信とかで僕の本名を言うことがあります(笑)。「鹿殺し」も見に来ていただいて、「感動しました」って翌日お母さんを連れて来てくださったり。「いつかご一緒したいね」と話していたんですけど、あれよあれよと、10年近くが経って。今回、配信の後「オレノさん、6月空いてますか?」って電話で急に言われて「空いてるけど、どうした?」「マーベラス行きますよ、これから」「すぐ行くの?」って。
――コロナ禍がなければ、「PAT Company」は存在しなかったかもしれませんね。
しなかったと思います。鯨井くんもいろんな舞台飛んだりして、僕も今年は5本くらい全部なくなりましたし。彼のご縁で繋がってきたという感じです。
■小柳さんはオードリーの春日という感じ、原田さんは底が知れないタイプ
――原田優一さんと小柳 心さんにお会いしたときの印象は?
小柳さんはもっといかつい方だと思ってたんですけど、会ってみると本当に「オードリー」の春日だなという感じで、声デカいしメチャメチャ陽気で「いいッすね! やりましょう、行きましょう!」って。まさに「イッケー!」の人なんです。
――配信でのご様子そのものなんですね。
まんまです。本当に陽気な方でムードメーカです。原田さんは僕と一緒で、初めはカベがあるタイプなのか、ちょっと距離がある感じがしました。すごく丁寧で、優しい方なんですけど、底が知れないタイプの方という印象でした。
――多くの時間を一緒に過ごされた今では?
昨日も分科会をしましたが、旧知の仲みたいなイメージです。
――配信とは別に行われている分科会には、どのくらいの時間を費やしていらっしゃるんですか?
プロット会議や音楽会議のときは、夜9時とかから集まって1時くらいまで4時間ぐらいやります。でも、本当に一番忙しい時でも週2回とかです。普段はほとんど会わずに、個別のLINEや、グループLINEでやりとりをしていて。昔のリーダーみたいに「顔を合わせなきゃ話が進まないんだよ」ということではなく、「ちょっとzoomで1回打ち合わせやろう」ってログインして、「あとはLINEで」ってササッと終わる。本当に今のリモートワークに適した、フットワークが軽いメンバーなんです。実際会って話すのは最終確認で「これでいきますよね?じゃあ行きましょう」みたいな感じです。ご自分の分野のことに関しては、徹底的に仕事されてて。
――仕事師がそろって、うまく噛み合ったメンバーですね。
だから、仕事がメチャメチャやりやすいです。
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