「『全力を注ぐ』と言うことが、きっと未来に繋がる」、甲斐翔真インタビュー（下）

2021年1月28日（木）から2月21日（日）まで東急シアターオーブで、3月2日（火）から3月11日（木）まで梅田芸術劇場メインホールで上演されるミュージカル『マリー・アントワネット』に出演する甲斐翔真さんのインタビュー、後半です。マリー・アントワネット役のおふたりと会った時の印象や、続投キャストの中に入っていくことについて、甲斐さんがミュージカルを好きになったきっかけ、今の状況について思うことなどについて伺いました。

ーーおふたりのマリー・アントワネットとは、お会いになりましたか？

会いました。「本物だ！」と思いました。僕は、前回公演のDVDも相当観ているので。マルグリットのおふたりもそうですし、ほかの続投キャストの方々全員に対してもです。

ーー「あそこにいた人たちが、本当にいる」みたいな？

それもありますし、本当にあの声なんだなと。歌稽古が始まったときも、大人数でアンサンブルの方もいらっしゃって、プリンシパルの方も全員揃っていたんです。その中で、フェルセンが歌う「マリー・アントワネット」という曲は冒頭じゃないですか。一番最初に歌ったんですが、ものすごく緊張しました。

ーー相当、緊張したでしょうね。

今日初めましてで、難しい曲で。僕が歌っている時に楽譜を見ているマリーのおふたりもいらっしゃるんです。「そんなに楽譜見ないで……」と思いました。間違っていたかなって。でも、それくらい好きです。

ーーおふたりのことが大好き？

そうなっちゃうくらい、おふたりのことがマリーにしか見えなくて。

ーー「本物だ」という感覚は、憧れみたいな感じですか？

美しいし、本当にマリー・アントワネットとして見てしまうというか。ふと見ているとマリー・アントワネットなんです。

ーーマリーにフェルセンとして対するのは、スムーズにいけそうな感じですか？

自分も本物にならなければいけないので、そこはちゃんとフェルセンとして向き合って、マリー・アントワネットのことを思いながら稽古していきたいと思います。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、続投キャストの中に新たに入っていくことについて、甲斐さんがミュージカルを好きになったきっかけ、今の状況について思うことなどについて話してくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載しています。

＜有料会員限定部分の小見出し＞

■今回は「好きな作品」だということが何よりのエネルギーになる

■『プリンス・オブ・ブロードウェイ』を観てミュージカルが好きに、ビリッと

■今の自分にできることを100%妥協しないで、時代に流されずにやる

＜ミュージカル『マリー・アントワネット』＞
【東京公演】2021年1月28日（木）～2月21日（日）　東急シアターオーブ
【大阪公演】2021年3月2日（火）～3月11日（木）　梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://www.tohostage.com/ma/

＜関連リンク＞
甲斐翔真公式ブログ　
https://lineblog.me/kai_shouma/
甲斐翔真｜アミューズWEBサイト　
https://www.amuse.co.jp/artist/A8774/
甲斐翔真Twitter　
https://twitter.com/kai_shouma
甲斐翔真Instagram　
https://www.instagram.com/kai_shouma/

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※ここから有料会員限定部分です。

■今回は「好きな作品」だということが何よりのエネルギーになる

ーー観ていた方とご一緒する経験は初めてですか？

今回は、歌稽古なのに、みんな出来ているんです。「もう出来上がってる！」と。耳が幸せでした。そういう意味では、初めての経験です。出来上がっているところに、新キャストで突っ込んでいくというのは結構なエネルギーがいりますが、心しています。

ーーエネルギーを上げるときの方法はあるんですか？

「好きな作品」だということが何よりのエネルギーになると思います。好きなことを仕事にできるというのは、何よりも嬉しいですし、何よりのガソリンじゃないかと思います。だから、恵まれているなと。この機会を大事にしたいです。

ーーぜひ、大事に。

「この人がフェルセンで良かったな」「新しいフェルセン像だな」と思っていただけたらいいですね。

■『プリンス・オブ・ブロードウェイ』を観てミュージカルが好きに、ビリッと

ーーキャスティング発表のときに湧きましたね。

だんだんと馴染めるようにしていきたいです。

ーーお名前にインパクトがありますよね。

寺脇（康文）さんによくフルネームで呼ばれていました。「甲斐翔真、甲斐翔真」って（笑）。

ーー（笑）。

リズム感が「甲斐翔真」って覚えやすいんですかね（笑）。よく「言いたくなる」って言われるんです。

ーー「真（まこと）を翔（かける）」って、すごいお名前だなって。

母が産んだあとに急に思いついたらしいですよ。

ーー降ってきたんですか？

はい。急にアイデアが生まれたらしいです。

ーー今、エネルギーを出さなければいけない状況だと思いますが、そういう今の状況と、お名前の「翔」という字がぴったりなのかなと。

翔（かけ）ているのかな。

ーー甲斐さんがミュージカルを好きになったきっかけは、何だったんですか？

僕は、4、5年前に、ラミン･カリムルーさん達が出演していた『プリンス・オブ・ブロードウェイ』を観たときに、「ミュージカルって、こんなにすごいの？」とびっくりして、そこでひとつ電気がビリッと走って。それから、いろいろな作品に触れていったんです。

■今の自分にできることを100%妥協しないで、時代に流されずにやる

ーー今、この目まぐるしい状況を、どんな気持ちで見ていますか？

本当にコロナのせいかもしれませんが、世の中が悪い流れじゃないですか。いろいろなことがあって、その流れを断ち切るというか、今の自分にできる100%を出すということが、次のいい時代への架け橋になるんじゃないかとは思っています。「今やっても、なんでもダメだよ」と思ってしまうと、何か先の光を閉ざしてしまう気がして。

今できる限りの素晴らしいことは絶対にあるし、人は生きていれば、きっといつでも感動することはできます。感動すれば、また違う視野が生まれるかもしれない。さっき言った通り、今の自分にできることを100%妥協しないで、時代に流されずにやる。流されて諦めてしまうというのは、もったいないなと思います。

今、この現時点でできることを積み重ねて、その毎日を積み重ねて、よりよい未来を作っていくしかないですよね。頑張らないと、いい流れはこないですから。

ーー進むしかない、という感じですね。

本当にエンタメはその最前線にいると思うので、僕らが挫けてはいけないと思いながらやっています。

ーー2021年は『マリー・アントワネット』から始まりますが、どんな風に未来を見ていますか？

去年の自分から見た今の自分も想像がつかなかったですし、きっと『マリー・アントワネット』に立っている僕の姿も、今の僕では想像がつかないので、想像がつかないところにいたいですね。今、想像できない場所にいることができたら、一番いい。「こうなりたい」というのはありますが、そうではなくて、もっと自分の予想外のところで。

ーー例えば、10年前の自分がこうなっているとは想像できないように。

そうです。常にそういうところにいたいです。

ーーそのためにも、今を全力で進む。

今も過去も未来も、「今」に過ぎないじゃないですか。だから、今を生きるしかないんです。『RENT』みたいに。本当に、今の時代って『RENT』なんですよね。過去も未来もなくて、今を生きるしかないですよね。だから、やっていて本当に意味のある作品だなと思いました。ほかの作品でも生きる瞬間がある。『RENT』をやっているときもそうですし、今向き合っている『マリー・アントワネット』もそうです。「全力を注ぐ」と言うことが、きっと未来に繋がる。言霊ですよね。言っていればそうなる。

ーーありがとうございました。楽しみにしています。

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